ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

無限エンジン 閉鎖します。申し訳ありません。
日時: 2012/04/08 15:18
名前: 風(元:秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: r3A.OAyS)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=5450

    
     〜お前のエンジンは何だ? 俺か……俺のエンジンはお前等のエンジン全てだ〜
       




意味の分らない言葉を突然申し訳ない……一応,プロローグとさせて貰います。
お早う御座います,こんばんわ!或いはこんにちわ♪
初めましての方は初めまして,お久しぶりの方はお久しぶり!常連の方はいつも有難う御座います^^
風と申します。別名「堕小説量産機」or「小説の完結を出来ぬ女」と言うゴミ屑ですがどうか付き合って貰えれば幸いですvv

〜作者状況〜

執筆中【】
申し訳ありませんが執筆中に〇が付いている時は書き込まないで下さい。



$$$$$お客様$$$$$

モノクロ様
朱音様
千臥様
葵様
夜兎様
朝倉疾風様
咲様
水瀬うらら様
りま様
なさにえる様
千愛様
通りすがり様
レッド様
銀ガリュ様
リナ様
刹那様
檜原武甲様


只今,お客様は17名です。
有難う御座います^^


########更新履歴########

Ep1

Akt1 エンジン解放 Part1 >>7 Part2 >>12 Part3 >>21 Akt1 The End
Akt2 救出エンジン Part1 >>32 Part2 >>41 Part3 >>92  Part4 >>98 Akt2 The End
Akt3 渇望エンジン Part1 >>105 Part2 >>116 Part3 >>126 Part4 >>137


________設定資料及び小休止及び貰い物_________

設定資料集【Ⅰ】 キャラクタプロフィール >>25 ※キャラが増える毎に常時更新
貰い物【Ⅰ】 猫飼あや様作 ワルキューレ >>101
貰い物【Ⅱ】 村人A様作 ファンベルン >>140

△▼△▼△▼注意事項▼△▼△▼△
1.更新頻度は亀等到底超えた遅さです。
2.私が嫌い。小説に文句(パクリだの・詰らないだの)を言いに来た。
 荒しに来た。等に該当する方は書き込まないで下さい。
3.グロ描写や不快描写が含まれます。NGな方は退室を……
4.最後に注意じゃないですが意見やご指摘なら幾らでも大歓迎です。

〜作者用キャラクタプロフィール専用用紙〜

キャラクタ名【】
読み方【】
性別【】
年齢【】
身長・体重【】
血液型【】
誕生日【】
容姿【】
性格【】
目的【】
エンジン【】
アクセル名【】
能力【】
過去【】
その他【】
仮想CV【】


〜お知らせ〜

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21



Re: 「無限」∞エンジン  コメ求む ( No.27 )
日時: 2011/05/22 00:06
名前: 朱音 ◆c9cgF1BWc. (ID: /kFpnDhT)
参照: http://dancingmad1119.blog69.fc2.com/blog-entry-50.html

絵、描きました!
かなりの落書き&テキトーですが……こんなんでよろしいでしょうか?

あ、彼の誕生日は6月6日です。あと、私の書いてる小説はピースキーパー、ですので……^^;
そこだけは訂正をお願いいたします>人<

仮想CV……意外な方ですねw
わんぴのキッドさんですか? 能力的にも合ってるかな?
赤沼君のCVはなんとなく高橋さん(ヒソカ)かなと思ってましたw

Re: 「無限」∞エンジン  コメ求む ( No.28 )
日時: 2011/05/22 20:59
名前: 風(元:秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: .cKA7lxF)

コメント下さった方々有難う御座います!

千臥様へ
何だと…………馬鹿な!?
嘘だ…嘘ダ嘘だ嘘だ嘘だ……嬉しくて涙出るから止めて(汗
分けられないです(涙
分けたらなくなっちゃうもの…
赤沼君……何と言う人気! 
更新頑張って下さい!

