ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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世界の怪談(短編集)
日時: 2011/10/16 21:24
名前: 涼 (ID: /iUvxDbR)

始めましてりょうと申します。
題名のとおり色んな国のいろんな
怪談話を書きたいと思います!

テレビで見たのをもとにしたり、
自分で考えたりとか色々です(笑

たまーに妖怪やお化け系も出てきます。
怪談話ではないですよね;
すいません。

とにかくよろしくお願いします!



——



#01(パソコン)>>1   #00(陰陽師)>>4
#02(ドライブ)>>2
#03(童歌の娘)>>3
#04(吹雪の晩)>>5
#05(雨の日の出来事)>>6
#06(学校)>>7
#07[幻の女性]>>8
#08(紅い浴衣)>>9
#09[ハーメルンの厄災]>>14

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Re: 世界の怪談(短編集) ( No.13 )
日時: 2011/06/20 15:33
名前: 涼 ◆703fA5c/sc (ID: Amc8WCDv)

     九龍さま


  最近部活とかで忙しく返信が遅くて
  すいません!それとご観覧くださり
  ありがとうございます!
  涙が(黙れ

  08は妹を殺したんですけど、
  死に間際に妹の反撃で
  自分も死んでしまいますが、
  大好きな浴衣とともに、
  死んでるにも関わらずお祭りに行き
  お祭りをさ迷うことになってしまいます

  まあ、気づいても逝く先は地獄ですが笑
  今から更新がんばりまふ!



.

Re: 世界の怪談(短編集) ( No.14 )
日時: 2011/06/20 16:18
名前: 涼 ◆703fA5c/sc (ID: Amc8WCDv)

  #09 ( ハーメルンの災厄 )


ハーメルンの笛吹き男。それはドイツの民間伝承で世界的に有名な話。

実は実際にドイツで起こった事件だという。それを物語として創作し、

後の世代に伝えたのが、ハーメルンの笛吹き男。

では、何故そのハーメルンの子供たちが消えてしまったのだろうか。

笛吹き男は現れたのか、それとも創作のなかでしか存在しないのか。

それを知る者は、誰もいない。

真実は永遠に謎のまま。




——



街にペスト病が流行した。弱い子供たちは次々と病にかかり臥せる。

そこに現れたのは、桜の木で出来た横笛を持った美青年——司だ。

閻魔大王の命令により、ヨーロッパの神々が死神の手が足りず、

大忙しだから、ヨーロッパの死神を手伝えということで来たのだ。

ドクロの顔に黒いマント、大鎌を持つ。いかにも死神だ。

典型的なヨーロッパの死神の容姿を持つ名前はヨーゼフという死神は、

なかなか愛嬌があり、司に大ふざけの冗談を良く彼に零す。

司は半分聞き流し、舞台となるハーメルンに着いた。


「えーと、横笛を吹いて子供たちの魂を集めてくれよ!」

「分かった」

「んじゃあ、俺は人間に化けて街を観光だああっ!」


白い煙とともに消えた。単純な奴、と司はぼやいたあと、

さっそく始めることにした。

まずは街の中央に立ち、日本の伝統楽器、横笛を吹く。

東洋の謎に満ちた音色にペストで死んだ子供たちが次々と現れる。

行列になったのを見届けると、司は歩き出す。

ぞろぞろ、ぞろぞろ。音が出るくらい、子供たちは集まり行列になり、

司を先頭に歩き出した。途中である子が泣きだす。

母親に逢いたい、と。

つられて次第に全員が泣きだした。列を抜けようとする子もいた、が。

一度列に並んだら、おしまい。もう二度と抜け出すことはできない。

街の人たちは悲鳴をあげ、泣き叫んだり、狂ったりする者もいた。

それでも音色は止まらず、列は続く。続く………

街の大人たちが目撃するくらい、この街はペストに犯されており、

生死を常に隣り合わせだったせいで誰もが死者が見える、怪奇な街。

いつまでも現世に留まり続ける子供たちを素早く天国ではなく、

地獄に送るのが役目。

そう、役目なのだ。西洋の子供は死んだらすぐ地獄に送られる。

東洋の子供は地獄に送られるも、大人の味わう地獄は罪を犯した子だけ

だけど西洋は違う。大人と同じ苦しまなければならないのだ。

救われる日は、来るのか。

生憎西洋の宗教は詳しくないので分からないが、救われるのだろうか。

それも知らない。子供たちは地獄に送られることも知らない。

何も知らない。

何も分からない。


————ハーメルンの笛吹き男。


「地獄はもうすぐ、そこ」





丘に消えた子供たちをあの世とこの世の人物を見分けつかなくなった、

大人たちが死に物狂いで追いかける、だけど道は二度と見つからない。

大人たちは後に伝承として伝えた。

多くの学者たちが研究し、子供たちが失踪した理由を研究する。

それでも、分からない。

何故なら。

あの時の街の大人たちが、狂ってたのだから。










Fin

Re: 世界の怪談(短編集) ( No.15 )
日時: 2011/06/20 16:48
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: 4BMrUCe7)

