ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 左手、薬指、戒めの指輪。【参照150突破読者様に感謝!】
- 日時: 2012/03/28 01:08
- 名前: *荊* (ID: RMd4mwvD)
どうもこんにちは。
*荊* (けい) です。
誤字や矛盾など多々あるかと思いますが見逃してください。
コメントくださるととても嬉しいです!
自分こそは戒められたいという人、ここに集え!!(←Mか。
ということで僕は戒めたい方です。
残念な文章ですが、よろしくお願いしますm(__)m
λ キャラクター紹介 λ
久隆 隆久(くりゅう たかひさ)
指輪に束縛されるハメになった主人公。
露嶋 楓(つゆしま かえで)
隆久の幼なじみ。
月島 御影(つきしま みかげ)
謎の美少女。転校生。
佐東 光臥(さとう こうが)
隆久のクラスメートで、親友。
作者紹介
—— 焔 ——
としても活動しています
一人称小説の時は —— 焔 ——
三人称小説の時は *荊*
という風に自分の中で切り替えてやっていきたいと思いますのでw
焔の方もよろしくお願いしますm(__)m
一人称小説……—— 焔 ——
三人称小説……*荊*
現在連載中の小説
左手、薬指、戒めの指輪。
蒼い天——俺はこんな空が憎たらしくて仕方がない。
転校生は戦闘兵器。
- Re: 左手、薬指、戒めの指輪。 ( No.1 )
- 日時: 2012/03/05 00:55
- 名前: *荊* (ID: LNgGYvWh)
プロローグ
昔からこの指輪があるような感覚だ。
指輪が手と共に成長する話など聞いた事無い事で、ありえない事だと少年——久隆 隆久は分かっているつもりである。
しかし、記憶の中で確かに指輪が存在しているのだ。
こうして日光に光り輝く左手の薬指にされた指輪を何度も見た事がある気がする。
デジャヴというには現実味を帯びすぎていて・・・。
指輪と共に光っていた誰かの陰。誰かが彼の指に指輪をはめ・・・通常光ることのない陰が記憶の中で光り、本当の姿を輝きが隠している。
とにかく彼は自分でも理解できない指輪の戒めにあっていたのだ。
そのまた昔、誰かが隆久の指に指輪をはめた。
それが彼女だったか彼だったか・・・雌雄も判別できないのであるから困っているのだが、・・・実際、誰が指輪をはめたのが誰で、何のためであってもどうでもいい話であり、ただこの指輪を外してくれればそれでいい。
誰かこの戒めを解いてくれないだろうか?
と、彼は嘆く。
戦いなさい、私の指輪を持つ者よ! 私のために・・・そして、私の前で懇願しなさい。結婚してくださいと。
戒めが——始まった。
- Re: 左手、薬指、戒めの指輪。 ( No.2 )
- 日時: 2012/03/05 00:51
- 名前: *荊* (ID: LNgGYvWh)
第一章 指輪光る影。
久隆 隆久はいつも決まって夢の途中で目を覚ます。
今日も夢の途中——夢の中で誰かが指輪をはめてそれから…何かを呟いて——目が覚めた。
「あいしてる…? ばからしいな。俺には無縁な言葉だし」
プルルルルル。
目覚まし時計が早朝の音のない部屋に喧しく響き渡った。
特に、親の居ない彼の家には家族の動く音というものが存在せず、何度目かのスヌーズ設定によって鳴った目覚まし時計の音がより大きく感じられた。
しかし隆久は顔色一つ変えずマイペースのまま鞄に荷物を詰め込む。
彼がゆるやかな足取りで目覚まし時計の音を止めた後も、彼だけが音を起こしていた。
角が折り曲がった教科書、最低限のものしか詰まっていない筆箱、鳴らない携帯。
「…行くか」
行ってきますと言う人間が居ない事にはもう寂しさを感じなくなっていた。期待した所でもう居ないのだからしょうがない。
両親は既にこの世にはいない。
ドアを閉めるとまた一人。さっきも一人だから変わらないか。
寂しさなどもう忘れた。だからこの自嘲は久しぶりのことだった。
親を亡くした当時は子どもだったというのに大人びた事をしていたと今振り返って見ると思う。
「おはよー。暗い顔してるねぇ」
背中を叩かれてビクッと突然現実に戻されて驚いたが、明るい声から幼なじみの露嶋 楓(つゆしま かえで)であることが分かった。
「おはよう。朝からテンション高いよな」
「もちろんだよっ。こっちの方が隆久みたいに落ち込まないですむじゃん?」
「そうだな。楓みたいになれたらいいよな、俺も」
「また暗い顔だね〜」
暫くしたら夢の内容など通学路の風景に溶け込んでしまい、思い出せなくなった。
楓のテンションについていくのが精一杯で夢の中での出来事など考えている暇もなかったとも言えるかもしれない。
