ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 夜は永遠に続く
- 日時: 2011/04/03 21:14
- 名前: 凛 (ID: fS3ho1RJ)
何の為に生きているのか
私には分からなかった
だから禁断の場所に足を踏み入れた
全てを狂う始まりだった
禁忌を犯した罰は、
なあに?
- Re: 夜は永遠に続く ( No.8 )
- 日時: 2011/04/05 16:07
- 名前: 空 (ID: fS3ho1RJ)
かりんsama
凛から空に名前を変えました
混雑すいません(死ね
.
- Re: 夜は永遠に続く ( No.9 )
- 日時: 2011/04/05 16:09
- 名前: かりん ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)
ああ・・・そうでしたか。びっくりしました。
- Re: 夜は永遠に続く ( No.10 )
- 日時: 2011/07/17 14:57
- 名前: 空 (ID: imShPjBL)
あれから足が棒になっても草原を歩き続けた。
本当に広すぎて困ったもんだ。
そんなにこの丘は広かっただろうか。
少なくとも下から見れば普通の広さだった気がする。
—— 一度入ったら二度と現世に帰れないんだよ
お祖母ちゃんが言っていた言葉を思い出す。
もしかして枝奈たちも、こんな風にさ迷ってるかも。
ただ広いだけの草原をひたすら歩き続けるけど何も無い。
私は携帯を取り出した。
すると画面は『圏外』と表示されていた。
そして時計を見れば、5時半になってる。
空を見上げれば何事も変化が無く満月のままだ。
普通ならば、白く青く混ざる空になっている頃なのに。
真っ暗の満月。
「枝奈っ!お願いだから、私の目の前に現われて!」
叶わないのに叫んだ。
枝奈に逢いたい。
ただそれを思いながら叫び続けた。
—— ガサッ…ガサッ
奥から何か動く音がして私は自ら音のするほうへ向かう。
もしかしたら枝奈が来てくれたのかも知れないからだ。
私は草をかき分け、音のした処に着いた。
だけど。
目の前に居たのは白い着物を着た女性でした。
「——、助けて……」
「きゃあああっ!」
恐怖の余り、私は腰を抜かし地面に崩れ落ちた。
女性は泣いていた。
「………枝奈が、枝奈が」
「枝奈!?あ、あの、枝奈がどうしたんですか!?」
女性の顔にどこか見覚えがあった。
良く見ると、枝奈のお母さんだ。
だけど。
数ヶ月前に、自殺したはず………。
「枝奈が此処で殺人を行い反省しなかった所為で私もさ迷う羽目になったのよ」
「………殺人?」
「えぇ、あの人とあの女をね。あなたは枝奈を助ける為に来たようだけど無駄よ」
泣きながら言う枝奈のお母さんの言葉に耳を傾ける。
「枝奈は永遠に此処をさ迷うのだから」
言葉を失った。
枝奈が永遠にさ迷う?
訳が分からない、これは夢なの?
「夢なんかじゃないわよ、本当よ」
枝奈のお母さんに殺意を覚えたと言ったら失礼すぎるよね。
それくらい、私は唖然とした。
草原は夜のままで、静寂に包まれている。
「だから早く帰りなさい、今ならまだ間に合うわ」
だけど私は誓ったんだ。
絶対に枝奈を助けると誓ったのに、
——— 破るわけにはいかない。
私は枝奈のお母さんの制止を振り切って草原を走り回る。
此処に来た時点でどんな理由があろうとも、ダメなんだ。
だから間に合う、間に合わないの問題なんかじゃない。
私は絶対に枝奈を助けるんだ。
枝奈を助けるのが私の使命なんだ。
私は今まで陰という陰の人生を送った。
だけど枝奈と友達になってからは光だった。
枝奈が居ないと、私は本当に陰だけの人生になるの。
だから、だから——。
「そうやって、言い訳ばかりしているね」
真後ろに聞きなれぬ声に振り向けば、男の子がいた。
髪で右目を隠している美少年だ。
隣に髪にかんざしを付けた美少女もいる。
何でここに居るの?
