ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 願い 〜叶える物と壊す者〜
- 日時: 2012/01/09 13:53
- 名前: コーダ ◆ZLWwICzw7g (ID: ZdG3mpMH)
どうも〜!おそらく初めましての方が多いと思います。私コーダと申します。
先に言っておきますが、この小説はかなり異端ですのでご注意を……
それでは摩訶不思議な世界へ……
・読者様
風猫さん
ハーレム事件簿:>>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8
豊作事件簿 :>>9 >>12 >>13
- Re: 願い 〜叶える物と壊す者〜 ( No.9 )
- 日時: 2011/12/26 19:03
- 名前: コーダ ◆ZLWwICzw7g (ID: EfshNUBH)
広大な土地。そこで1人ぽつんと桑を持った男が居た。
頭にはふさふさした2つの耳が生えており、さらに1本の尻尾も生えている。
一目見て、ウルード族というのが分かった。
男は持っている桑で、広大な土地の土を耕す。
長年この作業をしているのか、その姿はとても様になっている。
ウルード族は体力、力が他の種族よりズバ抜けてあるので、この広大な土地を1人で耕すことくらい朝飯前である。
だが、知識には乏しいので耕した後が1番苦労する。
——————農薬の量、病気に関しての知識が最たる例だ。
しかし、これは自分が選んだ仕事である。
こんなところで悩んで逃げ出していたら、生きること事態が難しくなる。
育てるというのは、楽な道が一切ない。毎回地道な作業ばかりである。
男はそれを1番理解している。
——————ある事件をきっかけに。
ふと、男の手が止まった。
どうやら、背後に2人ほどの人が居る気配を感じたようである。
1人は日傘をさしていて、紅いドレスを着用したかなり派手なドラーペシュ族。
もう1人は、白狼のウルード族のメイドだった。
男は優しく微笑みながら、2人を見つめる。
一方、メイドは大きな空のダンボールを2つ渡す。
3人は広大の土地のど真ん中で、明るい表情を浮かべていた——————
〜豊作事件簿〜
太陽が昇り始める早朝。外の天気はとてもよく、散歩をするには最適な環境である。
だが、そんな太陽の光を全て遮断している洋館があった。
当然内部は暗く、未だに夜みたいな感覚になる。
——————それを、徐々になくしていく1人の女性が居た。
彼女は、洋館の紅いカーテンをやや乱暴に開けながら歩きまわっていた。
頭の上にはふさふさした2つの耳と1本の尻尾が生えている。この時点で、彼女はウルード族というのが分かる。
白狼を連想させるような髪の毛は、腰くらいまでの長さがある。
前髪は目にかかっていて、瞳は漆黒に輝いている。
黒いメイド服を身にまとい、同じく頭の上には黒いヘッドドレスをつけている。勇ましいウルード族にしては、かなり可愛らしい格好である。
元々、ウルード族にはメイドや執事は適任ではないと言われている。その理由はモラルの低さだ。
言葉使いも男女共に乱暴で、力仕事をやっている方がよっぽど良いと言われている種族。
お客さんが来ても、丁寧な挨拶は一切できずどこか脅しのような感じ。
だから、彼女がメイドをやっているのはとても違和感がある。
「とっとと終わらせて、朝食を作らないとな……」
目を吊り上げながら、一言呟く女性。
尻尾を激しく振りながら、朝食のメニューを考えながらカーテンを開ける。
「——フー、今日はカーテンを開けるのが早いと思いますことよ……」
ふと、背後から声をかけられるメイド。
フーと呼ばれた彼女は体を180度振り向かせ、
「今日はずいぶん遅い起床だな。嬢様」
