ダーク・ファンタジー小説
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- 【夢幻を喰らう者】※1-19更新
- 日時: 2013/04/01 07:52
- 名前: だいこん大魔法 (ID: uupAp8Xk)
今更ながら、初めての方は初めまして、そうでないかたはまた、よろしくお願いします^^だいこん大魔法です^^
以前書いていた小説がもう無理だああぁぁと投げ出して一年・・・気分を一転させて、新しく書くことにしました^^;
それでは、再びこのだいこん大魔法を、新しくなっただいこん大魔法を、どうかよろしくお願いします^^
作者現状【ファンタシースターオンライン2をガチプレイしてたら更新ペースがガクッと落ちた(´;ω;`)】
prologue〜終末〜>>0
第一話〜夢幻〜>>1 >>2 >>3 >>6 >>7 >>8 >>9
>>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19
第二話(一話が終わり次第更新)〜Those who eat the Phantom〜
主要キャラクター(現時点での登場人物のみ)
・織塚 冬夜(おりづか とうや)
年齢 17
性別 男
身長172
体重65
使用武器【ブラックフェザー】
夢幻喰【アマテラス】
『夢幻を喰らう者』
『ファンタズマ』所属
・神樹 鈴(かみき りん)
年齢 17
性別 女
身長148
体重「は、はずかしくて言えないよぅ」
使用武器【十六夜】
夢幻喰【未定】
『夢幻を喰らう者』
『ファンタズマ』所属
・中西 隆臣(なかにし たかおみ)
年齢 56
性別 男
身長175
体重76
『軍』
『ファンタズマ』所属
天美 ルリ(あまみ るり)
今現在年齢設定不確定
性別 女
身長145
体重「乙女の秘密ってやつだね」
使用武器【???】
夢幻喰【未定】
『夢幻を喰らう者』
『ファンタズマ支部長』
西岡 流地(にしおか りゅうじ)
年齢 18
性別 男
身長171
体重60
使用武器【ロングソード】
夢幻喰【未定】
『夢幻を喰らう者』
『ファンタズマ』所属
各設定
『夢幻』
夢幻菌、ファンタジーウイルスと言われる、災厄を齎す病原菌。人間以外のすべての動物に感染する力があり、感染した動物を例外なく自我を奪い、強制進化させる力をもつ。さらに、夢幻には不死性があり、菌そのものだけではなく、感染した動物すらも不死に変えてしまい、それだけではなく、すでに死んだ動物にも感染し、無理な強制進化をさせ、蘇らせる力をも持つ。発生原因は不明、しかし、発生した場所がすべて人里離れた辺境の地だという憶測が、人々の中では事実として成り立っている。
『キメラ』
夢幻に感染し、強制進化した後の状態の動物のことを指す。
『シェルター』
人類滅亡を信じきっていたとある政治家が各国に強要して作らせたもの。当時はその計画の無意味さが幾度となく議論されたらしいが、夢幻が生まれたことによって、その存在は認められ、人々はそこに逃げ込むことになる。
『夢幻喰』
夢幻、キメラの細胞、人の血。それらをあわせることにより生まれた人口の菌。それは不死性をもつ夢幻を唯一無力化させ、消滅させる力を持ち、さらに、夢幻に感染しない人間に宿らせることにより、自我を奪うことなく、五感強化という形で進化させることができる。
『ヴァジュラ』
夢幻喰を宿した武器。キメラをこの武器で傷付けることにより、内に宿る夢幻を消滅させることが可能。
強制進化の応用により、このヴァジュラにはブラッドアーツ、希にブラッディアーツという力が宿る。
『夢幻を喰らう者』
夢幻喰を体内に宿し、ヴァジュラの使用を許可された人間のことを指す。これらの人間はすべてファンタズマという組織によって管理される。
『ファンタズマ』
夢幻を喰らう者と、国の軍隊が連携して成り立つ組織。夢幻を喰らう者のメディカルチェックや、『ヴァジュラ』の整備、開発、さらに、シェルター内の生活に必要なものの開発など、さまざまなことを請け負う。昔でいうところの政治も担っている。
『夢幻魔術』
キメラの使う異能力。
メカニズムは、「夢幻」が体内にやどり、進化する過程でその個体に宿るもの、とされている。
ブラッドアーツは、この「夢幻魔術」の応用とされている。
prologue〜終末〜
賽は投げられた。
目の前ですべてが、壊れていく。
巨大な塔が、巨大なビルが、家が、人が、すべてが、目の前で、姿形を一瞬にして変えられていた。
瓦礫の山となる住宅、ビル、鉄塔。
屍となる人、人、人。
壊れた家に押しつぶされて死ぬ人、恐怖のあまりに狂い、自殺する人、同じく狂い、互いに殺し合う人。逃げる人・・・そして、それを追う、人ではない、「なにか」
その「なにか」は、人を喰らいつくす。逃げ惑う人を喰らい、屍になったものも喰らい、互いに殺し合っているものも同時に喰らう。
