ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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黒蝶は夜に輝く
日時: 2011/07/29 23:26
名前: 華世 (ID: 9QYDPo7T)

■ご挨拶
おはよう、こんにちは、こんばんは。それとも初めまして?
どうも。再び戻ってまいりました華世です。
今回は少し複雑なお話になると思います。
どうか、お付き合いくださいね^^


■注意事項
Ⅰ:グロい所もあると思います。
Ⅱ:更新遅いです。
Ⅲ:色々お気をつけください……。


■登場人物
□黒田 恋華(Kuroda Renka)
 記憶が無く、右目を失目している美少女。魅栗に恨みを抱いている。
 
□黒田 魅栗(Kuroda Mikuri)
 恐ろしい過去を持つ恋華の双子の姉。恋華を愛している。

□黒田 一樹(Kuroda Kazuki)
 恋華、魅栗の兄で魅栗を可愛がっている。過去には秘密が。

□駒崎 裕介(Komasaki Yu-suke)
 賭け事好きのギャンブラー。恋華の前に現る謎の美青年。
  
□白木 天音(Siraki Amane)
 恋華の唯一の親友。裕介に命令され、スパイをしている。

□大空 海雪(O-zora Miyuki)
 明るい性格の魅栗の親友。共にクラスメイト。


■目次
♯プロローグ 傷を負った夜の蝶…>>1
♯1 天使に愛された悪魔…>>5
♯2 穢れた羽を隠して…>>8
♯3 歪な過去は何処へ消えた…>>10
♯4 黒のキングは夜嗤う…>>13
♯5 お惚気バラード…>>19
♯6 黒蝶は未だ飛び立たず…>>27
♯7 運はどちらの手に…>>32
♯8 裏取引と記憶消去…>>41

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Re: 黒蝶は夜に輝く ( No.1 )
日時: 2011/07/03 18:37
名前: 華世 (ID: 9QYDPo7T)

プロローグ 傷を負った夜の蝶



痛い、痛いよ……。
どうして刺すの? 私が嫌い?


鮮やかな紅い鮮血が、少女の目から滴り落ちる。
おぞましい憎しみが心の中を駆け巡る。
それと同時に、抉られる様な、激しい痛みが心を貫いた。

濡れる左目で少女は今の現状を理解する。
目の前にいるのはもう一人の自分。いや、実像かもしれない。
その顔は嗤っている様であり、泣いている様であり、後悔している————そんな顔だった。

実像は嗤い出す。
狂う様に、愛す様に、儚い顔で。
虚像の少女を嗤い続ける。

鮮血は滴り、少女の白い頬を紅く染め上げた。
それは愛の証。
少女の鮮血も、おぞましい憎しみも————。
全て愛おしく思えてしまう。
それと同時に、実像は大きな罪を犯したのだ。

そして、虚像も微笑む。
偽りの笑みを浮かべ、狂うように舞う。
それから最後に呟いた。


『私も貴方を愛してあげる』 

Re: 黒蝶は夜に輝く ( No.2 )
日時: 2011/07/02 21:49
名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: itXtuB4h)

きゃあぁああぁ!!//
あ、えっと、行き成りサーセン。いや、何か叫びたくなったw
やっぱりコレだよな、華世は。うん、コレが一番だ!
狂愛だよ、うんうん。ヤンデレだよね、うん(何が言いたい
以後期待。ガンバー。

Re: 黒蝶は夜に輝く ( No.4 )
日時: 2011/07/03 19:26
名前: 風(元:秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: L0.s5zak)

お久し振り……です。
覚えておいででしょうか? 素敵な小説ですね。
愛の凄まじさを感じます^^
ヤンデレは良いよね★
頑張って下さい!

Re: 黒蝶は夜に輝く ( No.5 )
日時: 2011/07/03 20:12
名前: 華世 (ID: 9QYDPo7T)

♯1 天使に愛された悪魔



 嫌い、嫌い、大嫌い。
 この世で一番大嫌い。


 少女は、星空と共に白く輝く満月を眺め泣いていた。
 そして、月の光に照らされる一筋の涙も、美しく輝いていた。

 その名前は、黒田恋華。
 6年前の記憶が無く、右目を失った浮世離れした美少女。
 勿論、右目を失った理由など知る由も無い。
 只、はっきりと確信しているのは、双子の姉が大嫌いだと言う事。
 その理由さえ解らない。

「……入ってもいい?」

 この世で一番嫌いな人間の声がした。
 恋華は扉の方へ目を向けずに「どうぞ」と一言呟いた。
 静かに扉が開き、恋華と同じような顔をした少女が顔を覗かせる。

 彼女は、黒田魅栗。
 美しく透き通るような白い肌に、栗色のショートカット。
 純白のミニワンピが強調するボディラインは、恋華とよく似ている。
「……姉さん、何の用?」
 半分厭きれたような顔で、恋華はガラス越しに映る姉の姿を眺める。
 魅栗は、窓の外を眺めている妹に近づいて行き、後ろから抱きついた。

「恋華、愛してる」
「…………」

 返す言葉が無いわけではない。
 返そうと思えば、幾らでも文句くらいは言える。
 しかし、言葉を返したとしたら、魅栗は恐らく“愛してくれている”と思い込んでしまうだろう。
 それだけはどうしても避けたかった。
「やめて」
 ぴしゃりと言い放った妹に竦みながらも、静かに微笑む。
「そう言おうと、あたしは貴方を愛してるから」
 そう言い残して部屋を出て行った。
 
 ————大嫌い。
 魅栗に対する恋華の思いは、そういうものでしかなかった。
「姉さんなんて大ッ嫌いよ……!」


 先ほどまであんなにも美しく輝いていた満月は、雲に隠れようとしている。
 まるで、悪魔が天使から逃れるように。
 


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