ダーク・ファンタジー小説

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死人が住む街【オリキャラ募集中】
日時: 2017/02/08 16:21
名前: 縷々夢 (ID: 3i70snR8)

金色の丸い月が、この『街』を明るく照らす
街灯なんて、どこにもないこの『街』を

光を求めるなら、空を見上げればいい
どうせ空にしか光は存在しないのだ
何処をみわたしても、あるのは闇、闇、やみ、やみ、ヤミ、ヤミ……

貴方もこの『街』に来たからには、光になるか闇になるか
二つに一つ

どうぞ、お選びください
だってこの『街』に来たからには、貴方はもうすでに———

     
『********』







——————




初めまして、こんばんわ
縷々夢るるむでございます。

シリアス・ダークでは初めて小説を書きます。
見苦しい所もあるかと思いますが、どうぞごゆっくりとしていってください。


●目次●

オリキャラ応募用紙>>2

オリキャラ
 >>4 メイ様
 >>6 ゼラチン様 
 >>7 雪花様
 >>8 アカ様
 >>9 シノ様

【第一幕 一章《夜の街、夢魅町》】
>>1 >>3 >>11

Re: 死人が住む街【オリキャラ募集中】 ( No.11 )
日時: 2017/02/08 16:16
名前: 縷々夢 (ID: 3i70snR8)

【第一幕 一章《夜の街、夢魅町》】No.3

少し駆け足になって街を進んでいると、後ろから誰かが羅威を呼んだ。
羅威が立ち止まって、後ろを振り返る。

「そんなに急いでどこにいくんですか、羅威さん」

その声の主を見て、羅威は少々和やかな表情になって、その人物に向き直った。

「星屑さん」

星屑と呼ばれた男はにっこりと微笑んだ。その後ろからひょこっと青髪の少女が顔をだす。

「私もいるの!」
「水鏡さん…」
「やあ、羅威さん。もしかして、『時計塔』に行くために急いでいるんですか?」

そう尋ねられ、羅威の身体が一瞬ビクっと震えた。
しかし、あえて平然を装い静かにうなずく。

「ちょっと、用事があって…。星屑さんは、今日の『課題』終わったんですか?」
「いやあ、それがまだ終わっていないんですよね。ちょっと今日は手こずっていまして…あぁ、そういえば、双子たちを見かけませんでした?」
「双子……紅架と蒼汰なら、さっき向こうで見かけましたよ」
「そうですか、ありがとうございます。いや、僕が用意した『課題』のための人間を、あの双子に殺されてしまいましてね。まったく、僕を敵にまわさない方がいいと、あれほど言ったんですけど…」
「あの双子ちゃんには何言っても無駄だと思うの。私も前に髪の毛にいたずらされたんだよ」

そういって可愛らしく頬を膨らます水鏡。
その様子を見て、羅威はくすっと笑う。

「まだその辺にいると思うので、早く行ったほうがいいですよ」
「そうですね。それでは、失礼します」
「またね!」

そう言って二人は、紅架と蒼汰がいた方向へと歩いて行った。
暗闇の中に彼らが溶け込むのを見て、羅威は再び前へと歩調を進める。
彼らの『課題』は二人でおこなう。その内容は、人間にお金を与えるというものだ。一見すれば、幸せを与えているようにも見えるがそれはちがう。大金与えられたほとんどの人間は、破滅への道へと進む。欲に溺れ、金に溺れ、無残な死に方をする。
お金が原因で死んでしまった彼らが、人間に金を与えるなんて…。
皮肉なモノね、と呟きながら羅威は少しばかり笑った。

しばらく行くと、目の前にいびつな形をした階段が現れた。
羅威はその階段をステップを踏むように登っていく。
そして最後までたどり着いたときには、目の前に大きな『時計塔』が見えていた。
そしてその入口にいる猫が「にゃあ」と鳴く。

「あら…」

羅威は近寄って、その猫を優しく抱き上げた。するとどこからパタパタと足音が聞こえてくる。

「あー、貴大くん!」
「?…あら、あの方は…」

すると猫はするっと羅威の手をぬけて、地面へとおりたつ。

「こんなとこにいたんだ。急に走ってどっか行っちゃうからびっくりしたよ」

走ってきた白髪の少女はちらっと羅威をみる。

「……な、なんですか?」
「いえ、なにも。初めてみる顔だったので、少しびっくりしたんです。最近ここにこられたんですか?」
「そ、そうですけど…」
「そうですか、私は羅威です。以後、よろしくお願いしますね」
「あ、その、わ、私は真理亜です。えっと……その、よろしく…です」
「真理亜さんですね。そちらの猫さんは?」
「え、っと、この猫は貴大くん」
「そうですか、貴大さんもよろしくお願いしますね」
「にゃあ」
「じ、じゃあ、私はもう、いきますね」

