ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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魔人ラプソディ
日時: 2012/04/10 14:15
名前: sora ◆vcRbhehpKE (ID: k5KQofO8)
参照: http://ameblo.jp/gureryu/

始まりましたね、新学期。
桜の花びらが妙に映えて見えます。

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Re: 魔人ラプソディ ( No.20 )
日時: 2012/02/07 22:58
名前: 朝倉疾風 (ID: yqB.sJMY)
参照: http://ameblo.jp/asakura-3-hayate/




学年末試験の勉強を始めているので、
コメントを返すのが遅くなるかもです゜(゜´Д`゜)゜
仕方ない、それは仕方ない。
朝倉のせいじゃない。 そんなものか!←


そしてなんかもう色々と衝撃でゴメンナサイ。


以前、チャットの方で主人公が出てきてないとか、
なんかそんなことを言ってらしたような気も
しないでもないのです。
朝倉はチャットをザザザと読むだけで、学年末試験勉強
真っ最中だったので、正直サラ〜ッとスルーしていた
んですが…( ´,_ゝ`)ウフ


それが走馬灯のように頭に駆け巡って、いま
かなりかなり興奮真っ最中です朝倉です。


声が出ないのね、かわいそうに。
そしてアヤネ氏の性格、嫌いじゃないわよいやはやまったく。


あいかわらず描写が素敵です。いやはやとっても。
そしてこれから殺す予定の人間っていうのが気になります。


……ぷりーず、続き。


Re: 魔人ラプソディ ( No.21 )
日時: 2012/02/08 18:40
名前: sora ◆vcRbhehpKE (ID: Rl.Tjeyz)

朝倉疾風s⇒
試験、無理しない程度にがんばってくださいね。
読んでくれている方がいるだけでsoraは幸せです。

色々と突然で、ごめんなさい。
結構無茶な伏線回収だったと反省しております。

プロローグの時点では、主人公は出ていませんでしたね。
主人公は連続殺人犯ですが、カニバリズムではありません。まことに残念です。

アヤネはちょっとお嬢様かもしれません。
踏まれたいでs(ry

次に死ぬのは、どんな『化け物』なのでしょうね。
わたしも続きを書くのが楽しみです。

続きを楽しみにしていただけるのは、とてもうれしいです。

Re: 魔人ラプソディ ( No.22 )
日時: 2012/02/17 07:55
名前: sora ◆vcRbhehpKE (ID: Rl.Tjeyz)

#Prologue[祭典のはじまりは、カニバリズム]
#1[喰えない女]
登場人物 まとめ

『僕』
黒いブレザーに黄色い紐ネクタイの制服をきっちり着込んだ高校生。
長すぎず短すぎない黒髪をしていて、肌が白い。
声を出すことが出来ない。
【魔人】のことを深く知っていて、自身もその力を持つ。
腕が真っ黒にになったり、黒い槍や剣を出したりする能力を扱うが、持っている力についての詳細は不明。
連続殺人事件の犯人。
愛用している手帳には【魔人】についての詳細と、
彼が殺してきた人間、彼がこれから殺す人間のプロフィールが書き込まれている。

美鏡アヤネ
常に黒いゴスロリにヘッドフォンという格好の少女。
陶磁の人形のようなきれいな顔立ち。
髪の色は黒で、だいたいツインテールにまとめている。
『僕』のクラスメイト。
『変人』であることを自覚していて、面白いことや面白いひとが大好き。
金髪の高校生に喰われかけたところを、偶然にも『僕』に救出される。

早川ユキリ
『僕』とアヤネのひとつ上の学年だった少女。
連続殺人事件の、十五人目の被害者。
華やかで可愛らしい容姿とは裏腹に、黒い噂が絶えなかったようだ。
【魔人】と【契約】を交わした人間の一人であり、それ故に『僕』の標的となった。
『僕』に頭部を粉砕されて死んだ後、金髪の高校生に全身をかじられてゴミ捨て場に放置される。

