ダーク・ファンタジー小説

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lily of the valley
日時: 2017/02/08 21:04
名前: 琴夜 虚槻 (ID: o2imsHOu)

            プロローグ ある日の悪夢の裏側



「ここは、どこ…?」

彼女は何もない暗い世界に立っていた。周りを見ても何もなくただ暗闇だけが広がっている世界。どっちが前でどっちが後ろかもわからない。進んでいるはずなのに、しっかり前へと進んでいるのかもわからない。

彼女は孤独だった。

「あれは…。出口?」

この終わりのない世界に、一つの光が生まれた。ただ暗闇の中にいた彼女はそれを見つけた途端、その光に向かって走っていた。

何もないはずの世界で影が動いた。その影は彼女が光のもとへ行かせないようにと彼女の前に立った。何かを言っているようだったが、その言葉は彼女に届いていない。

「邪魔。」

彼女は冷たくそう言い放ち、その影を一瞬で消し去ってしまった。確実に光へと進んでいるはずなのに、いっこうに光との距離は縮まらない。その間も影達は彼女の前に立ちふさがる。彼女はそれを気にもとめず手の一振りで消し去ってしまう。

「あと少し…、あと少しであの光に…。」

彼女はそう言い残してこの世界から消えた。彼女が消してきた影達と同じように一瞬で。





この終わりのない世界を上から見ていた者が一人。

「また消えてしまったか。前回のほうがもっとおもしろかったのだが。今回は実につまらない。一番ひどく、弱さに負けた結果だ。次回はもう少しおもしろいといいな。今までのと同じように闇に飲み込まれ消え去っていくのか。それとも、光に辿り着き私でさえ知らない光の向こうへ行く事になるのか。それとも……全く違う答えを出すのか。」

その者はひとりでにつぶやき不敵な笑みを浮かべながら闇に吸いこまれていくように消えてしまった。


今度こそこの世界には何も訪れることはなかった。


————ただ一人の人物をのぞいて。


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琴夜です。初作品です。コメントやアドバイス、ダメだし等お願いします。よろしくです。



lily of the valley 第1章 ( No.10 )
日時: 2017/03/05 10:36
名前: 琴夜 虚槻 (ID: o2imsHOu)

               9早く説明して…。


「ま、魔法創造と言ったか…?」

「は、はい。」

「他の2つも言ってくれないか?」

「え、えっと『魔法創造スキル』と『オールスキル』です。」

それを聞いたセレーネは耳を疑った。いま影華が言ったスキルは2つだ。べつにスキルを2つ授かることはあまりないが、実例はいくつかある。その点に関しては影華ほどの能力があるのだから想定内だ。だが、スキルの中でもそもそもそれを授かる可能性さえ0%に近いスキルの2つを影華は授かった。

