ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— コメカモ-ン(^ω^)←
- 日時: 2011/06/12 10:57
- 名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: RL/GZM5J)
クリック有難う御座います。
初投稿の瀬蒼です。
先に言って置きますが駄文です。
それを承知した上でお進みくださいw
*ちゅういがき*
・前フリ長ったらしい アリエネー
・更新不定期 亀と同レベル、いや亀以下…
・THE誤字脱字パラダイス
・血がどばどば どくどく
・刃物拳銃、魔法ブッ放してバトります
・荒らしさん 嵐でも駄目ですよ?
・誹謗中傷的発言
・チェンメ載せちゃおう!
・コイツが書く小説無理! てか嫌い!
無理&当てはまった? では即Uターン願います
全て「だいじょぶっ おっけいだにゅん!」
な方はどうぞこのままお進みください。
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織坂 琉玖 ♂ 十七歳 【Orizaka ruku】
「平凡」を愛する何処にでもいる現役高校生。
長い黒髪を軽く結い、淡いエメラルドグリーンの瞳。
目が良く、両目とも視力4.2。運動神経も上の下。
血が駄目で、見てしまったり臭いを嗅いだりすると発作が起きる。
原因不明の昏睡状態に陥り、無理矢理「GAME」に参加させられる。
高城 広菜 ♀ 十七歳 【Takazyou hirona】
ゲーム大好きオタク。 琉玖の幼馴染。
橙に近い茶髪を頭のてっぺんって結びパイナップルの様な髪型、
健康的に焼けた肌に大きな瞳という美少女。
馬鹿な性格で周りをよく和ませるクラスの人気者。
運動神経は中の下、成績も中の下。
朝露 澪紅 ♀ 十六歳 【Asatsuyu miku】
自称、「殺し屋」平気で人を殺す。
無表情、無感情、無口という無三拍子揃っている。
栗色のセミロングに黄金に光る瞳。
白い雪の様な肌に唇と頬は桜のような桃色。
とても美少女だが、見た者全てが恐怖を覚える。
いつもフードを被っていて、すべてが謎に包まれている。
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自己紹介【>>0】 オリキャラ用紙【>>16】締め切りました
プロローグ【>>1】
序章 —「平凡」—
01【>>2】05【>>6】
02【>>3】06【>>7】
03【>>4】07【>>8】
04【>>5】
第一章 —「始まり」—
08【>>9】 12【>>13】
09【>>10】 13【>>14】
10【>>11】 14【>>15】
11【>>12】 15【>>19】
第二章 —「殺し合い」—
16【>>35】
17【>>36】
18【>>37】
19【>>40】
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オリキャラ
ヴィオラ様作 「波兎 狸」「小山 餡子」【>>17】【>>27】
蒼緋様作 「刻座 紗李」 【>>20】
Neon様作 「九条 粟生」 【>>21】
更紗蓮華様作 「夕月 かなめ」 【>>22】
ネズミ様作 「悪原 霊亜」「夜露 蒼牙」【>>23】【>>25】
パーセンター様作 「砂塵 群青」「稀有 乙姫」【>>26】【>>32】
千臥様 「鷹雛 灯炉」 【>>29】
月夜の救世主様 「空野 蒼璃」「大友 悠夜」 【>>31】
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☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
最近の出来事*
3月26日 参照200突破
更新速度*
超鈍足。 なんか同じ所で足踏みしてるような←
☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
- Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— オリキャラ募集中* ( No.34 )
- 日時: 2011/03/26 18:17
- 名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: FzVK5xRK)
月夜の救世主様
おおおオリキャラを2人ももももm(黙れ
有難う御座います!2人とも必ず使わせて頂きます^^
パーセンター様
2人目わざわざ投稿して頂き有難うございます^^
全然腐ってないですよう! 寧ろ私が腐敗してますんで!
