ダーク・ファンタジー小説

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White/Fang(Thanks閲覧数1000!)
日時: 2020/08/02 21:42
名前: 祝福の仮面屋 (ID: siKnm0iV)

代零節「求められる知識」

登場人物『White/Fang編』

一ノ瀬小隊
葛城 静流→雨宮 赤城
生年月日(2106年、12月25日)
身長 162cm
体重 52kg
好きなもの ふわふわした物
嫌いなもの 鴉
所属 対特殊災害隠密局『White/Fang』
コードネーム『クノイチ』
専用装備「粒子加速式忍刀『ムラクモ』」
式神レギオン『双刃』」

一ノ瀬 燈矢(一ノ瀬小隊隊長)
生年月日 (2070年4月1日)
身長 176cm
体重 85kg
好きなもの 筋トレ、部下達
嫌いなもの レイヴン、得体の知れない物
所属 White/Fang
コードネーム 『スサノオ』
専用装備 「7式大型変形斧『オシリス』」
式神レギオン『爆斧』」

鹿島 新(一ノ瀬小隊副隊長)
生年月日 (2092年6月4日)
身長 172cm
体重 63kg
好きなもの 読書、料理
嫌いなもの 特になし
所属 White/Fang
コードネーム 『ホロウ』
専用装備 「粒子圧縮機構搭載型大鎌『セト』」
式神レギオン『大蛇』」

灰崎 佐之助
生年月日 (2106年1月1日)
身長 180cm
体重 75kg
好きなもの 鯛茶漬け、強い奴
嫌いなもの 弱い奴
所属 地下格闘技会『天逆鉾』→White/Fang
コードネーム 『ナックルダスター』
専用装備 「火薬炸裂式加速手甲『レッカ』」
式神レギオン『鉄拳』」

氷室 三葉
生年月日 (2100年3月9日)
身長 158cm
体重 40kg
好きなもの ふかふかベッド
嫌いなもの 硬い物全部(食材は除く)
所属 White/Fang
コードネーム 『ラプンツェル』
専用装備 「狙撃式大型銃剣『アズサ』」
式神レギオン『天弓』」

東 総二郎(White/Fang総司令官)
生年月日 ?
身長 ?
体重 ?
好きなもの ?
嫌いなもの ?
所属 White/Fang

日出 有紗(戦術オペレーター)
生年月日 (2089年11月10日)
身長 160cm
体重 50kg
好きなもの ショッピング、子供達
嫌いなもの 叔父
所属 WF

相葉 相太メカニック
生年月日 (2085年8月15日)
身長 173cm
体重 65kg
好きなもの 運動、トレーニング、植物園巡り
嫌いなもの 無し
所属 WF

青原 霞(専属医)
生年月日 (2085年10月9日)
身長 168cm
体重 50kg
好きなもの 特になし
嫌いなもの 特になし
所属WF





人物及び用語解説
>>1.>>2



代壱章
>>3.>>4.>>5.>>6.>>7.>>8.>>10
>>11.>>12.>>14.>>15.>>16
>>17.>>18.>>19.>>20.>>21



代弐章
>>23.>>24.>>25.>>26.>>27
>>28.>>29

Re: White/Fang(過激グロ注意) ( No.7 )
日時: 2019/11/08 22:15
名前: 祝福の仮面屋 (ID: jo2UR50i)