まさにその姿は獣そのものだった。ライオンのような胴体をもち、鳥のような翼を一対背に宿し、蛇のような先端をもつしっぽをぶら下げ、鰐のような顔をもつ・・・それらのもととなった生物よりもはるかに巨大な体躯をもつ「なにか」は、人を、街を、日常を喰らい尽くす。
目の前に見えるだけでも三十匹以上いるそれは、圧倒的なまでの力で、人々を蹂躙して、欲望を満たしていく。
悲鳴が上がる。絶望の声が、聞こえる。それの咆哮が、唸り声が、それらを打ち破り、鼓膜を震わせる。
混沌、という言葉は、今まさに使われるべき言葉なのだろうか、それとも、終末という表現が、今正しいのだろうか・・・そんなことを考えるのは、もうやめた。
目の前で人が死に、化物が欲望を満たす。・・・そんな光景、いやなほど見てきた。いやなほど、脳裏に焼き付かされてきた。
だからこそ・・・「俺」は果たそう。世界の意思をぶち壊し、自分の意思を貫くために。
右の手には自分の背丈と同じぐらいの長さをもつ、黒い剣。それは、太陽の光を不気味に反射する。
まだ倒壊されていないビルの屋上から、化物の集団を睨みつける。今すぐに飛び出したい気持ちもあった。人が殺されるのをもう見たくなかった。だけど・・・自分のことを、
今この場にいる、「喰らう者」をより安全なタイミングで出動させなければ・・・より一層の被害が辺り一帯を襲うことが、わかっているから、なにもできなかった。
耳に当てられた端末から、指示を待つ。・・・いまかいまかと・・・化物を・・・あいつらを殺せるのは・・・まだか、と。
そして———
「・・・さあ、存分に暴れろ。『夢幻を喰らう者』よ」
その声が・・・始まりの合図だった。
それは、世界各国の、人里離れた辺境の地に生まれた、菌が始まりだった。
発生原因は不明。だがしかし、それが必ず人が住んでおらず、野生の動物しかいないところで発現したということだけはわかっていた。
それは、その地の生命を蝕み、水を枯らし、動物に感染した。
動物は感染されると、狂犬病に似た症状を起し、周りにいるものを傷つけた。
その菌は、ただの動物には感染力が非常に高く、次々に、襲われた動物、死体に感染していったという。
そう、そこまでならまだ対策のほどこしようは、あったのだろう。
だが、その菌は留まることをしらなかった。
菌の特性は、感染した動物を狂わせることだけでなく・・・そう、次の過程に、強制的に進化させる、という異常なものだった。
当然、それは活動を停止したあとに感染した動物にも起こり得るものだった。生きている動物は、本能的に、自身が恐るほかの動物の姿を形取るようになり、そして、死んだ動物は、まるでゾンビのように、もとの姿を形取り始める。
人間がその異常を感知したのは、ついにそれが、一般家庭や動物園などといった、人間が住まう地域に現れるようになってきてからだった。
どういったわけか、人間はその菌の免疫を必ず、ほぼ100%にもっているために、感染のおそれはなかった。だがしかし、飼っていた犬や猫などは、そういうわけにはいかなく、最初は近所の犬同士で殺し合い、猫同士で殺し合い、動物園などでは、折などを突き破り、すべての動物が血で血を争った。
人間も当然の如く、その被害を受け始めた。
飼い犬が突然飼い主の指を引きちぎったり、腕をもいだり、猫が爪で目を潰したり、その事例は多数存在したが、共通して言えることは、必ず襲われた人間は死んでいたということだけだった。
後に軍隊が出動して、動物を殺すために動いた。けれども、その菌は死をも無意味にさせる。
死んだ動物は憎しみという心をもち、力をまし、軍隊は壊滅させられた。
世界各国は、すべての感染した動物を一つの国に集めて、核を投下して、国・・・大陸ごと、消してしまおうという本当の最終手段を、使わざるを得なくなってしまった。
各国の人々は、3分の1程度まで減らされてしまったが、生き残った人々は、その国ごとの首都に設置されていたシェルターの中になんとか避難させたが、そこからはどうしようもなかった。だから、もうそうするしかないと、代表たちは語り合った。
思い出をすべて喰らい尽くした、その菌を消すには、もうそれしかないと。
そんななかで、まだ強度の調整が終わっていなかったブラジルのシェルターが、その時には「キメラ」と名付けられていた、感染した動物によって壊された。
ブラジルからの救援要請が全世界へとむけられて放たれたが・・・ほかの国は、これがチャンスだといわんばかりに・・・ブラジルを犠牲にして、その一帯にいる「キメラ」を全滅させるべく、核の準備を始めたという。
すべての国がこれに許可をして、ブラジルの救援要請を無視し・・・もしかしたら、助かっていたかもしれない人々を見殺しにして————その作戦は、実行された。
無慈悲に放たれた核爆弾は、ブラジルの首都にむけてまっすぐととばされ・・・着弾した。
全世界を揺るがすほどの大きな地震とともに———ブラジルの大地は、消え去った。
