ダーク・ファンタジー小説
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- Alice in crazy land
- 日時: 2017/08/03 18:52
- 名前: きるみー (ID: .r7VG6cg)
初めまして、きるみーです!
ファンタジー小説を主に投稿しています。
今回は初めてマッド系を書くので、どうか温かい目で見守ってくださると嬉しいです…!(^_^;)
投稿が遅れてしまうかもしれませんが…、なにとぞ、よろしくお願いします<(_ _)>
※この小説は暴力、ホラーなどが含まれます。それらが苦手な方は、読書をお控えください…。どんとこいやホラー!!てな方は、Okです。
しかし、作者はホラーの表現力があまりありません。
上記の注意文を読んで下さいましたか?
それでは、本編startです。
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>>14 >>15 >>18
>>20 >>21
- Re: Alice in crazy land ( No.3 )
- 日時: 2016/05/20 20:29
- 名前: きるみー (ID: oK2pW2ZL)
「っ…!?」
何処からか、大きな怒鳴り声が聞こえてきた。
驚嘆し、顔を上げ、辺りを見回すと…。
目の前の霧に隠れて、誰かがこちらへと駆け寄ってくる姿が見えた。
その姿を良く見ようと、目を凝らした時。
「邪魔邪魔邪魔あああぁあぁあ!!!」
何者かが一瞬で私の目の前に走り込み、額に足蹴りを食らわせてきたのだ。
「きゃああああぁあぁ!!」
私は、地べたへと倒れ込む。
「あんたさぁ!道の真ん中で何やってんの!?交通ルールってモンを知らないわけ!?」
足蹴りを食らわしたことなど忘れたように、少女は怒鳴り散らす。
…というか、此処、郊外でもなんでもないのに…。
「…っひっ!?」
変な悲鳴が喉元からほとばしり出た。
「…?」
少女は訝しげな顔をする。
「えっ、あっ、あ、み、耳、みみみ…」
彼女が動くたびに、頭の上で揺れるモノ。
それは、紛れもなく頭から生えている、白いウサギの耳だったのだ。
それに、格好だって変わっている。
ワインレッドのベストに、黒いバルーンズボン。
大きなパンプスに、ズボンから生えた尻尾。
肩には、頭ほどもある大きな懐中時計が、チェ—ンで吊り下げられていた。
唖然とする私をじろじろと眺めていた少女は、「あんた、変わった格好ね…」、と、変なものを観察するように呟いた。
貴方に言われたくない、という言葉をぐっと飲み込む。
「リボンカチューシャにカールの金髪…、青のエプロンドレスに、縞タイツ、か…」
「…」
すると、彼女は私と紅い目を合わせてきた。
「あんた、名前は?」
「…あ、有栖」
私の声は恐ろしいほど掠れていた。
現状をまったく理解できない。
「アリス、か…」
そして、彼女は私に向けて言った。
- Re: Alice in crazy land ( No.4 )
- 日時: 2016/05/21 19:46
- 名前: きるみー (ID: oK2pW2ZL)
「…アリス。あんた、今日の裁判に参加しなさい。良い?」
「えっ…!?裁判?」
「良いかって聞いてんの!!」
「あ、は、はい。分かりました…」
結局、私は何だか良く分からないまま、その裁判とやらに参加することになってしまった。
何処でするのか、そもそも此処が何処なのか。
聞きたいことは山ほどあった。
しかし、彼女は、
『あ。あたし、白ウサギね。覚えときなさいよ?アリス!』
…と、一方的に喋った後、風のように走り去ってしまったのだ。
もう、わけが分からない。
混乱して、膝から崩れ落ちてしまいそうだ。
でも、そういうわけにはいかなかった。
私には、帰るべき場所があるから。
私の居場所は、ここじゃない。
そう考え、ふらつく足にぐっと力を込めた。
…けれど、一体今から何処に行けば良いの?
まずは、裁判所に行ってみようと考えたが、辺りには森しかなく、人気など何もない。
森の奥へと進むしかなさそうだった。
「…まずは、前進あるのみだよね。うん、きっとそう」
自分に言い聞かせながら、一歩一歩土を踏みしめる。
この先には、きっと出口がある。
そう考え、更に一歩進んだ矢先—……。
『…キミが、アリスなんだね』
- Re: Alice in crazy land ( No.5 )
- 日時: 2016/05/21 20:13
- 名前: きるみー (ID: oK2pW2ZL)
白ウサギの時と同じように、頭の中に声が響く。
低く、良く通る澄んだ声。
—…この声、何処かで…。
すると、目の前の空気がふわりと揺らいだ。
白ウサギの登場で慣れたのだろうか?
私は、突如現れた少年に驚きの声は上げなかった。
風になびく、濃い紫色の柔らかい髪。
白い陶器のような肌。
手をすっぽりと覆い隠す、フード付きパーカーを身にまとっている。
ゆっくり開かれた瞳は、僅かに鋭く光る金色だった。
そして、頭から生えた紫色の猫耳と、ズボンから出ている猫の長い尻尾。
何処か不思議だけど、周りにいるだけで謎の安心感を得られる、そんな雰囲気だったのだ、彼は。
彼の薄い唇が開かれた。
「キミは、アリスだね?」
「は、はい…」
声はもう掠れていなかった。
「そうか…」
彼が少し曇った表情をしたように見えたのは気のせいだろうか。
「…あの、貴方は…?」
一応、用心には用心をと、名をたずねる。
少年は、うっすら妖しく微笑んだ。
「ボク…ボクかい?…チェシャ猫、だよ」
「チェシャ、猫…」
白ウサギもだが、珍しい名前だ。
白ウサギ、と思いついた瞬間、あることが思い出される。
「…!そうだ!あ、あの、裁判所って何処にあるか知ってますか!?」
「…裁判所?キミは、裁判所に行きたいの?」
また曇る、チェシャ猫の顔。
「そうなんです。ある人…?動物…?と、約束してて…」
私が言葉を慎重に選びつつ、返答すると、チェシャ猫は呟いた。
「裁判所…。…トゥイードルの双子の家を通って行ったら良いんじゃないかな?」
「その人たちの所へは、どうやって?」
「森の道を進んでいけば、見つかるさ。道はきまぐれだからね…。後、住民には気をつけて。…それじゃ、ボクはここいらで…」
そう言い残し、姿を薄れさせるチェシャ猫を慌てて引きとめる。
「…何だい?」
「なんで、チェシャ猫さんは私を探していたんですか?それに、なんで助言も…」
口を、手のひらで塞がれた。
甘い、ラベンダーのような妖しい香りがする。
口から手を放したチェシャ猫は、姿を消しながら、静かに微笑んだ。
「…ただの気まぐれさ」
- Re: Alice in crazy land ( No.6 )
- 日時: 2016/05/29 11:58
- 名前: きるみー (ID: oK2pW2ZL)
よし、続き大分遅れちゃったけど、頑張って投稿していきますよ…!
- Re: Alice in crazy land ( No.7 )
- 日時: 2016/05/29 12:05
- 名前: きるみー (ID: oK2pW2ZL)
ちょいとここいらまでのキャラ紹介!
有栖〜16歳の少女。
なんだかよく分からないまま、森へ迷い込み、成り行きで何かの裁判に参加させられることに。
白ウサギ〜男勝りな格好や性格からは想像できないが、女である。
自分勝手で、面倒臭がり屋。
チェシャ猫〜不思議な雰囲気の少年。
有栖に助言したり、急に消えたり、なんかよく分からない。
有栖のことを知っていたらしいが…?
続々、おかしな狂気に満ちたキャラを出していきます…!