ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

異世界に来たら『スライム娘』だった件
日時: 2018/06/22 22:48
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)




どうも、マシュ&マロです♪


 この小説は『コメディ重視のユッタリ系ファンタジー』ですので、見るのなら熱くなるような展開への期待はそこそこに見て下さい。


 それでは小説スタートッ!!

Re: 異世界に来たら『スライム娘』だった件 ( No.10 )
日時: 2018/07/13 22:58
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 俺の事情については嘘の話で偽っておいた、異世界から来たなんて言っても理解してもらえない可能性があるしな

 「・・・・・と、言うわけだ。それが俺のココにいる理由ってわけだ」

 俺の二枚舌が生み出した不運な過去のウソを話し終わったが良いが、俺の予想していたセレアとメイズの反応とは違っていた

 「ウルウル )) そ、そんな辛い過去があったなんて、まさか悪魔の呪いでスライムにされたうえに住んでた村から迫害されて追い出されてたなんて」

 「(ん?、何か話が盛られてるぞ? 俺はただ悪魔にスライムにされたってだけ言ったんだがな)」

 そう思って修正しようとしたが既に手遅れであった事を痛感した

 「全くだぜセレア。それなのに俺らはスライムだからって理由で殺そうとしちまってたとは.....」

 「(おいおい涙の量に歯止めがなくなってきてるぞ?、その前に俺の名前の件はどうなっちまったんだよ?)」

 「グス....あっ! ところで名前まだ決めてないわね」

 「やっと思い出しましたか。まー、ここは適当にスライムという理由で“スラ”とでも呼んで下さい」

 「スラちゃんか、やっぱり可愛いねぇ ((ギュッ」

 「なんか恐いので離して下さい」

 「あと5分だけで良いから」

 「俺ってアナタにとって抱き枕的な存在なんですか?」

 「ん〜、それより可愛い妹みたいに思えるわね」

 「あっ、やっぱり離して下さい」

 「あー私の妹(嘘)がぁ〜」

 「落ち着けよセレア、まずはスラを町にでも送ってやろうぜ」

 「ぬ〜分かった(←未練たっぷり)」


 [〜 俺、移動中 〜]


 「ところでさ、何でスライムって聞いた瞬間に襲ってきたりしたの?」

 俺は町へと続いている道を二人と一緒に歩いていた、それで暇潰しがてら聞いてみたのだ

 「んーと、スライムっていうのは何と言うのか危険なのよね」

 「ただのスライムが?」

 「“ただの”なんて言っちゃいけねぇぜスラ、いいかスライムってのは物理攻撃が効かねぇし消化器官ってのが無ぇから液状の体はその変わりに強酸性になってんだぜ」

 「へー、じゃあ俺の体も強酸性だったりすんのかな?」

 「し・か・も、それだけじゃなくて水分を含んだスライムなんて巨大化しちゃうから最近では最強のモンスターなんて言われてるのよね」

 「なんか俺って凄ぇんだな・・・・・、だったらスライムには弱点は無ぇのかよ?」

 「いえ、さすがに弱点はあるわよ。例えば熱に弱いというところかしら?、私が流星群を降らしたのもソレが理由ね」

 「まーだけどスラには効果が無かったみてぇだし、お前って普通のスライムとは違うんだろな」

 「へー、聞くこと聞くことが初めてな事ばかりだな。 (しかもゲーム業界では最弱のはずのスライムがまさかの最強とか言われてるしな)」

 色々と思う所がある俺だが、それが事実なのだと受け止める他に道はなさそうだった

 「おっ!スラ、町への入り口に着いたみてぇだぜ」

 「えっ、ってか大きくない?」

 「まあ細かい事は気にしないでサッサッと入っちゃいましょ」


 そんな感じでセレアやメイズに半ば強引に連れられた俺は、巨大な門を通過するとワクワクとした感情を抱いて町の中に入って行ったのであった

Re: 異世界に来たら『スライム娘』だった件 ( No.11 )
日時: 2018/07/20 19:04
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 「なっ・・・・・、なんだココ?」

 俺の目の前には巨大な銀行のような建造物があり多くの人間(その他etc)が次々と出入りしていたのだった

 「ねぇスラ、ここは“ギルド”っていう場所でね、簡単に言えば『仕事求人所』ってとこかしら?」

 「ギルド?、ここって依頼を受けたり申し込んだりする場所ってわけ?」

 「まぁそういう事ね、じゃあ入ってみましょ」

 「えっ、何か依頼でも受けるの?」

 そうセレアに聞いた俺、そんな俺の肩にメイズの手が置かれた

 「いや、俺らの用事は依頼じゃなくてスラ自身のギルド登録だ」

 「ん、ギルド登録?」



 [〜 俺、移動中 〜]