大切に使わせて頂きます^^
それとこれでオリキャラ募集締め切りとさせて頂きます。
たくさん募集して下さった方本当に有難うございました^^
- Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— 参照200突破…ッ!? ( No.35 )
- 日時: 2011/03/27 12:40
- 名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: FzVK5xRK)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=16494
俺は織坂 琉玖。 17歳の高校生だ。
平凡を愛して、今も平凡の日々を送っている。
…はずだった。
ひとつのゲームをクリアすると同時に変な所で閉じ込められるし、
死にかけたと思いきや左手は動かなくなるわ。
いきなり変な廃墟の町に連れて来られて、拳銃を持たされ。
更には殺し屋と名乗る美少女と此処で、「殺し合い」を始めるらしい。
…有り得ないだろ? 俺もまだこの事を信じ切れてない。
まだ殺し合いとやらがどんな物というのもまだ良くわからない。
「はあ、早くしてくださいよマスター」
この美少女が、自称殺し屋の朝露 澪紅。
ダボダボパーカーにジーパン、スニーカーというシンプルな服に身を包んでいる。
髪の毛はあまり手入れが行き届いてないボサボサ感、切りそろえられてない栗色のセミロングの頭の上には
いつも深く被っているフード。
真っ白な白磁の様な肌を彩るのは、黄金の瞳に程よい色に染まった桃色の唇と頬。
髪の毛の事を引いてもかなりの美少女だ。
だが殺し屋特有と言うのか、身が竦む様な恐怖感がするんだ。
まあ殺し屋は初めて見たんだが。
平気で眉ひとつ動かさず人を殺すようなやつだ。 あまり関わりたくはないがな。
「へーへー」
気の抜けた返事をし、先頭を歩いていく澪紅の後をついていく。
今は何をしているのかというとまあ、簡単に言うと『物色』である。
澪紅によると「これから食料に困る」と言うらしいのでこんな無駄に広い廃墟の建物を回っているのである。
この廃墟に食料なんてあるのか?とか思ったやつ、その通りだ。
ただ埃っぽい空気と何もない空間だけが広がっているだけなのだ。
たまに瓦礫が積まれてたり、木屑があるぐらいだ。
それでも意味ない廃墟回りを続けるだけだった。
「なあ、何時まで続けるんだよ」
いい加減足が疲れてきた俺は文句と言う。こっちなんかは左手が動かない状態なんだからな。
だが澪紅はずんずん先に行ってしまい俺の事はガン無視。
「おい 聞いてるのか」
負けじと俺もスピードを上げつつもう一度不平を言う。
だが聞く耳を持たず無表情で無視。
絶対意図的に無視してやがるなこいつ。
「いい加減話聞けよ」
歩いて行こうとした澪紅の手を掴む。
澪紅の細い手は俺の手の中にすっぽり収まってしまう。
「…何ですか」
嫌そうに— 否、とても嫌そうに整った顔を歪めて振り向く。
そして振り向き際にぎろ、と睨みを効かす。
お、俺にそんなに手握られるのが嫌なのかよ。ちょっと傷付くんだけど。
「だ、だから何時までこの廃墟回り続けるんだよ」
怖じ気づきながらさっき聞いた事と同じ事を聞き返す。
するとはあッと溜息をついて面倒そうに喋り出す。
「いちいちそんな用件で呼ばないでください。こっちは忙しいんですから」
「はあ?そんな事って何だよ」
ちょっとイラっと来てしまった俺が言い返すと
「何か勘違いしている様ですが、私達の生死に関わる食料を探しているんですよ。見つかるまでです」
「見つかるまで…って」
「この際言っておきますが、マスターの目の良さだけを買って仲間にしているだけです。これから以上に馴れ馴れしくしないでください。
あと役に立たなかったらすぐ消しますから。食料の無駄、銃弾の無駄ですので」
バッ、と腕を振り払い、踵を返して行ってしまう。
なんていうヤツだ。 役に立たなかったら消す、か。
恐ろしいな。だがあいつなら本当に実行しかねないので、はぁーと溜息をついて早足で付いていく俺であった。
- Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— 参照200突破…ッ!? ( No.36 )
- 日時: 2011/03/27 17:49
- 名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: FzVK5xRK)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
パチパチッ
目の前の焚火が火の粉を上げて弾ける音がする。
暗闇に浮かび上がる轟々と燃え盛る焔。
その焚火を挟む様に座っているのは俺と澪紅。
この埃っぽい空気の中に気まずい空気が混ざる。
澪紅は何処見てるんだか、何もない虚空を見つめている。
はっきり言うと不気味だ。
…よし、どうしてこうなってるのか順に追って説明しよう。
澪紅にはっきり言われてからは気まずさもあってか一言も話し掛けなかった。
そのまま廃墟巡りは続いたが、元から薄暗かった紫色の空は闇の如く漆黒に包まれ血を連想させる真っ赤な月が上った。
少しずつ姿を現す星も紅かった。
恐ろしい空を見上げながら無言でついていくと澪紅は1つの廃墟に入っていた。
…まだ探すのかよ、と俺が脱力していると。
その廃墟の真ん中にすとん、と小さい尻を落とす。
廃墟巡りで小枝等、拾っていたものをざらざらーとその場に置く。
何をするつもりだ?とその様子をまじまじと見つめていると
そのままポケットから小型ライターを取出しカチッと火をつける。
乾燥していた小枝は直ぐに引火し、大きな炎となって燃え始める。
そして澪紅は俺に「座れば?」みたいな視線送って顎で自分の向かいを示す。
今だ状況が飲み込めてない俺は頭上に「?」マークを浮かべながらもその焚火に近づき澪紅の向かいに座る。
とそういう訳で冒頭に繋がるわけだ。
全ッ然分からない。此奴の意図が。何を考えてるのさえもわからねえ。
「はい」
といきなり無表情でスッと音もなく俺に何か差し出して来た。
白魚の様な細く長い指に握られているのは、缶詰…?
