ダーク・ファンタジー小説

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自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望
日時: 2013/06/23 18:14
名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)

あんまりこういうのを書くのはあれですが、良かったら。短編の予定です
よろしくお願いします。多寡ユウ
第一話から三人称で、
第七話から一人称です。
ぐちゃぐちゃですみません!






自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望

Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.22 )
日時: 2013/06/23 12:59
名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)









第8話 残り二話。

本編










「みんなそうだ。世の中のやつらはみんながみんな自分のことが一番可愛いから、他人が虐められてたりしても、自分が傷つくようなことは絶対にしない。それでもするようなやつは、偽善者か、ただの馬鹿だ。君はどっちにいるの?偽善者かただの能無しか。はたまたその両方か、それか、どちらでもないか・・・・」


○○がなおも上目づかいでこちらを視認する。
なにかを強請ってるのか、はたまた拒絶の瞳か、俺には皆目検討もつかなかった。
だがそれでも、何かを授けないといけないことぐらいわかる。
王権神授説だって、偶像崇拝の賜物だ。王だって偶像視されたら何か褒美を下々に与えたくはなる。


「特に理由はねぇよ。お前がクラスで虐められてるのも俺は随分と前から耳にはしてたし、そしてそれを聞いてお前にダイジョウブ?なんて上っ面だけの言葉をかけるのもなんかな。それこそ偽善者だ。だから、今ここでずぶ濡れのお前に話しかけたことに特に理由は無い。まぁ、誰がやったかはあらかた予想が立つが、お前は俺に復讐してほしいわけじゃないだろ?」



俺がまた問いかけると、○○は即答した。


「当たり前。別に君を陥れたいとも思ってないし、これは僕だけの問題だからね。・・・・今頃僕をずぶ濡れにさせた張本人たちは上でゲームでもして遊んでるだろうから、まだ下に下りてきたりはしないし・・・・・・、今のうちに僕は帰ることにするよ」



そう言いながら、○○は立ち上がり、ずぶ濡れの制服のまま、学生バックを方に掛けトボトボと夕暮れ時の道を歩いていく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー、そうだ。






「○○。ひとつ言い忘れていた」






○○はすれ違いざまに放たれた言葉を聞いて、後ろであるこちら側に頭を寄越した。





「なに」




○○は面倒臭そうにこちらを半ば睨んでくる。やっぱ言うのやめようかな。




「俺も、足を滑らせたんだ、確か中三のとき。その時は本当に床がずぶ濡れでな。俺が後始末を全てやった。水を掛けたのは紛れも無く別人だったのに、まったく困ったものだよ。それに、あの時は自転車で帰るとき大変だったしな、同じ目にしてやったよ」


これで通じるだろうか。
○○はきょとんとしている、あ、これ、通じてない系?


「まぁいわば、教訓、だな」




最後俺がこういうと、先ほどまでぼけーっとしていた○○は合点がいったのか一度俺をまじまじと見つめ、ほのかに笑う。




「わかった。肝に命じておくよ」



彼はそれだけいって、西日に染まる駐輪場を後にした。

Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.23 )
日時: 2013/06/23 17:55
名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)

第九話 残り一話。次でラストです!!!
本編










煙の無いところに、火はたたないという言葉がある。


それはそうだ。火種の無いところに火は生まれないし、逆に火の無いところには煙は立たない。なんたって、現象には必ず理由があるのだから。

ならば、これを虐めにたとえてみるのはどうだろうか?
いじめられる側にまったく非がなければ、いじめも起きない、ということになるだろう。
ではこれを踏まえた上で、虐めの原因というのは一体なんであるのだろうか。

簡単に言ってしまえば、餓鬼たちの正義感、思いやり、家庭内教育の欠如である。虐めている加害者は、環境によって劣等感や孤独感を感じ、それの解消法、満足感を得るだけに、ただ何か一つの失敗をした者を標的、ターゲットにし、自分の下に人を作るのだ。どこかの1万円とはえらい違いなコトに。

これ以外に他にあげるとするならば、それはなんというか場の雰囲気のようなものといえるだろう。
前者で述べたオピニオンは、早々覆せない。これは長年の積み重ねというべきか、悪しき結果に出た賜物だからである。これはどう虐められてる本人ががんばったって崩すことの出来ない理由である。

では、後者はどうだろうか。
場の雰囲気というのは、いわば“ノリ”的なやつである。これは加害者と被害者のどちらかが粉々にぶち壊してしまえば、この場の雰囲気というのはスッとなくなる。悪い結果にでれば虐めからシェイプチェンジした無視という結果になるかもしれないが、うまい具合にぶち壊してしまえば被害者に対するいじめというものは、刹那にして。
加害者と傍観者に対する、鋭利な刃となる。






「でさー、駐輪所んとこなんかびしょびしょだったし、まじやだったわぁ。なんなのあれ?.....えーっ、なにそれぇ、やばっキっタねぇー・・・・・・・・・・」



中では、早めに来たのだろうか、何人かの女子がくっちゃべっている。



「・・・・前は俺も。この中に入るのに、度胸が要ったのにな」



昔のことを思い出しながら、俺は自分のクラスのドアに手を掛ける。
そのドアはいつもより毒々しい音を立てながらガラッと開き、俺の目の前に以前の光景を呼び起こさせた。


もう後戻りはならないと、重々しい幕が開く。


Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.24 )
日時: 2013/06/23 21:03
名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)

首など突っ込む必要性は無かった。

立ち入ったが最後、途端に高校生活のほとんどを費やしてまで築き上げた関係性は崩壊してしまう。

ではなぜ俺は、せっかく手に入れたはずの唯一の仲間たちとのつながりを断ち切ってまで。

そこまで一人の「同志」に加担するのだろうか?




自分でもわからないが、それはいじめらっれ子同士しかわかることの出来ない神の領域だ、傍観者へと進化してしまった俺が言えた口ではないが、確かにそうなのである、なぜなら。






昔の俺がそうであったから。
















すみません最終話予告っぽい感じで、9.5話です。10話は少しボリュームをつけたいかなと思います!!駄作ですが、皆様、暖かい目でお願いします!

Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.25 )
日時: 2013/06/25 20:03
名前: サキ (ID: JryR3G2V)

悪が善を語るみたいでかっこいいデス!

Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.26 )
日時: 2013/06/26 23:09
名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)

あ、ありがとうございます!いや知り合い以外のコメントはここでは初めてなのでうれしいです、ありがとうございます。
次でこれは終わりですが・・・・
・△・。

すみません、改めてありがとうございます


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