ダーク・ファンタジー小説

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自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望
日時: 2013/06/23 18:14
名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)

あんまりこういうのを書くのはあれですが、良かったら。短編の予定です
よろしくお願いします。多寡ユウ
第一話から三人称で、
第七話から一人称です。
ぐちゃぐちゃですみません!






自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望

Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.12 )
日時: 2013/04/24 22:21
名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)
参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/1066jpg.html


窓際から射す西日を自分の背中側で受けながら図書室へと入った彼は、ぼんやりと頭に浮かんだ図書をカテゴリ別に実際に一目し、粗方全てが見終わった後に一冊の小説モノを棚から取り出し、適当に空いている席に音も無く座る。



「まぁ、誰もいないんだがな」

中学校の放課後には似つかわしくない誰一人としていない図書室には埃とカビの微妙な匂いが漂っていて、いかにも利用者が少ないことを物語っているようだった。
彼、北村 幸助は抜き出した手元の古い小説の表紙をぼんやりと眺めながら、ここに描かれている表紙について少し考えてみる。


「沢山の狐が一匹の兎を狩る絵、か」



そこには4・5匹の狐が輪の中に居るたった一匹の兎に噛み付いたり、威嚇したりする絵が描かれていた。兎の赤い瞳の周囲には兎自身の血が多量に付着していて、それは赤い澄んだ兎の眼球とは異なった臙脂色に近いドスの効いた色をしている。


「ぐっ、グロイ・・」


物語としての関係性はなんなのだろう?彼はそんなことを思いながらゆっくりと小説の1ページ目を捲った。

Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.13 )
日時: 2013/04/24 23:45
名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)
参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/1066jpg.html

日常はむずかしいんだよなぁ。萎えるしさ。

Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.14 )
日時: 2013/04/26 23:29
名前: 杏理 (ID: TFVRu1Ih)

な、萎えるな!(笑)


でもユウが思ってる以上に上手いからさ〜

Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.15 )
日時: 2013/04/29 08:05
名前: 多寡ユウ (ID: .lZ/INzs)

第四話!残りは、六話!



憂鬱になる。それがこの本の存在価値なのだろうか?だとしたらこれは相当の直打ち物だろうなと彼は思う。

小説の四分の一をやっとのことで読み終えた彼はそこで魂尽き果てて、図書室の席の背もたれに寄りかかり大きく背伸びをする。

内容的には申し分ない出来だった。イジメを受ける生徒の葛藤及び群青劇と言えば聞こえは良いが、そんな甘ったるい菓子パンみたいな物語では決してな無く、言うなればドロドロの友情劇という風な感じだった。そこに仲睦まじい友達関係などある余地もなかった。


「心が萎えちまった、帰るか」


彼は自身にそう言い聞かせる様にして、席を立ち、本を元の位置に仕舞って、図書室のスライド式のドアノブ似た窪みに手を掛ける。





そこから彼が、その物語と同等の現実を目撃するまで、さほど時間はかからなかった。

Re: 自由無き者に対する力と大いなる渇望に伴う希望 ( No.16 )
日時: 2013/05/02 18:57
名前: 多寡ユウ (ID: mVHy..WT)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/data/img/559.jpg

うまかねー。





本編第五話・・・・残り五話。




図書室のドアを静かに閉めると同時に、完全下校時刻を過ぎたのか学校中のスピーカーから下校を知らせるアナウンスが鳴り響く。


「えぇー、午後5時半となりました。部活動を続ける際は遅延書類を各部提出し、それ以外は速やかに下校しなさい。繰り返します。午後・・・・」


彼は制服の胸ポケットにしまってあった黒光りするスマートフォンを右手で取り出し、電源ボタンのみをつけ時間を確かめた。

「やべっ、もう五時半か。早く帰って宿題やんねぇと」


彼はそう独り言のように呟くと、急いで廊下を走り抜ける。
午後5時30分現在、今はうるさく言う風紀委員も居なければ、校則という盾を持ってか弱い罪無き(有る?)生徒達に反省文を書かせに回る生徒会もいない。なぜなら奴等悪魔の僕とも言うべき生徒一同は、変に優等生ぶって5時にはもう既に帰路についているはずだからだ。
要するに今、この学校は無法地帯である。
うるさく言うのは巡回しているであろう頭を丸めた体育教師ぐらいなもので、それ以外は警戒する必要も無くただ時を無為に過ごすことができる。
所々の教室にはゲーム通信をしているのか様々な絶叫が聞こえてくる。

「おら!おぉぉラオラオラオラオラオラオラオラぁぁ!!」

「お前後ろ回れよ!!俺が弓でデガレックスの頭部をヤるからっ」

「オッケー!じゃ俺、尻尾切り落とすわ!」


いい歳こいた高校生がチャラチャラと腰パンにシャツ丸出しで、怪獣を倒すゲームを3人ほどでやっている。3人しか居ない教室にはゲームのカチャカチャというアイコンの音が響いて何とも着心地良くないことこの上ない。


「見つかんないようにな」


彼は口の中でそうつぶやいて、自分の自転車が置いてある駐輪場に早足で向かった。



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