White/Fang代伍節
「散り行く時は命徒花」

「ふぅ…」
「お疲れ様です!佐之の兄貴!」
「いやぁ今回も凄かったっすね!」
「玖頭龍使う程の相手だったんですか?」
控え室に戻った瞬間に問答攻めしてくるコイツらは俺の舎弟だ、コイツらは俺と同様に元孤児で俺が路地裏を縄張りにしてた時に喧嘩売って来たからボコボコにしてやった、そんで俺の腕っ節に惚れたんだとか。俺はホモじゃねぇよ
「バカお前、兄貴が雑魚相手に玖頭龍を撃つかよ。」
「いや俺からすれば殆ど雑魚だよ、とりあえず早く試合終わらせたかったからやった、だが」
「だが?」
「相手に学習されちまったら負けてたかも知れねえな、奥の手もあるから勝てるには勝てるだろうがギリギリだったろうな。」
「やっぱそうなんすか?」
「種族体格が違い過ぎると力に差が出るからな、正直言ってあんな異形系とは二度とやりたくないね、俺の体が保たん。あ、そういやゲンはどうした?」
「あぁ、ゲンの奴はさっき兄貴に客が来てたからそいつらの接待に…」
そう噂してるとバカァァァンッ!と控え室の扉が開き、ボロボロになったゲンが飛び込んで来た。
「ゲン!何があった!」
「あ"…、兄貴"…逃げで下ざい…!」
「いい、何があったか教えろ」
「狐顔の男が…、灰崎 佐之助に"会わ"せろ"っていき"な"り…」
「おやおや、なんだか事態が大事になっていませんか?」
「テメェか…!ゲンをやったってのは…!」
長身痩躯の狐顔の男が開かれた扉から入ってきた、敵意は感じないがそこらの奴らに比べれば圧倒的に強い、戦闘態勢に入った俺に勘付いた男は喋り出した。
「おっと殺気を収めてください、流石の私でもあなた相手では勝てませんからねぇ…」
「何もんだテメェ…!」
「私、こういう者でございます。」
そういって男が差し出した名刺には対特殊災害隠密局『White/Fang』と書かれていた。
「政府の狗が何の用だよ?」
「私は貴方に用がありましてね、ご同行頂けるでしょうか?」
「断る、要件も言わねえ奴にノコノコとついてく馬鹿があるかよ」
「おっとそれもそうでしたね、貴方には新型兵器、『レギオン』のパートナーとなって頂きます。」
レギオン…、確か妖に拘束具を装着させ生体兵器として使役する政府の新たな武器か、何で俺が?いや、そもそもメリットはあるのか?
「無理だ、俺はここの連中を養わなきゃならねえ、悪いが交渉は決裂させてもらう。」
「こんな燻ったアングラな格技場よりも、うちに来て忍として闇を葬った方が養うには丁度良いと思いますが…、報酬はこの位で宜しいでしょうか?」
男はタブレット端末に金額を表示する、俺はその金額を見て絶句してしまった、こんな額があれば皆を養うのは容易になるだろう。
「保証は?」
「貴方の働き次第です」
「兄貴…、マジで言ってるんですかい?」
「悪いな、ゴロー…俺の次に腕が立つのはお前だ、コイツらを頼んだぞ」
「契約成立…と見て宜しいでしょう?」
「あぁ、契約成立だ」
「では参りましょうか」
俺と男は扉を出てどこかへ向かう、どこに向かっているかは分からないが、この男は何か感情を読ませない薄気味悪さがあった。
「そうだ佐之助さん」
「あ?」
「『鴉』気を付けて下さいね…、愛する者を護りたいなら『狼』の元で働くのが一番効率的です、佐之助さん専用にチューンしておいたレギオンを用意させております。是非とも研究所までご同行お願いします。」
鴉…鴉?なぜ鴉の名前がここで出てくる?鴉とは恐らくレイヴンの事だろう、だがそこまで危険な組織では無かったはずだ、寧ろ俺達に金を送ってくれた共生関係にあった筈…
「レイヴンと何かあったのか?」
「いいえ?何も…」
「ホント気味悪いな、アンタ」






〜天逆鉾〜
「ゴロー、どうすんだよ…」
「ジン、お前はゲンの手当てをしてやってくれ、タケルはオヤジにこの事を伝えて来い。ただし無駄に盛るなよ?ありのままの事を伝えてやるだけで良い、オヤジの事だから許してはくれるだろう。」
「わかった、行ってくる。」
「頼んだ」
「カ"…!」
「ゲン!?どうした!どこか痛むか!?」
「ガ…カ"ラス"か"…」
「鴉!?鴉がどうした!?」
嫌な予感がする、良い予感は当たらないのに嫌な予感は滅法当たる、世の中は理不尽で、そういう風に出来ている。
「カ"ラス"は…、『レイ"ウ"ン』は…、俺達を"殺す"気た"…!タケル"の奴を"…、早く呼ひ"戻して"くれ"…!」