「今日の夜ご飯です。 さっさと食べてください」
ずい、と淡々と言い放ってさらに缶詰を突き出して来た。
「お、おう」
いつの間にか温かくなっている缶詰を受け取る。蓋は既に開けてあった。
この火で温めたのだろうか。考え事してる間にか?
ていうか食料あったのかよ。
「食い物あったのか」
思ったことそのまま口に出すと自分の分の缶詰を開けている最中の澪紅に問い掛ける。
「一応、私の食料を使いました。 食料も尽きるのが時間の問題ですけど」
棒読みな感じで言い放つとぱきっと蓋をへし折る。
蓋を其処ら辺に置いて缶を開ける為の金属についている輪にジャラジャラとした金属が下げられている。
そのジャラジャラの中から何かを探しているようだった。
「…何だよそれ?」
「十徳ツールです。 ナイフや缶詰開けなどスプーンなども付いてます」
俺に金属のジャラジャラを見せてくる。確かに良く見ればスプーンやらナイフやらが付いている。
俺にスプーンを渡しながら説明してくれる。
でもさ思ったが、こういうサバイバル?みたいのに此奴慣れてるような気がするな。
じゃないと缶詰やらツールなんか普通持ってないだろ。
…殺し屋だからこういう状況とか良くあるのかな。
と、殺し屋で思い出したがその「殺し合い」だかについて聞きたかったことを聞くか。
「あの、重要な事で聞きたい事があるんだけど」
と缶詰の中の鯖を突きながら澪紅に炎越しに話し掛ける。
今まさに食べようと鯖を口を開けた瞬間に、俺が話し掛けたもんだからピタ、と止まってしまう。
ちょっと間抜けな面だってんで少しぷっ、と吹き出してしまう。
「…何ですか」
「あ、ああ悪い悪い。 ちょっとその『殺し合い』とやらで聞きたいんだが。食べながらでいいから」
ちょっと怒った様な顔から『殺し合い』の単語を聞くと少し神妙な面持ちになる。
でもほとんど無表情には変わりはないけどな。
「その『殺し合い』というのは分かったんだが、それは何時まで続けるんだ?」
「それは分かっていません。 本部から聞いた話では連絡を待ってろと待機命令しか頂かなかったので」
「本部… というと?」
「殺し屋の上の方、私の上司に当たる方です。 その人からの命令なので私は此処に連れてこられてるんです」
へえ、殺し屋に上司とかいるんだ。 組織みたいなもんなんだな。
じゃなくて、ゲームをクリアしてないのに此処に来てるのか?
ま、ますますこのことに謎が深まった。
「じゃあ、どうやって此処に来たんだよ?」
「このゲームの製作会社とやらに連れて来られて大きいカプセルの様な物に入れられて気が付いたら此処にいました。
殺し屋としての技術を磨く為とかだとあの人は言ってましたけど」
だから瓦礫から這い出てきたときそんな様な事言ってたんだな。
てか殺しの技術磨いちゃ駄目だろう。 まあそれが仕事なんだろうけどさ。
鯖を一口食べながら喋り出す。
「ゲームだから何もしていいとも言われましたね。 帰り方はまた連絡する、とだけ言ってました。
今気が付けば、此処に来て連絡なんて出来る訳ないですのにね」
その上司とやらも無責任だな。どうせ一人で何とかやれってことなんだろうけどな。
「では私はもう寝ますので。 いつまでも起きていると寝不足に落ちって朝は体調不良に陥りますので」
カラン、と缶詰の缶をフォークと共に脇に置いて立ち上がる。
早いな、殺し屋ってのはそんな早く寝るんかよ?