「あの…、これって大丈夫ですよね…?」

「あ、あぁ大丈夫だ。本当にその2つなんだな?」

「は、はい。そうだと思います。なんかこう、スキルを見たいと思ったら目の前に出てきたんですよね。」

「な、何?!スキルが見えただと?!」

「え、全員見えるんじゃないんですか?」

「いままで、見えたことがあるスキル持ちはいないはずだ。自分でわかっていれば十分だからな。」

「スキルの使い方まではわからないっていうか、意味が理解できないんですけど説明してくれませんか?」

「あぁ、そのつもりだが…その、ここではあまりできないから式を終了してからでも良いか?…まぁこの状況では終了も何もないのだが。」

まわりを見ると、人々はざわざわしていてとてもじゃないがこの状況は式の途中だとは思えなかった。

「た、確かにそうですね…。何でこんな騒がしくなったんですか?」

「それはあとで説明しよう。少し待っていてくれ。————静まれ。」

セレーネがそう言うとさっきまで騒がしくしていた人々が一気に黙った。そのとき、影華は魔力を感じた。つまりセレーネは魔法をつかって黙らせたということだろうか。

「これにて、儀式を終了する。みな、速やかに帰りなさい。」

すると、みな一様に大広間の扉へと向かって行った。そして、大広間に残っていたのは影華とセレーネ、ルアそして戦いを挑んできた赤髪の青年の姿もあった。

「やはりいたか、ヴァルナ。帰ったと思っていたのだが?」

セレーネはそう赤髪の青年———ヴァルナに話しかけた。

「うん、帰ろうかと思ったんだけどさ。聞き捨てならない単語が聞こえたもので。」

そう言ってヴァルナは影華を見た。

「あ、あの、あなたは何者なんですか?」

「あぁ、まだ名乗っていなかったね。僕の名前はヴァルナ・ヴァールだ。言いづらいかもしれないけどごめんね。ヴァルナと呼んでくれ。」

「ヴァルナは、こう見えてもルスの名誉騎士なんだ。実力はルス1と言っても過言ではないだろう。ちなみにヴァルナのランクもロッサだ。」

「まぁ、もうルスはやめたんだけどね。」

「え?!じゃあ私は、そんなすごい人にいきなり戦いを挑まれたってことですか?!」

「まぁそうなるな。別に負けてないのだからいいだろう?」

「いや、そういう問題じゃなくないですか?!」

「まぁ、それは置いておくとして。そろそろ、姉ちゃんにスキルの説明をしたらどうですか?わかんないままではかわいそうです。……僕も知りたいし。」

「そうだったな。では、説明するとしようか。」

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琴夜です。

なんか、書きたいこと書きすぎてスキルについての説明が…。

コメント・ダメだし等よろしくお願いします。

lily of the valley 第1章  ( No.11 )
日時: 2017/04/02 21:42
名前: 琴夜 虚槻 (ID: o2imsHOu)

             10 ザ・チート


「スキルというのは、まぁいわば特殊能力的な感じだ。だからそれを生まれた時から持っている者もいれば、持っていない者もいるわけだ。」

持っている者がいると言っても、その持っている者はなかなかおらずふつうは持っていない者がほとんどだった。スキルをもって生まれた子は、『神に愛された子』と呼ばれることもあるそうだ。

「だから、もともと持っている人がロッサになればスキルが2つになるってこと。それに、スキルを2つ授かる人もいないことは無いしね。ただ、珍しいけど。やっぱ姉ちゃんだからかな?」

ルアが首をかしげ、そう言った。

「今ルアが言った通りだ。だが、2つ授かる場合は片方が弱いスキルで片方が強いスキルでだいたいバランスは取れているはずなのだ。それが影華、君の場合では違ったんだ。」

「え、どういうことですか?魔法創造ならわかりますけど。オールスキルなんて何に使うんですか?」

影華ほどの頭のよさ、それにプラスしてラノベ、ゲームなどの知識があるのを入れるとだいたいのスキルは内容が分かるはずだ。だが、この世界とゲームの世界が必ずしも同じとは限らない。

「魔法創造は、その名の通り自分のオリジナルの魔法を作り出せるものだ。魔法創造はとても珍しいスキルなんだ。私が知っている中でこのスキルを持っているのは、ここにいるヴァルナくらいだ。」

セレーネは少し微笑みながらヴァルナの方を向き言った。

「え、そんなすごいスキルなんですか?!」

「そうだよ。実際、戦った時に僕が使っただろう?あれは実際にはない魔法だ。まぁ勝手にアウイグラって呼んでるんだけどね。実際、これは『ユニオン』って呼ばれてる。」

ヴァルナは少し申し訳なさそうに言っていた。だが、それに気づいたのはセレーネだけだった。

ヴァルナがスキル抜きの戦いをしたかったからスキルを影華が授かる前に戦いを挑んだ。と言っていたが、今の発言でスキル抜きではなく、しかも騎士になりたての影華に対してユニオンを使ったことが明らかになったのだが、セレーネを除いたみなが気づいていなかった。

「そして、魔法創造で作られた魔法、ユニオンはたいていの魔法よりも威力が強いとされているのだが、それを君はその『普通』の魔法で防いだ。これはとてもすごいことなんだ。ユニオン同士でもそれを防ぐにはかなりの魔力が無いと押し切られてしまうんだ。」

「だから、僕のユニオンを普通の魔法で防いだということはとんでもないことなんだ。しかも、まだ騎士勲章をもらいたての君が。」

「へー。そんなことになってたんですか。自分なんか勝手に身体が動いただけだったんで、何が何だか今でもさっぱり…。」

「そうか、これからが楽しみだな。そして、君のもう一つのスキル『オールスキル』だが、これは欲しいと思ったスキルを無制限に授かることができるというものだ。」

セレーネは不敵な笑みを浮かべながら、影華は少し困ったような表情をしながら言った。

「………チート級スキルのオンパレードだ…。」

影華が無気力にそう呟いた。もしこれがゲームであればとっても喜んでいた事だろう。しかし、これはまぎれもない現実……現実?うん、現実だ。影華のスキルなんて、『こんな能力があったらいいなランキング』なんてものがあれば確実に上位にある、下手すればトップ3に入るほどのものじゃないだろうか。

