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私は壊れ、家族は死んじゃった
日時: 2011/11/05 23:51
名前: 綾乃 ◆eRcsbwzWZk (ID: /iUvxDbR)

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私は悪くない。私は悪くなんかないんだっ!
もう、限界だった。未来も過去も全て崩壊限界寸前だった。

だから、私は…
嗚呼、神様は許してくれるはず。

ううん、絶対に許すはずに決まってる。
私は悪くない。私は悪い事をしていないんだから。

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登場人物

田中 鈴(たなか すず)
黒髪のロングヘアと二重の目が特徴の色白な子。
極度の被害妄想を持ち、狂気性を秘めている。

田中 雪(たなか ゆき)
心優しく大人しい、黒髪のショートヘアが特徴の子。
鈴の妹で生まれつき、酷く体が弱い、病弱体質。

奥村 廉(おくむら れん)
田中姉妹と幼馴染で友達の間柄を持つ。
運動神経が抜群だが、何故か女子にモテない。

山崎 美玖(やまざき みく)
鈴と同級生。噂好きだが、気弱な一面も。
鈴とは良く遊ぶ間柄。

村井 大地(むらい だいち)
廉と親友の間柄。雪に片思いを抱いてる。
鈴の狂気性を見抜いている節がある。

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Re: 私は壊れ、家族は死んじゃった ( No.10 )
日時: 2011/11/12 16:25
名前: 綾乃 ◆eRcsbwzWZk (ID: 4CQlOYn7)

  #07


眠ったまま起きない三人の後始末をどうするかで一夜を明かした。大変だ、早く片付けないと大変なことになる。ああ、ああ、どうしちゃう。分かんない。分かんないけど早く後始末しなくちゃ。疲れた、今日は学校を休もう。ずる休み。心の奥が少し痛んだ。先生に雪の看病で休むと偽って、只今、正午十二時半。今日は天気が良いから、早く片付けなくてはいけないので人目を盗んで、家へ入れる。相変わらず、寝てばかりだ。ああ、そうだ。真夜中で何処かへ捨てよう。そうしよう。
でも、何処へ。
何処でも良いや。
どうやって、運ぶの。
そうだね、分かんないや。

「あははは、あははは、分かんない。クスクスクスクス、どうしよう。お母さん達、何時まで寝ていると面倒見切れないから、捨てちゃうよ?あはははは、そうだ。こんな家を捨てよう。お母さん達は、そこで永遠と眠れば良い。クスクスクスクスクスクス、美玖の約束はどうするか、そうだ、美玖も眠らせよう。奥村も村井も、みーんな!」

お母さんが誕生日のプレゼントにくれた、パステルカラーの花柄で可愛い白生地のショルダーバックの中に赤く濡れたナイフをビニール袋へ包んだのと、数日分の服、携帯に通帳。そしてお祖母ちゃんが買ってくれた京都の扇子と桜柄が特徴のはさみを詰め込んだ。
そのまま、固まって眠ったままの三人を見続けた。
日が暮れて夜になって真夜中。
遂に家出をしよう。
まだ眠ったままの三人を置いて、私は高らかに告げるんだ。

「ばいばい、永遠にさようなら」

冬のストーブ用に買った灯油をばらまいて、ライターに、火を、付けた。これが俗に言う〝火葬〟かあ。あはははは、あはははは、あはは。真っ赤でぎらぎらと燃え上がる炎。私の悲しみを、隠して頂戴。
最近、凄く寒い。コートを羽織る。
燃え上がる炎。
乾燥した心じゃなく、家が燃え上がった。

「ばいばい、ばいばい、ああああ、お母さん、お父さん、雪、皆皆皆、意地悪だなあ。鈴も寝たい。うん?私は鈴という名前を捨てなくちゃ。こんなお名前、名乗っちゃダメ。何て名前にしよう。クスクスクス…、そうだ、莉奈だ、莉奈。今から、美島莉奈(みしま りな)と名乗ろう」

路地で独り言を呟く私は、とっても変人だ。悲しいね、悲しすぎるね。本当に狂ってしまったんだ。自覚させられる。もう後には戻れないよ。もしも、お母さんに本音をぶちまけていたら、きっと苦しまずに済んだんだろう。
もう、あのころの自分に戻れない。
だから、自分を知っている人間を、一人でも多く殺さなきゃ。鞄の中に入った鋏が、早く殺せと喚いている。きっとそうだ。ああ、ごめんなさい。私の犠牲になる人たち。本当にごめんなさいね。狂っちゃってるね。
うん、十分に狂ってる。



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Re: 私は壊れ、家族は死んじゃった ( No.11 )
日時: 2011/11/13 09:57
名前: るな (ID: zXm0/Iqr)

はじめまして
瑠奈と申しますw
小説見させていただきました
ネ申発見ーw
また見に来させていただきますw

Re: 私は壊れ、家族は死んじゃった ( No.12 )
日時: 2011/11/13 11:24
名前: 桜 ◆tZ.06F0pSY (ID: 4CQlOYn7)

    るな様

か、紙発見ですとー!
そんな事ござませんよ、ただの屑紙でございます笑
これからも、よろしくお願いしますね!

