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飛空聖騎士部隊【血十字連】
日時: 2011/07/12 20:48
名前: 王翔 (ID: gT4Hbmrj)

プロローグ


なんで、こんなことが……


飛び交うのは、無数の飛空角。


村には、悲惨なほど攻撃がなされた。





「ああ……」



父が、母が、友達が、次々と焼かれ、死んでいくのを見ている



ことしかできなかった。


ゴオオオオン!!

「!」

炎に呑まれそうに、なった時、

誰かが助けてくれた。

「大丈夫かいな?ほら…こんなとこにおったら、あかんよ……

あの森を抜けたら、町があるわ……はよ、行き」

こくりと頷き、走った。

結局、あれは誰だったのだろう。

華南>>5



第一話 >>1  第二話 >>3  第三話 >>4 第四話 >>6  第五話 >>7  第六話 >>8 第七話 >>9 第八話 >>10  第十話 >>11第十一話 >>12

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Re: 飛空聖騎士部隊【血十字連】 ( No.8 )
日時: 2011/07/10 18:43
名前: 王翔 (ID: 9Kh7v297)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

第六話


黒角を撃退した、華南と天津は飛空角を着地させ、血十字連の本部に
戻った。
「……」
「大丈夫かいな?」
「大丈夫、ですよ」
「そうは見えんけどなあ」
天津は、難しそうな表情をしてそう言った。
「何か、フラフラやし……」
「う……べつに怪我もしてねーのに、情けないです……」
「いやあ、そんなことあらへんよ。みんな最初はそう言うもんやで」
「そうなんですか…?」
「うんうん、そうなんよー」
天津は、にこにこ愛想良く笑いながらそう言う。
まあ、悪く考えないように嘘をつかれている可能性も否定できないが。
「じゃあ、そろそろ部屋に戻ります」
「そうやね、ゆっくり休みいや。おやすみー」
「はい……」
それにしても、情けない……


華南は、自室に戻ると、ベッドに寝転んだ。
「それにしても……思ったより、大変なんだ……」
強く、ならないと……

Re: 飛空聖騎士部隊【血十字連】 ( No.9 )
日時: 2011/07/10 19:52
名前: 王翔 (ID: 9Kh7v297)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

第七話


夜だった。
華南はふと、目を覚ました。
「……」
それから、眠ることができない。
とりあえず、散歩でもしてみることにした。
 

中庭に出ると、判寧がいた。
「あ、華南ちゃん、こんにちは」
「こんばんは、ですよ」
「そうでしたね、私ったら……」
判寧は、苦笑いをする。
「……」
「どうかしましたか?」
「いや、その……黒角って、あんなに強いのかと思いましてね。
血十字連って、大変なんだなと」
「そうですね〜、私も最初はとっても不安だったんです」
「へえ?」
「でも……みんな、支えてくれて、こうして一人前になれたん
です」
「そ、そうなんですか……」
私も、なれるだろうか……
「大丈夫です!!」
「華南ちゃんも、きっとすごい飛空騎士になれます!」
「そう、でしょうか……」
「そうです!だから、自信を持ってください!」
「うん」

Re: 飛空聖騎士部隊【血十字連】 ( No.10 )
日時: 2011/07/10 21:54
名前: 王翔 (ID: 9Kh7v297)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

第八話


夢を見る……
あの時の、夢を……
村が、家族が焼かれる夢……
無数の黒角に、
そして……
逃げ道を作ってくれた……
……はっきり、思い出せない……
あれは、誰なんだろう……
「……」
「華南……」
「……う」
「かーなん!」
華南は、飛び起きた。
目の前には、天津。
自分は、ソファの上。
「あれ、私…何してたんすか?」
「何って、ちょっと寝るゆうて、寝たやないか」
「あ、あー…そうでしたね」
「それにしても、すごいうなされてたけど、大丈夫かいな?」
「はい…大丈夫です」
「そうかいな。無理したらアカンよ〜」
天津は、そう言いながら華南の頭を撫でる。
「ちょっ……子供じゃねーんですよ!?」
「わかっとるわ〜」
天津は、少し寂しそうに、
「ごめんなあ、華南」
「なんすか?」
「俺な、止められんかったんや」
「何を?」
「いや…何でもないで」

Re: 飛空聖騎士部隊【血十字連】 ( No.11 )
日時: 2011/07/11 12:04
名前: 王翔 (ID: 4oOK7VS7)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id

第十話


「……」
華南は、散歩をしていた。
てくてくと、道を歩いた。
夕焼け色に染まった空を見上げた。
「はー…」
ため息をついた。
強くならなければ、と思いながらもどうすればいいのか……
「どうする……」
呟いてみても、返事はない。
「あ」
空に、黒角が見えた。
黒角は急降下して来る。
「……!」
まさか、こんなときに……
華南は、ポケットに入れていた拳銃で黒角を撃ちぬく。
ドンドン!!
そして、反撃してくる。
「まずい……」
ドオオオオオオオオオオン!!
「この……」
ドンドンドンドンドン!!!
攻撃を受け、傷だらけになった腕でひたすら黒角を撃ち続けた。








「……」
「ホンマに、華南は無理するなあ……ああ言う時は、逃げて応援を
呼ぶもんやで」
「すんません……」
「まあ、無事で良かったわ」
天津は、華南の頭を撫でる。
やっぱり、どこかで……会ったような……

Re: 飛空聖騎士部隊【血十字連】 ( No.12 )
日時: 2011/07/12 20:44
名前: 王翔 (ID: gT4Hbmrj)

第十一話


「ふう……」
華南は、廊下の窓から青空を見上げながらため息をついた。
「何だか……」
「かーなん、どしたん?」
「天津?」
振り向くと、にこにこ笑顔の天津がいた。
「何か、アンタと出くわす確立高くねーですか?」
苦笑いしながら、華南は質問した。
「そうやね〜、俺は隊長やし、隊員のこと気にして毎日様子を見てまわっとるからな〜」
「そうなんすか」
なんとなく、納得。
「なあなあ、どしたん?元気ないみたいやけど?」
「いつもことっすよ」
「あかんで!!」
「……!?」
いきなり、大声をだされ、華南は驚いた。
猫耳としっぽがピーンと張り詰めた。
「やっぱり、元気ないとあかんで〜」
「……どうすると」
「とりあえず、おいしいもんでも食べたらええんとちゃう?」
「はぁ……?」



天津に案内され、連れて来られたのは、天津の自室だった。
ベッドとテーブルがあるシンプルな部屋だった。
「ほら、その辺に座りぃ」
天津に促され、華南は椅子に腰掛けた。
「はい、これや」
「これは……」
差し出されたのは、チョコレートだった。
「……」
華南は、とりあえずかじった。
「どうや?うまいやろ?」
楽しそうに聞いてくる天津に対して、華南は、
「むまいです……」
噛んだ。


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