朱音様へ
…………はい、もう僕は何やってんだろうね?ピースメーカーじゃアニメじゃないか!!(涙
誕生日に関しては(黙れ
いやいや、全然OKですよ! って言うか格好良い……何かヒソカっぽさが前の赤沼君の絵より増してるような?
高橋さんだと狙いすぎかな?って……
浪川さんは個人的にはBLEACHのウルキオラや隠の王の雲平先生みたいな美形のイメージなんですよね(苦笑
キッドは好きですけどvv

Re: 「無限」∞エンジン  Akt2 Part1執筆中 ( No.32 )
日時: 2011/06/09 20:26
名前: 風(元:秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: .cKA7lxF)

   「あぁ……何て心地良い朝なんだろう?」
 
 セリス・ヴェルトレストは、カーテンの隙間から差し込む陽光の暖かさを感じ、そして、鳥のさえずりを聞きながら目を覚ます。
 
 どうやら、下着姿の様だ。 彼女は、ゆっくりと起上り、グッと伸びをして大きく欠伸をする。 
 そして、目を眇めて、何者にも怯えずゆっくりと眠れる事への感謝を口にした。

 今、彼女の居る場所は、畳十五畳分以上は有るだろう一人の個室にしては十分すぎる程、広い部屋だ。 
 どの位広いのかと言うと、PCや、洋服箪笥など、基本的は一式揃っているがそれでも、余裕の有る程の広さだ。
 その部屋の窓際に設置されているベッドで彼女は、先ほどまで横になって熟睡していた。  
 つまりはここが、彼女に、支給されたと言う事だ。 
 PCや、洋服箪笥など、基本的は一式揃っているがそれでも、余裕の有る広さだ。

 カーテンを開いて、外を見ると昨日の夜は、闇に隠れていた雄大な大自然がセリスの目の前に広がる。
 万年雪の積もる起伏に富んだ山々。 複雑かつ、趣の有る自然の芸術と言うに相応しい同じ形など一つと無い木々。
 虫・動物・鳥、どれも今まで、見る余裕の無い物だった。 彼女は、今、久し振りに手に入れた安らぎを体一杯に浴びて歓喜していた。 
 少し前までは、彼女は、一日や二日食事にありつけない事など当たり前で残飯などを漁る様な生活をしていたのだ。
 都会の人間達の差別に、怯え食事も睡眠もろくに取れない毎日から脱却できる。 先ずは、それだけで大満足なセリスだった。

 「無限」∞エンジン  〜Ep1〜 Akt2 救出エンジン Part1

 ————人間暦二千十四年七月十二日(紫曜日) 七時三十分
 外の風景は、コンクリートジャングルの中を孤独に長い時間、生き続けてきた彼女にとっては、本当に飽きない物だった。 
 今の自分なら、このパノラマを永遠に眺めていられる気さえ彼女はしていた程だ。 
 そんな安息の時間を楽しむ彼女のことなどお構いなしに部屋の扉をノックする音が響き渡る。
  五月蝿いとセリスは、一瞬、渋面を造る。 先程までの都会の煩雑とは掛け離れた、一人の静寂に満ちた時間が恋しい。
 彼女は、嘆息しながらノックの対象に誰かと訪ねる。 自分の部屋の扉をノックする人物など想像は付く。 
 初対面の人物と言う可能性は低いだろう。 彼女の頭の中に浮かんだのは三人。 組織の統率者であるリーブロ。 そして、自分を組織に連れてきたファンベルン。 
 最後に、部屋分けとこの支部のルールや設備についてを事細かに教えてくれた人。 栗毛の丸渕眼鏡の優しげな笑みの女性。 支部長であると同時に施設管理人で有るレコイルだ。
 確率的に考えればファンベルンだろう。 リーブロは、リーダーだしここに来ているかは明瞭ではない。 レコイルは、昨日、教え切れなかった事を教えるために来る可能性は有るが。 何よりも、ファンベルンだろう。 彼女は、相当にセリスに愛欲を感じている様だった。
 
「お嬢〜! 俺です俺! ファンベルンお姉さんですよぉ!」

 当って欲しくない予想が当りセリスは、左手で顔を覆い悲嘆の溜息を盛大に吐き出す。
 なおも、ファンベルンの鬱陶しい声とノックの音は響き続ける。 
 何時まで経っても引き返す気は無いだろうと悟った彼女は、鍵を開けに扉へと向かう。 しかし、時既に遅しとはこの事だ。
 