「全て」の国の人々は、喜んだという。絶命するどころか、死してなおも蘇り、数を増やし続ける「キメラ」の数を、少しでも減らせたという、殺せたという状況に、喜び、酔いしれた。
—————だが・・・そんな簡単に物事は進むはずがなかった。
菌は核の影響をうけなかった・・・。そう。宿り、繁殖していた媒体がなくなってしまった菌は、大気中をさまよい———魚に、感染し始めた。
今まで海のなかには一切影響を与えてこなかった菌は、核の爆風によって海のなかに沈められ、その中の生物に乗り移り・・・再び暴れだした。
そしてそれを何ヶ月後に知った人間たちは絶望し、再び「キメラ」の存在に怯えることとなった。
シェルターが壊されれば、核を打ち込まれ、シェルターが壊れなければ、そのシェルターの不具合に生じて侵入してくるキメラに襲われるという恐怖に怯える・・・。誰かがいった
これは・・・「終末を迎えた」・・・と。
核がきかず、絶対に死に絶えることのないその菌・・・まるで夢、幻のような今の現状を用いて、「夢幻菌」「ファンタジーウイルス」と名付けられた。
当然、人間たちは必死になった動物の死体からなにからか、菌に感染していながらも、まだ発現していない存在すべてから、その菌を摂取することに成功した。
この菌に対して、なにか打開策はないのか、人間は、いろいろな薬やなにやらをすべて使い、さらに、別のウイルスとあわせ、相殺しないか、また、融合したりして、別の効果を得られないだろうかと、試行錯誤をくりひろげた。
そして完成する・・・その菌を「断ち切る」「喰らう」ことのできる、「ウイルス」を。
それは・・・人間の血と、その菌と・・・感染していた、動物の細胞を混ぜ合わせ完成した、対「夢幻」用ウイルス・・・「夢幻喰」。
だがそれだけでは、大気中に漂っている菌は消せなければ、すでに感染して、進化を遂げてしまっている「キメラ」には、手の施しようはなかった。だが・・・
「夢幻喰」は、人の血と動物の細胞、それらが「夢幻」に加わり、より力の強い「菌」になり、それは人体にも影響を及ぼしてしまうほどのものだった。
とはいうものの、それは人間に感染はせずに、大気中でも生きることもできず、さらに・・・それを体内に取り込んだ人間が、力の調整を、制御をできるところから、早速研究者の一人がそれを注射という形で摂取した。
「夢幻喰」を摂取したことによる人体への影響は二つ。一つは五感強化。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚をより鋭くすることによって、「キメラ」がどこにいるのかというのをすぐに探知できるようになる。そしてもう一つが、身体能力大幅な上昇だ。とはいうものの、外見には一切影響は与えず、このあたりは「夢幻」と異なるだろうが、極端にいってしまえば、間違いなくこれは「進化」の領域に値するものだった。
そうして、「夢幻喰」を体内に宿し、研究は次の段階にはいる。人体に摂取する、というところまではまだよかったのだが、その人間だけでは、「夢幻」を打ち消すことはできないからだ。まあそれもそうだろう、なにせ「夢幻喰」が「夢幻」に触れて、始めて打ち消すことができるのだろう、それでは意味がなかったのだ。
そこで、その「夢幻喰」を体内に宿した人間だけが振るうことのできる武器「ヴァジュラ」の開発が始まった。
「夢幻喰」が人体以外で拒絶反応を起こし、霧散してしまわずに、文字通り「宿る」金属を検討し、その特別な金属を加工する過程で「夢幻喰」を中に練り混ぜて、錬成したそれこそが・・・対「夢幻」対策でもっとも重要なものとなる。
「キメラ」に対抗するために、身体能力を大幅に上昇させて、相対することのできる人間が、「夢幻」を断ち切ることのできる「ヴァジュラ」を扱うことによって・・・始めて、「夢幻」を打ち消し、断ち切り・・・喰らう存在が、生まれた。
人はそれをこう呼んだ。
「夢幻を喰らう者」と。
- Re: 【夢幻を喰らう者】 ( No.5 )
- 日時: 2013/01/06 13:04
- 名前: だいこん大魔法 (ID: Ex8RKlaC)
>>Towa s
コメントありがとうございます^^
中二病ばりばりな設定で進行してますが、楽しんでいただければ幸いです^^
- Re: 【夢幻を喰らう者】 ( No.6 )
- 日時: 2013/01/06 14:02
- 名前: だいこん大魔法 (ID: Ex8RKlaC)
おっさんのあとをついていきながら、俺たちは整備棟に向かう。
実際、整備棟に用があるのは神樹だけで、俺の場合は、その先にある「支部長室」にいくわけだけど、まあ、その理由はだいたい検討がつく。
神樹に、なにか悪いことしたの?とさっき聞かれたけど、そればっかりは正直、どう答えていいかわからなかったので、適当に流したが・・・まあ多方、「特別事例」に関するなにかだろう。