金髪の高校生
『僕』が通っている高校の、近くの高校に通学していた。
それなりにファッションに気を遣っているといった風体で、彼女がいたらしい。
カニバリズムという性癖を持ち、人間の肉を食べるのが好き。
過去一度も、生きた人間を食した際は骨さえ残したことがないらしい。
ただし死体は好きではないようで、早川ユキリの遺体は食べる途中で廃棄した。
連続失踪事件の犯人。被害者は全員、彼の胃袋の中に収まってしまった。
【魔人】と【契約】を交わした人間。
『人間の肉を食べてみたい』という願望で契約したせいか、爪や牙、および消化器官と
獲物を狩って、食べるための力に特化していた。
『僕』に四肢切断の上頭部を潰され、連続殺人事件十六人目の被害者となった。
彼が愛用していた手帳には、「どういう人間の肉がおいしいか」「人間の肉はどの部位がおいしいか」
などといったことが延々と綴られていた。

Re: 魔人ラプソディ ( No.23 )
日時: 2012/02/17 07:58
名前: sora ◆vcRbhehpKE (ID: Rl.Tjeyz)

#2 糸が切れて、事切れて



 死体が好きだ。
 動物の死体も好きだけれど、一番好きなのは人間の死体だ。
 こんな私でも、最初は普通にお人形が好きなだけだった。今でも、お人形遊びは好き。
お人形の、腕を取ったり、足とか首とか取ったり、もいだり、そうして並べるのが好き。
せっかく買ってあげたのにどうして壊すの、とよくお母さんにしかられたっけ。
 私がまだ小学生だったある日、私のおばあちゃんが死んだ。
心筋梗塞だったらしく、事切れてしまうのは一瞬だったらしい。
まだ小学生だった私には心筋梗塞という言葉は難しかった。
私が最後におばあちゃんを見たのは、お正月に遊びに行ったときだった。
その次にあったときにはもう、棺の中にいた。
 棺の中で動かないおばあちゃんを見て、何か心から湧き上がるものがあったのはそのときだ。
最初は、それが身内を失ったことに対する悲しみなのだろうと思った。
おばあちゃんはいつも私に優しかったように思う。
そういう意味では、もしかしたら両親より好きだったかもしれない。
だから、いなくなってしまって悲しいのだろう。そう思っていた。
 私の人生で次に人間の死体を見たのは、目の前でクラスメイトがトラックにはねられた時だった。
誰かが救急車を呼んでいたけれど、私には即死だとわかった。それだけ派手に血が散乱していたのを覚えている。
ぐったりと動かない、血にまみれたクラスメイトを抱きしめて
そのときは、自分が感じているものが、どうしようもない愛おしさなのだと、はっきり認識することが出来た。
それは飼い猫を抱いたときより心地よくて、あの日おばあちゃんの亡骸を見たときの感覚に近かった。
 つまりそれは、私は死体が好きなのだという事実を端的に示していた。
それ以降、どんな異性にもちっとも魅力を感じなかった。
しかし、死んでさえいればどんな人間でも愛でることが出来る自信がある。
 時にはそのことに自分が普通じゃないことに苦しみもした。
何より、死体の代わりに人形で我慢するしかないのがつらかった。
自分で自分に嘘をつき続けなければならないのが、苦しかった。
 耐え切れなくなって、母を包丁を使って手にかけたのが九月。
その現場を父に見つかったのも九月。
父が、混乱しつつ必死で問い詰めてきたのも九月。
そのとき、【魔人】が姿を現したのも九月。
 つまり私が【魔人】と契約を交わしたのは九月。
代償には左目を差し出した。代わりに私は、簡単に死体を作ることが出来るようになった。
動かなくなった両親は、生前よりもずっといとおしく感じた。

 ねえ、お父さん、お母さん。死んでも、ずっと一緒だよ。



Re: 魔人ラプソディ ( No.24 )
日時: 2012/02/17 14:33
名前: sora ◆vcRbhehpKE (ID: Rl.Tjeyz)