寝不足で朝は眠くて体調不良って… 徹底してるなあ。
「あとマスターは起きてて敵の襲撃に備えていてくださいね」
「は? 意味わかんねーよ」
「だから、もし私達が寝ている時に誰か襲撃して来たらどうするんですいか。そのまま殺されますよ」
本当、徹底ぶりだな! つまり俺に徹夜しろってかっ?
俺だってそんなことしたら寝不足で体調不良になるぞ!
「もし誰か来たら急いで起こしてくださいね。ではお休みなさい」
澪紅が俺に有無を言わせないで背を向けてコンクリートに横になってしまう。
その時丁度焚火の火が消えて真っ暗の闇に包まれてしまう。
唯一は壊れた窓から入ってくる真っ赤な月の光だった。
「はぁ・・・」
と溜息をつく。 もうヤケだ。朝まで起きてやるよ。
どうせこんな直ぐ眠くなんねえしな。
柱に背を預けながらもう一度はあ…と溜息をつくだった。
- Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— 参照200突破…ッ!? ( No.37 )
- 日時: 2011/03/29 01:56
- 名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: FzVK5xRK)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
徹夜して何時間経っただろうか。
今だに俺は来るはずのない襲撃の為に起きていた。
「んぁ…」
小さく喘いでころん、と澪紅が寝返りを打つ。
愛らしい寝顔が、紅い月の光に照らされて此方に向けられる。
やっぱり、可愛いな。美少女ってこともあって。
澪紅はくーくーと規則正しい寝息を立てる。
殺し屋だとは思えない、年相応の顔だ。
「くあ…」
と澪紅の寝顔を見てつい、欠伸が漏れる。
瞼が自然に重くなり身体全体にだるさがある。
今日はずっと歩き続けたせいか、余計に眠いらしい。
てか今日一日歩き回ったのに誰にも会わなかったんだから真夜中に来る訳ないだろうが…
何だか色々口で丸め込まれた様な気が今更して来た。
畜生、自分だけ幸せそうに寝やがって。
襲ってくる睡魔に抗いながら、ぶつぶつと文句を垂れていると——
「……−?」
「———」
廃墟の外からか——誰かの話声が聞こえたような気が、した。
俺の幻聴か、と思って重たい瞼を開けながら夜目が効く俺がじろっと声をした方向を見る。
すると暗闇に浮かび上がる—誰かの紅い眼が一瞬、此方を向いた。
俺とほんの一瞬、目があった。
人だ。 しかも2人居る。
息を潜めて此処を通り過ぎてくれるのを待っていたが—
ジャリ、と靴を踏み鳴らしてしかもこの廃墟に入ってきた。
「澪紅!」
俺は立ち上がると同時に澪紅の名を呼ぶ。
するとさっきまでは規則正しい寝息を立てていたとは思えない俊敏さでバッ!と勢い良く立ち上がる。
すると左手で拳銃を抜いて素早く構えると、ばきゅばきゅ!!といきなり発砲してしまう。
だが澪紅が発砲した銃弾はキィン!と紅い月に怪しく照らされたギラリとした刃に跳ね返されてしまう。
紅い眼をした刃の持ち主はぶぅん、と刃を横薙ぐ。
ギラリと怪しく光る刃が澪紅の横腹に迫る。
澪紅は動じず軽く飛躍し、横薙ぎを見送る。
ザザッと砂埃を立てリーチ的に刃が届かない位置に着地すると
此方は届く拳銃で発砲しようとすると澪紅の後ろから迫る影が——
ぐるっと澪紅が振り向く勢いに任せて回し蹴りを繰り出す。
澪紅の後ろにいた人物は斬ろうとしたのか、持っていた剣での柄で澪紅の足を防ぐ。
すると剣を握っていない方の手から、有り得ないことに燃える小さな炎球が発生する。
その炎球に照らされたお蔭でその人物が見える。
艶やかな肩より少し長い黒髪、右のほうに紅いスカーフをつけている。
服は漆黒の黒でリボンとスカートは紅かった。
制服のような服に身を包んだ少女だった。
身長は澪紅より少し大きい位か。
その炎球を目の前に足を抑えられた状態の澪紅は吃驚して、少し目を見開いた澪紅に
その炎球を投げつけるが、澪紅はひるまずバック転のようにぐるっと一回転する。
何処にも当たらなかった炎球は壁に当たり、ジュっと短い音を立てて消えてしまう。
ついでにその少女の顎蹴りをするが身体を反らされてかわされてしまう。
そして着地したと同時に迫っていたデカい刃の持ち主が澪紅に向かって、デカい刃を振り下ろす。
澪紅は左手に握っていたままの拳銃で刃と切り結ぶ。
ギィン!と金属同士が擦れ合うような耳障りな音が響いて、に火花が散る。
名のように暗闇に火の花が咲いたようだった。
するともう一度炎球を持った少女がバッ、と天井に向けて炎球を放つ。
ひゅんっと天上にぶつかったかと思うとパッ!