メイドとは思えない口調を飛ばす。
嬢様と言っているのだから、自分より格上。しかし、口調は明らかに上から目線。
だが、嬢様と呼ばれた女性は全く怒鳴る気配はなかった。
紅い髪は二の腕までの長さまであり、前髪は目にけっこうかかっていて、瞳はルビーを連想させる紅色。
紅いドレスを着用しており、どこかのお嬢様を連想させる格好。
首にはコウモリをモチーフにしたアクセサリーをつけていて、腰には東洋の魂である刀があった。大きさ的に、打刀だ。
背中の大きな黒い翼と黒い尻尾、そして口から見える鋭い牙が生えているところを見ると、彼女はドラーペシュ族だというのが見て分かる。
頭には紅いリボンが2つあり、さらに刀の鞘と黒い尻尾にもつけているところを見ると、かなり可愛らしい一面が見える。
——————洋館の中に居るのに、日傘をさして太陽の光を遮断していた。
「フー、早く朝食を作ってくださいますこと?」
「まだ全てのカーテンを開けていない。確か、キッチンにバウムクーヘンがあったはずだ、それを頬張りながら待っていろ」
嬢様の命令を退け、あくまでカーテンを開ける作業を優先するメイド。
すると、ドラーペシュの女性は大きなあくびを浮かべながらこの場を後にする。
どうやら、キッチンのバウムクーヘンを頬張りに行ったのだろう。
「さて、私も早いところ仕事を終わらせて嬢様の朝食を作らなければ」
2つの耳をピクピク動かしながら、フーはカーテンを開ける作業を再開させる。
- Re: 願い 〜叶える物と壊す者〜 ( No.10 )
- 日時: 2011/12/26 23:00
- 名前: 風猫(元:風 ◆Z1iQc90X/A (ID: G9VjDVfn)
此方では初めまして!
有限実行素晴らしいですな^^
まだ、ハーレム事件簿の最初の方しか見ていないですがプリファーナ女史にいきなり魅入られてしまった風猫です♪
紅茶やリボンと拘りが多いのも人間味(?)があって良いですね!
速く全部読まねば!
しっかし、ダンタリアンの書架に雰囲気が似ている……いや、良い意味でね♪
- Re: 願い 〜叶える物と壊す者〜 ( No.11 )
- 日時: 2011/12/27 12:19
- 名前: コーダ ◆ZLWwICzw7g (ID: H42bpFfN)
風猫さん>
同じく、ここでは初めまして!コメントくださりありがとうございます!
あの場でデカデカと書くって言いましたからね……書かないと、ちょっとあれですからね。
プリファーナさんは個人的に好きなキャラなので、そういってくださりありがとうございます!
私の憧れのラノベですからね……ダンタリアンの書架は……気がつくと、なんか似た雰囲気になっています。
- Re: 願い 〜叶える物と壊す者〜 ( No.12 )
- 日時: 2011/12/27 14:38
- 名前: コーダ ◆ZLWwICzw7g (ID: H42bpFfN)
中心がポッカリと開いたドーナツのようなお菓子。バウムクーヘン。
木の年輪を連想させるように、何層もの生地が周囲に張り付いている。
彼女はフォークで上品に、それを口に運ぶ。
しっとりとした感触と砂糖の甘さが口いっぱいに広がり、至福の瞬間。
傍に置いてある紅茶を飲み、口の中をさっぱりさせる。
これを何度も繰り返す。彼女はお菓子を口へ運ぶたびに尻尾を動かし、嬉しそうな表情を浮かべる。
一目見ただけで、かなり幸せそうな雰囲気。
「——その様子だと、朝食はいらないな」
その雰囲気をぶち壊すかのように、つんとした声が響き渡る。
バウムクーヘンを食べていた彼女は、声が聞こえた方向へ顔を振り向かせ、
「ひゃっときまひたわね!ふー!」
何を言っているのか全く分からない。
彼女は口いっぱいにバウムクーヘンを含みながら、言葉を飛ばす。
つんとした声を出した女性は、浅い溜息を浮かべる。