 「それではギルド登録をしてくるので、その間に職業適性をするための質問用紙に回答をお願いします」

 そう笑顔の受付嬢に言われた俺だが、一つだけ問題発生がした

 「(ヤッベ、俺って会話はできても文字読めねぇのかよ)」

 どういう状況かと説明すると俺は異世界でも会話ができる[異語会話]の能力はあるんだが読むことには応用できないようだった

 「スラ様、どうかなさいましたか?」

 「じ、実は...文字が読め・・・・。」

 すると横からセレアが眼鏡を差し出し俺の目にかけたのだった、すると信じられない事が起きた

 「あ、あれ文字が...分かる?」

 「どう?、私が開発した魔法の眼鏡なのよ」

 「す、凄ぇな! この眼鏡!」

 「本当!、じゃあスラにそれあげるわ」

 こうして【転移者スラ】は魔法の眼鏡を手に入れた....なんちゃって♪

 「(まーふざけるのは後にして質問はっと)」


 【アナタは戦闘が好き? 嫌い?】

 答え[NO]←(俺は心優しい平和主義者)


 【長距離の移動は平気? 無理?】

 答え[YES]←(ほぼ毎日、外を散歩してました)


 【メンタルは強い方? 弱い方?】

 答え[YES]←(周りからの陰口でかなり鍛えられました)


 【(最終)手先は器用? 不器用?】

 答え[YES]←(こう見えても手先は器用だぞ?)


 「(ってか! なんだこの質問?、結構どうでもいいやつばっかじゃねぇかよ?)」


 すると受付嬢が戻ってきて用紙を持っていってしまった、結局のところ俺の職業って何になるんだか?


 [〜 時間を早送り 〜]

 「それでは職業適性の結果、スラ様は物などの運搬の適性である『運び屋』となりました、おめでとうございます」

 「『運び屋』の適性...。(つまり“運送業者”ってとこかな?)」

 そうして職業が決まった俺だが、する事はまだ残っていた

 「それと、ギルド登録ができましたので利き手を差し出して下さい」

 「えっ、は、はい分かりました」

 そう言って俺は右手を差し出してみると受付嬢は手の甲に青い石を置いた、すると数秒後には俺の手に染み込むように消えていった

 「それでは先程の石を置いた方の手に意識を集中した後、本などを開くイメージをして下さい」

 「えっとー、こうか?...!!うおっ凄げ!」

 言われた通りにした次の瞬間に俺の手から半透明なパネルが飛び出してきてステータスとやらを表示した


名前【スラ】
種族【人間(仮)】
年齢【17(だけど見た目の方は幼jo...。)】

詳細 [・スライム娘・]
【スライムと人間の中間のような存在、その生体の多くは不明であり不思議な存在である。】

魔法(?)【スライムの加護】

・『完全な物理耐性』
 (どんな攻撃もその体を傷つけられない激レアな物理耐性)

・『スライム化』
 (体をスライムに擬態させられる、水分を多く摂取すると肥大化する)

・『強酸性』
 (強力な胃酸を持っており、どんな物でも飲み込んだ物なら溶かす事ができる)

 [その他]

・『微妙な勇気』
 (自身の犯した黒歴史を思い出したとしても耐えられる程度の強さの精神力)


 「・・・・・・・・最後のっているのか?」

 色々と疑問点は残ってはいるのだが、こうして俺の異世界での生活が始まった

Re: 異世界に来たら『スライム娘』だった件 ( No.12 )
日時: 2018/07/25 13:22
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 セレアとメレズと別れてから数日が過ぎたところだ、運び屋(配達業者)の仕事にも慣れてきていた


 「えーと、今日は何かの運びの仕事が無いかな〜?」

 俺は今ギルドにきていた、その理由は依頼などの仕事はギルドに集められるからだ。それにしても依頼は半透明のパネルから確認できるのだが少女の身体レベルでは重過ぎる

 「ん〜、今日は良いのが中々な・・・・・ おっ!、これなんか良いかもな」


 そう言って俺の目に一つの依頼が止まった....。

 _______________________________
|・依頼の種類【運び】
|
|・内容【食料やその他の物資の運搬】
|
|・難易度【★×1】
|                
|・報酬【160000G】(1G=1円)
|
|・場所【受付で確認可能】
|_______________________________