Re: 私は壊れ、家族は死んじゃった ( No.13 )
日時: 2011/11/13 12:11
名前: 綾 ◆eRcsbwzWZk (ID: 4CQlOYn7)
参照: 名前を綾乃から綾へ変えました。何度も改名、すいません。

  #08


脳裏に映像が流れる。最初にお母さんが血を出して倒れた。次にお父さんが雪を庇った体形のまま、胸に突き刺され、血を出して倒れ込んだ。腕の中で眠ったお父さんを抱いて、泣き叫んでいる雪の頭上から、ナイフを振り下ろした。すると少し動いて喉に突き刺さった。

—— それを見てナイフを床に落とし、佇んだままの、誰だろう。



地下鉄の電車で席に座ったけど、どうやら寝てしまったらしい。ゆさゆさ、と振動で少し揺れている。眠気を呼び込む作用があるのかなぁ。ふふふ、短い夢だったけど変な夢。何であんな夢を見るんだろ。可笑しいなあ、元から可笑しいんじゃない。
携帯を開く。

「なになに?………東京……地区で一家四人の内、三人の遺体が焼け出された家から発見された。身元は田中秀治ひではる氏と妻の芳枝よしえさん、双子の妹の雪さんと断定………姉の鈴の行方不明で…………。あははは、どうしよ。私の事がニュースに出てる」

私以外、誰一人として電車に乗ってない。独り言を言っても大丈夫だ。ポケットに仕舞い、バックの中を覗いた。きらり、と鋏が鋭く光った。早く早く人を殺したい!欲望が渦巻いて、胸を締め付けさせる。
そんなに人が殺したいのかな?あれ、変なの。何で涙が出るんだろ。ぽたぽた、とジーパンの上へ落ちて濡らす。冷たい、でも、それよりもずっと痛い。人を殺したい。過去を知る者全て死ねば良い。でも、何で涙が出てるの?
電車の中で泣き続けた。
変なの。
駅に降りる。人影がない駅だった。看板に書かれてた無人駅。ベンチで一休み。東京の郊外から離れた場所。ほとんど田舎に似て近い処なあ。ぶらぶら、と駅を出て町を歩く。やっぱり人通りが少ない。平和平凡。気持ちいい。

頭に、映像が流れる。血まみれで倒れた三人の姿。

「ああああっ……!」

泣き叫んでいる雪の声。お母さんの悲鳴、お父さんの必死の説得。全て全て聞こえなくなった。誰の所為。私の所為だ。私が、私が、三人を殺したんだ。ああああああ、何てことをしてしまったの、私!
ようやく、ようやく理解した。道端でうずくまる。人通りがない場所のお陰で誰も気づかれない。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……ああああああっ!」

絶叫を上げる。

こうしたって三人は戻らないのに。
私は駄目だ。もう警察にも疑われ、隠しようもない真実。永遠に覆せない。例え悪夢はいつか目覚めて消えてしまうけど、真実は永遠にそのままなんだ。変わりらず逃げられない。いつか、捕まっちゃうんだよ。

この世から逃げられても、あの世へは逃げられない。
永遠に地獄で責め苦を味わうんだ———


「お、おおお母さん!お父さん!雪!嫌だ、嫌だああああ!」

人生を無駄にしたくない。だけど罪悪感が、私の理性をむしばむ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。独りにしないで、責め立てないで、嫌わないでぇ、独りぼっちは嫌だ。ずっと独りだったのに、今も独りぼっちなのに!

「誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か誰か………!」

ふと、前を見上げる。目に入り込んだ姿、あれは小さい女の子。まだ幼稚園児の外見をしてる女の子。心配そうに私の姿を見て、立ち止まってる。心配してくれてるの。立ち上がって女の子に近づいた。名札には、〝にしもと あいり〟と書かれてた。あいりちゃんか、あいりちゃん。
何で怯えてるの?あ、もしかして照れてるんだ。あははは、はは。

「あいりちゃん!お姉ちゃんと遊ぼう?」

あいりちゃんは泣きながら何処かへ走り去っていく。

「あ、待ってよ!」

あいりちゃんを追いかける。そっか、鬼ごっこか。懐かしい。私も良く先生とやっていたな。思い返すと色々と楽しい時期だった。まだ純粋でお母さんたちも私に構ってくれたけど、思い出すのは止めよう。
今はあいりちゃんと遊ぶことに専念しよ。隠れているらしくあいりちゃんの姿が見えない。何処なの、何処なの。森の近くに来た処で音がした。

「あいりちゃん、見つけた!」

あいりちゃんは森の奥へと逃げて行く。危ないな、たしか湖があるとかの看板を目の端で見た気がする。気のせいかな、でも、あいりちゃんが危ない!助けなきゃ、私を心配してくれた子だもん。森へ続く道に、足を踏み入れた。


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Re: 私は壊れ、家族は死んじゃった ( No.14 )
日時: 2011/11/13 13:05
名前: ゆっちゃん (ID: fLPAPacp)



ははは初めましてえええ(゜Д゜//黙


私こうゆうの大好物です\^p^/
かわいい・・・ww


また見に来させていただきます♪


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