「さらに、それだけじゃない。スキルを作ることも出来るんだ。こういったことができるから、このオールスキルを授かるものは1世紀に1人いればすごいくらいのスキルだ。」

「え!無制限に授かれるだけでなく、スキルを作れるですって?!」

「あぁ、そうだ。ただ、作れると言ってもかなり魔力をつかう。君の魔力は膨大だ。だからスキルをたくさん作ることができる。ただ、作れるスキルは限られている。」

「と、言いますと?」

「例えば、相手を即死させることができるスキルだったり、この世界の形を変えてしまうほどのスキルだったり…。つまり、世界の理を真正面から否定するようなスキルは作れないっていうこと。そこらへんはちゃんと神様も考えてるんだね。」

「そっか、じゃあ試してみた人とかはいないよね?」

「うん、そうだね。今まで作ってみようとさえしなかったよ。」

ルアが少し面白そうに言った。

そこらへんはやはり、しっかり線引きをしておかなければもう人間ではなく神にもなりうるだろう。

だが、ルアがおもしろそうに言ったのは理由がある。
そもそも、このスキルを授かった者が少なすぎる故に、本当に作ることができないのかどうかもわからないのだ。もしかすると、神がそう信じ込ませているのかもしれない。それに、影華は異世界から来たのだ。もしかすると、この世界の常識を覆すことができる唯一の存在かもしれないからだ。

「まぁ、試してみるにしてももっと強くなってからの方がいいけど。何があるかわからないし。」

「そうだな。スキルについての説明も終わったし、影華、疲れただろう。部屋に戻ってゆっくり休んでいてくれ。」

「はい。じゃあ、ゆっくり休ませてもらいます。」

こうして長すぎる騎士勲章授与の儀式は終わった。

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琴夜です…。遅くなってすみません…。

なんか、ものすごくとてつもなく読みづらいというひどすぎる状態だったので、書いては消し書いては消しを繰り返していると1ケ月もたってました…。

コメント・ダメだし等お願いします。

lily of the valley 第1章 ( No.12 )
日時: 2017/04/21 23:36
名前: 琴夜 虚槻 (ID: o2imsHOu)

                11 暇つぶしでも無理はダメ。

「うーん、オールスキルか。スキルをよく知っているわけでもないし、作ったりスキルを授かるのはもうちょっと調べたりしてからにしよ。」

広すぎる自室の豪華なベッドに寝転がりながら1人つまらなそうにつぶやいた。

「魔法も一通り覚えちゃったし、面白そうな本もないし、やっぱりこの世界自体がファンタジーだからファンタジー系さがそうと思ってもないし。」

その部屋にある巨大な本棚には一冊も本棚が入っていなかった。

「部屋は広すぎて落ち着かないし、騎士になったからといって何か仕事があるわけでもないし。ルアは最近遊びに来てくれないし。ゲームもないし。つまらない…。」

この広い殺風景な部屋の真ん中で影華は愚痴った。

エトワールに来て以来、新鮮なことばかりであまり退屈することもなかった。ルアもかなりの頻度で影華の部屋に遊びに来ては、いろんな話をしに来た。が、ここに来て一気に何もなくなってしまった。魔法さえ教えてもらっていた人達に「もう教えることは無い。」と言われ、たまに練習する程度になった。

最初のうちは授業でやるのじゃないので楽しかったのだが、それもだんだん飽きてきて、そして何よりもそれを部屋でやっていたところルアが入ってきてその魔法があたりたおれてしまった。あわてて駆け寄ってみるとそこまでけがはなかったが、ルアいわく

『普通の人だったら、対応できないし大けがだよ!下手したら死んじゃうし。姉ちゃんの魔力の量と素質は半端ないんだからあんまり遊びで魔法使わないこと!』

とのことだった。部屋だと何かが壊れそうで厄介だし、外でやろうにも人が通った時にあたったり見られると嫌だったので結局影華は部屋で四六時中ただただボーっとしているほかなかった。