「お嬢ぅ〜! 幾ら照れてておめかししてるからって遅すぎですよぉ? エンジン解放————」

 エンジン解放の声が響き渡る。 恐らくは、扉を破壊して入ってくるつもりだろう。 彼女を待たせ過ぎたとことをセリスは、反省する。
 彼女は、早足にドアへと急ぐが遅かった。 エンジンの解放される気配が、肌を刺す。 恐らくは次の瞬間には発動するだろう。
 セリスは、数年振りに手に入れたの個室が、たった一日で少なくとも一部損壊、もしくば半壊位するであろう事に涙した。 

「ばっ!?」

 彼女の制止の言葉も虚しく、ファンベルンのアクセルは、発動される。 
 ドォンと言う、耳をつんざく爆音が響き渡り、ドアが木っ端微塵になる。 瞬間、彼女の脳裏には、支部長の顔が過る。 恐らくは、この支部に一番長く勤めているのは彼女なのだろう。 周りの団員が二十中盤から三十前半位なのに対し彼女は、四十代を過ぎていた。
 その分、この拠点に対しての思い入れは強いだろうし、何より責任も有るだろう。 心労と悲しみに顔を歪める彼女の姿が克明に、セリスの脳裏には浮ぶのだった。
 爆発により起った、煙により隠れていたファンベルンの姿が少しずつ輪郭を帯びて行く。 セリスの顔は引き攣り明らかの拒絶の念を、表す。
 
「よっす、お嬢! やっぱり、下着姿も素敵です!」

 黒煙も完全に止み、紫のメッシュとサングラスの特徴的な女が、姿を現す。 
 紛れも無いファンベルンだ。 彼女は、爽やかな笑顔をして敬礼するように手をコメカミに充てて挨拶する。 
 下着姿を褒めて来る同性に物凄い殺意を感じて、セリスは握り拳を造るが、我慢する。

「いっそ、その格好で歩き回ればモテモテ……ガフッ!」
「エンジェルビーツ……メトンハンマー……黙れ、下衆が!」

 次に吐き出された、余りにもふざけたサングラスの女の発言についには、怒りの沸点を突破しセリスは、アクセルを解放した。 アクセルの力を、鈍器状に精製し彼女は、容赦なく目の前の女を殴った。
 
「ぶひゃらっ!」

 女は、余りにも馬鹿げた奇声を上げ倒れ込む。 そして、痛みに悶絶し転がり回る。
 セリスは、目の前のファンベルンの三十代とは思えない、無様な振る舞いと常識の無さに唖然としていた。
 自分が、そんな馬鹿な行為に腹を立ててアクセルを発動してしまったことを棚に上げて。 

 転がり回り絶叫するファンベルン。 
 余りの五月蝿さに、近くの人達のほとんどが外へと出て何事か有ったのかと確認に来る。
 多くの人々は、ジタバタと転がり回る彼女と破壊された扉を見ると、状況を察知し引き返していった。
 稀に、セリスの部屋の中を覗いてセリスの姿を確認して、彼女の儚げな色香に、顔を赤らめる者も居たが……

「さっさと用件を言いなさいよ?」

 流石に、興味の有る人物も居なくなったのか、数分すると確認に来る人の足音もパタリと止んだ。
 セリスは、その間に服を着て化粧をしていた。 そして、彼女は歩いてファンベルンの元まで行く。
 そして、いまだに叫び続けている、青メッシュの耳元でささやく様な優しげな口調で言う。 
 しかし、その優しそうな笑みは恐らくファンベルンには、鬼の形相に見えただろう。
 彼女は、戦々恐々とした様子で用件を話し始める。 下手な冗談を言ったら殺される。 今の、セリスには、そんな雰囲気が有った。

