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Program
日時: 2011/02/11 11:20
名前: 故 ◆KJbhM1uqv2 (ID: QSygN.Tt)

はじめまして故と申します。

という、語り方でわかるかもしれませんが久しぶりに戻ってまいりました(否、知らない方わからない方には関係ないのですので特に気にする必要はないです)


なんか他のに似ていたらごめんなさい。

《注意書き》
・更新がある日突然止まる確率があります。(努力はいたしますが)
・グロくてスプラッタなものにどうやらなりそうです。

 以上のことが本当に嫌な方はUターンお願いいたします。


最後に
暇な方、駄文かもしれませんがどうぞごゆっくりしていってくださいね。
忙しい方、たまには愚者の戯言でも聞いてみませんか?

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Re: Program ( No.1 )
日時: 2011/02/11 11:43
名前: 故 ◆KJbhM1uqv2 (ID: QSygN.Tt)

Prologue

——12年前——

「どうしてなんだ! どうしてお前は死んでしまったんだ!」


 白衣をきた三十路すぎくらいの男は叫ぶ。高き高き空に向けて、自らの心の中のやるせない怒りを。空は彼をあざ笑うように雲ひとつなく真っ青で美しい。類まれなくらいの美しさだ。


「お前が、お前がいなければ私など……!」


 男は叫ぶ。朽ち果てたコンクリートの建物の中で。天井や壁などは既に崩壊し、かつて使われていたと思われる灰色に汚れきった機械の残骸の中で。

 廃墟という言葉よりも、瓦礫の山という言葉の方が似合うほどに崩れ去ってしまった場所。そんな終ってしまったような場所で彼はまだまだ大量の未練を残し叫ぶ。


「私がいけなかったのか!? 私がお前を作ろうとしたが失敗したから怒ったのか? それともお前は私がお前を作ろうとしたことに怒ったのか? 私はお前を愛しているのに、お前のことが本当にわからない。私が知っているのはお前が神に等しき位に美しく、誇り高かったことくらいである。私などにはお前を到底理解できない」


 男は嘆く。自らの愚弄を、自らの無知を。やがて、しばらくぼんやりと空を見つめると思い立ったようにナイフを懐から取り出し、強くまばゆい光にかざす。そして、その刃にやつれた顔が映る。青白く頬は
こけ、およそ健康的には見えないような骨と血管が浮かび上がった首と額。目は窪み眼球は真っ赤となっている。


 男は疲れたように笑うと、もう一度右手のナイフと左手首を見比べる。疲れたような瞳に一瞬強い光が横切るが、ナイフは右手から滑り落ちた。


「お前は……私が死ぬことさえ許さぬのか——」


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