俺は走る兄貴に頼まれたから、俺は兄貴達の伝達役だ、この位出来なくてどうする…
「オヤジ!」
目の前に目当ての人物がいた、俺はオヤジにありのままに起こった事を話そうとしたが…
「聞いてくださいオヤジ…、オヤジ…?」
返事がない、まるで尸のように、いまになって分かった、オヤジはもう死んでるのだ。よく見たら床に臓物がブチまけられてたし、ホログラムの顔が写っている刀を背負った男が、オヤジの顔を乱雑に掴んでいた。
「お、なんだお前コイツの知り合いか?ならよ灰崎 佐之助って男をしらねぇか?」
「(コイツ、佐之の兄貴を狙ってる…?)佐之助?さぁ、そんな人しらね…」
瞬間、俺の体は組み伏せられた。一瞬だ、だがその一瞬の間に男は数mあった間合いを詰め俺を組み伏せたのだ、俺は体術には自信があったがこの状況が今ひとつ理解出来なかった。
「!?」
「おいおい、嘘は良くねぇよなぁ…!俺は嘘が嫌いなんだよ…、なぁ、ホントの事教えてくれよ、灰崎 佐之助はどこにいる?」
「お、教えねぇ…!お前らには、ぜってぇ!」
俺は男を振り払い走る、全力で、だがその逃走も虚しく俺の体から力が抜ける、まるで気が抜けた様に。
「一体何が…!?うわぁぁぁぁぁ!」
俺の下半身が消し飛んでいた、焼く様な痛みが全身を襲う、そして下半身は雷に撃たれたかの様に真っ黒に焼け焦げていた。
「はぁっ…、はぁっ…くそぉ!」
「お、逃げるのか?頑張れ頑張れ、はいあんよが上手、あんよが上手!」
俺は残った上半身を使って必死に這いずる、兄貴に伝えなければ、その抵抗も虚しく男が背負った刀を抜く音が聞こえる。
「兄貴逃げて下さい!この男は…レイヴンは俺達を…!」
ザクリ、そう音がして俺の首は落ちた。
「良くねぇよなぁ、チクリはよぉ」






「ここです」
「ここか」
俺は研究所に来ていた、どうやらここが連中の新兵器『レギオン』の研究所らしい、俺は狐顔の男からキューブを渡された。
「これは?」
「貴方の式神のコア…即ち心臓です、それを放り投げてみて下さい、貴方専用と言われるのも納得の個体が現れますよ。」
そう促され俺はコアを投げる、するとコアから大量のポリゴンと思われる物質が放出され、下半身のない鎧の様な上半身と片腕だけで全身と同等か少し劣る大きさの腕を持った機械とも生物ともとれる物体が浮遊していた。
「コイツが…、俺の…!」
「ね?佐之助さん専用と言われても納得が行くでしょう?」
確かに納得はいく、ここまでの個体では相当な力もあるだろうから俺でなければ引きずられるだろう、確かに俺専用だなと思い振り向いた瞬間に伝令が届いた。
「伝令です!灰崎 佐之助殿はおりますか!?」
「俺が佐之助だ、何か用か?」
何だろう、嫌な予感がする。悪い予想は滅法当たるのだ、しかもこんな場所では余計に
「レイヴンのリーダーを名乗る男から、『明日の夜天逆鉾に来い、話をしよう』との事です。」
最悪だ、俺の判断で皆を危険に晒したのだ。いや下手すればもう死者が何人か出てるのかもしれない、俺は明日の夜に天逆鉾へ行くだろう、『惡・即・滅』を心に誓い…
















次回White/Fang代陸節
「六根罪瘴燃ゆるが如し」
次回佐之助メイン回最終回、ここから玖を喪い壱を得た少女と修羅か羅刹かの世を生きた少年の物語がリンクしていく。

Re: White/Fang(過激グロ注意) ( No.8 )
日時: 2019/11/09 08:22
名前: 祝福の仮面屋 (ID: jo2UR50i)