 女が言うには、リーブロがお呼びなのだそうだ。 セリスは、成程と承服し立ち上がる。
 彼女は、元々、能力者の楽園を望んでいた。 警察から逃げ、残飯を漁り、自慢の髪も基本的には、ボサボサ、風呂も入れず体は汚れる。 確かに、そんな生活から逃れたいと言う気持ちも強かった。 
 しかし、何より今の彼女に有るのは、自ら達の様な立場の人間を、力で脅し都合良く活用し卑下し糾弾する、エージェントの事など何も知らない、輩を屈服させ能力者達の地位を確固たる物にしたいと言う意思だった。
 思いの他、セリスが何の抵抗も無く従順な対応をした事に、青メッシュの女は瞠目する。 それに対して、セリスは微笑し彼女に、速く彼の待つ場所まで行こうとうながす。
 ファンベルンは、それを見て先程までの彼女の憤りは、自分のおふざけが原因だったのかと反省する。
 彼女は、愚かにも自らの言葉にまともに、セリスが対応しないのは、彼女が、命令をされるのが面倒なのかと勘違いしていたのだ。 
 彼女は、自分の勘違いを反省して、「案内するので付いて下さい」と、落ち着いた声で言って歩き出す。
 
 隊員達の宿舎施設を抜け、立ち入り禁止と書いてある場所を潜り抜け、洞窟の本道へと進んで行く。
 洞窟の奥へ奥へと彼女達は、進んでいく。 鍾乳石が、幾つも不規則に並び、神秘的な美しさを造る。 照明は、洞窟の雰囲気を壊さないために極力、少なめに設置されている。 言わば、必要最低限だ。
 数百m真っ直ぐ進んだ所でファンベルンは、突然歩みを止める。 
 そして、何も変った様子の無い岩肌を調べ始める。 突然、ボコンと言う何らかの圧力を受けて潰れるペットボトルの様な音を立てて岩肌の一部が、長方形の形に沈んだ。
 こんな仕掛けを知っているとは、この女は、ここに配属されていたことも有るのだろうか。 
 セリスは、そんな詮索をしながら音を立てて開かれた隠し扉の先を彼女の先導を頼りに進んだ。

 証明の数が、先ほどの通路と比べても更に少なく、五里霧中と言う相応しいほど見通しが悪い。
 そんな暗い道を案内者は、慣れた様子でよどみなく歩む。 決して平坦な道のりではない。
 十数回、右折や左折を既に、繰り返している。 ファンベルンの後を追っていると何時の間にか行き止まりに直面する。 彼女は、また、先程の隠し扉の様な仕掛けだろうかと推測する。
 しかし、セリスの推測は見事に間違える。 サングラスの女は、突然、アクセルを発動させる。 どうやら彼女のアクセル発動時の炎の色は、青らしい。 
 そのアクセルの力を察知したのか、「エージェントで有る事を認証しました。 合言葉を述べて下さい」と言う、機械的な声が、響き渡る。
 合言葉とは何なのか、セリスは、自分の紫の髪を弄りながら興味本位で待つ。

「リーブロのバーカ!」

 ファンベルンの口から発された余りにも幼稚な言葉に、彼女は、思わず肩を沈めた。 
 何故、この様な稚拙な言葉を合言葉にと女に彼女は問う。 すると女は、サングラスを上げて所属組織の将の悪口を合言葉にする様な組織は、そうそう無いから盲点になると指摘した。
 セリスは、彼女の言葉に確かに、いかに合言葉だとしても統率者を卑下する言葉は、余り設定されないだろうと合点する。 
 もっとも、この合言葉を造ったのはファンベルンで、唯単なる面白半分だったのだ。 何せ、アクセルの炎は諮問の様なもので認証機で判別すれば一瞬で、組織のメンバーか侵入者か確認できるのだから。
 
 装置が、ファンベルンの肉声を確認したことを伝える。 
 それと同時に、行き止まりの岩肌が突然、輝きだし音も無く消滅する。 
 その先には、窓など無く左右、更には、奥が本棚に囲まれた部屋があった。 それはまるで、以前古城で見たリーブロの居た部屋とそっくりだった。。 
 彼が本好きなだけなのか、知識が必要と考えているのか、エンジンに関係しているのか。
 薄紫の髪の美女は、顎に手を当て思考を巡らせていた。