 「かなり報酬が高いのに内容が簡単なのはなんでだろうな?」

 そう思いながらも俺はパネルを所定の位置に戻すと色んな種族の行き交うなかで受付へと向かった

 「(いつもの事だけど人多くね)」

 人酔いにも似た症状があらわれ吐き気がしたが俺は人としての尊厳を守るために耐え抜いた

 「ふぃー、やっと着いたぁ〜...うぷっ!」

 「あら、今日も来てたの? 小さいのに仕事熱心で偉いわねぇ〜」

 「(俺って見た目はこんなだけど実年齢17才だよ?)」

 なぜか受付の人には子供扱いされてしまう俺だが、気にしても仕方ないので俺は依頼の申請をお願いした

 「はい分かったわ、えーと場所はね....!、あらココって・・・・。」

 「どうしたの?、お姉さん?」

 「え....あっ、いえ何でもないわ!、はい依頼がんばってね!」

 「あっ、はい分かりました....?」

 俺はさっきの受付の反応に色々と気になったが届ける場所の書かれた地図と荷物のある倉庫の鍵を貰うとトボトボと歩いていった


 [〜 時間を先送り 〜]


 人生ってそんなに甘くないって聞くけど、本当だったと実感した

 「ぬ〜お〜!、お...重いぃ〜!」

 俺は大量の荷物の詰まった袋が乗っている荷車を根性が燃え尽きそうな勢いで必死に押していた

 「グゥーーッ!、全然進まないよ〜〜っ!!」


 [〜・ 夕方 ・〜]


 「ヒー...フー...ヒー...フー・・・・。」

 もう夕日が沈みかけた夕方の時間帯、ほぼ辺りが夜の状態で俺は荷車を押していた

 「は、腹が減った〜、しかも腕と脚が死にそうだ〜」

 もう周りには通行人の姿すら消えていた、そして俺は寂しい道を一歩また一歩と地道に歩いていた

 「え...えっと〜、運ぶ場所はそろそろなはず〜・・・・。」


 [〜 2時間後 〜]


 「や.....と、着いたぁ〜・・・・。」

 俺は町の端っこに建っている不気味な屋敷の前で倒れていた、それとココが依頼のゴールらしい

 「......受付の人の反応もこの距離だったら納得できるな・・・・。」

 「何をブツブツ呟いてるんですか?」

 「うおッと!、人がいたの!?」

 「いたも何もここのメイドですからね....ケホ!ケホ!」

 簡単に伝えると俺と同じぐらい背の低いメイドがいた、それと雑談ついでにこのメイドは風邪気味らしい

 「ではケホ!ケホ!、ルイス様がお待ちです...ケホ!ケホ!」

 「えーっと、荷物は中に運ばなくていいのか?」

 「それについては大丈夫、ケホ!ケホ! 私が運びますので」

 そう言ってメイドは重いはずの荷物を軽々と持つと運んで行ってしまった

 「す、凄いな....。ってか俺ってどうすれば?」

 夜の外は寒いので何となく俺は屋敷の中に入ってみた、だが外よりも屋敷の中の方が寒くて屋敷には明かりの一つもなかった

 「いやいや幽霊でも住んでるのか?、それにしてもボロボロだな〜」

 そう言って俺は廊下を歩きながら辺りを見回してみる、すると背後から声がした

 「屋敷の外見は気にしないで・・・・。」

 「えっ!、えっ!えっ!エッ!?」

 俺は震えながら後ろを振り向いてみた、すると青白い顔の20代ぐらいの男が俺の後ろに立っていた

 「で!、で!、出たアアァァァ〜〜〜ッ!!」

 「えっ!何!?何か出たの!?、ギィヤァアァァアァ〜〜〜ッ!!」

 なぜか男の方も叫んでしまって状況が変になってしまった所へ、さっき出会ったメイドが現れた

 「ルイス様....、ヴァーミリオン家の当主という者がお客様の前で叫ぶとは王家の名折れですよ」

 「えっ!あっ!、....すまないソミー」

 「はァー・・・・・。スミマセンお客様、ここの当主が失礼をしてしまい」

 そう言って俺に頭を下げるメイドことソミー、俺はルイス様と呼ばれた男の方を見てみると確かに紺色のタキシードに黒のマント姿でいかにも王家といった感じだった

 「いえ、こちらこそ叫んでしまってスミマセン」

 「僕は、ルイス・ヴァーミリオン。ええと・・・ヴァーミリオン家って聞いたことないかな・・・」

 「私の名前はソミー・フロイストと申します。気軽にソミーと呼んで下さい...ケホ!ケホ!」

 「おっと!体が冷えたら危ないよ、それと実はソミーは見ての通りで風邪を引いてしまっていて、いつも荷物の運搬はソミーがしてるのだけれど今回は代わりにギルドに依頼を出してたんだ」

