ダーク・ファンタジー小説
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- EUMENIDES ~復讐と慈愛の女神~ 【参照500】
- 日時: 2015/12/22 21:31
- 名前: ゆーき。 (ID: Oh9/3OA.)
初心者、初投稿作品です
誤字脱字、たくさんだと思います→バンバンご指摘お願いいたします
コメントなど頂けたあかつきには泣いて喜びます
ダーク・ホラー・ファンタジーを予定しています
恐らく多少の流血表現と死、隠し味程度の百合要素を含みます
苦手な方はバックボタンを…
参照100超えました!ありがとうございます!2015.3.28
気づいたら超えていました!200!2015.4.24
300超えました!放置気味ですが、これからもよろしくお願い致します!2015.5.22
無事、パスワードを発見しました!
長らく放置すみません。
そして参照400ありがとうございます!2015.12.18
ちょうど目にしたら500でした!なんだか言葉がでません!ありがとうございます!2015.12.22
- STORY 5(side 奏) ( No.8 )
- 日時: 2015/03/27 19:54
- 名前: ゆーき。 (ID: VKAqsu.7)
熔鉱炉の前で佇んだまま、彼女は微動だにしなかった
その姿を見ていると少なからず、僕の胸は痛んだ
どの口が言う、という訳なのだが
ふと、彼女が炉に手を伸ばした
ほとんど無意識の内に、僕は彼女の腕を掴んだ
思えば、僕が全て悪いのかもしれない
いや、悪いのだけど
王の名の下に彌哉に武器作りを命じ
武器には''純血の心臓が不可欠''と知ってからもなお
まるで何も知らないかのように武器の完成を待っていたのだから
彼が銀を溶かす熔鉱炉に心臓を焼べても、
彼女を守ってから再び戻って来、炉に身を投じても
僅かな、罪悪感すら湧かないのだから
思わず、彼女に渡すように頼まれた、彼の最期の手紙を握り潰していた
こんなにも汚い手を使っても、
彼女の心はやはり
彼から、離れる事はないのだから
「麻璃亜、まさか後を追うなんて、馬鹿なことは思っていないだろうね」
「いや…離して、私は、彌哉がいなきゃ、」
暫く、彼女は腕を払おうとしていたが、
再び手に力を入れると、諦めた様にその場にへたり込んだ
「どう、して…?、そばにいるって、言ったじゃない…」
手で顔を覆い、肩を震わせる彼女をそっと抱き締めると
囁くような、それでいて憎悪の色を滲ませた嗚咽が聞こえた
彼女が泣き疲れて眠りにつくまで
ずっと、そうしていた
- Re: EUMENIDES ~復讐と慈愛の女神~ ( No.9 )
- 日時: 2015/03/27 20:22
- 名前: NATU (ID: lwyoqLK1)
コメントありがとうございます!
あんなグダグダな小説ですが、これからもよければ見てください・・・!
思ったんですけど、なんか書き方がプロの小説家みたいですね
参考にすることがいっぱいありすぎる笑
- Re: EUMENIDES ~復讐と慈愛の女神~ 【参照100突破】 ( No.10 )
- 日時: 2015/03/30 07:08
- 名前: ゆーき。 (ID: VKAqsu.7)
参照100ありがとうございます!
((NATUさん
プ、プロだなんてそんなそんな!
