ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 青春バイバイ(一応バトル物だったりします)
- 日時: 2011/02/18 17:10
- 名前: ヌアッフ (ID: 12T.pym5)
まぁ、くつろいでください。
コメント大歓迎です。
登場人物。
山上一路
15歳。
この物語の主人公。
趣味。読書。
やや大人びた所がある。どちらかというと静かなほう。
慎重主義という名のビビリ。
山上秋房(やまがみあきふさ)
39歳。
一路の父。ちょっと性格が飛んでる。
山上千恵(やまがみちえ)
34歳。
一路の母。とてもとても優しい人。
- Re: 青春バイバイ(一応バトル物だったりします) ( No.11 )
- 日時: 2011/02/23 19:14
- 名前: ヌアッフ (ID: 12T.pym5)
受験のため一時的に休みます
- Re: 青春バイバイ(一応バトル物だったりします) ( No.12 )
- 日時: 2011/03/03 19:21
- 名前: ヌアッフ (ID: 12T.pym5)
受験が終了したので更新を再開します。
今後とも御ひいきください
- Re: 青春バイバイ(一応バトル物だったりします) ( No.13 )
- 日時: 2011/03/05 17:54
- 名前: ヌアッフ (ID: 12T.pym5)
今までの話を序章とさせていただきます。
- Re: 青春バイバイ(一応バトル物だったりします) ( No.14 )
- 日時: 2011/03/05 19:28
- 名前: ヌアッフ (ID: 12T.pym5)
第一章
少し肌寒い朝。相変わらず人の気配を感じさせない静かな住宅街。
歩道の脇にポツポツと寂しく花を咲かせた桜の木がある。
四月になった。
俺は今通い慣れた道とは方向が逆の道を自転車で走行中。
新調した学生服は少しぶかぶかで重い。心なしか自転車のペダルも少し重い気がした。
「初めまして。赤石中学校から来た山上一路です。誕生日は7月8日。趣味は音楽鑑賞と読書です。よろしくお願いします。」
独り言を言っているわけではない、自己紹介の練習をしているのだ。
今年めでたく高校に合格した。偏差値は基本的に50後半。校風もそれなりによく、部活動も盛んという事で人気がある。名前は東一高等学校(あずまいちこうとうがっこう)。通称あずいち。形は「口」の中に「井」が入ったような感じ。教室の割り当ては知らない。
二月は多忙を極めた。朝から夕方まで学校に行き、帰ったらすぐ受験勉強。12時頃に寝て夜中二時くらいになったら起きて怪物倒し。
正直しんどかった。休む暇が無かった。息をつく暇も無いとはまさにこの事。
しかも何故か怪物も普段よりも強くなっていて、久しぶりに怪我をした。
そういう事もあり、絶対高校生活は楽しもうと決めていた。
と、言う事で自己紹介は大切だと思って練習中だった。何しろ第一印象は大切だ。イメージが一回頭に焼きつくとそれを消すのは簡単じゃない。もちろん自己紹介が全てじゃない、だけど重要ではある。
自転車で漕ぐ事50分。隣町にある高校についた。
普通でいい。普通の高校生というイメージを持ってくれれば良い。
時間的にはまだまだ先の事なのにガッチガチに緊張していた。ここに引っ越してきた時みたいにドキドキした。
- Re: 青春バイバイ(一応バトル物だったりします) ( No.15 )
- 日時: 2011/03/09 23:00
- 名前: ヌアッフ (ID: 12T.pym5)
「よろしくお願いします」
そう言いながら軽くお辞儀をする。
パチパチパチパチ
クラスの半分くらいから弱めの拍手が自分に送られる。
「ふぅ。」
席に座って一息吐いた。
自己紹介は成功といえた。
悪い印象も良い印象も与えない控えめな自己紹介だった。
悪い第一印象を与える自己紹介は簡単に出来ても、良い第一印象を与える自己紹介なんて自分には出来ない。だからこれでよかったのだ。