 そう言いながら自身のマントをソミーにかけてあげるルイスさん、結構いい人だと俺は思った

 「まあ今日はもう遅い時間だから、君が良ければでいいんだけど屋敷に泊まっていかない?」

 「はい! ありがたく泊まらせて頂きます♪、あっ! それと俺は『スラ』って言います」

 「じゃあ、これからよろしくねスラ」

 こうして俺は一泊屋敷に泊まる事になったのだが、これが原因で問題に巻き込まれるとは今の俺は分からなかった・・・・・・。

Re: 異世界に来たら『スライム娘』だった件 ( No.13 )
日時: 2018/07/29 17:25
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 俺は今、かなり暗い屋敷のキッチンで料理をしていた......どうしてだって?、それを説明するには少し時間を戻さないとなぁ〜・・・・・・。


 「〜 時間を戻すぜ 〜」


 「部屋が暗くてごめんね、僕って実は吸血鬼なんだけど普通の吸血鬼より光への拒絶反応が極端なんだよ」

 「いえいえ気にせず、俺も暗い部屋は好きなんで」

 今俺とルイスさんは屋敷の応接室らしい部屋にいるんだけど、やっぱり暗いし寒くて顔が少し引きつってるかも

 「君にそう言ってもらえると嬉しいよ」

 「は...はは(寒い...)、ところでルイスさんとソミー以外に誰かいるんですか?」

 「・・・・・・・いや、もうかなり昔に皆は亡くなってしまったよ。僕とソミー以外にはこの屋敷に誰も住んでいないよ....。」

 「そ、そうですか....。ところでソミーの様子は大丈夫か?」

 「んっ、ああソミーなら無理にでも上で休ませているよ」

 「それなら安心ですね。それとお腹は空いてますか?」

 「僕は大丈夫だよ、スラの方は大丈夫?」


 グウゥ〜~〜~〜~〜


 「あ、えと....ペコペコですね」

 今、俺の顔は熱く感じるからして俺の推測では赤くなっているかもしれい。するとルイスさんは軽く笑うと立ち上がった

 「料理の腕には自信はないけど、多少なりともスラちゃんのお腹を満たせられるものを作るよ」

 「あっ お、俺も手伝います!」

 「それなら嬉しいな、じゃあ一緒にキッチンに行こうか」


 [〜 ってわけで現在へ 〜]


