ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Alice in crazy land
- 日時: 2017/08/03 18:52
- 名前: きるみー (ID: .r7VG6cg)
初めまして、きるみーです!
ファンタジー小説を主に投稿しています。
今回は初めてマッド系を書くので、どうか温かい目で見守ってくださると嬉しいです…!(^_^;)
投稿が遅れてしまうかもしれませんが…、なにとぞ、よろしくお願いします<(_ _)>
※この小説は暴力、ホラーなどが含まれます。それらが苦手な方は、読書をお控えください…。どんとこいやホラー!!てな方は、Okです。
しかし、作者はホラーの表現力があまりありません。
上記の注意文を読んで下さいましたか?
それでは、本編startです。
>>1 >>2 >>3
>>4 >>5 >>7
>>14 >>15 >>18
>>20 >>21
- Re: Alice in crazy land 【参照100感謝!】 ( No.18 )
- 日時: 2017/07/31 23:21
- 名前: きるみー (ID: .r7VG6cg)
「「アリスが死ぬってこと、聞いちゃった!」」
「…え?」
口から、純粋な疑問が零れた。
「有名な話だも〜ん♪」
「ね〜」
双子は丸い宝石のような瞳を≪無≫の言葉一色に染まらせて、私の様子を伺ってきた。
「なんで?」
私がそう口にする時、宝石が、無機質なガラスに変わった。
「なんででしょう、ダムは知らない」
「なんでだろう、ディーは知らない」
ざわざわと、森の木の葉が擦れる音がする。
空は、だんだんと闇に塗り込められていた。
「それはね、アリスが」
「女王様に招待されたから」
「アリスはお城でとっても素晴らしい接待を受けました」
「でも、幸せで幸福な時は、すぐ終わる」
「アリスは死んだ」
「死んだ」
「「女王様を、裏切ったから」」
耳鳴りが激しい。
目の前のボロ人形たちの言う言葉が理解できない。
私は女王様に招待されたことなんてない。
だからきっと、これは人違い。
私は死なない。
絶対に。
震える私を前に、双子はゆっくり顔を空へ向けた。
真っ黒な雨雲。
いや、あれは…カラスの群れ?
「カラスが」
「カラスが来た」
双子の顔が、心なしか青白い気がする。
「嫌だ」
「嫌だね」
「死んじゃう」
「死んじゃうよ」
「バラバラ?」
「バラバラ」
「「あああああああああああああああああああああああああ」」
双子は地獄の底から沸き起こるような悲鳴を上げる。
私はそれに耐えきれず、どさりとその場に崩れ落ちた。
「ぎ、ぁ」
「ぐ…ぎぎぎ」
烏の大群が、あっという間に絡繰り人形を囲い込む。
騒がしい羽音の間からは、人形からは普通、聞こえるはずのにだろう、肉がぐちゃぐちゃと潰れる音、小刻みでリズミカルな、骨が折れる音が響き渡っていた。
「あ…ぁ…」
私はあまりの惨劇に目を開けていられず、両手で顔を覆った。
視界が暗くなる。
「「アリス」」
何故かこの暗闇の中でも、双子の声が脳を激しく揺さぶる。
「「お前を、許してやるもんか」」
「「人殺し!!!!!」」
- Re: Alice in crazy land ( No.19 )
- 日時: 2017/08/01 09:20
- 名前: きるみー (ID: .r7VG6cg)
投稿が一年も遅れてしまった…!
本当に申し訳ございませんでしたm(__)m
なにしてたんじゃボケェ‼って思われるかもしれませんが、これからも投稿は続けていこうと思いますので、お付き合いのほどよろしくお願いします。(遅れてしまうかもですが…)
そして、桜花様とヨネモトユウジ様!温かいコメントありがとうございました!