「マジかよ……ミシェル、死んじゃうのかよ……ここで! ひでぶ!?」

 セリス達は、彼の前へと立つ。 そして、ファンベルンが、セリスを連れて来たことを彼女が伝える。
 普通の人間なら、彼女の言葉に反応して、本を読むのを止め挨拶でもするだろう。
 しかし、リーブロは、そんな普通のリアクションはしてくれなかった。 男は、ガタガタと体を震わせて、立ち上がり彼女達には分るはずも無いことを話し出した。
 だが、セリスは、漫画でも小説でも何事でも好きなキャラや好人物が死ぬのは、面白くない事だろうとリーブロを慮る。 昨日、突然、赤沼の襲撃に合い古城から逃げる事になった。 古城からの逃走が、上手く行ったのは恐らくは、目の前の男のお陰だろうとセリスは感謝していた。
 しかし、青のメッシュをした女は、そんな友達を亡くしたかのようなリアクションを取る、目の前の男に容赦ない。 握り拳でリーブロの頭部を躊躇無く殴りつけた。
 以前もそうだったが、この女は目の前の男と近しい関係なのだろうか。 セリスは、何故、彼女がこれ程に自分の所属する首領に無遠慮な対応が出来るのか不思議そうに思う。
 それと同時に、いつまでも彼が、本に夢中になってて話が進まないのもゴメンなのでファンベルンに感謝する彼女だった。

「お嬢、連れてきましたよ! さっさと任務、言え!」
「ちょっと、待ってくれよ。 今、最高に燃えるシチュエーションなんだって!」

 口角を吊上げて脅迫するように、女は言う。
 恐らくは、本を読むのに集中していて任務の内容を彼女に言うのが面倒だったから、時間稼ぎにセリスを呼びに行かせたのだろう。
 彼女は、そんな考察をしながら一部始終を見送る。 リーブロは、頭を下げてこの本を見終わるまで待ってくれと懇願する。
 しかし、彼女は彼の我侭など全く聞き入れる様子は無く、詰寄り男はついには、心を折り降参した。
 リーブロは、丁寧に読見終わった場所に栞を挟みその本が、あったと思われる場所に丁寧に、本を戻した。
 そして、改めてセリスは、本棚を見る。 全ての本が、小説家の名前と巻の番号順に並べられていることに驚く。
 目の前の男は、口調や態度から適当で整理整頓など最も苦手としている部類に見える。 それは、服装や髪型にも現れている。
 しかし、本に関してだけは真面目だ。 やはり、エンジンの条件なのだろうか。 彼のことを知らない彼女は、強く興味を持った。

「どうかしたか?」
「えっと……あの! 貴方のエンジン条件は、本に関係していたりするんですか?」

 彼女の興味津々な表情に目敏く気付き、リーブロは、彼女に優しく問い掛ける。
 そして、彼女の質問に隠す必要の有る事でも無いと言う風情で、説明を始める。
 どうやら、道具を媒介とする者の間では、その道具に関係する条件が多いとのことだ。 多いと言うよりほとんどと言った方が良いらしい。 
 無論、彼もその例に漏れない。 彼の場合は、必ず一日に一冊以上の本を読む事。 そして、本は丁寧に扱う事。 作者順や巻順に、本を綺麗に並べられている事や、古い書物でもシミなど無く、綺麗に保管されている事などが、丁寧に扱うと言う条件らしい。

「じゃぁ……ファンベルンも切れちゃいそうなんで、そろそろ本題に入るぜ?」

 リーブロは説明を終えるとテンガロンハッドのツバに手を当て深く被り、小さく溜息を吐く。
 ちらりと燕尾服の女を見て、表情を確認し話を進めるのが吉と考え、セリスに何か他に質問は無いかと促す、 薄紫の髪の美女は、目を横にやり「特に無いわ」と小さな声で言った。

 彼は、彼女の承服の言葉を聞くと指令の内容を話し始める。
 何でも、フリーのエージェントが、政府に弱みを握られて望まぬ労働を強いられているらしい。 
 それでも発狂して政府に盾突く、エージェントが居る可能性を政府は考えているのか、ぬかり無く政府お抱えのエージェント達が、数名配属されていると言う状況らしい。 彼等が、不当な労働を行わされている場所は、隣国であるザオの国境線らしい。
 今回の任務の趣旨は、そのフリーのエージェント達の救出と言う事だ。