 「(ん〜手伝うって言っても異世界の料理の作り方はまだ分からねぇんだよなぁ〜)」

 俺はそう思いながら昨日食べた食事を思い出してみるが、やっぱり分からなかった

 「あっ スラちゃん、包丁を取ってもらえるかな?」

 「えっ?、あっはい、どうぞ」

 「ありがと、じゃあこれからが本番だよ」

 そう言って腕捲りをするルイスさん、そして近くに置かれたジャガイモを掴むと慣れた手付きで皮を剥いていった

 「・・・・・ルイスさんって料理とか好きだったんですか?」

 「ん〜、ちょっとね。昔から僕は一族の汚点だったからね、だから何かしないと....って、思ってね」

 「失礼かもしれないですけど、どうして屋敷の人達が亡くなったんですか?」

 それを聞いた瞬間ルイスさんの手が一瞬だけ止まった。だけど一瞬だけ止まっただけで、また先程と同じようにジャガイモの皮を剥きだした

 「あ、あぁ.....それは僕が王家の当主に就いた時から始まったよ、なぜ僕だったのかは分からないままだけど僕自身ホントに嬉しかったよ・・・・・。」

 少しだけルイスさんの顔が明るくなるが、また暗い顔に戻ってしまい話の続きを話し始めた

 「その日以来、次々と家族は謎の奇病にかかっては死んでいき、従者の方もこの事を恐れて去っていたよ」

 「その奇病って、どんな症状があったんですか?」

 興味本意で聞いてみたが俺だが、すぐにルイスさんの苦しむような表情を見て後悔した

 「まず奇病の標的になったのは母だった。体の所々が壊死していき、最後には別人のようになって死んでいった」

 「ご、ごめんなさいルイスさん、そういうつもりじゃなかったんです」

 「次に父が! その次に兄が!、そして最後に妹が!・・・・・・、そして屋敷に残ったのは僕だけになった」

 「あ、あのルイスさん、大丈夫ですか?」

 ルイスさんの様子の確かめるためにルイスさんの体に触れた俺、その俺の頬をルイスさんが先程まで持っていた包丁が横切っていった

 「ちょっ、ルイス...さん..? (危ねぇ!、物理耐性なかったら頬がパックリ抉られてたぞ!?)」

 「あっ! ご、ごめんスラちゃん、怪我とかはないかい?」

 「えっ、あ、はい大丈夫ですから」

 「それなら良かった、あと悪いけど少しだけ一人だけの時間をくれないかい?」

 「・・・・・・分かりました、じゃあ失礼します」

 そう言い残して屋敷のキッチンから退室した俺、それと同時に俺のお腹から威勢の良い音も鳴っていた


 [〜 少し早送り 〜]


 「あ〜腹減ったぁ〜、かれこれ朝と昼は何も食べられてないからなぁ〜」

 俺はそんな感じでお腹をさすっていると今歩いている廊下の奥で何かの物音が聞こえた

 「んっ?、何の音だ?」

 俺は空いた腹を抱えながら音のした方へと向かってみた、するとどうやら目の前の部屋から聞こえてきたようだ

 「んじゃ、お邪魔しま〜す ((ガチャ」

 俺はゆっくりとドアを開けて中を見てみると部屋の片隅にソミーの姿があった

 「あれ? ソミーどうしたの、そんな所にいたら風ぜ...って引いてるのか」

 そう自分の言葉にツッコミをいれながら部屋の中を横切ってソミーの方へと近寄った、そしてソミーの肩に触れた時だった


 ーービチャッ!!


 俺の顔にソミーの裏拳が叩き込まれてスライム(頭)が後ろへ飛び散ったのであった

 「そ、ソミーさん、大丈夫ですか」

 再生した頭で聞いた俺の腹に今度はソミーの膝蹴りがメリ込んでスライム(腹)が飛び散った

 「あ、あの〜・・・ソミー様、何か狂いましたか?」

 引きつり気味に聞いてみた俺はソミーに掴まれて体ごと部屋の壁を突き破って投げ飛ばされたのだった


 「い〜てててッ!...って痛くねぇんだった・・・・、んっ?」

 床から上半身を起こした俺だったが、次にソミーのローキックを喰らって廊下の上をホップしながら廊下の端まで蹴り飛ばされた

 「俺って何か怒らせる事したかなぁ〜??」

 壁に逆さまの状態でぶら下がっている俺は自分に自問自答してみたが答えは出なかった

 「ん〜、何かしたかな・・・・!、おっとヤベッ!」

 俺はソミーのドロップキックをギリギリで回避すると屋敷の廊下をひたすらに走っていた

 「いくら死なないからって自分から自殺志願なんてのは願い下げだね!」

 そう言って走っていると後ろの廊下からド派手な破壊音が聞こえて振り返ると舞ってる煙の中でソミーの姿が少しだけ見えた

 「来ませんように! 来ませんように! お願いだから来ないでくれ〜!」

 ソミーの拳やら脚などが俺のすぐ後ろで振るわれており俺はそれを廊下を跳ねながらギリギリで避けていた

 「よっ!、やっ!、ぎゃあ!、イーヤァァアァアァ〜〜〜!!」


 そんな風な俺の叫び声が屋敷全体に響いたとか響いてなかったとか色々とありながら俺は後ろの殺戮マシンから逃げていた

Re: 異世界に来たら『スライム娘』だった件 ( No.14 )
日時: 2018/08/05 10:43
名前: マシュ&マロ (ID: BB67RT0Y)



