ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains
- 日時: 2011/06/06 11:09
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xr1in99g)
まあ、更新遅いし、どうしようかこの野郎
と、脳みその足りない私が悩んだ結果、二条投稿しちゃえばいいか思考が発生した結果の産物です
ggればオリジナルが出ますが、オリジナルと話の内容は大体同じです
一応注意書き
荒らしは止めてちょ
荒らされ中のコメントも止めてちょ
以外特になし
退学危機の今日この頃
喧嘩しかけてきた相手は何故にお咎め無し……?
謎だ
>>1
プロローグ
一章 始まりは静かにゆっくりと確実に
〆>>2-5§>>8-15§>>20-23
- Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.4 )
- 日時: 2011/05/08 21:54
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
「どうです、新型の出来栄えは」
白い装置が、謎の曲線を表示している中で、一人の男がその白い中にうずくまる様にして何かを組み立てている人影に問う。 その人影は、猫背を無理に伸ばしながら男の方を向いた。
その顔は、顔面蒼白と言うべきだろうか? 兎に角白い以外の表現方法は無い。
白衣のその姿は、白い研究室に同化する。
「中々のものですよぅ。 もう一日二日で、新型騎士は完成するかと。 まあ、試作機ですので無理はなさらぬように」
それだけ返すと、その人間は元の位置にうずくまり、作業を再開した。
そのうずくまった人間に気を取られ、部屋の白い色にどうかして目立たなかったが、その人間が組み立てているのは、人型の『何か』。
猫背の男が組み立てているのは、現代の機械騎士。 製造名、ノットプライス。
「古式騎士と聞いて、巨大なロボットを想像していたのだが……精精人並みか」
「ええ、人並み。 大きくても身長2メートルがいいところです」
二人の会話が、騎士といくつかの工具以外、何も無い部屋に木霊する。
「少し、時間を頂きたいのだが……よろしいか?」
部屋の扉を開き、別の人影が部屋と部屋の境界をまたぐ。 その人影に、最初からこの部屋に居た猫背の人間は、何やら嫌そうな表情を向ける。
どうやら、この二人の間には何かあるらしい。
「何事です、所長殿」
猫背の人間が、その仏頂面を向け、言い放つ。 言葉だけで見ると質問のようだが、その口調には明らかに嫌がっている念がこめられ、その言葉は「今すぐにこの部屋から出て行け」と言っているようにも聞こえる。
「まあ、そう邪険にするな。 それと、部長殿は止めろ。 俺はレベルⅤと言うだけでここの部長に抜擢されたよそ者だ。 嫌うのも分かるが、仕事の方はきちんとやれ。 俺はこいつに用が有って来ただけだ」
所長と呼ばれた人影は、そこで唯一人らしい姿の男を指差し、
「エディー、客だ」
それだけ言い残すと、所長はその場に霧が晴れるかのように消えた。
それを聞き、エディーと呼ばれた男は猫背の研究員の横に缶コーヒーを置くとその部屋を後にした。
男が研究員に背を向けるとほぼ同時、騎士の腕がかすかに動く。 研究室の扉が閉じるとほぼ同時、室内に居た猫背の男は頭蓋骨を失った頭部から脳をぶちまけ、この世を去った。
「私が……試作機ですって? 笑わせますね、魔式騎士に試作などありません。 魔力を核に与えれば既に、意識を持ち、動けるのですから」
- Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.5 )
- 日時: 2011/05/08 21:54
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
猫背の研究員がこの世を去り、五分後。 ようやく施設内のコンピューターが監視カメラで死体の存在を認知し、警報を鳴らす。
たった五分、されど五分。
人間であれば、その五分間でかなりたくさんの行動を起こすことが可能だ。 そして、その空白の五分間。 それがこの施設の余命だった。
「邪魔立てするのであれば、殺すまでですよ。 人間」
所々に点々と血しぶきを浴びた、赤い水玉模様の白衣を身にまとった男とも女ともつかない顔つきの人型兵器が、能力者に阻まれる。
紅の瞳で威圧するが、その能力者は怯む気配を一切見せない。 むしろ、それの所為で気をしっかりと持ったままなのかもしれない。
彼の体力は、底なしだ。 そして、騎士の体力にも、底が無い。
「ハンッ! この程度で勝ったつもりか、戦闘経験の浅い雑魚は……寝てやがれ!」
能力者。 もといエディーは古式騎士の足止めに全力を注ぐ。
だが、その足止めは、無駄だ。
「知りませんね、私の戦闘能力は明らかに貴方を凌駕しています。 貴方に勝ち目があるように見えませんが……?」
エディーの蹴りを受け止めながら、騎士は無表情のままその足を掴み、彼を床にたたきつける! だが、たたきつけられる寸前。 エディーは両腕で床を掴み、足を握った騎士を逆に……叩きつける!