神樹は、さきほどから少しウキウキしている様子だった。なぜかと言われれば、それは、神樹の「ヴァジュラ」の整備が終わったために、一度チェックしにきてほしい、ということを言われたからだろう。
「どうだ、二人共。チームを組めそうなやつは見つかったか?」
前を歩くおっさんが、少し砕けた様子で話しかけてくる。
神樹はウキウキしすぎているからだろうか、おっさんの話を聞いていなかったが、善意で聞いてきている質問に答えないのはなんというか・・・あれだから、一応答えることにした。
「まあ、一応この神樹と組むつもりです」
といいながら、神樹の頭を叩く。・・・いまこの現状で、組むとしたら、やっぱり神樹しかいないだろ、と思うけど、実際神樹のほうはどう思っているかは、わからない。けど、とりあえず・・・だ。
あうっという声をだして、非難の目を俺にむけるが、神樹はすぐになにかあったの?と首をかしげる。
「二人・・・か。新人のお前らには、四人ぐらいのチームを組んでもらうことが理想なんだが、こればっかりはどうしようもないからなぁ」
ガハハッと豪快に笑い、おっさんは歩くペースを俺たちに合わせて、となりに並ぶ。俺の頭をばしばしと叩きながら、でも、とつけたす。
「お前と一緒のチームなら、その嬢ちゃんは、今新人の中で一番安全な場所にいるのかもしれないなぁ」
「・・・おい」
「おお、悪い、これは言っちゃいけないんだったなぁ」
神樹のほうは若干話についていけないで、首をかしげているが、俺は少しだけ焦った。
おっさんの言葉・・・それは間違いなく、「特別事例」に関することだったから。
・・・一応、俺は、検査の時以外にも、ここに訪れたことがある。
それは、今向かっている場所、支部長室に何度か行く機会があったからだ。
別に、俺と支部長が知り合いというわけでもなければ、この「ファンタズマ」に家族がいるわけでもない。そう・・・ただ、研究対象として、何度か呼ばれたことがあった。
普通の「夢幻を喰らう者」ならば、検査を得て、注射により、力を得るが、俺の場合は、そうではなかった。
そのことは、一部の人間にしか知られていない。普通の「ファンタズマ」の一員だったら、それを知る機会はまずないだろう。まあ、おっさんは、その一部の人間で、さらに、俺が過去支部長室に行く時に、道案内を頼んでいた人だったから、覚えていたということだろう。
「ま、べつに新人どうしでチームを組め、なんて強制した覚えはないから、今度実戦のときに合う先輩たちのチームに取り込んでもらえるようにするのもいいだろう」
長い長い廊下の先にある、各棟につながるエレベーターにのり、現在地の新人用施設から、整備棟のボタンを、全員が乗ったのを確認してからおっさんが押す。
「まあ、新人の間は基本的に補助に回されるだろうから、シェルター外部の「キメラ」討伐までは時間がある、それまでには、チームをちゃんと決めとけよ?」
そうおっさんはいう。けど、神樹のほうは、まだ若干おっさんに慣れていないっぽいけど、一応教師、ということでなんとか気持ちを入れ替えて、口を開く。
「せ、先生、ひとつ質問があるんですけど・・・」
「ん?なんだ?」
「シェルター外部の「キメラ」って・・・、シェルターに侵入してくる「キメラ」とは違うんですか?」
「ああ・・・それは・・・」
・・・シェルター外部の「キメラ」か。
俺もこの話は、支部長から聞いたことがあるのだが、どうやら、シェルター外部にいる「キメラ」は、「夢幻を喰らう者」のベテランチームが遠征を組み、最大三十人がかりで挑んでも絶対に勝てるとは保証できないという超大型種がいるらしい。
一般的に知られている「キメラ」というと、だいたい体長5メートル前後の、「犬型」のものだ。
とはいうものの、顔や体の作りは犬というだけであって、背中からは翼が生えていたり、爪は大型の肉食獣かといわんばかりにするどく、ついでに牙も同じように進化しているていう状態のものなのだが・・・。まあ、とくにこういった「犬型」がシェルター内に侵入してくるらしくて、それが「キメラ」だというふうに解釈しているやつは少なくはない。
実際、その「犬型」は「キメラ」の中で最低ランクを付けられているものなのだが、この「犬型」だけでも、十分に驚異になりえる。
「まあ、そのことについては、模擬訓練の前に外部の「キメラ」の映像を見せるから、そっちのほうがわかりやすいだろう」
おっさんはそういって、神樹の質問を流す。
「軍」の人間は、実際にその存在を知っていたとしても、その驚異まではしらない。外にはどんな「キメラ」がいて、どんな力をもっているのか、そこまでリアルに説明できないから、しょうがないといえる。
- Re: 【夢幻を喰らう者】 ( No.7 )
- 日時: 2013/01/06 22:19
- 名前: だいこん大魔法 (ID: Ex8RKlaC)
「そういえば、模擬訓練の形式ってどうなってるんですか?」
ふと俺は思ったことを聞いてみる。
実戦では必ずチームを組んで戦闘を行うことになるが、この場合では、一体どうするのか?