「あ、スキル使えばこの部屋もちょうどいい感じにできるかも。せっかく用意してくれたのに申し訳ないけど、落ち着かない自室ってなんだかね。魔法創造で作れないかな。」

善は急げで早速影華が『空間を操れる魔法』と考えると頭の中に声が響いてきた。

『魔法創造によって「空間魔法」がうみだされました。』

突然響いてきたその声に影華はビックリするが、作ることができたことにホッとしていた。

「あ、でもこの空間魔法ってどうやってやるんだろう。とゆうか中の空間縮めても大丈夫だったりするの?」

影華がそう呟き考えていると、また頭の中に声が響いてきた。

『オールスキルによって「ナビゲーター」がうみだされ、授かりました。』

そして、その声に続いて女の人の声が聞こえてきた。

『ナビゲーターのターナです。何でもお聞きください。これからよろしくお願いします。……えっとローザ様とお呼びした方がいいのかそれとも影華様の方がよろしいでしょうか?』

部屋のどこを見回しても聞こえてきた声の主は見つからない。と言うことは今、頭の中に響いてきた言葉と同じような感じなのだろう。

「ちょっとまって、え、これスキルなの?しかも名前知ってるし。それになんで影華って名前知ってんの?」

『お答えいたします。はい、そうです。私はスキルによってうみだされました。そして、ローザ様のことなら基本全て分かっていますので。』

「へー、そうだ。ここに出てくることってできないの?あの…精霊みたいな感じでさ。」

まぁ別にこのままでもいいのだが、この感じだと人と会話してて何かを聞くたびにいきなり黙り込むという周りに無視しているという認識を与えてしまいかねない。かといって言葉で聞いても独り言が激しい奴だと思われて、そこで終わり。そのどちらになるのも嫌なので、やはり立体としてあらわれていて欲しい。

『そうですね…。ローザ様のスキルで、生き物を作り出すというのはできないこともないですが、ルア様がおっしゃられていた通り生き物を作り出すというのは世界の理を真っ向から否定しているのでできないですね…。』

「そっか…。」

影華はがっくりして下を向いた。だが、ふと何か名案を思いついたというような表情で勢いよく顔を上げた。

「あのさ、生き物はダメなんだよね?」

『はい、そうですね。』

「じゃあさ、魔力を編んで具現化するっていうのはどう?」

『と言いますと?』

「えっとね、別にターナはナビゲーターだから食事とかそういう生き物的な活動はいらないでしょ?だから、存在しているけど存在してない…みたいな?なんて言ったらいいのかな…。魔力を編むから、一種の魔法みたいな感じかな?どう、できると思う?」

魔力を編むというのは、やはり元の世界のラノベで得た知識だ。生き物を作るよりも、そっちの方が世界の理を否定しないのではないかという予想だ。ただ、それをできるかどうかは神様次第だ。なんせ、前例がないのだから。

『たしかに、論理上可能とは思いますがそれをローザ様ができるかどうかですね。おそらく魔法創造を使い魔力を編めるようになれば可能かと。』

「本当に!?おぉ…言ってみるもんだねぇ…。じゃあ何となくやってみるよ。」

そう言うと影華は頭の中で魔力を編んで作りだすというイメージをした。

すると、頭の中で唐突にターナではない声が聞こえてきた。

『魔法創造により「魔力創造」がうみだされました。』

「お、できたできた!……あれ?なんかからだがぐったりしてきたんだけど…?」

『おそらく、この短時間でこれだけの魔力を一気に使われたので疲れているのかと思われます。ただ、ローザ様の魔力はまだまだたっぷり残っています。』

「え、じゃあまだ慣れてないから身体が耐えきれていないということか!?」

『はい、そうなりますね。私を魔力創造するまえに一回しっかり休んでください。』

「ま、マジですか…。結構楽しいからもっとやりたかったんですけどー!」

影華はそう言いながらベッドへと倒れ込み、すぐに寝息を立て始めた。


————————————————————————————————

琴夜です。遅くなってすみません。

これから結構忙しくなるのでもっと更新ペース遅くなると思います。それでもがんばって書き続けるので応援よろしくお願いします。

コメント・ダメだし等よろしくお願いします。

lily of the valley 第1章 ( No.13 )
日時: 2017/04/24 23:09
名前: 琴夜 虚槻 (ID: o2imsHOu)

               12 『————。』

「黒蝶さんってさ、すごいよね。成績優秀だし、すごくきれいだしね。」

「そ、そんなことないよ。天音さんの方がきれいだよ。」

「えー、そう?てれちゃうなー。」
“どうせこれっぽちも思ってない癖に、自分は綺麗だからって調子乗ってるよね。”

「じゃ、じゃあこれから塾だから、帰るね。」

「うん、じゃあね!」
“はぁ、やっと帰ってくれた。ほんとうざいんだよね。”

