ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 「死 人 花」
- 日時: 2011/02/08 18:36
- 名前: 霧雨柚乃 (ID: ezxnwr3m)
初めまして!(?)
霧雨柚乃と申しますwww
名前を変えて再出発な感じです
よろしくお願いしまーす
〜〜〜登場人物〜〜〜
鈴村家
・鈴村智影(すずむら ちかげ) 14歳 男
夏休みを両親の田舎で祖母と暮らすことになった少年。
勉強、運動共に普通レベル。
特技は円周率を2000桁まで言える事。
・鈴村春奈(すずむら はるな) 41歳 女
智影の母親。
・鈴村行雄(すずむら ゆきお) 43歳 男
智影の父親。
現在行方不明。
・鈴村千代(すずむら ちよ) 73歳 女
智影の祖母。
『杉野町の長』と呼ばれており、その名の通り町のことは何でも知っている。
料理がありえないくらい上手。
朝凪家
・朝凪杏奈(あさなぎ あんな) 14歳 女
智影の従姉弟。
活発で、運動が得意。特に水泳。
眼鏡を大量に持っており、その日の気分で変えている。
・朝凪祐介(あさなぎ ゆうすけ) 11歳 男
杏奈の弟。
天才ハッカー。しかしやっていることはクラッカー。
冷静沈着かつ頭が良い。
・朝凪唯子(あさなぎ ゆいこ) 17歳 女
朝凪家長女。
ひきこもりだが機械に詳しい。
その他の町民たち
・深淵寺愛(しんえんじ あい) 14歳 女
杏奈の親友。
成績は学年トップ。
・栗沢翔太(くりさわ しょうた) 14歳 男
杏奈のクラスメイト。
良い奴代表らしい。
・園崎連(そのざき れん) 14歳 男
杏奈のクラスメイト。
愛称レンレン。
・謎谷来子(なぞたに くるこ) 74歳 女
何処か不思議なおばあさん。
千代と仲が良い。
・浦木信哉(うらき しんや) 14歳 男
杏奈のクラスメイト。
学級委員長をしている。
・須藤燕(すどう つばめ) 14歳 男
杏奈のクラスメイト。
動物好きと名高い。
その他多数。
目次
プロローグ >>1
第一章 死人花 >>2 >>3 >>5 >>7
第二章 調査開始? >>8 >>9 >>10 >>11 朝凪唯子の部屋 −祐介− >>12
第三章 理由と酒盛り >>13 >>14 >>15 >>16 杉野町・柴森 −連− >>17
- Re: 「死 人 花」 ( No.10 )
- 日時: 2011/01/29 19:31
- 名前: 霧雨柚乃 (ID: M1RDs2BR)
午前9時30分。
“連”殺人事件調査本部(命名は翔太だ)のメンバーが朝凪家に集まった。
やっぱりと思うようなメンバーばっかだった。
まず、杏奈の親友で成績は学年トップの深淵寺愛。
そして学級委員長・浦木信哉。
最後に動物好きと名高い須藤燕。
この3人をオレ達とあわせて9人がメンバーだった。
愛と信哉はいいけど、燕はどうだろう。
調査に必要な存在とはいえない気がする。
そういうオレもだけど。
ああ、杏奈と唯子さんも。
「これで全員なのか?」
「うん。これで全員。皆にはもう電話で『謎谷さんに事情聴取に行きます』って言っといた!」
「杏奈、お前見かけによらず仕事早いな」
「えっへん!これがこの濃い青色メガネの効果なのです!」
「知らねぇけど」
杏奈がほっぺたを膨らませてすねる。
こういうときでもやっぱ可愛い。
そういや、唯子さんの顔まだ見た事無いけどどんな顔だろう。
この二人の姉貴だからきっと美人だろうなー。
「さ、みんな集まったな!」
「某有名子供向けアニメの冒頭部分みたいなことは言わなくて良いよ」
愛が翔太にビシッとツッコミを入れる。
「ひでぇな愛。いいじゃねーかバーカ」
「餓鬼が」
「ひでぇ!」
「漫才はいいので、謎谷さんの家に行きませんか」
「「・・・ハイ」」
優しめな声で二人をたしなめるように信哉が言うと、二人は素直にハイと言った。
「じゃ行くか!皆、道は知ってるよな」
「当然だよ」
ほわん、とした声で燕が返事をした。
燕の声は中性的で、一瞬男か女か分からなくなる。
でも顔は普通に細身の少年だ。
とにかくオレたちは集団で謎谷さんの家に向かった。
「なっぞたーにさーん!」
変な節を付けながら杏奈が呼び鈴を押す。
もう呼び鈴、押さなくていいだろ。
ピンポーン
やはりありふれた音がした。
が、中からは誰も現れない。
再度呼び鈴を押すが、やはり誰も出ては来なかった。
「留守・・・かなぁ」
愛が真面目な顔で言った。
「だろうね。多分、買い物にでも行ってるんじゃないかな」
これは祐介。
「チクショー!!!片道1kmだぞ!?なのに居ないってどーゆーことだよ!!!」
少々荒く言うのは翔太だ。
「仕方ないですよ。帰りましょう。また明日アポを取ってからにしましょう」
残念そうに信哉が言った。