そういって真理亜は貴大を抱えて、走り去る。
羅威はその様子を見送って、はあとため息をついた。

「せっかく純粋で可愛らしい生き物が、この街にも来たと思ったのに…」

先ほどの猫を思い出しながら、羅威は呟いた。

「とんだ化け猫さんね」

そして時計塔の中へと足を進めた。

Re: 死人が住む街【オリキャラ募集中】 ( No.12 )
日時: 2017/02/08 23:32
名前: モズ (ID: w32H.V4h)

関係ないけど、続きが楽しみです。

頑張ってくださーい。

何様なんだろ、俺氏。


Re: 死人が住む街【オリキャラ募集中】 ( No.13 )
日時: 2017/02/10 18:15
名前: メイ (ID: cSw9GUzL)

ほしくんとミカを採用していただき、ありがとうございました!
イメージ通りでとてもうれしいです!

続き、楽しみにしております!

Re: 死人が住む街【オリキャラ募集中】 ( No.14 )
日時: 2017/02/22 10:08
名前: 縷々夢 (ID: 3i70snR8)

>>12 モズ様

コメントありがとうございます!
ぜひ、頑張らせていただきますので、これからもよろしくお願いいたします!

>>13 メイ様

イメージ通りに再現できてよかったです!
応援ありがとうございます♪
 

Re: 死人が住む街【オリキャラ募集中】 ( No.15 )
日時: 2017/02/22 10:33
名前: 縷々夢 (ID: 3i70snR8)

【第一幕 一章《夜の街、夢魅町》】No,4

『時計塔』へ足を進める中で、羅威の頭の脳裏に遠いいつかの記憶が浮かび上がった。

逃げまどう人々。
その中でただひたすらに泣き叫んでいる少女。
目の前では一人の女性が、とある男によって内臓をえぐり取られていた。
「止めて!」
悲鳴のような声は、周りの騒音にかき消され、男が笑う。
そして呟いた。
「————————」

羅威はその記憶を、かき消す。
あの記憶で泣き叫んでいるのは私じゃない。私に前世の記憶はない。
そう思い込むことによって、羅威は自分の記憶を封じ込めた。

気がつくと、扉の前で佇んでいた。

『時計塔』の入口には、三つのカギがついている。
夢魅町の住民であれば、誰もが持っている鍵で、その入口は開くようになっている。
そして、羅威がそこにきたとき、入口はすでにあいていた。

「……」

誰か来ていることは間違いない。
だけど誰なのか分からない。
羅威は慎重に扉をあけ、『時計塔』の中に入った。

中に入ると、一人の男性が真ん中で座っていた。
真っ黒のスーツ姿。この街では珍しい、まともな装い。
その服装から、後ろ姿ではあるが誰なのかは予想できた。

「岩見さん…」

羅威がポツリと呟く。
その声に気付いたのか、岩見はゆっくりと後ろを振り向いた。

「おや…。私以外、誰も来ないと思ったんですがね」

そう言いながら、岩見は立ち上がった。
羅威はとりあえず、目の前の男性———岩見力男に愛想笑いをした。

「岩見さんは、今日の『課題』終わったんですか?」
「終わったからここにいるんですよ。……貴方は?」
「私はこれからです」

羅威は、そのまま石見のいる真ん中のホールへ歩いて行く。
岩見は興味なさそうに、端の方へと移動して腰をかけた。

「…私の『課題』、見ていくんですか?」
「見てはいけないんですか?」
「いえ…そういうわけではないんですが…。私は、あんまり見られたくないんです」
「…そうですか。では、ここから立ち去りましょう」

岩見はそう言って立ち上がった。
それと同時に、窓から漏れた月の光を浴びたメガネが、キラッと輝いた。
そしてふと思い出したように足を止め、羅威に向かって声をかけた。

「私にとって、一番嫌いなのは将来のことをまともに考えていない、愛だの夢だので浮かれている人間です。———まあ、そのような方々は私が粛清を加えましたが」
「……岩見さん、『課題』と明確な目的がない以外、人間に干渉してはいけないと———」
「そんな些細なこと、どうでもいいです。それよりも貴方———」

岩見が羅威をしっかりと見据えた。
その目に宿る光にとらわれ、羅威は目をそらすことができない。

「ずっと『何か』を隠していますよね。『誰』に対して『何』を隠しているのか知りませんが、そんなことをしていると———」

ごーんっと時計塔の鐘がなる。
一日が終えたことを知らせる鐘だ。

「ここの住人に『喰われ』ますよ」

そういって立ち去る岩見。
それを見送ってから、羅威は大きなため息をついた。

「わかってますよ、そんなこと……」


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