「嬢様。下品だ」
この言葉に、嬢様と呼ばれた女性は口の中のバウムクーヘンを飲み込む。
どうやら、先程カーテンを開けていたウルードのメイドが仕事を終えてキッチンへやってきたようである。
「バウムクーヘンは美味しいですわね。つい、頬張ってしまいましたわ」
メイドに頬張っていろと言われて、本当に頬張っていた彼女。
可愛らしい容姿に似合わず、かなりいやしかった。
「確か、バウムクーヘンは四分の三くらいあったはずだ。なぜ、今それがない?」
「ごちそうさまでしたわ」
カップの紅茶を飲み干し、彼女は幸せそうな表情で言葉を飛ばす。
——————どうやら、バウムクーヘンは全て女性の胃袋の中へ入ったらしい。
メイドは尻尾を大きく振り、今度は深い溜息を浮かべる。
「はぁ、後で食べようと思っていたのだがな……」
「また買ってくればよろしいですわ。さぁ、朝食の準備を」
「まだ食べるのか、この嬢様は」
「当然ですわ。わたくしは食べ盛りですことよ」
大量のバウムクーヘンを食べたのに、今度は朝食を催促する彼女。
どうやら、ご飯は別腹らしい。
だが、ドラーペシュ族は他の種族よりカロリーの消費が激しい。これくらい食べても、むしろ痩せていく。
その理由として、黒い尻尾と黒い翼を動かすエネルギーが必要だから。
実は、ドラーペシュ族の翼は飛ぼうと思えば飛べる。もちろん、飛んだ分だけカロリーが大量に消費する。
彼女みたいに、恵まれた環境でご飯を食べるなら良いが、一般市民は飛べるだけ食べ物を食べることはできない。
ある意味、宝の持ち腐れである。
白狼のメイドは、2つの耳をピクピク動かしながら朝食を作り始める。
「そういえば、フェーンはまだ寝ているのですこと?」
「さっき部屋を見に行ったが、呑気に本を読んでいた」
朝食を作りながら、メイドは女性に言葉を飛ばす。
むっとした表情を浮かべ、彼女は尻尾を激しく揺らしていた。
「朝食は皆で食べることを忘れているのかしら」
「どうせギリギリになったら来る。来なかったら連れ出すまでだ」
何度も思うが、やはりこの白狼のメイドは口調が乱暴である。
だが、メイドとしての家事は完璧にこなしている(乱暴だが)ので、一応問題はない。
その証拠に、朝食を乱暴かつ器用に作っている。
唯一困るのは来客の接待のみ。これだけは違う人に頼まないといけない。
先程、彼女が朝食を皆で食べると呟いていたが、実際この広い洋館には3人しか住んでいない。
2人は今キッチンに居る女性。そして、残った1人はフェーンと呼ばれた人。
——————この広い洋館の掃除をするメイドは、やはりすごかった。
「そういえば嬢様。今日は出かけだったな」
「ええ、そうですわね」
メイドは出来たてのスクランブルエッグを、3枚の皿の上に乗せながら言葉を飛ばす。
どうやら、今日はお出かけの日らしい。
「まぁ、出かけと言っても買い物だけだがな」
「買い物でも十分お出かけですわ」
オーブンから3枚のトーストを取りだし、先程スクランブルエッグを乗せた皿へ乗せるメイド。
ついでに、ベーコンとレタスも付け合わせと乗せる。
ドラーペシュの女性は、足を揺らしながら明るい表情を浮かべる。
「——おや、丁度良いタイミングですね」
ふと、どこからともかく誰かの声が響き渡る。
2人は声の聞こえた方向へ首を振り向かせ、
「フェーン。遅いですわ」
「遅いぞ、フェーン様」
やや怒鳴ったような口調で、2人はフェーンという人へ言葉を飛ばす。
「少し本に夢中になっていました」
尻尾を振りながら、2人へ遅れた理由を呟く男。
頭の上にはふさふさした2つの耳と1本の尻尾が生えているところを見ると、彼はウルード族だというのが分かる。
灰色の髪の毛は首くらいまでの長さがあり、前髪は目にけっこうかかっていた。