仕方ない。留守なら。
ということで俺達はまた集団で朝凪家に戻った。
- Re: 「死 人 花」 ( No.11 )
- 日時: 2011/01/29 19:53
- 名前: 霧雨柚乃 (ID: M1RDs2BR)
朝凪家に戻って俺達は絶句した。
謎谷さんの用が分かったからだ。
というか謎谷さんを見かけたのだ。
———ばあちゃん家で。
ばあちゃんは謎谷さんと笑いながら玄関前でしゃべっていた。
勿論、ばあちゃん家と朝凪家は1mくらいの距離しかないから、それが見える。
「あのまま待っていたら謎谷さんにはすぐ会えたんだね・・・」
ぶすっとした顔をした燕が言う。
「いや、多分あえても死人花のことは聞けないよ。だってばあちゃんの前で聞くことになるし」
これはオレ。
「智影の言うとおりだよ。婆様に聞けないから謎谷さんに聞くんだからさ」
杏奈がもっともな事を言う。
こういうときにズバリと正論を吐くんだよな、杏奈って。
「皆、もう謎谷さんに死人花のことを聞くのは諦めたほうが良いよ」
「何で!?」
「謎谷さんはもう婆様に釘を刺されてる。ボクらが死人花のことを聞いても答えないように、って」
「どうして分かるんだよ祐介」
翔太の問いに祐介はフフ、と笑って
「監視カメラの映像を見た」
「「「「「「!!!!!!!!!?????????」」」」」」
再び沈黙。
皆もすげぇな祐介、と思うと同時に怖いな祐介、と思っているだろう。
「と言ってもこの監視カメラは唯子姉ちゃんが仕掛けたんだけどね」
前言撤回(前思撤回?)
唯子さん、すげぇな。
「な、なんかお前ら姉弟すげぇな」
「同・・・感・・・です・・・」
「ここまで来ると恐ろしくなるね」
「別に」
祐介は恐れおののいた感じの翔太・信哉・愛を軽く無視した。
「とにかく、コレ唯子姉ちゃんの手作りだから音声までは入ってない。でもほら、ココ」
パソコンのモニターを見る。
そこにはばあちゃんが謎谷さんに何かを耳打ちしたところが映っていた。
「唯子さんの手作りってトコもだけど、すごいわねこんな事出来るなんて」
「まあね。ボク、今から唯子姉ちゃんのトコに行って監視カメラ音声付を作って貰うように言ってくる」
「マジ!?」
「お姉ちゃんの所に行くの!?」
何かすごいことみたいになってるけど、唯子さんのいるところは家の2階なんだよな。
「うん、行く。多分作ってくれるから。カメラは多いほうがいいだろうし」
さすが、祐介とオレは心の中で何回も思った。
- Re: 「死 人 花」 ( No.12 )
- 日時: 2011/01/30 08:47
- 名前: 霧雨柚乃 (ID: MQ1NqBYl)
朝凪唯子の部屋 −祐介−
午前1時03分。
ボクは今、唯子姉ちゃんの部屋の前に来ている。
さっき皆に言ったとおり、監視カメラ音声付の作成を依頼するためだ。
杏奈姉ちゃんや母さんが行っても、多分唯子姉ちゃんは会わない。
だからボクが行くのだ。
正直、凄く嫌だけど。
二階の唯子姉ちゃんの部屋の前で深呼吸する。
そして、部屋の扉をノック。
6回しないと唯子姉ちゃんはボクにも会わない。
何故なら、ノックは6回と打ち合わせをして決めたからだ。
ボクと。
だから、6回。
コン、コン、コン。
ぎぃぃぃい、と音を立てて扉が開いた。
かなり古くなっているから、修理しないとだめだな。
「何だ」
目の下にクマが出来ている。
また昨日も夜遅くまで勉強、あるいはパソコンを使っていたのだろう。
いや、ボクのラノベを読んでいたかもしれない。
漫画っていう線もある。
今はそんなことどうでもいいか。
「依頼があって来たんだけど」
「嫌だ。帰れリア充」
リアルなことを言ったらすぐコレだ。
まあ、その分扱い易いけど。
「監視カメラに音声を付けてほしいんだ。というか音を録音できる機能を、かな」
とたんに唯子姉ちゃんの顔が明るくなった。
「やる。2、3日待て。もう開発が最終段階だからすぐ出来る」
「ありがと!」
本当に嬉しそうな顔を作って、ボクは言った。
こういう顔をしてもばれないように作り笑いの練習してるんだ。
今のはかなり効いただろう。
唯子姉ちゃんの顔がさらに明るくなった。
「じゃ、2、3日したら来い。ノックは6回だぞ」
「分かってるよ」
ボクは唯子姉ちゃんの部屋から出た。
- Re: 「死 人 花」 ( No.13 )
- 日時: 2011/01/30 09:09
- 名前: 霧雨柚乃 (ID: MQ1NqBYl)
第三章 理由と酒盛り
昨日・・・いや、今日か。
午前1時くらいに祐介が唯子さんの部屋に行って、監視カメラ録音機能付を依頼したらしい。
唯子さんの活動時間ってそんな遅いんだな。
祐介曰く、作ってくれるという。
しかも2、3日でだ。
凄いな。
オレ杉野町に来て『凄い』って何回言った?