とは言えずに唖然としている私に。
「君は依存している、枝奈お姉ちゃんにね」
「枝奈お姉ちゃんがいなくとも自身の力で生きていけるのに」
優しく微笑んだ美少女の言葉と共に風が吹く。
猛突風で視界が見えない。
やがて突風が終わったと思えば静寂に包まれた草原。
空は相変わらず満月のままで真っ暗だ。
さっきのあの子たちに言われた事を思い出す。
「自身の力で生きていける…か」
救いたいけど救えないもどかしさを抱えたまま先を進む。
森の小道が見つかり、私は小道へ戻った。
.
- Re: 夜は永遠に続く ( No.11 )
- 日時: 2011/07/06 21:43
- 名前: 空 ◆703fA5c/sc (ID: cX9VSRxU)
放置今まですいませんでした、
いろいろと事情があったもので。
すぐに更新しますっ!
頑張りますので応援よろしく
お願いいたします(
.
- Re: 夜は永遠に続く ( No.12 )
- 日時: 2011/07/17 15:18
- 名前: 涼 ◆703fA5c/sc (ID: imShPjBL)
あの後、枝奈たちは行方不明のままで見つかることはなかった。
あの草原は今も相変わらず、ひっそりと存在している。
禁足地として。
「あれから、もう一年か……」
何度も、小道の入り口前に足を運んだ。
あれから、私は随分と成長して自分の力で生きていけるようになった。
今まで枝奈しか友達がいなかったけど今は普通にそこそこ、いる。
全てあそこの草原にいた、あの男の子と女の子のお陰だ。
彼等の正体は何なのか、分からないけど。
それにしても、枝奈が殺人を犯しただなんて信じられなかった。
でも、枝奈ならしかねない。
行方不明になる前日、枝奈が妙に機嫌が良かったんだもん。
母親をまだ亡くしたばかりなのに。
「友美っ!!」
「わっ…!」
真後ろで名前を呼んだのは……優美だった。
悪戯好きで笑顔が良く似合う友達。
「まーた、こんなところに来てっ!」
「うん……もしかしたらさ」
「もしかしたら?」
「枝奈が、ここに入ってしまったんじゃないかなーと…思ってね」
急に優美の顔色が変わった。何か悪いことでも言ったかな。
焦る私を余所に、優美を顔を俯かせながら、言った。
「だと……したら、二度と逢えないね」
「………うん」
泣かない。と決めてたのに泣いてしまう。
泣き虫だね、私。
枝奈は罪を認めずにさ迷う羽目になったのは、自業自得なのに。
だけど殺人を犯したとしても、私は枝奈の大親友なんだよ。
お願いだから、お願い。もう一度だけ、枝奈に合わせて。
誰でも良い。私の願いは聞き届けられますように。
枝奈に感謝の言葉を告げたいんだ。
枝奈のお陰で私は輝かしい未来を手に入れた、とね。
「………行こうっ!」
「もう、良いの?」
「うん。……枝奈にまた逢える、気がするんだ」
「そう、………だね」
例え二度と逢えなくとも絶対に逢える気がするのは何故?
分からない。分からないけど確信が持てた。
最後に小道のほうをもう一度だけ振り返った。
相変わらず何の変哲もない小道。
私は前を振り返した。
さよなら、枝奈。良い大親友だったよ。
○
永遠の暗闇のなかで聞こえてきたのは友美の言葉だった。
あたしの服装は普通に汚れてなく普通の状態。
あたしの外見は普通の16歳のまま。
暗闇の満月とそれを照らされる不気味で幻想的な草原もそのまま。
何年、あたしはここにいるんだろう。
分からない。
思い出せない。
何で、何であたしがここにいなきゃいけないのよ。
あたしは何も悪いことなんかしていないのに。
そもそも、あの変な子供の所為でこうなったんだ。
許さない。
そこで聞こえた、大親友の友美の声。
「友美っ!助けて!!」
必死に助けを求める声を出したけど聞き届けられなかった。
酷い。最低だ。あんたなんか……友達になるんじゃなかったよ。
絶望に打ちひしがれている、あたしは今日もさ迷う。
永遠に。
草原は相変わらず、何の変哲もない。
見飽きた風景、光景。
何もかも飽きた。もう嫌だ、死にたいよ。死にたい。
お願いだから、誰か、誰か……誰でも良い、あたしを助けて。
お願いします。
神様。
と信じてもない神様にすがる、あたし。
それでも、誰も助けてくれず。
草原に独りきり。
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