瞳は青緑色をしていて、目が悪いのかメガネをかけていた。
黒いスーツの上に、科学者みたいな白いコートを着用しており、血の気の多いウルード族にしてはかなり珍しい格好である。
これで、ようやく洋館の住民が揃った。
「さて、朝食が出来たぞ」
キッチンの近くにあるテーブルとイスに作った朝食を乗せるウルードのメイド——————フレーリンクス=ケルベール。
「紅茶はセルフサービスですわ。当然、ニルギリですことよ」
幸せそうな表情を浮かべ、朝食を見つめるドラーペシュの女性——————プリファーナ=カータナ。
「いただきます」
手を合わせて、礼儀正しく食事前の挨拶を呟くウルードの男性——————フェーン=クロワード。
この3人は、とても深い絆で結ばれている。
「嬢様。さっきバウムクーヘンを頬張っていたのに、その食欲はどこから沸いてくる?」
「おや、昨日買ってきたバウムクーヘンが見当たらないと思ったら、プリファーナさんが全部食べたのですね」
「フェーン、フー。もうバウムクーヘンのことは忘れるのですことよ!」
プリファーナは顔を赤面させながら、トーストにかぶりつく。
よほど、バウムクーヘンを引きずる2人である。
「甘い物が好きで何を恥ずかしがっているのでしょうか?女性として当然だと思いますよね?フーさん」
「フェーン様。フーと呼んでいいのは嬢様だけだ。今度言ってみろ、その口2度と開かないようにしてやる」
「はは、冗談ですよ。冗談」
尻尾を激しく振りながら、フェーンはフーへ言葉を飛ばす。
余裕な表情と焦った尻尾を見つめていたプリファーナは、くすりと笑う。
だが、彼女のことをフーと呼びたくなるのは普通である。略さなければ、フレーリンクスでやけに長いからだ。
「ですが、フーの名前は長いですことよ?フェーンも略したくなるのは当然だと思いますわ」
「なら、ケルベールで良いだろ?」
余程、フーと呼ばれたくない彼女だった。フェーンは右手でメガネを調整して、
「分かりました。ケルベールさん」
仕方なく、彼女のラストネームで呼ぶ。
プリファーナはこの光景を、少し不満そうに見ていた。
- Re: 願い 〜叶える物と壊す者〜 ( No.13 )
- 日時: 2012/01/09 13:52
- 名前: コーダ ◆ZLWwICzw7g (ID: ZdG3mpMH)
朝食を終えて、フーは皿洗いを乱暴に行う。
プリファーナはその様子を見つめながら、ニルギリを優雅に飲む。
なお、フェーンは部屋へ戻り読書の続きをしにいった。
「嬢様。皿洗いが終わり次第すぐに出かけるからな」
「ええ、もう準備は昨日から済ませていますわ」
黒い尻尾を振りながら、プリファーナは笑顔で台詞を言う。
遠足みたいなお出かけでもないのに昨日から準備をしている彼女を、フーは浅い溜息で返す。
「な、なぜ溜息をするのですこと!?」
「いや、嬢様らしいなと」
ガチャガチャと音を鳴らしながら、皿を並べるフー。
余談だが、彼女が1年に割る皿は50枚を超えるか超えないかである。
「さて、皿洗いは終わった。早速出かけるぞ」
「ええ、良くってよ」
可愛らしい微笑みを浮かべながら、キッチンを後にするプリファーナ。
フーはエプロンを脱ぎ、ガスの元栓を確認しながら乱暴にテーブルの上へ乗せて、この場を後にする。
○
白を基調とした建物が並び、町の中央には大きな凱旋門が人々を見下ろす町——————ゲートビジー。
蒸気機関車で人と物を運び、商業活動が活発な町である。
プリファーナとフーはフェーンに洋館を任せて、そんな町を歩く。
常に彼女の傍を歩きながら、辺りを見回すメイドと優雅に日傘をさしながら歩くお嬢様。
一目見て、どこかの富豪だという雰囲気を感じ取れる。
「嬢様。このまま向かっても待つ羽目になる。リボン店で時間を潰すか?」
フーの言葉に、プリファーナの黒い尻尾が大きく反応する。
