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灰色世界 −完結−
日時: 2011/02/18 22:12
名前: 鵺 (ID: DHMZtM4G)

 

  初めまして。
  鵺と申します。
  よろしくお願いします。

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Re: 灰色世界 ( No.10 )
日時: 2011/01/16 18:15
名前: 鵺 (ID: V1z6MgX2)




   ポアロンさん。コメントありがとうございます。
   とってもうれしいです!
   どうぞ、また来てください。
   これからも、よろしくお願いします。

Re: 灰色世界 ( No.11 )
日時: 2011/01/16 21:17
名前: 鵺 (ID: V1z6MgX2)

   あ、また。




   屋上の一件からだろうか、転校生とよく目が合うようになった。
   といっても、彼女がジッとこちらを見てるから私が前を向くと、必然的にそうなってしまう。(彼女の席は、私よりも             前にある。)


  (用件があるなら言えばいいのに・・・。)



   観察するのは好きだが、されるのは好きじゃない。むしろ不快だ。

   
   
   ジーッ
   


  (・・・・・・。)




   ガタッ




  「用があるなら、言って?」


  

   にっこり笑って言う。

   私は教室ではなるべく普通の女の子でいるようにしている。
   はぶられるのは避けたい。面白いことと面倒くさいことは違うからだ。


   

  
  「えっと、あの・・・似てるな、って・・・、思って・・・。」

   
    
   と、遠慮がちに転校生は言った。



  「・・・。何と、何が?」



  「私と、あなたが。」



   今度ははっきりと。






Re: 灰色世界 ( No.12 )
日時: 2011/01/18 21:55
名前: 鵺 (ID: 7IiFUJWO)



  「・・・どうして、そう思うの?」


   本当に純粋な疑問。
   私は自殺志望者じゃないし、失礼だが、彼女みたいに根暗じゃない。

   私の疑問に彼女は少し驚いたようだ。



  「分からない?」



   私は頷く。



  「あなたも、世界に失望してる。目がとてもつまらなそう。笑ってても、笑ってない。」




   あなたも、ってことは彼女自身そうなのだろう。






   彼女は少しうつむいて


  「私は、自分への失望のほうが大きい・・・けど。」


   と、つぶやいた。








Re: 灰色世界 ( No.13 )
日時: 2011/01/18 21:54
名前: 鵺 (ID: 7IiFUJWO)




  「私とあなたは似てる。」



   もう一度、転校生は確かめるように言った。



  「だから、あなた・・・遠藤さんに、話したいことがあるの。」

   そう言った彼女からは、転校してきた時のオドオドした、自信なさげな雰囲気は感じられなかった。



  「・・・面白い?」



  「きっと、・・・いや、絶対・・・・・・!」




   転校生はホッとしたような顔になった。


   ・・・彼女は勘違いしている。
   私は世界に失望していない。ただ、つまらないだけ。色がないだけ。失望とはまた、違うものだ。
   私に同族意識を持たないでほしい。





  「じゃあ、放課後・・・遠藤さんの家、行く、ね。」




   もう一つの彼女の勘違い。
   彼女は自分の話をすることで自分と゛似ている"私と仲良くなれると思っている。

   それはあり得ない。

   なぜなら、彼女の話が面白かったところで、彼女が私の観察対象になるだけだからだ。
   まして、友達になどはなりえない。




  「後でね。」




   面白くなければ、相手がどうなろうが関係ない。切り捨てるだけだ。


   当たり前でしょ?
   だって、自分に必要ないものは価値がないんだから。






Re: 灰色世界 ( No.14 )
日時: 2011/01/19 20:55
名前: 鵺 (ID: LOQQC9rM)




  「じゃあ、適当に座ってくれていいから。」

  「・・・うん。」



   放課後、転校生は私の家に来た。



  「・・・・・・あまりキョロキョロしないで。」

  「ごっ、ごめん・・・!」



   ソワソワして落ち着かない転校生。



  「お茶、飲む?」

  「あっ、り、がとう。」



   優しくされることに慣れてないのだろうか。
   少し驚いたようだ。

   どうぞ、と、お茶を差し出す。


  「早速本題に入るけど、」


  「・・・!」


  「話って、何?」



   転校生は視線を落とす。



  「あ、・・・簡単に言うと私、・・・私、死ねないんです・・・!!」



   ・・・・・・え?









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