まだ戦闘慣れしていないやつらがチームを組んだとして、万が一で、最悪な自体が起こる可能性があるのではないか?と懸念するが
「訓練の形式?あー、たしかあれだ、新人同士で一度、二人ひと組のチームを組んでもらうってやつだったな。新人同士、「ヴァジュラ」の扱いにも慣れてないだろうから、大人数でのチームは危険、かといって、一人でやらせるのも危険っていうことらしいから、そんな感じでやることになる」
「んー・・・」
二人ひと組か。
たしかに、これならば一人でやるよりもより安全になり、大人数で一斉にやるよりこんがらがらなくて済む。
戦闘慣れしていない、といっても、「夢幻喰」を体に宿していて、普通よりはるかに強くなっているし、五感もするどくなっていて、仲間の行動を雰囲気で読むことが、新人の場合であってもできるだろうから・・・。ま、さっきからいろいろと考えてはいるものの、実際に俺だって実戦を経験したことすらないから、なんとも言えないんだけど。
「あっ、じゃあじゃあ、織塚くん・・・」
「ん?あー、一緒に組むか?」
「うんっ」
「はっ・・・若いねぇ」
嬉しそうに笑う神樹。それを微笑ましく見守るおっさん。無骨なエレベーターの中で、さらに、世界がこんな状況でなければ、今の光景が、世界ではあたり前のように見れたのだろうと、思う。
そんなことをやっているうちに、ゴウン・・・という音をたてて、エレベーターが停止する。停止するとともに、重苦しい雰囲気を立てながら真ん中から左右にスライドして、扉が開き、そのさきにあるシャッターが上にしまわれる。
背景に聞こえるのは、ガツンガツンと、なにかを叩きつける音、ドリルかなにかで、穴をあける大きな音。ネジをはめ込むために使われるドライバーの、甲高い音。
シンナーのような臭いっていうが、実際にシンナーというものを目にしたことなく、記録に残っているものでしか見たことがない俺にとっては、この臭いをどう表現していいかわからないが、おもわず眉間にしわをよせてしまうぐらいに、鼻を刺激する臭いだった。
「うっ・・・くさい」
神樹が眉をハの字にして、不満をもらす。それにおっさんは、平気そうな顔でそうか?と笑う。
「この臭いも、いずれ慣れるだろうよ」
豪快に笑いながら、再び俺の頭をバシバシと叩く。・・・俺はなにも言ってない、と口が開きそうになったけど、たしか前に来たとき俺もそんなことを言っていたような気がするので、黙っとくことにした。
「ここが「ヴァジュラ」を整備する場所・・・整備棟だ。一度説明したと思うけど、出動の時、定期審査の時、整備完了の知らせの時以外は特に用事のない施設だが、ここが「ファンタズマ」のもっとも重要な施設といっても過言じゃない」
「あ、だからここの案内はしなかったんですね?」
「その通りだ。案内できるのはせめてエレベーターの中からこの場所を見せるぐらいだな。お前らのような新人がはしゃいでなにしでかすかわからない・・・というのが上の意見だから、こればっかりはしょうがないのさ」
「ファンタズマ」最重要施設、それが、この「整備棟」だ。
「夢幻を喰らう者」というが、それはあくまでも、「ヴァジュラ」を扱うことのできる人間のことをさしているにすぎない。そのために、「ヴァジュラ」がなければ、「キメラ」を倒すことはできても、喰らうことはできないのだ。
そのため、「ヴァジュラ」を整備するこの場所は、「キメラ」を掃討するという、全世界が掲げる願いを成就させるには、もっとも大切な施設といえた。
・・・だから、新人を大勢でこの場所につれてくることはできなかった、ということらしい。デリケートなぶふんは基本的に立ち入り禁止になっているが、新人の声がうるさかったり、機械をさわったりすると、まあデメリットがうまれてしまう可能性があるから、慎重になっているんだろう。
「まあ、あとでやる模擬訓練なんかじゃその類じゃないんだが・・・、お前らも後々で、実際に出動するときがくるだろう。そんときに必ずここを来ることになるから、まあようは習うより慣れろってことだ、この場所は」
- Re: 【夢幻を喰らう者】 ( No.8 )
- 日時: 2013/01/07 02:06
- 名前: だいこん大魔法 (ID: Ex8RKlaC)
そういい、おっさんは歩き出す。それに神樹が続くようにして歩きだす。そこで俺は
「んじゃ、俺はここで」
「ん?おう、支部長に粗相がないようにしろよ?」
