ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Experience
日時: 2011/06/29 16:11
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

まず初めに・・・
ぶっちゃけ「日常ぶち壊し系」の物語です。

何か聞いた事のあるセリフ等が出てきても、ツッコミは無しでお願いしますww



是非コメント入れて下さいね☆
あ、批判は無しで・・・

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Experience ( No.10 )
日時: 2011/09/20 21:43
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

メチャクチャ久しぶりに更新します。
長い間すいませんでした・・・

忙しくてこれからも更新が遅れる事もありますが、
どうぞ、応援よろしくお願いします。

Re: Experience ( No.11 )
日時: 2011/09/20 22:57
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

「さて・・・これからどーすんだ?外がアレだ。助けは期待できねーぞ」
少しだけ開けた窓の外を見つめながら佳樹は言った。
【死者】達はこちらの存在に気付いてはいないが、武道場の周りをうろついていた。
外は相変わらず地獄絵図だ。
「学園の外なら大丈夫だと思うが、脱出するのは困難だろうね」
隣の窓から外の様子を伺う玲奈が言った。
その手には木刀を携えていた。
利玖も玲奈も佳樹も武器を持っている。脱出しようと思えば脱出できるが、無理に動くより作戦を立てたほうが動きやすい。
それはここにいる3人ともわかっていることだ。

「あのさ・・・今思ったんだけど、佳樹と海庭先輩は何で2人一緒にここに逃げ込んだんだ?」
利玖の質問に2人は一度視線を外し、利玖に注目した。
「彼に命を助けられたのだ。私が廊下で戦っていると【死者】に背後を取られた。その時、宮下君と出会い助けられた」
「別に助けようと思ったわけじゃあねーよ。偶然通りかかっただけだ」
佳樹は再び外の方を向いた。
照れ隠しのつもりだろう。
その仕草がどこか可笑しく、利玖と玲奈は互いに小さく笑った。


「助けたい友人がいないなら、このまま学園を脱出するが・・・どうだろうか?」
「オレはいつでもいい」
「白石君はどうだろうか?」
「オレは・・・すいません。大事な友達がいるんです」
利玖は少し考え、自分の意見を言った。
もちろん大事な友達と言うのは、春人と風香の事だ。
生きているにしろ、死んでいるにしろ
まずは会いに行かなくてはならない。
「ならば仕方ない・・・宮下君。話は聞いてたな?」
「オレは別に構わないぜ」
佳樹も木刀を手に持ち立ち上がった。
「本当にいいんですか?これはオレの問題っすよ」
「何言ってんだ。ここまで来たのも何かの縁だ」
「そう言うわけだ。私たちも協力しよう」
心強い味方を得た。玲奈は剣道部主将だし、佳樹は運動神経がいい。
「ありがとう、海庭先輩、佳樹」


「では・・・参ろうか」
玲奈が武道場の扉を開け、3人は飛び出した。
利玖は一瞬後を振り返り、大成の遺体を見た。
(さよなら・・・大成)

Experience ( No.12 )
日時: 2011/09/21 00:19
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

Episode2−2

春人・風香side
「風香、大丈夫か?」
「私は平気・・・春ちゃんこそ大丈夫なの?」
「大丈夫だ・・・しかし、状況は最悪だな」
春人と風香はこの騒ぎが起こってから、ずっと職員室に留まっていた。
体の弱い風香をあまり歩かせるわけにはいかない。
それならば一箇所にいた方が安全だ。と言う春人の考え。
職員室なら運動場を見渡せるし、何より校門に一番近い。
【死者】の数が少なくなったとき、学園から脱出しやすい。

ドンッ、ドンッ

突如、職員室にドアを叩く音が響いた。
「りっくんッ!?」
「いや、違う・・・数が多い・・・」
春人は野球部の部室から取って来たバットを手に持ち、ドアに近づいた。
「・・・ッ!」
「どうしたの・・・?」
春人の顔が険しくなり、その様子をみた風香が不安げに聞く。
「オレの後に下がってろ・・・利玖じゃあねぇ・・・【死者】だ」
「うそ・・・ッ!」
風香は春人の後ろに引っ込み、春人の袖をギュッと握った。
「心配すんなって、オレが守ってやるからよ・・・」
まったく怖くない。
そう言えば嘘になるが、今はそれどころではない。
風香は戦えない。自分が戦うしかないのだ。



