ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- みんなのために、私は戦う。
- 日時: 2011/10/28 20:11
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
平凡な生活なんかもう飽きちゃった。超能力とか、魔法とかないかなあ—?もっと人生に刺激がほしい! そんなこと思っていたあたしのところに、少女が現れた。あたしは"アリス"になった。
○data○
愛兎さくら(あいとさくら)
主人公。
能力は"治療バリア・短剣"
強力な治療能力を兼ね備えており、短剣を腰につけている。
有希琴音
第一ヒロイン。
能力は"二丁拳銃・盾"
両ききで、二丁拳銃を器用に使いこなせる。盾は腕に付けている。
乃神さつき(のがみさつき)
第二ヒロイン。
能力は"長剣"(吸収型)
相手からの攻撃を吸収し、それを力に長剣で相手に攻撃する。
鈴本葵
第三ヒロイン。
能力は"狙撃銃・バリア"
狙撃銃は重いのに、それを抱えてどこでも飛び跳ねれる。もろいがバリアも張れる。
未来。(みく)
不思議な少女。
- 失格 ( No.11 )
- 日時: 2011/11/02 18:40
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
「………」
「いつまで落ち込んでいるの」
「あの爆発起こしたのって…?」
「そう、私よ。—私の能力は爆弾もある。」
「なんで?なんで、……爆発させたの?」
「あれは貴方の知り合いだったかもしれないけど…ッ、闇己なのっ!しょうがないでしょ……?」
「なんでッ?もうちょっと待っててくれたって…っ」
「理性を失ってからじゃ困るのよ!!貴方だっていままで何回闇己を倒してきたの!?あれは全部人間なのよっ」
「……そ、それくらい解ってる!!」
「なら私の言っていることもわかるわよね?友達を失って悲しいのはわかるわ。でも、その怒りを私にぶつけないで。」
「っ……やつあたりなんてしてない!!ただあたしはッ…」
「—友達を失ったのが私のせいと思うなら、自分の胸に手をあてて聞いてみなさい…近くに居ながら気付かなかった、…友達を守れなかったなんて。……アリス、…いいえ、友達失格なんじゃないの?」
「……………」
そうだ。
彼女の言うとおりだ。
でもあたしは、あたしは—自分をおさえきれなかった。
感情が爆発して彼女を押した。
「このッ……ふざけんな!!…あたしがッあたしが……!!」
「くっ」
「失格……じゃない!…失格なんかじゃっ……あたしはっ…」
「や、やれるもんならやってみようじゃないの!!八あたりでどこまで続くかしらね?お子様!」
「ぅあああああッ!!」
殴りかかるあたし、もうめちゃくちゃにしたい。
なにもかも—。
○
「はあッ……はあッ……」
「ぅ、ぅう……ひく、…ひっく」
涙がこぼれる。
—スッ、
「ぁっ」
あたしは指輪を見た、少し黒く濁っている。
「闇己がいる…?」
闇己は憎しみの深い人間の近くに来るらしい。
「……いくわよ」
「……。」
しぶしぶ彼女の後を追う。
「で、でか……っ」
見上げる。
何メートルある?
ここからじゃ頭も見えなかった。
あまりにもでかすぎる。
横幅も縦幅も、大きさだけで圧倒される。
「こないだのバリア、頼むわ」
「………。」
あたしはうつむく。
「さくらさんッ」
「………。」
ずしっ、
闇己が動き出す、すごい振動。
「ッ」
シールドを張って飛ばす、
「ありがとう」
びゅんっ、
こっちからじゃあ解らないけど、あたしは闇己の頭がありそうな場所へと飛ばす、高く高く。どんどん疲れていく。
「……ぅっ」
こんなのならもっと鍛えておくんだった!
「もうちょっと右っ」
遠すぎて彼女の声もあまり聞こえない。
だんッ、
銃音が聞こえ、あたしの近くに弾が転がる。
闇己が動く。
「やったわっ、爆発させるわよ!!」
「ぇっ?」
「爆発!おろして頂戴!!」
「りょ、了解」
「ぁっ」
闇己が動き出す。
「あ、早くっ」
「ま、待って……!!」
出来ない、バリアが思うようにコントロールできない。
「さくらさんッ」
「言うとおりにしてッ、ねえ……!?」
「きゃあああッ」
パリンッ。
闇己がバリアを割ったんだ。
—またあのときみたいに、バリアをひいて彼女を助ければよかった?