踵を返して、エレベーターにむかって歩き始める俺を、おっさんが茶化すように言うが・・・いつものこと・・・というほど親しいわけじゃないが、ここにくるたびにしている同じ会話なので、スルーさせてもらうことにして、足早にエレベーターに向かおうとする。だが・・・
キュッと、手を握られる感触が、俺の動きを止める。
驚き、後ろを向くと、神樹が俺の手をとっていた。怯えた小動物のような眼で俺のことを見つめる神樹は、今にでもなきだしそうだった。
「織塚くん・・・こんなくさいところに、おいてかないでよぅ」
そして紡がれた言葉は、一人ぼっちを嘆くものではなく・・・こんなくさいの一人じゃたえられそうにない・・・という、大変失礼なものだった。
ま・・・考えてみれば、こんなところにこようと思ったぐらいだ。一人になったからって、臆することはないだろうけど・・・若干期待していた自分が馬鹿みたいに思う。
俺は困ったようにおっさんを見ると、時間はまだあるから好きにしろ、というふうに肩をすくめながら言う。・・・ま、ここまできたんだ、俺の「ヴァジュラ」をもう一度見るのも悪くないだろ・・・そういうことにしておこう。
「あー・・・わかったわかった。でも慣れなきゃやってらんないぞ?」
「わ、わかってるんだけどね?」
「ま、俺も別に慣れちゃいないから、お互い様だな」
というか実際さっきのは、とっととこの臭い場所から開放されたかったという思いが強かったりもする・・・声にはださないが。
「んじゃ、二人ともついてこい」
そういいおっさんが歩き出す。
・・・普通、ここは「軍」の人間の出入りは基本的に禁止されているはずだった。というか、「整備員」以外の「軍」の立ち入りは禁止されているはずだった。それなのに、あたり前のように俺たちの前を歩く、黒い軍服をきたおっさんを見て、改めてこいつは、なんなんだ、という思いが芽生えるが・・・神樹がいる手前、そのことは口に出さないことにする。
俺はこのことを知っているのは、前々からここにくる機会があったから、必然的に支部長に施設のことを説明されているからだった。それは間接的に「特別事例」に関わることなので、事情を知らないものに話すのはためらわれる。まあ、カンが鋭い奴でなければわからないだろうけど、用心するにこしたことはないっていうわけだ。
「ここが、「ヴァジュラ」保管室だ。お前らはまだ持ってないが・・・訓練が終わったあとに渡される「ゲートパス」っちゅーので、ここの扉を開けることができる。いっちまえば「夢幻を喰らう者」と、「軍」の一部の人間しかもつことのできない、鍵だな」
平然といいながら、おっさんは懐からそのゲートパス、といわれているものをとりだす。カードの形状をしたそれを、扉の横に設置されたパネルに掲げると、
『認証しました』
という、機械的なアナウンスが流れて、目の前の鉄でできた、いかにも厳重そうな扉が、開く。
「・・・織塚くん、先生って、何者なんだろうね?」
そこで、ワクワクとした感じで、神樹が話かけてくる。
それに俺は
「「軍」の、その一部の、お偉いさんじゃないのか?」
わからないので、とりあえず無難にそう答えておく。けど神樹は
「でもさ、でもさ、新人の教育をするぐらい『暇』なんだから、そうじゃないと私は思うな」
その言葉にピクッとおっさんが反応しかけるが、そこで反応したら肯定するのと同じことだといわんばかりに無視をして、扉をくぐる。
その背中に続きながら俺はいう。
「けどさ、次の模擬訓練にくる日本支部のエースさんも、その考えだと暇ってことになるぞ?」
「う・・・うーん、エ、エースさんは忙しいよ?きっと」
イマイチ容量をえない会話だったが、・・・たしかに、まだ俺もおっさんと知り合って短いが、道案内を頼まれたり、新人の、しかもどうでもいい、一度聞かされている話をまた繰り返す無意味なあの講義をしたりと・・・考えれば考えるほど暇人にしか思えなくなってくる。
「お前らなぁ・・・そんな失礼なことばっかいってると、案内してやんないぞ?ぷんぷん」
ぞわぁっ・・・
まさに、そんな表現が似合う勢いで、俺は腕に鳥肌が経つのを感じる。
季節は・・・たしか十月あたり、たしかに肌寒く感じる季節ではあるものの、新人全員に支給される「ファンタズマ」の、黒を基調とした軍服は、十分に防寒対策ができているため、普通なら鳥肌がたつことはないのだが・・・なんだ、今のおぞましいセリフは・・・っ
- Re: 【夢幻を喰らう者】 ( No.9 )