やがてドアが壊され、【死者】が5体なだれ込んで来た。

Experience ( No.13 )
日時: 2011/09/21 04:00
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

「しかし、どうするのだ?無闇に探しても危険が多すぎる」
「放送室を使います。あそこから、生きている者は職員室に来るように言います」
利玖の提案に2人は頷いた。
「なるほどな・・・確かに職員室と放送室は近い。だがそれで【死者】が職員室に来たらどうする?」
「【死者】共にそんな判断力は無いと思うよ」
佳樹の質問には玲奈が答えた。



職員室の中へ入った。
そこには2つの遺体と3匹の【死者】。そして生存者が2名いた。
「利玖ッ!」
「その声は・・・ハルかッ!?」
利玖が走り出すと、玲奈と佳樹も続いた。
「私は真ん中と左をやるッ!」
「オレは右だ。さぁ行け、利玖」
玲奈と佳樹が【死者】を引き付けてくれた。
利玖は春人と風香のもとへ走る。

「大丈夫だったか?ハル、風香」
「ああ、何とかな・・・」
「よかった・・・りっくん生きてて・・・」
風香が半泣きで言った。
既に【死者】の始末を終えた玲奈と佳樹とも合流した。
「利玖、バリケードを作った方が良いんじゃあないか?ドアも壊されてるしよ」
「そうだな。ハル、手伝ってくれ」
男性陣は机や椅子で入り口を塞ぎ、【死者】共の侵入を防いだ。



「3年C組の海庭 玲奈だ」
「オレは知ってるよな?2年A組の宮下 佳樹」
「中略」
「2年D組神田 春人です」
「1年C組の本村 風香です」

既に名前を知ってる利玖は省き、全員の自己紹介は終わった。
「神田も本村も見つけたんだ。これからどーすんだ?」
「他の生存者は多分いないと思うぜ。風香と2人でここまで来たが、生存者がいなかった」
「生きているのは、オレたち5人だけか・・・」
職員室の冷蔵庫に入っていた水を飲みながら、口々にそう言う。
「・・・ねぇ・・・みんな見て・・・」
いつの間に付けていたのか、テレビの電源が入っていた。
風香がみんなを呼び、テレビに視線を集める。

そこには、驚くべき光景が浮かんでいた・・・

Re: Experience ( No.14 )
日時: 2011/09/24 23:43
名前: 汐華 初流乃 (ID: uRjlitq/)

『現在、封鎖された私立淡島学園から中継でお伝えしています。
学園内で発生したウィルスが外に漏れる事を恐れ、軍が学園内を包囲。
無断で校外に出た生徒は射殺との事です』

「ウィルス?閉鎖?どう言う意味だよッ!」
テレビの画面に向かって利玖は吼えた。
「外を見てッ!」
カーテンを開けた風香が外を指差す。
みんなは外を注目した。
そこには今テレビで見た光景が広がっていた。
学園の周囲を埋め尽くす大量の軍人。マスメディア。
「かなり深刻な問題に発展してるみたいだな・・・」
顔を顰めて春人は言った。
「みたい。じゃあねーぜ・・・テレビ、見てみな」
ひとりだけ窓から外れた佳樹が利玖たちの背後で言う。

『なお、政府は学園の生徒の全滅を確認してから消毒作業を開始する。との事です・・・』

「全滅って事は、オレ達が【死者】の一人になるまで放置って訳だな」
「そうみたいだね・・・」
利玖の呟きに玲奈が返した。

『・・・ッ!生徒の一人が門を突破しましたッ!』
『いや違う・・・ッ!アレは・・・キャァアアアアアアッ!』

「マジかよッ!」
一人窓から離れていた佳樹でさえ、今回は窓に近づく。
外の・・・正門の辺りでは小さな地獄絵図が広がっていた。
一人の【死者】が【生者】を襲い、復活した【死者】は再び違う【生者】を襲う・・・
先ほど解説をしていたアナウンサーもその犠牲となった。

少しして銃声が響き渡った。
その初めて聞く銃撃音に風香が身を屈めるが春人が支える。
「マジで状況は最悪だな・・・」
利玖は窓から視線を外さず、ただ歯軋りを1回して言った。


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