なんなの、一体。何なんだ。さっきから聞こえないはずの声ばかり聞こえてくる。もしかして、これも自分の力?ってことは全部そう思ってたってこと?知らない。そんなの。

私が1人だったなんて、そんなの、認めない。

友達だってたくさんいるし、勉強を教えてほしいって言ってくる人もいっぱいいるし。一緒に遊びにだって………行ったっけ?でも、そんなの関係ない。私の周りにはいっぱい人がいる。みんな優しくしてくれてる。ゲームのことだって言ってないし、すごく気を使って接しているし。

私の悪口をみんなが影で言ってるなんて、そんなの私は知らない。

「黒蝶さん、ちょっと来てくれない?」

「え、あ、はい。」

連れて行かれたのはあまり人目につかない路地裏だった。

「単刀直入に、と言うよりはっきり言わせてもらうけど。あたしはあなたが大っきらいだわ。」

「え…、なに、急に。大っ嫌いって。」

「今の言葉は私たちクラスを代表して言ったの。あなたを嫌う理由は人それぞれだわ。あなたのその成績がいやな奴もいるし、その美貌をねたむ人もいるわ。私の場合はあなたのせいで彼氏もいなくなったし、成績は下がりまくりだし、正直邪魔なのよね。」

「え、でも今まで仲良くしてくれてたじゃない。私だって仲良くできるように頑張ってたし。」

「その態度よ。あなたは気づいてないのかもしれないけど、たまに人を見下すような感じで話す時があるのよ。それに、仲良くしていたフリよ。みんなもう我慢できなくなっちゃったみたい。だから、明日から嫌がらせとかが始まると思うけど泣いたりしないでよね?すべてはあなたが招いたことなんだから。先生に告げ口したら…」

その人は私の耳元で囁いた。

「頭のいい黒蝶さんのことだもの……どうなるか、わかるよね?」

そう言ってその人は消えていった。

すると、私の周りの景色が真っ黒に染まった。

『ほんと大っきらい。何であんな性格なのかな。』

『絶対私たちのこと下に見てるよね?聞いた?あの時さ…』

『あーあ、ほんといるだけで嫌になっちゃう。転校とかしてくんないかな。』

『あんまり、話しかけない方がいいって、関わるとロクなことないよ。』

聞いたことのないはずの声が頭の中に響いてくる。聞いたことなんかない、絶対にない。
あったとしてもそれはただの勘違いだ。

あんなことを言っていたけどきっといたずらか何かだ。明日学校に行ったら、またいつもと同じように仲良くしてくれるはず。いつもと変わらず、きっと。

『本気でそう、おもってるの?』

もう一人の私が言った。

『本当はもう、気づいてたんじゃないの?』

『みんなから嫌われていた事も、自分がずっと1人だったことも。』

『今までずっと自分は1人じゃないって思いこませてたけど、そろそろ気づくべきだよ。』



『私みたいなやつはどこに行っても最初から誰からも嫌われてる。ってさ。』



『ルアだって、セレーネだってみんな私を嫌ってるんだよ?』

「そんなこと、ない…。」

『どうしてそう言い切れるの?だって頭もよくて顔もよくて魔力は膨大でスキルははんぱないし、どうやったらあなたみたいな性格の人が好かれるの?』

「うる、さ、い…」

『もう傷つきたくないんだったらさ、もういっそのことずっと1人でいなよ。そのほうが楽だよ、きっと。だからさ…。もう———』

「だまれ!」


気がつくと影華は自分の部屋のベッドに汗をびっしょりかいて寝ていた。

「ゆ、め…だったの…?」

「大丈夫…?うなされてたから。」

声のした方を影華が向くと、そこにはルアがイスに座って影華のことを心配そうに見つめていた。

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ども、琴夜です。

突如始まった暗い話…。これほとんど勢いです。
このテンションにもうしばらくお付き合いお願いいたします…。



ほんと、話が進まん…。



コメント、ダメだし等よろしくお願いします。

lily of the valley 第1章 ( No.14 )
日時: 2017/05/01 16:46
名前: 琴夜 虚槻 (ID: o2imsHOu)