- 日時: 2013/01/07 02:11
- 名前: だいこん大魔法 (ID: Ex8RKlaC)
「あ、先生今のかわいいですねっ」
だが、隣にいる神樹はそのおぞましさを理解していなかったようだった。それどころか、かわいいとまでいう。
「お、そうか?ならもう一度やってやろう。ぷんっぷんっ!!」
調子づいたおっさんが、今度はさらに勢いをつけてそういってくる。それに俺はさらに鳥肌を立てて、悪寒を感じて、逃げ出そうとするが・・・神樹の前だ、そんな醜態を晒すわけにもいかないし、なにより逃げた気分になるからそれはしない。
「っと・・・こんなことをやっている場合じゃなかったな・・・ほれ、ここが新人の「ヴァジュラ」が保管されている場所だ。
もとの調子にもどったおっさんがそう説明したことによって、俺の悪寒は消え去った。
扉をくぐり、そこから枝分かれしている道を、新人保管庫と書かれている方向に進み、開けた場所まででる。するとそこには・・・
「うわぁ・・・」
そう、そこには、各個人の「ヴァジュラ」が、壁に備え付けられた装置に固定させられ、一面にズラッと並べられていた。
「あの「ヴァジュラ」を固定している装置はな、あのまま壁にはいって、壁のなかに仕組まれてたいる道を通って、そのまま整備室に出されるんだが、そうだな、ところどころならべられている中で、壁に穴が空いている場所があるだろ?あれらはまだ、整備中ってわけだ」
約五十本近く並べられている「ヴァジュラ」、その中にはおっさんがいったとおり、間があいて、その間の壁がすっかりとなくなってしまっている場所が多々あった。それは今、整備室にいっている、ということらしかった。
「ヴァジュラ」の形式は、基本的に、各個人の好みだ。だけど、その大きさは、成人男性のそれよりも基本てきに大きい。
たとえば、剣の形の「ヴァジュラ」。単に剣といっても、短剣、長剣、大剣、刀とうにわかれていて、そこも個人の好みで決定できる。たとえば俺のなんかは、一番しっくりときたのが大剣の形であったため、その形式を自分の「ヴァジュラ」の形とさせてもらった。
「あの一角が剣、そこが槍、あっちが斧、あっちが銃だ。神樹のはなんだったかな・・・?」
そう一から指をさして説明するおっさん。それを横目に、俺は剣が保管されている場所までいくと、自分の「ヴァジュラ」を見つけ、それに触れる。
「ヴァジュラ」は、持ち主と一心同体といってもよかった。「ヴァジュラ」に打ち込んだ「夢幻喰」と、使い手に打ち込んだ「夢幻喰」を結びつける。その行程は、使い手の血を「ヴァジュラ」にかけ、「ヴァジュラ」の「夢幻喰」を、体に打ち込む、というものだ。どこか儀式じみている光景だが、それをすることによって、「ヴァジュラ」との相性がわかり、そこで不具合が生じればすぐに使い手から「ヴァジュラ」の「夢幻喰」を取り除き、一から制作しなおすという手間がかかるが、不具合が生じなければ、そのまま「オーナー」登録され、その「ヴァジュラ」を扱う許可が降りる。・・・もしも他人の「ヴァジュラ」を使おうとした場合、「ヴァジュラ」のほうが拒絶反応をおこし、触れた箇所から「強制進化」を誘発させ、その使い手を強制的に人間ではないなにかにかえてしまうという考えるのもおぞましい結果が待っているのを事前に説明されているために、少しばかり神経質になってもしょうがないよな。
俺は目の前の自分の「ヴァジュラ」・・・俺の髪の毛の色と同じ、漆黒の刀身をもったその剣は、俺の背丈よりもおおきい。幅も、俺の横幅よりも広く、重量もその比ではないこの武器が・・・そう、俺の「ヴァジュラ」。たしか個別名が「ブラックフェザー」といわれているものだ。
大きく分けると四種、細かく分けると各種類ごとに4つだったり2つだったり・・・、さらにその細かく分かれた中でも、武器の形状、色、形、性能などで、「個別」の名前をつけられる。
普通の新人ならば、長剣ならば「ロングソード」短剣なら「ショートソード」大剣なら「ブレイド」刀ならそのまま刀。これは、最初に扱う時に、もっとも相性があいやすく、これをベテランになっても使っている人は少なくはないという。実績により、自身の稼いだ金額分で、武器の形状を自分好みに作り変えることもできるが、基本的に初期の武器を最後まで使っている人の方が多いい。
そんななかで俺の「ヴァジュラ」・・・「ブラックフェザー」は、支部長直々に制作に加わり、作られたという。