- Re: Alice in crazy land ( No.20 )
- 日時: 2017/08/02 19:54
- 名前: きるみー (ID: .r7VG6cg)
アリスは走り続ける。
森の中を、ひたすらに。
追ってくる何かから逃げるように。
我武者羅に足を動かし続ける彼女は、まだ気づいていない。
今進んでいる道が、狂った帽子屋と、三月兎のマッド・ティーパーティーへの道だということに。
可愛い可愛い僕のアリス。
君が傷ついては大変だ。
僕は、ふわりと木の上に現れる。
今まさに、その木の下を通ろうとしていた彼女は、びくりと震えて立ち止まった。
瞳には警戒と怯えが滲み、泥だらけになったエプロンドレスを握りしめる拳は、ぶるぶる震えている。
「…ねえ、あんたも?あんたも私の邪魔をするの?」
僕は薄く微笑んだ。
彼女の緊張を和らげるためだ。
「そんな、邪魔だなんて」
「嘘!!そんなこと言って私を翻弄して、殺すつもりなんだわ、さっきの双子といい、あんたといい!もう、騙されないんだから!!」
「う〜ん、危害を加えるつもりはないんだけどね…。あ、じゃあこうすれば信じてくれる?僕が君を森の奥深くに監禁して、大切に、壊れないように、お世話してあげたら、君も安心して、僕を信用してくれるだろう?」
咄嗟の思い付きにしては、なかなか良い提案だ。
しかしアリスは青ざめた顔で、僕を睨みつける。
「あんた、イカレてる」
アリス、おかしくなっちゃった?
そんなこと、当たり前じゃないか。
「もう、あたしに関わらないで」
アリスはそう吐き捨てると、木の下を通って、早足で向こう側へ向かう。
「そっちは危険だから、行かないほうがいいって言おうとしたんだけど…」
僕は溜息をつきながら、彼女の後姿を見送る。
「まあ、可愛いアリスと喋れたんだから、結果オーライ?」
そう呟くと、不思議に笑みがこぼれた。
もう少しだ。
もう少しだよ、アリス。
裁判所やティーパーティーなんて、さっさと通り過ぎればいい。
早く、女王の城へ。
そうしたら、全てが分かるから。
ああ、アリス…僕の愛しい『有栖』。
チェシャ猫は、赤黒い飛沫を上げて、木の上から落下した。
- Re: Alice in crazy land ( No.21 )
- 日時: 2017/08/03 18:51
- 名前: きるみー (ID: .r7VG6cg)
アリスは走り続けている間も、絶えず恐怖に見舞われていた。
不思議の国…いや、狂気の国の住人たちが、アリスを殺すため、追いかけてくる。
どうして、私がこんな目に遭わなくてはならないの。
ねえ、神様。
アリスが、そう自らを悲観した時。
目の前の道が一気に開けた。
まるで、ここをお通り、とでもいっているように分かれた木々の道を辿っていくと、賑やかな音楽が耳に入る。
アリスがいつの間にか立っていた広場の中央には長テーブルと沢山の椅子が置かれ、テーブルの上には、一か月たっても食べ終えれないであろう量のケーキや紅茶が、ごちゃごちゃに並べられている。
楽しいミュージックの中、お茶会を開いていたのは、大きなシルクハットを被った、スーツ姿の青年と、両耳の千切れた兎…のような人物だった。
アリスは恐る恐る、二人のもとへ近づくも、彼らは、たいして彼女のことなど、気にもしていないようだ。
その淡白な態度に僅かないらつきを覚えながらも、心はどこか安心で満たされている。
アリスはそっとそばにあった椅子に座った。
長く走り続けていたので、少し足を休ませたかったのだ。
それに、お腹も空いている。
こんなにも沢山の椅子とお菓子があるのだから、ちょっとくらい休ませてもらっても…。
アリスがそう思った刹那。
帽子をかぶった青年が、初めて口を開いたのだ。
「最近のオンナノコってモノは、礼儀がないのかな」
アリスは固まって、彼…もとい、イカレ帽子屋を見つめた。
- Re: Alice in crazy land ( No.22 )
- 日時: 2017/08/03 21:28
- 名前: そるてぃーな (ID: .r7VG6cg)
とても面白く、また、ホラーの風味が良く出ている作品だと思います。
初めて読んだとき、この作品の雰囲気にのめりこんでしまいました。