ダーク・ファンタジー小説
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- 人狼ゲーム〜過去と現在が交わる中で〜
- 日時: 2017/07/02 17:22
- 名前: あじき (ID: GTJkb1BT)
あじきと申します('◇')ゞ
人狼ゲームはもともと好きなので投稿してみました!
色々ミスはあると思いますが温かい目で見てくださると光栄です
ぜひコメントもしていってください
- Re: 人狼ゲーム〜過去と現在が交わる中で〜 ( No.8 )
- 日時: 2017/07/03 18:44
- 名前: あじき (ID: GTJkb1BT)
スタートボタンを押すと「人狼オンライン」と大きく書かれたトップページが出てきた。だがそこには予告やCMでみた画面と違い「メンテナンス中」という文字が書かれていた。メンテナンス…。こんなときの悪運は生まれてからずっとそうだった。夏樹が期待していればしてるほど何かが起こり、そして裏切られるのだ。いつもそこで深いため息をつき諦めるが今回はそういう訳にはいかなかった。ずっとこの日を待っていたのだ、「運が悪かった」の一言じゃ片付かない。勿論明日や明後日になりメンテナンスが終わればゲームはプレイできるが、夏樹は待てなかった。「今すぐにプレイしたい」そんな気持ちが高まり、何かないかと画面を見渡した。すると画面の端、誰も気づかないような隅に小さく「始める」という文字が書いてあった。夏樹はそれにかけ説明書には書いてなかったその文字を押した、するとそこには…
- Re: 人狼ゲーム〜過去と現在が交わる中で〜 ( No.9 )
- 日時: 2017/07/03 19:07
- 名前: あじき (ID: GTJkb1BT)
まぶしい光が夏樹を襲った、目を開けるとそこには白くて何もない空間に10人の人と一匹の奇妙な生物が立っていた。
夏樹は一瞬困惑したが、「ああ、人狼ゲームに入れたんだ」とうれしい気持ちでいっぱいになった。説明書に書いてあった事とは入り方やまぶしい光など若干違う点があったが夏樹にはそんなことを考える余裕もなかった。だがそんな中でもやはり一匹の生物には目がいった。その生物はテルテル坊主のような容姿をしており顔の部分には大きい目が一つあるような愛らしいというよりは少し奇妙な、そんな感じだった。とはいえふわふわ浮きながら人より小さい生物には怖いという印象も持てなかった。そんなことを思っているとどこからかアナウンスのようなものが流れた、「みなさんこんにちは、人狼ゲームへようこそ」。
10人とも少し困惑していた、きっとこのアナウンスは自分だけじゃなくみんなにも聞こえているようだ。そして誰かが「え?」と言う、夏樹にはその意味が分からなかったが夏樹よりも少し背が低くポニーテイルの女の子と体つきがいい眼鏡の男の子がしゃべっているのが聞こえた
「え?なに?これ?」
「こんなのなかったよ、ね?」
お互い初対面なようだったがこの人狼ゲームをするのは初めてではないらしく、前からVR2でプレイしているようだった。ポニーテイルの彼女は夏樹より背は小さいが18歳、同い年くらいに見えた。遅生まれの夏樹は18歳になるのが遅く、人狼オンラインができるようになったのも遅かったが夏樹よりも早く18歳になっていた人は何か月も前にプレイできていたはずだ、分かっていたことだがやっぱりちょっと悔しい。
でもそんな彼らが驚いているということは前まではこんなシステムなかったということだ。そこで夏樹は初めて異変にきずいた、説明書では書いてあったはずの言葉、「終了する」というボタンがなかった。
- Re: 人狼ゲーム〜過去と現在が交わる中で〜 ( No.10 )
- 日時: 2017/07/03 20:47
- 名前: とまとじゅーす (ID: Ms/Mj5Tz)
なるほど、ゲームから始まっていくってわけですか…。
新しいですね。面白いです!