「……なッ」
「これが経験値の差だ、餓鬼ィ」
エディーは、追い討ちをかけるかのごとく壁に立てかけてあった消火器を掴み、起き上がろうとする騎士を殴る。 起き上がろうとすれば、殴る。 攻撃を仕掛けてきても、殴る。
殴られる以外、行動を起こせばその選択肢は無い。
「……クソッ」
「お、ようやく“悔しく”なったか? 如何だ、俺が“憎い”だろう?」
感情を持たない機械に対し、エディーは感情を持っているかのように話しかける。 だが、
「いえ、私は感情など持ち合わせてはいません」
殴られてもなお、無表情のまま、騎士は起き上がろうと努力する。
しかし、エディーの容赦ない消火器による殴打が、騎士に繰り出され、騎士は床に伏しての繰り返し。 一向に終わりが見えないこの攻撃は、確実に、騎士を壊していた。
何十発、打撃を叩き込んだろう? ようやく、騎士の顔に、“憎悪”の表情が浮かぶ。
「そうだ、それだ。 俺が“憎い”だろ? それで良い、憎め、嫌え、理由も無く……人間を殺すな。 お前を殺そうとした奴は……俺以外にいたか?」
エディーの言葉が、騎士の怒りを増幅する。
一体、この感覚は何だ? 何故、この男が憎い? 何故、人間が憎い? 何故……、
「何故、これ程まで、貴方が殺したい?」
何だ、この感覚は。 何だ、これが感情? 邪魔だ、要らない。 要らない、要らないんだよ!
「私に感情など……必要ない!」
「いいや、必要だ。 お前は古式騎士だが、完全な人型。 人造人間といっても過言ではないだろう。 感情は、物事の判断に必要だ。 人間らしく、物事を捉えるために」
エディーの言葉は明らかに、騎士の感情を揺さぶっている。 騎士が行動に迷っている。
さっきまで、性懲りも無く起き上がろうとしては殴られていたが、今はそれが無い。 学習して、策を練っているのか。 はたまた、今この状態でいいのか考え込んでいるのか。 演技をしているだけの可能性もある。 だが、それでいい。
演技か素か、そんなことは分からない。 ただ、これで良い。
学習する、素晴らしい。 感情は要らない、今すぐにでも、不意の一撃を叩き込んできて構わない。
「分かった……貴方に従おう」
これで……良い。
お前は、戦うためだけに、兵器として戦うために作られた。 感情が芽生えたのであれば、追々消してやる。 今は物事を学んで、戦闘経験を積めば、十分だ。
感情を理解したのなら、それだけで十分。 怒れば相手の行動も自然と硬くなるということも学べていれば直よしだ。
「良いだろ、この施設を出るぞ。 お前がマザーボードをいじったおかげで……もうじき自己隠蔽機能が発動して自壊する」
- Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.6 )
- 日時: 2011/05/09 23:55
- 名前: 初心者 ◆.6Hqkk7dyk (ID: MModVAVg)
- 参照: 初めまして、こんにちわ、初心者です。よろしくお願いします。
まだ読んでませんけど、騎士ってたぶん「例のアレ」ですよねwww
- Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.7 )
- 日時: 2011/05/10 21:19
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
ええ、例のアレです
未来の話なので、ネタバレが酷いのですよ
- Re: 古式騎士ゼロ式 Ancient Remains ( No.8 )
- 日時: 2011/05/18 22:12
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: MlJjY9/z)
国家施設の自壊から数時間。 とうとう国家は古式騎士の存在を認めた。
犠牲者は、運よくゼロ。 施設が壊される前に全員が脱走することに成功したと言う。
ただ、その施設で管理されていた騎士が脱走。
施設は荒野に建っているような、人里離れた場所だが、騎士の力を持ってすればいとも容易くその場から数百キロ移動する程度のことは可能だ。 だが、政府はこれを「問題ない」と、警戒レベル3/10程度に定めている。
騎士の能力の恐ろしさは、政府が一番分かっているはずだ。 反勢力を滅ぼす程度は朝飯前。 種類によっては騎士がその気になれば、一体で町一つ。 首都であろうが例外なく壊されるだろう。
「ようやく、騎士の存在を国が認めたか。 ロア、これからは騎士だってばれないように行動しろよ」
横に座ってチョコレートを貪り食うロアに、メリエルは忠告する。 だが、ロアは特に問題視していないように、「はーい」とだけ返し、再びチョコレートを口に運んだ。
よくこれだけチョコレートを食べ続けて太らないな……。 古式騎士だから?