「でも唯子姉ちゃんがOKしてくれるとは思わなかったなー」
アイスを食べながら杏奈が言った。
今日の眼鏡はオレンジと薄い赤だ。
すっごく活発になれるという(杏奈談)
「それにしても唯子さんってどんな人だ?」
オレ、生まれてから一度たりとも唯子さんに会ったことないんだよ。
あ、ちなみにオレはアイスじゃなくてカキ氷を食べている。
「うーん、変人?」
バッサリいいますね杏奈さん。
自分の姉ちゃんのこと“変人”言うか普通?
「というよりオタク?」
「もうちょい歯に衣着せろよ」
「ごめん無理。私もあの人のことよく知らないし」
家族だろーが。
「でも智影が会ったことないなら会いに行こうか今から」
「はい!?」
食ってたカキ氷を床に落としてしまった。
いきなりだったから、かなり慌てた。
「なにやってんの」
「ゴメン。すぐ拭くから」
「待ってて、タオル取ってくる」
杏奈が風呂場に走った。
ここの家のタオル、風呂場の前にあるんだ。
「どうしよ、コレ」
緑色のカキ氷が暑さでどんどん溶ける。
オレも溶けそうだよこの暑さ。
30秒くらいして杏奈が戻ってきた。
タオル2枚を持って。
「はいタオル」
「ありがと」
タオルを一枚受け取り、カキ氷を拭く。
杏奈はもう一枚を水で濡らしてから拭いた。
「じゃあオレ、風呂場に持っていくから」
杏奈のタオルを受け取り、風呂場に行く。
そして洗濯機の中に放り込んだ。
「?」
ふとこの部屋の隅を見る。
新聞紙が積まれているのはいつものことだ。
でも一番下に、すごく古いのがあった。
手を伸ばしてとる。
内容は・・・
62年前の殺人事件。
- Re: 「死 人 花」 ( No.14 )
- 日時: 2011/01/30 09:27
- 名前: 霧雨柚乃 (ID: MQ1NqBYl)
その新聞はすごく古くて、端っこにはカビが生えていた。
でも読まずにはいられなかった。
この事件は62年前に杉野町で起こった事件なのだ。
「杉野町笹竹で日野俊介(43)が何者かに殺害された・・・」
その俊介さんという人は、酷いやつだったらしい。
近所の家の犬猫を殺しまくり、他人から恐喝して現金を奪ったり。
だけどこの人はかなり怖い顔の巨漢だからだれも逆らえなかった。
そんな人が殺されたのだ。
皆喜んだだろうなぁ。
「というかコレ、皆に見せよ!」
オレは杏奈のとこに急いだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
何か昔の私達の罪をかぎまわっているヤツがいるようだ。
だが無駄だ。私達は正しいのだから。
それにもう警察沙汰にはならない。
私にはその確信があるのだ。
でも、少なからずあいつらに恐怖を与えなくては。
そうだ。
あいつを行方不明にしよう。
ああ、安心していい。
殺しはしない。
死ぬよりもいなくなったほうがより恐ろしいこともあるのだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
杏奈に頼んで、皆を呼んだ。
この新聞をみせるために。
「これがどーかしたのかよー」
関係ないだろ、と翔太が言った。
「いや、あると思いますよ」
「何でだよ」
「だってこの事件、ここで起きた事件なのでしょう?だから何か関係があるのかもしれません」
「いやいや・・・62年も前のことだぞ?」
「もしそんなに前のことを———そうですね。この事件の犯人の子供とかが誰かに知られて・・・とか」
ぞっくぅぅぅ。
信哉、真顔で言わないでくれ。怖い。
「もしかしたら脅されたりしたかも」
うなずきながら愛が言った。
「だけどそんな昔のこと、誰が気にするんだよー」
「翔太の言うとおりだよ。もう時効になってるよ」
確かに。燕が言うことは正しい。
でも何か関係があるとしたら。
それが連に関係していたら。
オレたちは一応だがこの事件を調べることにした。
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