余程、リボンを愛しているのが分かる瞬間だった。
「もちろん行きますわ。そういえば、新しいリボンが販売されているらしいですわよ?」
子供のように、無邪気に微笑む彼女。
フーは2つの耳を動かしながら、プリファーナと同じくにこやかに微笑む。
○
両手に袋を持ち、ご機嫌な表情を浮かべるプリファーナ。
中には大量のリボン。いくつか入らなかったので、2つくらい尻尾に結んでいた。
代金は現金ではなく、小切手で支払う辺りどこか一般人とは違った感じがする。
フーは彼女の変わりに日傘をさし、メイドらしく彼女へ奉仕していた。
「新しいリボンはとても可愛くて、すぐに気に入りましたわ」
どうやら、彼女が言っていた新しいリボンは手に入ったようである。
生地はベルベット作りで、柔らかで上品な手触りから尻尾につけるにはとても向いている。
色は彼女にしては珍しい青色。紅色が好きなプリファーナにとって正に正反対な色だ。
だが、リボン好きには色など関係なく、可愛ければそれでいいらしい。
「気にいったのは良いが、これから遠い場所へ行く。パースルルームでそれを預けろ」
喜んでいるプリファーナに、つんとした口調で言葉を飛ばすフー。
どうやら、遠くまで出かけるのにその袋が邪魔だと彼女は言う。
ちなみにパースルルームというのは、言い方を変えると手荷物お預け所の意味である。
お客様の手荷物を一時的に預けて、時間により料金を取るビジネスだ。
「そうですわね、本来の目的を忘れてつい大量に買ってしまいましたわ」
プリファーナ自身も同じ意見だった。
このまま持って歩くと、万が一袋を落としたら台無しだからである。
例え、中身に被害がなくても精神的に落ち込む。それは、彼女が1番よく理解していた。
「汽車までは……まだ時間はあるな。とっとと預けに行くか」
「分かりましたわ」
2人が出かけに行く場所は、どうやら蒸気機関車に乗らないとだめらしい。
プリファーナとフーは若干駆け足で、パースルルームへ向かう。
○
パースルルームにリボンが入った袋を預けた2人は、呑気に蒸気機関車が来るのを待っていた。
時間帯的にはあまり人は居なく、ゆったりとした雰囲気だ。
「嬢様、今日のディナーは——」
「分かっていますわ」
フーが何かを言おうとしたが、プリファーナはそれを言う前に言葉を言う。
一応、2人の意思疎通は出来ているようである。
「嬢様は多少肉食ですからね。たまには——」
「フー、あなたよりは肉食ではありませんわ」
ウルード族とドラーペシュ族は基本的に肉が大好きな種族。逆にシルティー族とラージエル族は野菜が大好きな種族である。
昔、何か争いがあるとウルード族とドラーペシュ族が先陣となることが多かった。シルティー族とラージエル族は彼らの背中をずっと見つめる。
この性格の違いが、好きな食べ物にも若干影響している。
「フェーン様は喜びそうですがね」
「フェーンはウルードとは思えませんの。ですが、そこがまた良いところですわ」
2人してフェーンは変わっていると話す。きっと、今頃フェーンはくしゃみをしているだろう。
だが、彼女たちが言うのも納得いく。ウルード族は血の気が多く頭よりも体動く種族。
フェーンは本当に全く逆で、冷静で体よりも先に頭が働く。
フー曰く、劣性遺伝か過去に相当な出来事があったからこうなっていると予想している。
「こんな話をしていたら、お肉が食べたくなってきましたわ……血の滴る……ふふっ」
「私は生よりも焼いた方が好きだ」
余談だが、プリファーナは甘い物と肉なら肉を優先的に選ぶ。
「さぁ、嬢様。そろそろ……」
蒸気機関車がやってくる。プリファーナとフーは1番開いている車両へ乗る。
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