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紅色チェリー
日時: 2011/02/12 12:23
名前: 檻月 ミシン (ID: STEmBwbT)

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初めまして。 檻月 ミシン、『オリツキ ミシン』と言います。
題名、ちょっと可愛いっぽいけれど、内容……、内容どうなんでしょう。
グロ描写、ありです。


・登場人物・


僕/なっくん・なつ
        17歳 この物語のつっこみ担当。 
        幼なじみの中で一番常識人。   「僕はキミの味方で、世界の敵だ」      


アカシ
明石 ヒヨリ
        17歳 幼なじみの間でかなり大切にされている。
        口下手で話すのが苦手だが、かなり攻撃的。
「好きな人は少し。 嫌いな人はたーくさん」

ヤマカゲ イチノスケ
山影 一乃助
        18歳 幼なじみの中で一番年上。 寡黙。
        皮膚の病気のため、包帯を体中に巻いている。
「綺麗な奴は嫌いだけど、ヒヨリは好きだ」

シイナ
椎名 ノゾミ
        18歳 穏やかな性格で、変な所でツボる。
        ヒヨリの事だけを思っており、後は興味ない。
「私は、ヒヨリの血肉でさえ愛します」

ミトガワ キセキ
水戸川 奇跡

        32歳 刑事歴10年 6年前に4人と知り合う。
        どこか馴れ馴れしい性格
「浅い呼吸でも、生きてはいけますよ」

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Re: 紅色チェリー ( No.12 )
日時: 2011/02/11 11:49
名前: 檻月ミシン (ID: STEmBwbT)




               ◇




少女にとっての世界は、限りなく狭いものだった。
狭く、深いものだった。
彼女が見ているものは、ある3人の少年だった。 少年たちだけが、彼女を護ってくれる唯一の存在だった。

少女は表情をまったく変えず、窓から外を見る。
夕焼けが斑色になり、濁った空模様となっていた。 少女はそれらを無感動を見つめ、

「えへへへっへへへへへっへへへへ」

制御できなくなった自らの感情を、表に出した。
不安定な笑い。 
少女は笑いながら、悪夢を必死で忘れようとしていた。

Re: 紅色チェリー ( No.13 )
日時: 2011/02/11 12:34
名前: 檻月ミシン (ID: STEmBwbT)




             2章
            『悪夢』



「入学式なのになんでお前らここに居るんだよ」

朝。
もう高校の入学式は終わっている時間に、僕は眠りから覚めた。 ぼやける視界が徐々にハッキリして、目の前にノゾミが居る事を確認する。

「ノゾミが居るっぽい」
「居るっぽいじゃなくて、居るんですけどね。 実際に」

あ、ノゾミだ。 
起きると、一乃助が迷惑そうにしている。

「お前ら俺の家にズカズカ入りこんできて何様だよ」
「とか言ってますけど、私がいないと貴方の生活が成り立たないじゃないですか」

図星だ。 一乃助はノゾミが居ないと何もできない。

「今日はヒヨリが珍しく学校に行かないって言うんだ。 だから、中止」
「あっそうかよ。 今ヒヨリは?」
「寝てる」

自分の家で。 スヤスヤと。

Re: 紅色チェリー ( No.14 )
日時: 2011/02/12 10:48
名前: リアル (ID: STEmBwbT)

悪夢っていうのが気になります。
昔の4人って、どんな人だったんだろ

Re: 紅色チェリー ( No.15 )
日時: 2011/02/12 11:20
名前: 檻月ミシン (ID: STEmBwbT)

昔の4人ですか……、出せたらいいなぁ。

Re: 紅色チェリー ( No.16 )
日時: 2011/02/12 12:10
名前: 檻月ミシン (ID: STEmBwbT)

ヒヨリにとって、睡眠は現実を忘れる事のできる唯一の方法だ。
現実ほどヒヨリを殺すものはない。 いつだって、冷たくて残酷だ。

「あの調子だと今日は起きませんね」
「現実逃避してるからな」
「まあ……そうともいいますけど」

ノゾミが嫌そうに顔をしかめる。 現実逃避、という言葉が悪かったか。

「ああ、そういやお前らがガッコに行ってる時によ。 刑事が来た」
「は?」 「はい?」

僕とノゾミの声が重なった。
いやいや、それよりもそんなことよりも。 刑事?

「何の用でだよ」 
「明石ヒヨリは記憶を取り戻しましたかって聞かれた」
「なんて答えた」

一乃助は煙草を取り出し、 「まだって言っておいた」 「それじゃまた来るだろ」 ライターで火をつける。
ノゾミが溜息をつき、目元を軽く抑えた。 いつもの癖だ。

「ヒヨリに近づけることは避けないと。 ややこしい事になりますから」
「僕たちが学校に行っていない時間帯に来るって事は、一乃助に話を聞くつもりらしいな。 刑事さんも腹黒い」

浮かんだのは、馴れ馴れしくて僕が苦手とする刑事。
6年前の事件から僕たちと関わっていて、ある意味姉のような人だと思った事もあるけれど。

「名刺も渡された。 携帯番号も書いてあった」
「見せて」

一乃助から手渡された、紙。

「相変わらず、綺麗な字だな」





水戸川 奇跡


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