White/Fang代陸節
「六根罪瘴燃ゆるが如し」







「くそッ!俺があん時残っていれば…!」
俺はバイクを飛ばす、貸して貰った奴だがWhite/Fangの隊員用にカスタマイズしてあるらしく、スピードも馬力も十分だ。
「何でレイヴンが今更…!」
「(考えられる可能性は二つ、一つは『俺達を殺す為に資金援助をしてきた』いや、そんな無策をやらかす程アホじゃねぇ…二つ目は『レイヴンに知られちゃいけない情報を知っちまった』これは大いにあり得る、そうとも来なけりゃ奴らが血なまこになって俺を探す辻褄が合わねえ)」
そう思っているうちに地下トンネルを抜ける、今は夕方だが旧赤レンガ倉庫に着く頃には夜になっているだろう、野郎…レイヴンは何を考えてやがる…!
「止まりなよ」
不意に声を掛けられる、俺は一瞬だけ硬直したがすぐにバイクを止めた。
「誰だ、お前」
声の主に名を名乗る様に聞く、すると黒髪の少年と白髪の少女は気味が悪い程にピッタリと笑い、名を名乗った。
「俺はクロト」
「私はハクト『レイヴン』専属の殺し屋、デス・ブラザーズサ!」
「……」
俺は有無を介さず臨戦態勢に入る
「それはいけない、ここは鎌倉」
「厄災の地だヨ?ここで暴れたら妖がみんな起きちゃう、横浜に着くのはそう遅くないヨ?」
「チッ」
「良い子だ、歩いて行こう」
「裏道があるからネ、そっちを通ろウ」
双子に為すがまま成されるがままについて行く、確かにここで戦うメリットはない、寧ろ眠っていた妖を起こし乱戦になるデメリットしかないのだ。
「(何だ…?この妙な既視感…、俺は、あの双子と会った事がある…?)」
「着いたよ」
「さぁさぁ、我らがリーダー『カンヘル』のお待ちかねダ」
俺の眼前にいた男、そいつに人の顔は無かった。いや、ここの住民じゃねぇ以上人間には変わらねえんだが奴には顔に似たホログラム映像が張り付いていた。
「アンタがリーダーか」
「あぁそうだな、お前が灰崎 佐之助であってるか?」
「あぁ、アンタがお探しの男が俺だ」
「ねぇカンヘル、私あの子好みかも」
女が艶っぽくも透き通った声で俺を好みだと言ってきた、正直ビビった
「あ、そうだ…この子返すね?」
俺の目の前に死体が投げられた、ドシャッと音を立てて眼前に滑り込んで来た死体は、俺の見知った人物だった。
「ゴロー!」
「そうそうゴローちゃんね?いつまで経っても貴方の居場所教えてくれないからぁ…ちょっとだけ遊んじゃった♪」
そう言った女は頬杖をつきながら笑う、女の手…いや、指にはゴローの物と思われる血がべっとりと付着していた。
「悪いな、カミラは少々サディストの気があってよ、ちょっと機嫌損ねるとすぐ拷問に走っちまう。」
「ちょっとカンヘルゥ、あたしそんな野蛮じゃないじゃない」
カミラと呼ばれた女は頬を膨らませる
「んなこたぁどうでもいい、要件を言え」
「おぉそうだったな、悪い悪い人と話すのは大好きでよぉ、こんなゲームはどうだ?」
「ゲーム?」
「あぁ、俺とお前が戦闘不能になるまで殺し合う単純なゲーム、天逆鉾の地下格と同じようなもんさ。だが、お前には少々ハンデを背負って貰うぜ?」
そうカンヘルが言うと三下が磔にされた少女を連れて来た、その少女は…
「ミズハ!」
「さ、佐之…?」
「テメェ…どう言うつもりだァ!」
「ッハハハハハッ!お前の知り合い!?なら益々丁度いいじゃねぇか!何のつもりかって?そのまんまだよ、俺とお前が戦って1分が経過する毎にあの女の指を切り落とす。」
最悪だ、俺が生きる為に親友すらも人質にしてしまうとは
「まぁいいや…!とっとと始めようゼェ!」
男…カンヘルが刀を手に一足飛びで間合いを詰めてくる、単調かつ単純、居合いで勝負を決める気か。だったら!
「オラァッ!」
「甘え!」
カンヘルが刀を抜き放った瞬間に回し蹴りを叩き込む、両者は弾かれ、構えを取る。
「ハッハァ!やるなぁアンタ!」
「テメェもよくやる」