灯りが灯ったようにこの部屋が明るくなった。
いきなりの光に予想していなかったのか澪紅はきゅっと身体を一度縮こませてもらう。
俺も一度萎縮してしまうが目を細めながら相手の姿を確認する。
童顔の少年でクリーム色のショートカットで頭のてっぺんに触覚のような髪がちょこんとたっている。
右目が灰色で左目が紅いオッドアイ。
こちらも制服風の服を着ており、首には十字架のようなネックレスがかけられていた。
「ちょっちょっと 待って!」
その童顔の少年は慌てた様な様子で鎌を下す。
澪紅は今だに少年に拳銃を向けたままだったが。
少年は両手を上げながら話し続ける。
「ぼっ僕はそんな戦うつもりなんてないんだよっ」
びくびくした様子で澪紅に訴え続ける。
その様子で「問題ない」と判断したのか、澪紅は向けていた拳銃をやっと下ろす。
「私達は誰かいるのかなって思ったから覗いただけだったんだけど…」
背後にいた少女が喋りかける。至って冷静でにこっと笑う。
「そしたら誰か居るようだったから話を聞いてみようかって入ったら、びっくりしちゃって」
えへ、と少女は笑う。と言うことは俺達の勘違いってことだったのか?
話を聞いた澪紅はじろり、と俺を睨む。
お、俺のせいかよ? まあ俺は「澪紅!」って叫んだけどさ。
てかそうしろって言ったのはお前だろ、という言葉は飲み込んだ。
「私は刻座 紗季。 よろしくね」
にこっと優しい笑みで笑う紗季。 誰かさんにもこういう挨拶の仕方見習ってほしいな。
「あ、僕は波兎 狸って言うんだ。 よろしくね」
こちらの少年も友好的に挨拶する。
澪紅に握手求めてるぞ。 どんだけお人よしなんだよ。さっきまで拳銃向けられてたってのに。
「…朝露 澪紅です」
「織坂 琉玖だ」
一応此方も名乗っておく。 ついでに言うと狸の握手なんてガン無視だ。ちゃきっと拳銃を仕舞う。
「そっかあ、澪紅ちゃんね。 よろしくね!」
紗季はにこっと笑いかける。
澪紅は自分も笑いかけるでもなく無視するでもなく少し会釈するぐらいだった。
狸は俺に近づいてきてよろしくねぇとスマイルを向けてくる。
「で、貴方達は何の話を聞こうと?」
ほんわかした空気をぶち壊すかのように澪紅が切り出す。
「あ、そういう事何だけど、ここが何処かまだ良くわかんなくて…何か知ってる?」
紗季が友好的に話し掛ける。結構懲りないやつだな。
と澪紅は俺にした話と全く同じ事を説明し始めた。
「ふーん、それで2人一緒に行動してるんだぁ」
話を聞いて澪紅と俺を指さす。
ていうかよく納得したな。 この意味が分からない「殺し合い」とやら。
「あ、じゃあさ。 私達も仲間に入れてくれない?」
「だねっ 僕達だけだと不安だし。君達が居てくれると安心出来るんだけど…」
殺し合いで安心も何もないと思うが。
そして澪紅は少し、考える様な仕草をして呟く。
「…勝手にしてください」
さっき自分と戦い、まあ使えるとかでも判断したのだろうか。素直じゃないやつだな。
「ありがとう! じゃ改めてよろしくね」
と制服二人組はにこーっと笑うのだった。
あんなに澪紅に邪険にされてたのに懲りないな。
俺は「おう」とだけ返してやった。
- Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃—コメカモ-ン(^ω^)← ( No.38 )
- 日時: 2011/03/29 05:52
- 名前: 更紗蓮華 (ID: lNJ.MCVY)
コメ募集とききました。更紗蓮華です。
琉玖くん、早とちりですか?
襲われた方は、いい迷惑でしょうねえ……。
優しい2人でよかったというか、なんというか。
……瀬蒼さんって、ホント素敵な文章書きますよね。
どこをとってもいい意味で濃い文章。
戦闘シーンは臨場感あふれていて。
ホント、あこがれちゃいますよ。見本にしてもいいですか?
では、更新頑張ってください。
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