 教室に入るなり、美鏡アヤネに「おはよう」と声をかけられた。
しかも彼女は堂々たる態度で僕の席に座っている。クラスメイトの何人かが、若干困惑しているのがわかった。
朝一番から自分の席を奪われて、そういえば僕はどこに座ればいいんだろう。
一番困惑しているのは僕かもしれなかった。
クラスメイトから向けられる疑問を孕んだような視線が、若干痛い。
僕にも、どうしたらいいのかわからないというのに。
 とりあえず美鏡アヤネに近づくや否や、彼女は僕に新聞の切抜きを突きつけた。
 その内容は、最近この辺りで多発していた行方不明事件について。
また新たな行方不明者が出たという内容だったのだ。
 例の、金髪の人食い高校生を殺したことで、その事件は一件落着と思っていたのだけれど。
しかし実際問題その切り抜かれた記事には、新たな行方不明者の名前などがちゃんと記されていた。
 つまり、あの人食いが失踪事件の犯人であるという考察が外れたか、他にも犯人が居たのか。
またはまったく別の、新しい犯人が誕生したのか。
いずれにしても、連続失踪事件はまだ終わっていない。
僕の脳裏にはある可能性が浮かんだ。

「これも【魔人】と契約した人が関わっていると思わない?」

 奇遇にも、僕もそう思ったところだった。
もし【魔人】と契約した人が犯人なら、この事件はその人を見つけ出す手がかりになるだろう。
そして【魔人】と契約した人間を殺す。
それが僕の役目で、生かされている理由だからだ。
ならば、今日の放課後すぐにでも調べに行ってみようか。
そう思った矢先、美鏡アヤネが口を開いた。

「ねえ。今日の放課後、屋上まで来て」

 一体どうしてそうなるのだろう。
美鏡アヤネと話しているとき、僕は一方的に振り回されている気がする。
もっとも、僕は喋らないし、喋れないのだけれど。
 ただ、確かに【魔人】についての話をするときは、教室よりは人の居ない屋上のほうがいいのかもしれない。
【魔人】だとか【契約】だとかいう単語を会話の中に普通に持ち出していては、変に思われるのは当然のように思った。
もっとも美鏡アヤネにとってはもう手遅れなのかもしれないと思ったけれど、喋れないので言葉には出なかった。
 僕に拒否する時間も権利も与えず、美鏡アヤネは立ち上がってさっさと自分の席に着いてしまった。
そして彼女は机に突っ伏したまま微動だにしなくなった。
ヘッドフォンがないので退屈極まりないんだろう。
あの調子だと、少なくとも二時限目が終わるまでは絶対に起きないような気がした。



   ♪



 教室の隅の彼の席で、美鏡さんが彼と話しているのを見た。
そういえば一昨日くらいに、美鏡さんは突然彼を屋上に呼び出していたっけ。
 誰とも喋らない彼と、誰とも迎合しない美鏡さんという組み合わせは、
少なくとも私には何か奇妙なものだと思えた。
けれど美鏡さんは彼に話しかけながら、口元にどこか楽しげな、わくわくしたような笑みを湛えている。
いつも音楽を聴きながらどこか遠くを見ている彼女の、そんな表情を見るのは初めてなような気がした。
 今の美鏡さんは、ヘッドフォンの代わりに包帯を巻いているけれどとても楽しそうだ。
お人形にしたら、とても可愛いのだろうなと思えるほどに。

「これ【魔人】と契約した人が関わっていると思わない?」

 不意に、突然美鏡さんの口から出た、良く聞き覚えのある単語に反応してしまった。
美鏡さんは何か紙のようなものを彼に見せていた。たぶん、新聞の切抜きだと思った。
 【魔人】と契約した人間が関わっていたと、わかったとしてあの二人はどうするつもりなのか。
 大丈夫だ、と私は自分に言い聞かせた。
【魔人】の話なんて、誰か他人に話したところで誰も信じはしない、と思ったからだ。
 教室に入ってきた友達、『畑野 ミサキ』が視界に入ったので、おはようと挨拶を投げかける。
彼女もおはようと私に返してくれた。ミサキちゃんは、人見知りだけど優しい子だ。
他の友達も混じってきて他愛もない会話を交わす中で、ふと思う。
もし突然に【魔人】や【契約】の話を持ち出したとして、みんなはどんな反応をするだろうか。
きっと冗談の一環だと受け止めるんだろうな、と大体の予想はついてしまった。
 それと同じだ。だから特に気にする必要もないと思った。
それより、私にとっては次の獲物を誰にするかの方が重要だ。
次の獲物は、このミサキちゃんはどうだろう。おとなしくて優しくて、可愛いミサキちゃん。
彼女の笑った顔はとても可愛くて愛らしい。自分のものにしてしまいたい、とさえ思える。




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