                13 ルア

「う、うん。大丈夫だよ。なんか悪い夢見てたみたいで…。」

「え、悪夢?内容は覚えてないの?」

「うん。全然覚えてない。悪夢っぽかったのは覚えてるけどね。」

「そっかぁ。よかった。飲み物持ってくるね。」

「うん。」

ルアはそのまま部屋を出ていった。最後まで、影華の方を心配そうに見つめながら。

そんなルアを影華は安心させるように微笑みながら見送った。



「……なんだったの。あの夢。あんな夢はじめて。」

影華は横にまるくなり、ひざに顔をうずめた。その目には涙がにじんでいた。

「あんなのは、もう……い、や…。」

おそらく、悪夢を見たせいで体力を消耗したのだろう。影華はまたすぐに寝息を立てて寝始めていた。




「……姉ちゃん。」

影華の部屋の扉の前で、扉の隙間から影華をのぞいていたルアが心配そうに影華を見つめる。

本人は気づいていないのだろうが、影華は感情が顔に出やすいタイプだ。と、ルアは思っている。とはいってもよく観察すれば出ているのが分かるくらいなのだが。

ルアは、昔から大人によく囲まれていて顔色をうかがうのは人よりはできるほうだ。だから、影華の感情を読みとるのは簡単だった。見ていてわかったのは、影華は悲しいとか寂しいとかのマイナスな感情が隠そうとしても隠しきれずに少し出ている時がある。

今の影華はいつも以上にその感情を隠し切れていなかった。

たまたま、影華の部屋に遊びに行くと返事がなかったがルアは「いないの〜?入るよ〜」と言いながら入るとベッドの上でうなされている影華がいた。心配になり、そばに座って目が覚めるまで待っていた。その時、影華は「行かないで。」や「うそだ。」などと寝言を言っていた。

目が覚めてルアと話している時の表情はいつもの表情ではなく、どことなくルアにおびえているような感じがした。最後まで、ルアを安心させるために微笑んでいたが、隠しきれない不安と悲しみはルアには見えていた。

「いったい、どんなモノを姉ちゃんは抱えているの…?」

ルアはそのまま飲み物を取りに行った。


「あれ、また寝ちゃってた…?」

「あ、おはよ。大丈夫?気分晴れた?」

「うん、すっきり。ありがとね。」

微笑みながらそう言う影華の顔には涙の痕があった。

「……姉ちゃん。僕はずっと姉ちゃんの味方だから。だからさ———」

ルアは影華を抱きしめた。

「———泣きたい時は思いっきり泣いていいんだよ。」

「僕は、姉ちゃんが前までいた世界のことは知らない。何があったかも。それが原因だとしても。僕はずっと姉ちゃんの味方だ。」

「理由なんて聞かないし、だれにも言わないからさ。もう無理なんかしないで。」

影華はその大きな眼から大粒の涙を流し始めた。

「わ、たしの…こと……嫌いに……ならない?」

影華は泣きながら声を絞り出すように言った。

「もちろん、嫌いになんかなるわけないじゃん。たとえ姉さんが僕のことを嫌いになっても、どんなひどいことをしたって僕はずっと姉ちゃんのことが今も、これからもずっと大好きだよ。」

「私のこと、置いていかない?……離れていかない?」

「もちろん、置いても行かないし、離れない。姉ちゃんのことをずっと見てるよ。」

「ほんと、に?……うそじゃ、ない?」

「本当だよ!嘘なんかじゃない。なんなら誓ってもいいよ。」

「そ、んなに……はっきり、断言されると、……照れる。………でも、ありがとう。……誓ったんだから、うそをついたらダメだからね。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「じゃ、姉ちゃん。またね。なんかあったら言ってね。」

「うん、わかった。ありがとね。」

ふたりはしばらく話した後ルアが部屋から出ていった。


「——ローザ様。なぜ、うそをつかれるのですか?」

「え!?———な、なに。急に。」

ターナの不意の問いかけに影華は驚き、言葉に詰まってしまった。

「嘘なんかついてないよ。第一、わたし嘘泣きなんかできないからね。」

「たしかに、泣いていたところはウソではないです。ですが、ローザ様はルア様にウソをつかれました。」

「え?」

「ローザ様、あなたがウソをついていないと言うならばなぜ—————」


「————なぜいまも、心の中の黒雲は晴れず、いまだに渦巻いていらっしゃるのですか?」

————————————————————————————————

琴夜です。

う……ん。うん。変だ。なんか、いろいろと文章がおかしい上に読みづらい。

すみません……。

そして忙しくなると言っていたにもかかわらず前のペースに戻るかもしれないというこの現状。

なんかいろいろと、矛盾が生じている気がするが、スルーするという方向で。

あとちょっと続きます。

コメント、ダメだし等お願いします。


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