ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- REAL GNP
- 日時: 2011/12/12 12:29
- 名前: 瑠璃歌 (ID: Bf..vpS5)
憎しみ。
それは時に人を傷つけ、
時に人を変えてしまう。
罪。
それは決して許されず、
また 心を迷わせる。
笑って 泣いて 怒って 悩んで 助け合って・・・
たくさんの感情を抱えながら人は生きる。
でも もうそんな事できない。
真っすぐ懸命に生きることは無い。 一生。
それでも生きているのは
生かされているのは
きっと理由がある。
- Re: REAL GNP ( No.9 )
- 日時: 2011/12/13 21:03
- 名前: 瑠璃歌 (ID: Bf..vpS5)
-1年後のあたしたち-
改めて黒月に復讐を誓ったあの日からちょうど1年が経った。
あたしと真輝は18歳、彼方は21歳になった。
もちろん気持は変わらない。
むしろ燃え上っているくらい。
今年中にあたしたち3人は過去に無い大罪を犯す。
最近彼方はSPになった為3人で会える機会は確実に減っていた。
でも真輝と彼方は相変わらずのラブラブで。
それに彼方がSPになった事でこちらも動きやすい。
これも作戦の1つ。
正確に言えばあたしたちの復讐はもうとっくに始っているという事。
ピンポーン..
1年前も聞いたこの音。
「は〜い」
相変わらずの明るい声で出る真輝。
「おっじゃましまーす」
相変わらずのふざけたテンションで入ってくる彼方。
本物のバカップルだ。
あたしは呆れながらも2人をボーっと眺めてた。
「あの総理大臣まぢうぜー!」
一般人じゃあり得ない愚痴をこぼす彼方。
ある意味さすがかも。 勉強もスポーツも何でもできるけど、その上こいつは愚痴のレベルまで高い。
彼方は黒月の優秀なSPというこちら側としては最高なポジションについたらしい。
でもSPと言ったら芸人よりも体張るようなものだから相当疲れてると思う。
だから心配性な真輝は最近ますます心配していつも情けない顔してる。
その分今日みたいに久しぶりに会えた時のほうが愛を強く感じるからあたしはそっちのほうがイイと思うんだけど。
ホント真輝と恋愛は感覚が合わないな〜としみじみ思った。
- Re: REAL GNP ( No.10 )
- 日時: 2011/12/13 21:14
- 名前: 瑠璃歌 (ID: Bf..vpS5)
その日は半分は彼方の愚痴。
全部吐いたぞと自慢げな顔をしていたのでちょっと安心した。
そして残りの半分は作戦会議。
作戦を実施するのは3日後。
計画は立てたものの、リハーサルなんてするわけでもないしぶっつけ本番みたいなもの。
正直緊張もあるけど、それを上回る怒り。
頭の中は結構ゴチャゴチャしてたけど笑顔で彼方を見送った。
- Re: REAL GNP ( No.11 )
- 日時: 2011/12/14 07:40
- 名前: 瑠璃歌 (ID: Bf..vpS5)
頭のゴチャゴチャの1つは黒月の言葉にあった。
あいつは確かにあたしたちの家族を殺して、総理大臣になって綺麗事言って・・・
でも、あいつの言う差別の事は確かに正しい。
どうしてあそこまで差別には力を入れてるんだろう?
総理大臣なんて国の代表みたいなものだから他に問題なんていくらでもあるのに。
国同士の友好関係、地球温暖化、景気、この国は問題だらけなのに。
あいつは何がしたいの?
生まれた謎と同時に押し寄せる不安。
その夜は色々考えちゃってあんまり眠れなかった。
そんなあたしの感情なんてお構いなしに時は進む。
長いようで考えるには短すぎる夜。
朝なんてすぐに来た。
タイムリミットはあと2日。
- Re: REAL GNP ( No.12 )
- 日時: 2011/12/14 08:01
- 名前: 瑠璃歌 (ID: Bf..vpS5)
その日は真輝と一緒に買い物に行った。
作戦を実行する為には必要な物がたくさんある。
普通のスーパーや服屋さんだったり、行ったことも無いようなちょっと怪しいお店にも行った。
真輝が変にいきいきしていて双子としてはなんとなく恐かったけど、そのおかげで欲しいものは全て手に入った。
真輝は変なトコにスイッチがあるようで、ウキウキするトコが昔からちょっと違った。
まぁ面白いからいいんだけど。
それで家に帰ってからは明後日の準備をしてすぐ眠った。
タイムリミットはあと1日。
- Re: REAL GNP ( No.13 )
- 日時: 2011/12/14 08:14
- 名前: 瑠璃歌 (ID: Bf..vpS5)
最後の1日はなんとか3人が集まれたから丸1日語りまくった。
高校の思い出話、それぞれの仕事の事、彼方と真輝が付き合った日の話まで出てきた。
久しぶりにたくさん笑った気がして心が和むのが自分でもわかった。
この3人はずっと一緒にいると思う。
何があっても。
あたしたちは黒月に復讐する為に出会った。
だからあたしと真輝はあの日殺されなかったんだ。
きっと..
ううん。
絶対そうなんだ。
根拠なんて無いけど確信している自分がどこかにいるのを感じていた。
明日あたしたち3人は過去に無い大罪を犯す。
「絶対に復讐してみせる」