「そういえば今日は体育がある日だよ?」
通学路半ばに差し掛かった所で彼女は言った。
「体操服忘れた…。早く言ってくれよ!」
「ごめんっ。じゃ、ここの公園で待ってるから早くとってきなよ!」
公園。二人が幼い時に遊んだ場所。…何もかも上手くいっていた頃、笑いながら遊んでいた。思い返してみると何が面白かったのかは分からない。
「でも…遅れるぞ?」
「いいよそんなの。ほら、バッグ持ってあげるから早く!」
隆久の腕から鞄を奪い取るようにして彼をせかす。
「ああ! 取ってくる!」
隆久は楓を待たすまいと全速力で取りに帰った。さっき見た景色をもう一度見るなんて最悪だ。
と、苛立ちを募らせていた時——
「あ、すみません…」
同じ制服の女子にぶつかった。しかし見ない顔だった。
誰だろう…と思考を巡らせるも思い当たる人物はいない。
「いえ」
「…あ!」
「どうかしましたか?」
「いや! 何でも!」
考えている場合ではなかったのだ。…例えそれが運命的で、絶対的な出会いだとしても。
家に着くと手元を狂わせつつも鍵を開け、ベランダに干してある体操服をぶんどり、再び走る。
その頭の中に記憶の——夢の断片すらも残って居なかった。
- Re: 左手、薬指、戒めの指輪。…私を死なせて。 ( No.3 )
- 日時: 2012/03/05 01:00
- 名前: *荊* (ID: LNgGYvWh)
「やっと見つけた……私の指輪、私の……」
彼女には涙がにじんでいた。
「あ、すみません…」
彼を見つけるのに何年の時を要したのだろうか。何年も無駄な時を過ごしてきた。否、無駄ではない。彼を絶対に捜さなければいけなかったのだ。
無駄な時間など砂粒、ミクロ単位の微生物ほどもない。
何百年の時は今、彼に巡り会った瞬間に意味をなしたのである。
「いえ」
「…あ!」
突然の叫び声に、彼女は驚いたが、平静を心掛け、静かな口調で尋ねた。
「どうかしましたか?」
「いや! なんでも!」
彼は走り去っていく。その姿を見て、彼女は涙を拭う。
「見られてなかった……ですよね?」
出会えた事の奇跡と偶然と——必然に微笑みを宿し、彼女は彼が戻ってきた通学路をなぞっていった。
彼女は天使とも悪魔とも、神とも呼ばれる戒めの存在。それぞれの朝が動き出した——。
- Re: 左手、薬指、戒めの指輪。…私を死なせて。 ( No.4 )
- 日時: 2012/03/05 00:53
- 名前: *荊* (ID: LNgGYvWh)
体操服を取り帰り、公園に戻ってから
「帰りもまた二人で帰ろうね」
と楓は言った。
「なんで?」
と隆久が尋ねると楓は
「なんとなく、……そう懐かしかったから」
と後付けするように言った。それでもよかったと隆久は思う。彼も懐かしく感じていたからだ。
あの公園。それは昔。
遊んでいたのは、……何人だっけ?」
——
「起きた方がいいよ? 先生がこっちみてる」
綺麗な女子高生が隆久の身体を、音を立てないようにゆすっていた。
「……あ、うん」
隆久は眠りから覚め、あどけない返事を返した。
一瞬、寝ぼけていたためなのか彼女が誰か分からなかったが、脳が思考能力を回復してくるとすぐに答えに行き着いた。
月島 御影(つきしま みかげ)が転校してきたのはつい今日の出来事だ。まだ完全に目が覚めていないからか夢のようにも思える。
たまたま体操服を忘れ、たまたま(というか楓が言ったから)取り帰り、そしてたまたま激突した少女が、たまたま隆久の高校に転入してきたのだ。驚かないはずがない。
こんな美人がうちのクラスに来るなら先に言ってくれたっていいのになぁ、と親友とも言える佐東 光臥(さとう こうが)は教師に不平を漏らしていたのを思い出した。
隆久は世界は狭いんだな、と意味ありげな台詞を残したが、光臥はそんな隆久に対して
「まるで他人事だなぁ。……あ、そっか。お前は楓ちゃんがいるからいいのか」
その発言には堪えきれずに不覚にも噴いてしまったが、彼には誤解されているようだった。
(俺達には何もない、何かあってほしいくらいなにもない)
「隆久くん、ぶつぶつ言ってないで……当てられてるよ?」
「え?」
慌てて黒板を見たが、授業の道筋とも言えるチョークの軌跡はちょうど消されたところだった。
寝癖のついた髪から、恥をさらす事になったのは言うまでもない。
- Re: 左手、薬指、戒めの指輪。…私を死なせて。 ( No.5 )
- 日時: 2012/02/23 23:50
- 名前: 森 (ID: ???)
なかなかですな(笑)
てか続きは
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