- Re: 人狼ゲーム〜過去と現在が交わる中で〜 ( No.11 )
- 日時: 2017/07/04 20:33
- 名前: あじき (ID: GTJkb1BT)
とまとじゅーすさん
コメントありがとうございます!!ちょっと前フリが長い気もしますが
楽しんで読んでもらえるとうれしいです('ω')ノ
- Re: 人狼ゲーム〜過去と現在が交わる中で〜 ( No.12 )
- 日時: 2017/07/04 21:21
- 名前: あじき (ID: GTJkb1BT)
『終了のボタンがない』これがどれくらい危険なことかは人狼オンライン初めての夏樹にでも分かった。説明書の最後、大きな赤い字で「万が一のことがありましたら画面右下にある終了するのボタンを押してください」と書かれていたはずだ。それが無い、つまり夏樹達は人狼オンラインを抜け出せないということだ。だがまだ策はあった、たしか説明書にはこうも書いてあった「(もしも終了するのボタンが押せない場合、何かの不具合があった場合はゲーム機本体を身体から外し、強制終了してください。)」
夏樹は少し怖くなりVR2を外そうとした、だがなぜか手が動かない。その代りにゲームの空間にいる自分の手が動いた。確かにゲーム内では自分の頭を動かすと視点が変わったりする仕組みになっている。だがしかし、脚や腕、これらは現実に動くものだ。つまり夏樹の身体はいま一種の金縛りのようなものにあっていた。それに気づいたのは夏樹だけではなかった。
「嘘、体が動かない…」
細い、狐のようなつり目をしていた男の子が言った。
他の人たちも焦っていた、必死に腕を動かす人、今にも泣きだしそうな人、そんなパニック状態の夏樹達を見ていたかのようにまたアナウンスがかかった。
「今から皆さんには生死を賭ける、人狼ゲームをしてもらいます」
「命を賭けた?!」
ざわついた、きっとこれは正式な人狼オンラインの形じゃないのだろう
夏樹は初めてのプレイでやり方すらイマイチだったが他の人もこんな経験は初めてだったようだ。そしてまた声が聞こえる
「では今からルール説明をします、一度しか言わないのでよーく聞いてください」
みんな息をのみ、静まりかえった
「今ここにいる皆さんは、抽選で選ばれたラッキーな方々です。ラッキーと言っても命を賭けるわけですから本当にラッキーなことかはわかりませんが、たぶんこの先このような経験をする人はなかなかいないと思います。
とりあえずここはどこかを説明しましょう、ここは紛れもない、人狼オンラインの会場です。ですが普段できる人狼オンラインとは少し違い、メンテナンス中のバグ、いわゆる不具合の中に少しだけで来たスペースです。そして今から皆さんには、せっかくここに来たので人狼ゲームをしてもらいます。人狼ゲームのルールはわかりますか?」
アナウンスが淡々と続く、一瞬できた回答の間に誰かが言った
「はぁ?!ふざけんじゃねーし!!」
身長はそこそこ、そんなに怖そうでもないがかっこいいというわけでもなさそうな男の子が言った。
「人狼ルールがわからない方はいない様子ですね、それではこれからこのゲームにあたってのことを説明します」
「はぁ?!無視かよ?!!」
先ほどの男の子が言う、確かに気持ちもわかるが一度しか言わないといわれた以上、アナウンスが終わってからにしてほしいと思った。
「このゲームはいま、ここにいる皆さんで繰り広げてもらいます。皆さんの服のポケットには今、役職が書かれているカードがあります。役職は人狼、猫又、占い師、霊能者、狩人、村人、狂人の7パターンのどれかです。基本的には人狼が三人で、、村側にも人狼側にも不利はない役職人数になっています」
意外と教えてくれるんだなと夏樹は少し感心した。
「ここまでは普通の人狼オンラインと一緒ですが違うルールはここからです。ここではVR2を通して五感すべてがゲーム内の身体に伝わります。
ここで受けた痛みなどは現実の身体にも影響します。つまりこの人狼ゲームは生死を賭けた人狼ゲームなのです!」
得意げに話すアナウンスにみんないらだちを隠せてなかった、恐怖におびえるもの、冗談だろというような顔をしているもの、真剣に話を聞いているもの、人それぞれだった。
「ですが生きるか死ぬかだけだとプレイする方のメリットがありません。このゲームでは勝者にはほしい物、何でも構いません。実在するものであってもしないものであっても必ず臨んだものを差し上げます。そして敗者には死を差し上げます。どうですか?悪い話ではないでしょう?」
「なんだよそれ!さっさと元に戻せよ!」
誰かが言ったが今の夏樹は頭がパンクしそうで聞こえていなかった。
「それではスタートします、何か質問はありますか?」
聞きたいことは山ほどあったがみんな話についていけず静まっていた。
「ではないようなのでスタートします、みなさん素敵なゲームを」
アナウンスの声が聞こえなくなったと思うとまたも夏樹をまぶしい光が襲った。