無理だよ。
高すぎる、あまりにも。
戸惑い過ぎた。
「琴音ちゃッ」
必死に琴音ちゃんの姿を確認しようとする。
「くっ」
彼女の姿が見えた、でもそれは信じられない光景。
彼女は爆弾を構えていた。
「ぇっ」
「さようなら…」
○
彼女は、死んだ。
たぶんあたしが助けられないことを知ってたんだ。
あたしに罪悪感を持たせないため?
それで自分ごと爆発させようと?
「なんでだよ!!」
ほんと、失格だ。彼女の言った通り。
あたしはみんな失った。
友達を、アリスの資格も、パートナーも。
- すべて無くした独りの少女 ( No.12 )
- 日時: 2011/11/02 22:11
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
独りの少女が居た。
"すべてを無くした独りの少女"。
彼女は、ある事実を知ったのだ。
「あ、あのっ」
する—、とすり抜ける手。
彼女は死人だ。
愛兎さくら。アリス。
"アリス"とはなにか。Aria・Regret・special(ありあ・りぐれっと・すぺしゃる)の略。という説がある。
"アリア"(aria)はアリスを生み出した伝説の闇己の名だ。アリアは人間をたくさん喰らい、大きく膨らんだ。憎しみをためこみ、世界を絶滅までに追い詰めた。そこで世界のバランスをとるため"アリス"が生まれたのだ。
"リグレット"(rigret)とはそのまま、後悔という意味でもある。この"後悔"には憎しみも込められている。
そして最後に"スペシャル"(special)その名の通り、超能力、魔法、の間をとった"超能法"を使えるspecialな少女を意味する。
—。
闇己は人間だったものだ。
じゃあアリスは?アリスは闇己を退治するためだけに生まれたのか?
アリスは『世界のバランスをとるため』生まれてきた。
これはとても大事なことである。
アリスは、アリスであり闇己なのだ。
世界のバランスが闇己に傾けばアリスになる。アリスに傾けば闇己になる。つまり用済みになってしまえばアリスは闇己になるということだ。
話を戻そう。『愛兎さくらは死人だ』彼女はアリスになった時点で死人だった。ただまだ"用があった"から人間に姿が見えた。でも今は"用がなくなった"から人に見えなくなったのだ。証拠に彼女は爆発にあったり闇己の攻撃にあったりするが、これは人間では考えられない。人間では考えられない身体能力を持たなければ闇己は倒せないのだ。一度死に、能力を手に入れることで彼女達は戦える。
「………あははっ」
- 闇の己 ( No.13 )
- 日時: 2011/11/03 11:32
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
前回は"アリス"とは何かを伝えたが、"闇己"とは何かを説明してはいなかった。
『アリス=闇己』
前回で、そう悟った人はいるだろうか? アリスと闇己は繋がっているが別のものである。アリスは闇己になるときがあるが、闇己はアリスになることはないのだから—。
アリスが闇己になる。なら、全世界の闇己は全部嘗てアリスだったものなのか?全てまとめるとこうである。
アリスは嘗て人間だった。闇己も嘗て人間だった。人間は素質があればアリスになれ、堕落すれば闇己になる。アリスはアリスのままでいられるし、用済みになれば闇己になる。闇己は堕落のなれ果てなのでこれ以上は何も起こらない。
—人間。
恐竜の次の生物。人類。
地球でもっとも知能が高い生物といわれている。人口は約70億人。
—アリス。
人間が戦闘能力の素質があると認められた時のみ出来る生物。
—闇己。
嘗て人間だったものでありアリスだったもの。人間を喰らい、憎しみを蓄える。
—この設定を知ってもらい、少し小説の味わい方の方向を変えてもらうと助かる。
- 狂った少女・葵 ( No.14 )
- 日時: 2011/11/03 20:45
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