ハ—メルン!
この話の原作、好きすぎます。


……西洋の場合、死神って相手を魅了するイメージが強いですが、こういう連れ出し方もありなんですねー。
子供達が可哀そすぎる件。
西洋の場合、キリストが多いですね。多分、最後の審判あたりで救われる子もいるんでしょうねー。

Re: 世界の怪談(短編集) ( No.16 )
日時: 2011/10/16 21:13
名前: 詩乃 ◆dM1efpvtuU (ID: /iUvxDbR)
参照: 遅れて申し訳ございませんでした。

     九龍様


非常に返信と更新が遅れて申し訳ございませんでした。
何せ、中学二年生ですので色々とありました。
ですが、今日は更新したいと思います。
どうか、今後もよろしくお願いしますね。

Re: 世界の怪談(短編集) ( No.17 )
日時: 2011/10/16 22:09
名前: 詩乃 ◆dM1efpvtuU (ID: /iUvxDbR)

  #10[アウシュビッツの悲劇]


私は旅が大好きな自由気侭な旅人よ。アルバイトで懸命に溜めた旅行用と実は老後用のお金もを少し使って今日から一ヶ月間、ポーランドへ旅に出かけるつもり。
水色のブラウスにデニムとお気に入りのリュックサックが旅の所持品。さっそく空港へと向かった。航空機に乗ってさあ、ポーランドへ出発。
何故、私がポーランドへ行くのか。
それは、ある謎の手紙が全てを物語っていた。
ある日曜日の朝、アルバイトで疲れ果ててた私は好い加減に正社員にならないので親から見放されている、言うなれば問題児だった。
だから、一緒に住めなくて駅から遠いマンションに住んでいるのよ。それで珍しく全てのバイトが休みという幸運な日曜日だ。
家で楽しもうと考えたら、少し散歩をしよう、と玄関に出たらポストにある手紙が入ってた。
自慢ではないけど、旅ばかり続けた所為で友達なんか誰一人いないわ。
宛先は不明。だけど宛名は、〝善良な死神〟だった。
——— 何これ?
悪戯ね、馬鹿馬鹿しい。捨てようと思ったけど中身が気になったのよ。だから、好奇心と軽い気持ちで封を切ったら、もう驚いたわ。
手紙によるとポーランドのアウシュビッツに来てほしい。その収容所で待っている。そんな内容だった。だけど心に重く圧し掛かったわ。
だってユダヤ人をその収容所で殺した事くらい、高校で習ったもの。
こんな悪戯みたいな動機で来ても良いのかしら?
だけど、このまま誰も忘れ去られそうな世の中だわ。行って私だけでも記憶に留めてるのも、良いかもしれない。
そんな訳でポーランドを行くことに決めたのだ。



訪れたアウシュビッツの収容所で、まず最初に大きな衝撃を受けた事があった。それは山のように高く積み上げられた人々の髪だった。
まるで豚みたいにぎゅうぎゅうに貨物列車に乗せられ、着いた途端に髪を丸坊主みたいに切られ、ガス室で殺されたり無理な労働をされたり、ユダヤ人達の写真は、私の姪と同い年の子もいた。
それらを見てると泣きたくなったの。泣いても無駄なのに、ね。だけど、どうしても我慢できなくて。でも何故か有名な場所なのに観光客が私以外、誰一人いなかった。だから隠れて泣いたわ。
泣き続けている時、何処からか男性の怒声と人々の泣き叫ぶ声が聞こえた。

「………、な、なにっ…………!」

気付くとユダヤ人達の写真に出てきた人達が泣いているのです。黒白の囚人服を着て泣いている。途端に怖くてだけど悲しくなったの。
姪と同い年の子達も泣いている。
そして、私を全員が、見つめていた。
怖かった。だけど不思議と優しい気持ちになってね、それで人々の声が聞こえないのに、何処からか聞こえ始めてきた。

——— お腹すいたよぉ
——— お腹が空いて眠れない
——— 非道な空腹と疲れと空腹の疲れで眠れない、ああ、眠たい
——— 疲れたから、お水が飲みたいの
——— どうか、赤ん坊にお乳を与えたいので食べ物を…!


「………お腹が空いてるの、ね?」

思わず呟いていました。そうしたら、子供達が一斉に泣き始めました。だけど大人達は嘆きつつも、子供達を宥めながら言い続けるのです。

——— 遠い国から来てくれた方を困らせるんじゃない
——— 優しい人だよ、泣いてくれるだなんて
——— 皆、悲しんでくれるが、泣いてくれる人は少ないからね

私はどうすることも出来なくて悔しい思いを今でも鮮明に覚えてます。そしてその後、気付くと写真の前で立っていました。
時間はまだ来てニ十分。長く感じたのに、たったそれだけ。
だけど、ユダヤ人達の嘆きがいつまでも忘れる事など、出来なかった。
未だに思い出す度、ユダヤ人の、幼い子供達がこう言ったのを思い出すの。

お腹が空いた、と。





END


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