先生の急な提案で、出席番号の大きい人から順番にやる事になった。最後にやるのは緊張するが、最初は最初で緊張するものだ。
窓側の一番後ろの席に座っているため、周りがよく見えていた。
周囲の反応は様々だった。
話半分に聞いてボーっとしている人。そもそも聞く気が無くて机に突っ伏している人。友達とボソボソ話している人。他の作業をしている人。そして例外が一人。
このクラスの机の配列は、男子の縦一列と、女子の縦一列をくっつけて大きな一列にする。その大きな一列を縦に三列。大きな列と列の間には人二人分くらいの間隔があり、そこが通路になる。
一人だけ周りと違う事をしていた。
通路を一つ挟んで隣の大きな列にいる男子生徒。彼がこっちを睨んでいるのだ。気のせいだと思ったのだが、俺が立ったのと同時に彼の目線も上がったので、多分俺を睨んでいるのだろう。
こっちに顔を向けて頬杖ついて俺を睨んでいる。隠す気はないらしい。敵意に似た何かをこちらに向け続けている。
ちらっと相手を盗み見た。
髪は短髪黒色。目はつり目で少し大きい。特徴はこんな感じ。
気が強くて真面目そうな顔をしている。
見たことが無い顔だ。ここで会って初対面のはず。しかし、何故かこっちを睨んでいる。
「じゃあ次の人どうぞ。」
だるそうな顔をした担任が次の人の自己紹介を促す。
いつの間にか何人もの自己紹介が終わっていた。
こっちを睨んでいた彼が視線を俺から外し、表情を変えず立ち上がった。いや、よく見ると少し目元が緩んでいる。でも、見方によればまだ睨んでいるように見える。
「佐々岡勇助(ささおかゆうすけ)です。よろしくお願いします。」
凛とした成分を含んだ声で名前しか分からない自己紹介をする。そしてお辞儀をして座る。
近寄り難い人だと思った。
その後は佐々岡に睨まれる事も無かったので、一時的に佐々岡の存在を忘れていた。
佐々岡も、こっちに声をかけてきたりする事は無かった。
帰りの時間になった。
パパッと鞄に荷物を詰め込み、教室を出る。
「まて、山上一路。」
廊下に出たとき、後ろから誰かに呼び止められた。
「ん?」
振り返ると佐々岡がいた。
「聞きたい事がある。屋上に来てくれ。」
そう言うとこちらの返事も聞かずに、スタスタと歩いて行ってしまった。
行かないと後が怖そうなので屋上に行く事にした。
「うう〜寒い。」
屋上はとても寒かった。天気が曇りになった上に、冷たくて強い風が吹き始めていたからだ。
遮蔽物が無い屋上は風が直接当たってかなり寒い。
そんな中で佐々岡は、平気そうな顔をして屋上の真ん中に立っている。ただ、表情がさっきより硬いところを見ると、寒いのを表情に出さないようにしているようだ。
「こんな所に呼び出してすまない。」
やはり本人も寒いと感じているのだろう。呼び出した事にではなく、呼び出した場所を間違えた事について謝ってきた。
それでも場所を変えない。変に意地を張っているのかもしれない。
「僕は毎日欠かさずジョギングをしている。」
何の前置きも無く佐々岡が話し始めた。
切り出し方が変だ。人との会話が苦手なのだろうか。
「一ヶ月ほど前だ。色々と用事があってその日のうちにジュギングが出来なかった。12時はもう過ぎてしまっていたが、次の日が休みだったという事もあって、夜中に走る事にした。」
走らないという選択肢は無かったのか?と、心の中で突っ込んだ。
「僕はいつも隣町まで走る。その日も例外じゃなかった。」
そこで言葉を切り、間を置いた。やがて佐々岡は俯いた。どんな表情をしているのか分からないが、何か躊躇っているように見えた。
きっと次に言う事が本題なのだろう。急かしたい気持ちを抑えて佐々岡の言葉を待った
「その時に、長い刃物を持ったお前を見た。」
冷たい突風がより威力を増して俺にぶつかってきた。
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