「数名のエージェントって二人で相手にするには、キツく無いか?」

 泰然自若とした態度で平然と指令を出すリーブロに、青メッシュの女は、至極当然の疑問を投げかける。
 それに対して、彼は全く表情を崩さず、実は政府は彼等、エージェントの弱みなど握れて居ないと言う事実を、口にする。
 詰り、彼等は巧みな政府の脅しと力に屈している状態なのだ。 
 そんな、抑圧で押し固められたダムは、一滴の希望が落ちれば容易く決壊する。 
 詰り、フリーのエージェント達の不満と抑制を取り除き、彼らも戦力にするのが、この作戦の肝と言う事だ。 

「つまり、政府の施設の内部に入り、情報統制を崩壊させて彼らに、嘘を暴露すれば良いってことね?」
「そう言うこと……マァ、そこには絶対、敵側のエージェントが配置されているだろうけどね?」

 セリスは、納得が行ったと言う様子で頷く。
 彼女の言葉が、間違っていないことをリーブロは確信して更に、注意事項を加える。
 薄紫の髪の女は、当然、その様なことは予測できていると男の言葉にお節介が過ぎると言う様子だ。

「所で、情報を管轄している場所は、どこなんですかね?」

 一つの問題が、片付いたのを確認してサングラスの女は、次の質問をリーブロに浴びせる。 
 彼女の問いに、男は眉根をひそめて判明していないことを伝える。 
 彼女は、驚いた様子も無く一頻り頷く。 
 一応の質問と言うだけの様だ。 
 相手側の施設の間取りが分っている様ならとうに、現地に居るであろう面々が行動を起しているだろうから言われるまでも無いことなのだ。
 
「なーに、そう言う仕事が大得意な奴が俺達のチームには居るしな」

 不安げな顔をする薄紫の髪の新人にリーブロは、心配無いと言う意味合いの笑みを浮かべて言う。
 そして、指を鳴らす。 指を鳴らした瞬間、どこからとも無く、セリスと燕尾服の女の間に、女が現れる。 
 栗毛の丸渕眼鏡の女だ。 この支部の支部長を務めるリコイルだった。 
 リーブロの話によると、彼女がテレポートの能力の持ち主らしい。 
 ちなみに、トランスポートの使い手は、彼女の弟とのことだ。

「あら、ファンベルン……貴方、一日目で彼女の部屋の扉を壊すなんて、何て恐ろしいのかしら?」

 彼女は、セリスに会釈するとファンベルンの方に向き直り上目遣いでファンベルンの顔を見詰める。
 そして、彼女に、優しげな口調でセリスの部屋の入り口のドアを壊したことについて追求してくる。
 リーブロにしろ彼女にしろ、サングラスの女の自業自得だと知っているのか、薄紫の髪の女の攻撃によりつけられた彼女の体の傷については言及しない。
 一方、リコイルに言葉攻めされる燕尾服の女は、許してくれとばかりに土下座していた。

「もっと……頭を下ろしなさいファンベルン? 頭を床に擦り付けるのよ……」

 そんな女王の様なリコイルの振る舞いに矢張り、彼女も普通では無いのかとセリスは、沈黙するのだった。


Part2へ

Re: 無限エンジン Ep1 Akt2 Part1更新 コメ求む! ( No.33 )
日時: 2011/05/25 18:13
名前: モノクロ ◆xl4B3i0CLs (ID: rbVfLfD9)

はいこんちゃーすv(^^)v

モノクロですwww

組織の頭である本の使い手リーブロとセリスが合う所まで読みましたよ〜(^^)b

リーブロは能力を本に写す?能力者なんですかね?

それならマルチスキルなんで便利ですねw

Re: 無限エンジン Ep1 Akt2 Part1更新 コメ求む! ( No.34 )
日時: 2011/05/30 16:04
名前: モノクロ ◆xl4B3i0CLs (ID: rbVfLfD9)

こ、こっちも更新してください!(殴)

アゲv(^^)v


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21