NATUさんは充分ステキ文ですから、
こんなんの事を参考になさらずどうかそのままのステキ文を
書き続けてくださいまし(笑)
- STORY 6(side 麻璃亜) ( No.11 )
- 日時: 2015/04/03 21:04
- 名前: ゆーき。 (ID: /eEAG2r9)
目を開けると、見慣れない天井が見えた
コツリと靴音をたてて奏は近付いてきた
「まだ昼だから休んでいるといい、昼間の光は僕達にとって毒だからね」
「大丈夫、昼間に起きてるのには慣れてるわ…… 彌哉は?」
本当はわかっているはずなのに聞かずにはいられなかった
「炉なら、問題なく稼働しているよ。ただ、作り出した武器に僕はおろか、
王族会の貴族達が触れられなくて困っている。とりあえずは狩人会の人達に作業してもらっているけどね…」
苦笑まじりに話す奏を見て
本当に彌哉は''ただの''武器になってしまったんだとぼんやり思った
「麻璃亜……彌哉に武器を作るように指示したのは僕だよ」
この人はいったい何を言い出したのかと思った
「なぜ、私に知らせなかったの?」
「君だけじゃない、王族会の会員にも知らせずに、僕の独断で決めた」
「なぜ…?」
「純血狩りを行っている下級達の主、黒幕が会の中にいるかも知れないんだ」
思わず、己の肩を抱いた
構わずに奏は続けた
「君の、為なんだ…」
「これからも、麻璃亜が嫌がるような事を僕はたくさんするだろう。
それらを君がどんなに否定し続けても、君の為だと言い続けるよ…」
私は何も言わずに部屋を飛び出した
王族会の本部全体が、忙しないようだった
「まぶし…」
外に出ると昼の忌々しいほどに眩しい光が体に刺さるようだった
蝙蝠の化身に姿を変えて私は家路を急いだ
- STORY 7(side リナ)[百合要素有] ( No.12 )
- 日時: 2015/04/04 22:23
- 名前: ゆーき。 (ID: U2fmuc/y)
麻璃亜様が帰ってこられてから、はや一週間がたつ
真昼に化身の姿を使ったからか、すぐに倒れ込んでしまわれた
彌哉様の事は奏様から伺った
奏様は毎日のように屋敷にいらっしゃるけれど、麻璃亜様は会おうとすらしない
そもそも麻璃亜様はこの一週間、部屋から出る事はおろか、何も口にされていない
本来、純血の方々は最低限の血を得ていればいいのだけれど
麻璃亜様は元人間の私達に合わせて食事をされていた
本当はお口にあわない筈なのに、おいしいと微笑んでくださる
ただ、この一週間で麻璃亜様は''血すら''口にされていないのだから
''飢えている''
飢えている状態の麻璃亜様をたった一度だけ目にした事がある
何年も前、私が麻璃亜様の隷属となった時
吸血鬼の引き起こした戦争は次第に人間をも参加し激しさを増した
私は戦争により孤児となり、逃げている間にこの深い森に迷い込んだ
王族会はまだ設立されておらず、この屋敷にも麻璃亜様とハイドさんだけ
お力をたくさん使っているのに、人間からは1滴も血を得ずに、
ただただ、人間達を同族達から守ろうと戦われていた
そんな、姿は孤独で
私と、似ていると思った
力になりたい、そう言った私に
「私と同じ生き物になる…?」
そう静かに訊かれた
戻れないとわかっていて、私はうなずいたのだ
「麻璃亜様…」
部屋に入ると麻璃亜様は首だけをこちらに向けて力なく微笑んだ
「リナ…?、食事なら、まだいいわ…」
構わずに私は麻璃亜様に近づき、頭を垂れた
「私は、隷属としての仕事をしなくてはなりません」
驚いたように目を見開かれた麻璃亜様が
苦笑混じりに次の言葉を繋ごうとするのを遮るように続けた
「私の為、皆の為に、どうか…」
最後の方は涙声になってしまった
ゆっくりと麻璃亜様は近付いて来ると
耳元でありがとう、と呟かれた
「…っ」
ブツリと皮膚を貫く音と鈍い痛みがじわりと全身に広がった
ぼんやりと霞む意識の中で
純血の方々は吸血の際に血と共に記憶や思い、意識を垣間見る事ができるという、昔聞いた話を思い出していた
あぁ、では私の抱く麻璃亜様への思いもばれてしまうのだろうか
鈍い痛みが意識を闇に引いていく中で
いっそ全てばれてしまえばいい
そう思った