独り戦う少女。愛兎さくら。
彼女は寂しさ、悲しさ、全てを闇己にぶつけた。人間を助けた。
ずっと戦った、毎日毎日。
「ふ、ぅウ〜ッん?アンタが愛兎さくら。」
「……誰? 」
「鈴本葵、この街、結構闇己いるそうじゃん?譲ってくんない?」
「ここに最初にきたのはあたし、譲るつもりはないよ。」
「………アンタ誰に向かってそんな口聞いてんの? 何様のつもり?」
「譲るつもりはないといっているだけだよ」
「…おっもしろーいっ、すぐそんな口聞けないようにしてやるから、ちょっと面貸してよね」
「……。」
○
「アンタ弱そーな感じだよねえ、守護系なの?攻撃系じゃなきゃアタシには勝てないと思うよ」
「……」
葵は見るからに強い狙撃銃。身動きが取れにくそうなのに、狙撃銃を担ぎ、ひょいひょい動く。
「短剣二本なんて、アタシには装備なしと同じに見えるんですけど。」
「……の?」
「なんていった?」
「言葉だけで、かかってこないの?」
「ッ」
彼女は形相を変え、彼女に飛びかかる。
「抵抗はよしなッ、アタシに勝てるはずないんだからッ」
銃をまるで剣のように振り上げる彼女、それを短剣で受け止めるさくら。
「しねしねしねッ」
だだだだだだッ。葵は連射する。
「……ちょこまかと…」
顔をゆがめ、高い場所にうつる。
「こっちは長距離からでも攻撃できる。アンタは至近距離じゃなきゃ不可能。諦めなよ、」
「……」
「なんでさっきから諦めようとしないの?さっさとこの場所明け渡せばいいのに」
「………」
「ふんッ、じゃあ、すぐ終わらせてあげるから。」
だだだだだだだだッ。
銃弾があちこちを飛び回る、さくらはぎりぎりのところを着実に交わす。
「ッッ〜〜……ぅざッ」
「……諦めるのはそっちでしょ?」
「あはははははっ」
彼女は狂った笑いを突然出すと、狙撃銃を地面に投げつけた。
「こんな銃、あたしに必要ない……」
ぎりりり……、狙撃銃を踏みにじる。
「あんたはこれで片づける!!」
彼女は背中に手をまわすと、長剣が出てきた。
「あははッ、アタシ、久しぶりにこんなにやる気になっちゃったッ!!」
- 鈴本葵 ( No.15 )
- 日時: 2011/11/03 21:04
- 名前: 咲羅 (ID: a8bifGsH)
「……よけんなっ、」
彼女は重たそうな長剣を何度も何度も振り下ろす。瞬間移動を続け、加速し、剣を勢いよく振り回す。
「くッ」
暴走しすぎで自分でも止められない葵。
さくらは攻撃をするどころか、避けるのも苦心していた。
「ぁっ…」
頬をかする剣先。
「さっさと渡せばよかったのにっ…かっわいそーな子!!」
「ぅうっ」
なんとか剣を避ける。
「………………」
俯き、黙りこくり、攻撃もよけようとしなくなるさくら。
「あ、んた……なに、?ははっ、もうこーさん?」
「—。」
「もうこーさんかなあ?ばっかじゃないのっ…」
「ぁははははははっはははっ!!!!」
「!!?」
「あ、アンタ、…ついに狂ったの?」
「あはッははっ、…バカはお前だよ鈴本葵!!」
「ぁっあっ…」
「死ね死ね消えろ!!…あたしが無敵だよっ、誰もお前には勝てない?何言ってんの。あたし、ぜ〜っっんぶなくなったの!!もうなくすものなんて、怖いもんなんてこれっぽっちもない!だから、すぐ消してあげる……鈴本葵。後悔しないでよね?すぐ消し飛ばしてあげるからっ、」
にやり、と彼女は微笑んだ。
「ぁ、ば、ばかじゃんやっぱ!」
「……さっさと殺るよ?」
ざっ、
一撃目、葵の腹部に命中。
「くっ……」
「ばぁっかっ」
「このっ!!」
長剣を振り回す葵。
振り上げているうちに短剣の攻撃がはいる、そう思った葵はあまり勢いをつけず、小さな攻撃をかける。
「あははっ」
それを避けようともしないさくら。そのまま攻撃を続ける。
「あたしの業は治療!どんな傷だってすぐ癒える!」
「ぁっ」
脚を思い切り切られ、転ぶ葵。
「終わりだねっ、ばいばい!!」
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