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僕が空を飛ばない理由。 【完】
日時: 2011/11/04 23:46
名前: あやの (ID: 7cAswSvJ)

あの、空を飛ぶ鳥の様に、

自由になる。


いつかきっと、

叶うと信じて..............................

僕は今日も、この道を歩く。

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Re: 僕が空を飛ばない理由。 ( No.5 )
日時: 2011/10/30 01:56
名前: あやの (ID: 7cAswSvJ)

彼女の家から、聞きなれないお経が聞こえる。

夢じゃない。

夢だったら、どんなに良かったか.......................


家に入ると、彼女のお母さんとお父さんが、僕を睨んだ。


「何で来たの?アンタが......................あの子を殺したのよ」

歯を食いしばって、お母さんとお父さんに頭を下げた。




苦しくて、

苦しくて。

逃げ出したかった。


今すぐにでも、彼女の元に行きたかった。





「本当にごめん」

彼女の遺影だけが、優しく笑い掛けてくれる。


「俺さ、東京に行く。バイトして、金貯めて、医者になって........................」

言葉が続かない。

僕に言える権利があるだろうか?



「今まで...................ありがとうな」


最後まで、この言葉だけど、せめて言わせて欲しい。




「本当に.....................ごめん................」



僕と、君が、幸せになれる様に。







そしてココから、僕の人生が始まる。

Re: 僕が空を飛ばない理由。 ( No.6 )
日時: 2011/10/30 02:09
名前: あやの (ID: 7cAswSvJ)

「着いた................................」

ココが東京。

田舎者には、眩しく光るビルが、星のように見える。

「ちょっと浮くかな」

ヨレヨレのTシャツ。

ヨレヨレのジーンズ。

道を尋ねると、30歳?っと言われる。



.........................19だっつうの。




僕の心は、いつの間にか晴れていった。

いつか、彼女の事を忘れてしまいそうで、怖かった。


僕が生きること、せめてそれで、罪滅ぼしが出来ると信じて、ただ前を向いて生きて来た。




まず、服からだな。


電車を降りて、人混みの中に入って行く。

マンションを借りていた僕は、楽々ショッピングが出来る。

しかも、高級マンションだ。


「いらっしゃいませ〜」

店に入ると、香水の匂いが鼻に着く。

「何になさいますか?」


「お任せで」

容姿と言葉が全く似付かなかったのか、店員は一歩後ずさりをした。


「大丈夫です。お金は持ってますから」

Re: 僕が空を飛ばない理由。 ( No.7 )
日時: 2011/10/30 02:21
名前: あやの (ID: 7cAswSvJ)

逆ナンと言う言葉を、初めて聞いた。

女性からナンパする、と言う事らしい。

その逆ナンを、丁重にお断りしてから、僕はマンションに向かった。


エレベーターで、部屋に向かう途中、ある出会いがあった。


奇跡だ。


死んだ彼女にそっくりな女性がいた。



「お名前..................聞いてもいいですか?」


「はい?」

予想通り、女性は驚いて聞き返す。

「お名前を..........................」







「綾瀬真希です」















世の中には、奇跡と言うものがある。


僕は、この出会いから、奇跡を信じる事にした。


Re: 僕が空を飛ばない理由。 ( No.8 )
日時: 2011/10/30 02:28
名前: あやの (ID: 7cAswSvJ)

「私、新しく引っ越してきたんですよ」

ニッコリ笑うと、益々彼女に似ている。

「僕もです」

僕もニッコリと笑い返す。




そしてまた、偶然が起きた。







「部屋.......................隣なんですね」


「そう......................ですね」

二人の間に微妙な空気が流れる。



「あの、」

少し立ってから、彼女が口を開いた。


「今度、お茶とか..............どうですか?」

「え?」

お茶..............................か。




「いいですね!」

Re: 僕が空を飛ばない理由。 ( No.9 )
日時: 2011/11/03 00:56
名前: あやの (ID: 7cAswSvJ)

「こん............にちは」

日曜日、彼女との約束の場所で、僕は待っていた。

僕の目の前に現れたのは........................


「真希.......................」


気がつくと、そう呟いていた。

勿論、彼女に聞こえないように。



「急に誘ったりして、すみません」

「いやいや。僕も、嬉しかったので..................」

そういうと、彼女の顔はリンゴより真っ赤になった。

「あ.............なんか、すみません.............」

「いえいえ.................。綾瀬さんは、何歳ですか?」

「私ですか...........?19です」





一緒だ。


彼女と、そして僕と。



「この後...............どうします?」

僕の表情の変化を読み取ったのか、綾瀬さんが口を開いた。


「僕の家、来ますか?」

「ふぇ?」

「べ............別に、変な事はしませんよ?」

「で...............ですよね」



「では.............行きましょうか」


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