 ここは屋敷の暗いキッチンの中、そしてルイスさんがキッチンの中を彷徨いていると“あるモノ”を見つけた


 「んっ、これは何だろうか

 そう言って手に取ってみると先程に自分が投げてしまった包丁だった、だがその刃には何故かスライムが付着しておりスライムの酸の影響で少し刃が溶けていた

 「?.....いったい何故スライムの粘液などが付着しているのかな?」

 ルイスさんが疑問に思っているとキッチンのドアが思いっきり開いてスラが息を切らしながら入ってきた

 「ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ 夜中に鬼ごっこをするのは危険ですね、特に今とかは」

 「“オニゴッコ”って何だい?、それにどうしたの?」

 「いやちょっと色々とありまして・・・・。」

 荒く呼吸をしながら俺はドアに背をもたれていると俺の目線の下で音がした、ゆっくり見てみるとドアを突き破って俺の腹からソミーの片腕が出ていた

 「す、スラちゃん?、そそその腹は大丈夫なのかい!?」

 「え..あ...まあ、色々とした事情があって平気なんですよね」

 ルイスさんに苦笑いで笑いかけたあと、俺はドアを開いてソミーを突き飛ばすと再び廊下を走っていった

 「い、いったい全体どうなっているんだ?」

 そう言ってルイスさんがドアから廊下に出ようとするとドアのすぐ下の床にスライムの粘液があった

 「・・・・・・やっぱり分からない!」

 そう言い残すとルイスさんは去っていった二人を追いかけて廊下を疾走していった




 「ギャアッ! ちょっ待っち、えっ マッチ?」

 そんなこんなで視点を戻させて頂くが、俺はソミーにストーカーを越えたストーカー、つまり超ストーカーの如き感じでまだ追われていたのであった

 「ヘルプミーッ!!、それよか助けてぇぇええエェエエエーーーーーーーッ!!」

 そう言って走っているうちに俺の右腕が吹っ飛んだ、まあ再生するんだが好きで見たくはないかな

 「うげッ!、また腕が吹っ飛んだが今度は右かよ」

 そう言っていると今度は左足が吹き飛んだおかげで廊下を派手に転けてしまった

 「ステンッ!)) グエッフっ!!、あーもーこれじゃあラチがあかねぇな!」

 そう言って俺は一つ良いことを思いついたので両腕をスライムに変えると大量にスライムを放出してスライムの壁を作ってみた

 「よっし!、我ながら良い出来映えじゃね?」

 そう誇らしげ俺が言っているとソミーの拳がスライムの壁に打ち込まれたがビヨーンと壁の一部が伸びただけで壊れなかった

 「どうだ!、特製のスライムはそう簡単にはいかねぇぜ」

 そうして一息入れて腰から廊下に倒れた俺は溜め息を吐いた、だが次の瞬間にソミーが横の壁を破壊して外に出ると外壁をつたって俺のいる方の壁を壊して侵入してきたのであった

 「はっ!?、そんなの反則だぁ〜!」

 そう言ったのも効果が無くソミーに馬乗りをされると何発もの拳が襲ってきた

 「(ソミーって、意外と重いんだね?)」

 そんな呑気なことを考えているとソミーの背後、つまり押し倒された俺からして斜め下の方からルイスさんの声がした

 「やめんだソミー!、君を人殺しにはしたくないっ!」

 「(ルイスさん、それは分かったから早くソミーを退かしてくれない?)


 顔がまだ再生してないので喋れない俺は心の中でツッコミをいれたあと疑問を感じた

 「(あれ?、ルイスさんってスライムの壁をどうやって突破したんだ?)


 治りかけの目で壁の方を見てみたが何も突き破られた所は無かった

 「ソミー!、やめるんだソミー!」

 「(ルイスさん、お願いだからヘルプミー・・・・。)」

 心の中で呆れていた俺だったが再び一つだけ良いことを思いついた

 「(ってか!、スライムになったら抜け出せるじゃんっ!)」

 そう思った俺は体をスライムにしてソミーの魔の手から抜け出すと体を元の状態に切り替えた

 「よっしゃッ!、これまた成功だ!!」

 「スラちゃん?、今のって何だい?」

 そうルイスさんの声が聞こえて俺は振り向くと言い逃れは出来ないなと思った

 「今のは何だったんだい?」

 「えーっと、まずその前に逃げましょう!」

 そう言って俺は有無を言わさずルイスさんの手を引いて走り出すと後ろから破壊音が聞こえてきた

 「君は何なんだいスラちゃん?」

 「まーそれは落ち着いてから話しましょう」


 そんな感じで俺とルイスさんは後ろから追いかけてくるソミーから走って逃げていった


Page:1 2 3 4



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。