ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 夜は永遠に続く
- 日時: 2011/04/03 21:14
- 名前: 凛 (ID: fS3ho1RJ)
何の為に生きているのか
私には分からなかった
だから禁断の場所に足を踏み入れた
全てを狂う始まりだった
禁忌を犯した罰は、
なあに?
- Re: 夜は永遠に続く ( No.3 )
- 日時: 2011/07/17 14:49
- 名前: 凛 (ID: imShPjBL)
しばらく立ち止まったが、歩き始める。
早く帰らないとアリバイが崩れてしまうからだ。
嫌な時間ほど経つのが遅いと言うが本当にそうだ、中々着かない。
早く早く帰らなきゃ。早く早く帰らないとアリバイが台無しになる。
だけど、一向に着かない。
足が棒になるくらい歩いているのに着かなかった。
目の前の景色は草原だけ。他は何処を見回しても何も見当たらない。
それどころか、森どころが、その影すらも見つからなかった。
可笑しすぎる。そんなに遠くなかったはずなのに———。
唖然とするあたしの目の前に女の子が現われた。
女の子もあの男の子と同じように古臭く、お似合いに見えた。
「この先に祠があるから、そこで精一杯に罪を償うと祈るの」
「…………はあ?」
「チャンスは一度だけだからね、もしも祈らないと永遠に成仏しないよ」
「は?……えぇっ!?」
女の子はあたしの視界から消えた、あの男の子と同じように。
これで明確だ。
物凄く気味悪い、早く早く此処から抜け出したい。
あたしは死に物狂いで必死に祠を探せば、見つかった。
小さな鳥居もあるけど小さな祠に罪を償うと祈れば良いの?
あたしは仕方なく祈った。
早く早く此処から抜け出せるように、罪を償うと祈った。
こんな事をしても無駄だ、とあたしは後ろを振り返ったら、男の子と女の子が居た。
「お姉さん、失格だね」
「永遠にそこでさ迷う事になっちゃったね」
何が言いたいのよ、と怒鳴る前に猛突風が草原一面に吹き付けた。
目の前が見えなくあたしは腕で体を庇うように目を閉じた。
やがて風が吹き終えて、目を開けると、男の子と女の子がいなかった。
それどころか後ろにあったはずの祠が無い。
あたしは悲鳴をあげ、草原を走り回るが、森には着かない。
いくら草原を走り駆け回っても、森は見えない、着かない。
ふと、空を見上げれば言葉を失った。
満月がまだ上に昇ったままだった。
もう時間はとっくに過ぎているはずなのに、まだ上に昇ったまま。
あの男の子と女の子の言葉を思い出す。
—— 永遠にそこでさ迷う事になっちゃったね
今まで疲れが一気に出てきてその場に崩れ落ちるように座り込んだ。
空を見上げても満月は上に昇ったまま。
急に涙が溢れ出てきて泣き叫んでも草原に静かに響き渡り消えるだけ。
鞄に携帯がある事を思い出し取り出して警察を呼ぼうとするが、
圏外。
と画面に表示されていた。
もう死ぬしかないとヤケクソで鞄の鋏を取り出すが、何処にもなかった。
たしかに鞄に入れておいたはずなのに、何処にも無かった。
全て怖くなり、草原を走り回る気力もなく、ただ座り込んだ。
携帯の時間を見れば7時なのに、空は明るくなるどころか満月のままだった。
夜の草原に、あたし一人きり———。
.
- Re: 夜は永遠に続く ( No.4 )
- 日時: 2011/07/17 14:52
- 名前: 空 (ID: imShPjBL)
大親友の枝奈が家族と共に謎の失踪した。
理由は分からない。
未だに枝奈たちはひとつも目撃も情報もなかった。
大好きな枝奈が居なくなったのは、耐え難い事実だった。
私は事件をネットとかで調べる内にある事実に気が付いた。
—— 白塚の森
あそこの森に小道があるけど、そこに続いてるのは小さな丘なのだが、
昔から禁足地で現在も絶対に入ってはいけないと言われている。
前にお祖母ちゃんに聞いたら……、
「あの森はね、一度入ったら二度と現世に帰れないんだよ」
「現世……?」
お祖母ちゃんはそれだけ言って後は何も言わなくなった。
たしか資料でもあの森の近くに車が置かれていた。
という事は——枝奈はあそこに入った?
ゾッと体の背筋が凍った。
もう二度と枝奈に逢えないのか、思うだけで涙が溢れてくる。
枝奈を助ける為なら、私は命を賭ける事くらい構わない。
「………、枝奈」
私は本を元の本棚に片付けずに図書館を飛び出した。
まずは家に戻ると急いで荷物をまとめた。
鞄に懐中電灯とお菓子と携帯を入れた。
全ては枝奈を助ける為。
夕食もお風呂も全て済ませ、真夜中まで待った。
真夜中になり、二階の窓から何とか降りて外に出た。
庭に前に買った登山用の靴を、隠しておいて正解だった。
近所の近くに白塚の森はあるから案外すぐに森に着いた。
丘に通じている小道は先が真っ暗だ。
懐中電灯を点け、いざ、私は禁足地である小道に足を踏み入れた。
「うわぁ……、普通だ」
森は当然というか草と木々だらけだが花々は綺麗に咲き誇ってた。
道は険しいが、靴は登山用だから楽々と歩く事が出来る。
そうしている内に丘に着いた。
—— 目の前に広がるのは殺風景な草原だけだった。
辺りを見回しても何も無く、ただ草原が広がっているだけだった。
ふと、空を見上げれば満月が上に昇っている。
「枝奈ー、枝奈ー、何処に居るの?……枝奈ーっ!」
枝奈たちが丘に行ったのならば、この草原の何処かに居るはずだ。
広い草原に枝奈の名前を呼ぶが返事は来ない。
此処に居ないんだ。
私は草原に足を踏み入れた。
—— ザワァア……。
風が草原一面に吹き渡った。
サラサラと揺れる草が満月に照らされてて幻想的だ。
……と見惚れている場合じゃない、枝奈を探さなくちゃ。
草原の草は私の腰まである長さの物や足元にも及ばない短い草もある。
それくらい様々な長さの草に色んな種類の草がある。
時に花が咲かせて綺麗な薄青色や桃色の花もあり、綺麗だった。
「あれ……、」
ふと、気付けばさっきまで来た道が分からなくなった。
同じような風景だから、分からない。
私、迷子になったの——?
怖くなったけど、枝奈たちも怖がってるかも知れないんだ。
勇気を振り絞って更に奥へと進んだ。
早く早く枝奈たちを助けなきゃ、世間に忘れ去られる前に。
絶対に私が助けるから待っててね、枝奈。
.
- Re: 夜は永遠に続く ( No.5 )
- 日時: 2011/04/04 22:12
- 名前: かりん ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)
題名に惹かれてやってまいりました。
読んでる内に完璧にはまりました。
続きがどうなるかとっても楽しみです。
- Re: 夜は永遠に続く ( No.6 )
- 日時: 2011/04/04 22:58
- 名前: 空 (ID: fS3ho1RJ)
かりんsama
ありがとうございます!
そう言ってくださるとは
本当に名誉ですw
続き頑張りますね♪
.
- Re: 夜は永遠に続く ( No.7 )
- 日時: 2011/04/04 23:00
- 名前: かりん ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)
空さん?
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