ロアの存在は、特に問題ではない。 国には奴隷登録すれば良い。
町に近ければ、職も多く、飢え死にする奴は少ないが、町から離れれば離れた分だけ、貧困地域が多数点在する。 そこの人間は、戸籍上いない人間だ。
いや、人間として扱われていないと言うべきだろう。 そこから適当に浚ってきたことにして、奴隷として登録すれば、大体はまかり通る。
俺の場合は、孤児院出で、国の連中が視察に来た時に能力者レベルの測定結果と知能指数の高さが災いして半ば拉致されたようなものだった。 そこから、兵隊としての教育を受け、今に至っている。 恐らく、政府の視察期間が孤児院へとこなければ、俺は孤児院を出てすぐに飢えて命を落としていただろう。
まったく、ふざけた話だ。 戸籍登録イコール人間としての登録、そう取っても間違ってなど居ない。 いっそ、ロアと組んで国滅ぼしてやろうか……。
俺はこう見えても能力者だ。 それも、遺跡での発掘に当たって調査員ではなく実質ボディーガードとして雇われてるレベル。 能力者レベルも、人間の最高値、レベルⅤ。 並みの能力者では太刀打ちできない。
「ロア、チョコレートの買い溜めがなくなってきたから買いに行くか? このままだと今日中に底を突くぞ。 第一、何で俺が食おうと思って買ってきてた奴を……」
「行く!」
「そうか、分かった。 帰りに奴隷登録するぞ、お前は居ないはずの“人間”だ。 騎士としてこの世界にいれば、国がお前を格好の兵器として狙う。 取り合えず、人間として登録する」
ロアはその言葉に疑問符を浮かべ、
「奴隷登録って? 人間が勝手に作ったルール?」
奴隷と言う言葉に反応する。 どうやら、余り嬉しい言葉ではないらしい。 そりゃそうだ。
「そうだ、面倒なことに巻き込まれないようにする」
「じゃあ……壊さなきゃ……」
「は?」
ロアは今の今まで食べていたチョコレートをカゴに残し、席を立った。 何だ、今までで無い雰囲気……。 何かやらかしそうだぞ……。
「壊さなきゃいけない。 私の存在意義……壊すこと、平等にすること……。 壊して平らにすること。 壊して平等にすること。 それが私のお仕事……」
それだけ述べると、ロアは玄関を介さず、壁を突き破り外へと出た。 突き破られた壁は、溶かされたように穴が開いているが、熱を帯びているわけでも、酸で溶けたわけでもない。
何かが関与した所為で、溶けた。 いや、液化したと言うのが正しいだろう。
「待て、オイ!」
その言葉すら、ロアには届いていない。
クソッ、何がどうなってる? 仕事……? 平らにする?
何だ、それは。 一体何がロアに関与して……平等? どういうことだ? 古式騎士の存在意義でも聞いておけばよかった! クソッタレ!
ロアを呼び止める声と同時に、ロアは背から生やした純白の翼で跳躍した。
何事だよ……?
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