詳細はよくわからないのだが、「特別事例」の再確認とともに、この武器の説明もついでにされるんだろうと理解しているから、そのことは今は気にしないことにする。
「ほう、神樹のは短剣タイプか・・・「ショートソード」・・・ではないようだが」
そうおっさんが言う声が聞こえる。俺は少し気になり、大剣が保管されている場所のすぐ近くの短剣が保管されている場所を見る。そこでは、神樹が実際に自分の武器を手にとり、その感覚を味わっているようだった。
「ヴァジュラ」に不具合がある場合、持ち主が触るとなんとなくだけどわかるらしい。今は、その不具合がないか確かめているところだろう。
神樹のもつそれは、ほかに飾られている短剣とは少し違う形状をしていた。そう、一言であらわすのなら、短刀、と表現できるものだ。まあ、神樹の身長よりも大きいために、それが短刀という類のものかはわからないが、「ヴァジュラ」の刀よりは短く、短剣とほぼ同じような大きさのため、そう呼ばせてもらうことにする。
「はい。えっと、名前がたしか・・・「十六夜」だった・・・かな?」
銀色に輝くその刀身は、まるで穢れを知らないかのように美しい。普通のものよりもいくぶんか細身のそれは、なんとなくだけど、特別なもののような気がした。
「どうだ?不具合はなさそうか?」
・・・今思うと、神樹の「ヴァジュラ」の調整が遅かったのは、神樹のが初期型上のものではなかったから、という理由が当てはまる。
俺のやつは、支部長直々に作ったというだけあって、調整が一番最初に前倒しで行われていたのだが、神樹の場合は、逆に最後のほうに回されてしまったんだろう。そう思うと、あたりにまだ調整の終わっていない奴は、初期形状とは異なるものの場合が高いかもな、と勝手に分析する。
「はい、とくに変に思うとこはないです」
そういいながら、神樹は「十六夜」を定位置に戻す。
不具合か・・・そういえば、調整は終わっているっていわれただけで、一回もさわっちゃいなかったなと思い、俺も「ブラックフェザー」を手に取る。
手にとった瞬間、ズッシリとした重みが俺の全身を襲う。たしかな重量が俺に伝わってきて、やっぱり武器はこうじゃないとな、とニヤリと笑う。
十分に試し振りができるスペースがあるため、「ブラックフェザー」を・・・「通常なら両手でもつ」それを片手で持ち、意識を集中させる。
一度後ろに刀身を流し、空いている左手を前に突き出す。そのまま剣を縦一閃に振り下ろし、すかさず上に切り上げる。その勢いで俺の体が宙に浮かび、そこから俺は斜め下段にむけて、横一閃に、振るう。
武器を降る速度があまりに早すぎたためか、「鎌鼬」が発生して、床にぶつかるが、どうやら特殊コーティングされているらしく、外傷はなかったが・・・少しやりすぎたか?
大剣は、速さを求めず、力を求める、一撃必殺の「ヴァジュラ」だ。その重量と、使い手の技量によっては、さきほどのように、「鎌鼬」とかを発生させて、より威力をあげることができるわけだ。
まあ、これは聞いた話なのだが、特殊な「使い手」と「ヴァジュラ」は、「ブラッドアーツ」という、常識を逸脱した力を扱えるようになるらしいのだが、それを抜くと、大剣が一番力が強いのは明白だった。
まあ、各個人の戦闘スタイルによって、斧や槍のほうが強い、という人もいるだろうけど、俺の場合は、大剣が一番当てはまる、という話だ。
試し振りを終わらせ、下に戻す。すると、それを見ていたらしいおっさんと神樹が、俺に拍手をおくる。
「織塚くんっ、今のすごかったよっ」
と、ちょっと興奮気味の神樹。
「ふむ・・・やはり、お前は———」
と、またなにか危険な発言をしそうになるおっさん。
「・・・ま、整備が終わるのが早かったから、前にも振らせてもらってて、ちょっとなれてるってだけさ」
と嘘をつく俺。
おっさんはなにも言わない。事実、この武器を俺が振ったのは初めてで、おっさんもそれを知っている。けど、そこにあわせないと、神樹がもしかしたら感づいてしまう可能性があるから、話を合わせるように頷くだけでとどまる。
「まあ織塚、早く支部長室にいかないと時間がやばいぞ?あと二十分だ」
「・・・もうそんなに時間たってたのか」
そのおっさんの一言で整備室をでる俺たち、一度エレベーターで新人区画まで移動して、神樹たちとわかれる。
また後でねー、と無邪気にいう神樹に手を振り、エレベーターの、支部長室、というボタンを押したのだった。

