ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 夜は永遠に続く
- 日時: 2011/04/03 21:14
- 名前: 凛 (ID: fS3ho1RJ)
何の為に生きているのか
私には分からなかった
だから禁断の場所に足を踏み入れた
全てを狂う始まりだった
禁忌を犯した罰は、
なあに?
- Re: 夜は永遠に続く ( No.1 )
- 日時: 2011/07/17 14:40
- 名前: 凛 (ID: imShPjBL)
全ては父が浮気した挙句に愛人が身ごもり離婚すると言い放つや否や、
あたしたちを見捨てて勝手に家を出て行った頃から始まった。
お母さんは精神的ショックから自殺。
あたしは葬式を終えた頃にお父さんに引き取られるらしい。
そんな引き取られる日が刻々と近づくある日の真夜中に目が覚めた。
何となく外へ飛び出したあたしは当てもなく近所を散歩する。
ふと、気付けば神社の近くにある森の小道に来ていた。
此処は、たしか昔から立ち入り厳禁の小道だったけ。
上を見れば丘になっている。
何で此処を入ってはダメなのか、あたしは知らなかった。
だけど地元のお年寄りや皆は誰一人、此処に入ろうとしていない。
「………、早く帰ろう」
と元来た道に戻ろうと足を踏み入れるが、また振り向き返った。
小道の先は真っ暗で何も見えない。
此処は誰も入った事ないなら、使える。
あたしたち、家族を崩壊に導かせたお父さんを殺せるじゃない。
どうせ、誰も此処に入ったとは思わないから殺しても怪しまれない。
アリバイにもピッタリだ。
あたしは小道を見てニヤリと笑って、急いで家へと戻った。
そんな復讐計画を練りに練らして待ち望んだ父は引き取る日になった。
お父さんは親族に礼を告げ、あたしたちは車に乗り込んだ。
この近所から少し離れたマンションにあたしたちは住むらしい。
「枝奈、本当にすまなかった……、」
お父さんの言葉を無視しあたしはお父さんにこう言った。
「あの森の小道の先に丘があるでしょ」
「あるな」
「明日の真夜中にあそこに行こうよ、きも試し」
「………きも試し?」
お父さんは不思議そうに首を傾げながら小道の方を見る。
あたしはもう16歳なのに、幼稚な年齢じゃないのに。
可笑しいと思ったのか質問してきた。
「お願い、友達とあの丘にきも試しするという約束なのよ!」
「………分かった」
「あの人も連れてきてね!」
「ああ、……約束する」
計画は全て順調に進んだ。
明日は祝日でお父さんも仕事が休みなのだ。全て完璧。
後はお父さんを殺すために怪しまれない凶器を考えるのみ。
家に着いたあたしは挨拶をそこそこに凶器を何にするか考えた。
分からず、ヤケクソにふでばこを漁った時に、あったのは——………鋏だった。
「…………これだ」
自然と狂気に満ちた恐ろしい笑みが零れる。
嗚呼これだ、何で今まで気付かなかったんだろう。
これなら誰も怪しまれない。
小さな鞄でも十分に入れれる丁度良い大きさだ。
あたしは神様に恵まれてるのかも知れないね、お母さん。
あんな下衆な奴ら。
もうすぐ苦しんで後悔しながら死ぬからね。
だから天国で待っててね、あたしももうすぐ死ぬからね、お母さん。
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- Re: 夜は永遠に続く ( No.2 )
- 日時: 2011/07/17 14:46
- 名前: 凛 (ID: imShPjBL)
今日は全てアイツ等の人生が終焉を迎える日。
真夜中になりあたしたちは車に乗ってあの小道へと向かった。
立ち入り禁止なので立ち入り禁止の看板があるが無視して進んだ。
やはり小さくとも森なので険しい道もある。
妊娠しているお父さんの元浮気相手で今は妻の『安藤リナ』が言う。
「引き返しましょう……」
「ダメ!」
あたしは大きく言い安藤リナはこれ以上何も言わなくなった。
やがて丘に着いた。
辺り一面が草原で空には大きな満月が昇っている。
「まあ、綺麗ね……何で立ち入り禁止なのかしら?」
「何か宗教的な理由かな」
等とのんきに会話するアイツ等を横目に鞄から鋏を取り出した。
まず最初は憎き子を宿しているあの女からだ。
あたしはあの女の元へ駆け寄った。
—— グザッ!
刺し込む音を立て安藤リナは地面に倒れ込んだ。
お腹からは血を流して悶え苦しんでいる。
お父さんは突然の事に唖然とするが、すぐあの女の元へ駆け寄る。
次に殺すのは父だ。必死に呼びかける父の背後を鋏で一刺し。
—— グザァッ!!
勢い良く血飛沫が飛びあたしの服を濡らしたが車に着替えはある。
あたしは鋏を鞄に仕舞い、さっさとその場を離れた。
しばらく草原をさ迷うように、あたしは歩き続けた。
好い加減に草だらけでウンザリした時に視界の端に、何か見えた。
振り返ると、男の子なんだけど何処か古臭い感じだった。
何か可笑しいと思ったがすぐに分かった。
着物だ。なんか、歴史の教科書に出てくる明治時代みたいな着物だ。
男の子の右目は隠されていた。
アニメに出てくるゲゲゲの鬼太郎みたいだった。
髪は当然というか黒髪で少し長いショートヘアで完全に似ている。
顔立ちは残念ながらアニメの鬼太郎とは違い、美少年だ。
というか、今は真夜中なのに、何でこの子は居るんだ。
可笑しい。
思った時に男の子は話しかけてきた。
「お姉さん、人を殺した罰は重いよ?」
「———、え?」
何であたしがお父さんたちを殺した事をこの子が知っているのよ、
何がともあれ目撃されたなら、殺すしかないと鞄を取り出した、が、
男の子は消えていた。
何処にも居ない、急に怖くなり草原を走り回った。
来た道に急いで走るが、一向に着かない。
こんなに遠かったかな、緊張であまり上手く憶えてなかったから、
良く分からないのだが、とにかくあたしは草原を走り続けた。
息が上がるが気にも留めず、ただガムシャラに走り続ける。
狂ったように走り続けた。
いつまでも走れるはずがなく、あたしは立ち止まった。
疲れた。
好い加減に着いても良い頃なのに、何でこんなに遠いんだろう。
というか、その前にこんなに遠かっただろうか。
記憶がボンヤリとしているから、分からず息を整える。
辺り一面は草原だけで何もない。
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