俺は群ッと身を屈め前傾姿勢で突っ走る、相手は無論ストレートを撃ってくるが想定内、俺は相手のストレートをいなし圖怒音ッ!と強烈なブローをお見舞いしてやった。
「クッ…!」
カンヘルの顔が苦悶に歪む、だがしかし、その隙をみすみす見逃す拳豪ではない!
「まだまだァァァァァ!」
我流拳術奥義『玖頭龍』
上下左右斜からの玖乱撃を叩き込む!
「本当に…連打好きだな…!」
「おおおおおおおおおッ!」
肘、次に打ち下ろし、その次にフック、打はリバーブロー、アッパー、その逆を次々と叩き込む乱打はついにカンヘルに膝を突かせたのだが…
「はい1ぷーん、行きまーす♪」
ザクリ
「ーーー!ぎゃああああああああああ!」
「あらぁ、可愛い声ねぇ♪その苦悶に満ちた声をアタシに…も〜っと聞かせてちょうだい!」
「………っ!」
「余所見は良くねぇなぁ!」
怒牙鉈亜亜亜亜亜庵ッ!と雷にでも撃たれたかの様な激痛が走る、どうやらカンヘルの蹴りがもろに入ったらしい
「げぇ…っあ…」
俺は胃の中身を吐いた、ミズハが死んでしまう、なら俺が降参すれば指一本だけで済むんじゃないか?いや、奴らが開放してくれる訳がない、じゃあどうすれば良い?そんな事を考えている内に時間は刻々と過ぎ…
「2分経過〜♪」
ザクリ
「あぁあああぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ッ!」
また一本、落とされていく、俺のせいで、俺が決着を付けないから
『鴉や妖を狩る際にはレギオンの使用を許可します、まぁレギオンは色々使う機会が多いので使用権は貴方にありますけどね。』
そうだ、これは鴉狩りじゃないか、何をしようが、許される…!
「力を貸せよ…!相棒!」
俺はキューブを投げた
「また下らねえ手品を…おわぁ!?」
カンヘルが吹き飛ぶ、その下半身のない巨腕の魔人はカンヘルの腕を掴み、ゴキリと嫌な音を響かせ強引にへし折った。
「ぐああああああああああああッ!」
「相棒…そのまま抑えてろ…!」
俺は自身の式神…レギオンに命令をする、するとレギオンは命令に従いカンヘルの両腕を片手に掴んだ。
「ちと情けねぇが、あばよ…この勝負は俺の勝ちだ…!」
我流拳術奥の手『龍桜』
全身全霊の力を込めた浸透頸を撃ち込みカンヘルの頭蓋を粉砕しようとした瞬間…!
ゴッ!と周囲が重くなった
「駄目でしょ〜?カンヘルゥ、そんな所で死んじゃ♪」
カミラの横にはズタズタにされたミズハが…それを見せた時点で俺の戦意を喪うには十分で…
「チッ!」
レギオンの拘束が弱まったと同時にカンヘルは脱出、カミラの元へ一足飛びで行った。
「楽しかったぜ…いてて…」
俺には…、痛がりながらも笑い歩くカンヘルの姿も、崩れ去って行くレギオンの姿も見えなくて…俺は失意のままにリングへ倒れ込んだ。
「おいおい、君はこんな所で終わるタマじゃないだろう?私と来たまえ、害鳥を駆除しようじゃないか、君の惡・即・滅は達成されていないだろう?」
突然現れた男が引き連れていた黒服達に連れて行かれながら…












次回White/Fang代漆節
「少年少女前を向け」
一ノ瀬小隊のメンバーも本格参戦、彼らの物語を乞うご期待下さい、ではまたどこかで
フォッフォッフォッ…

Re: White/Fang(過激グロ注意) ( No.10 )
日時: 2019/11/09 18:22
名前: 祝福の仮面屋 (ID: jo2UR50i)

White/Fang代漆節
「少年少女前を向け」



「死ぃぃぃぃぃねぇぇぇぇぇ!」
私は何やら物騒な事を叫びながら走って来た目の前の少女から踵落としを繰り出される、ビュゴッ!と強烈な音を撒き散らしながら脳天に落とされる鉄槌をすんでのところで止める。
「なっ!」
「またそれかい?いい加減に君は不意打ちじゃ私を殺せない事を悩んだ方がいい、君も勝てない相手に挑み続けるのは苦だろう?」
私…一ノ瀬 燈矢は彼女の脚を掴みながらじゃっかんドヤ顔で話しかけてやる、滅茶苦茶ウザいとかおもわれてるんだろうなぁ…
「あ、それとね」
冴ッ!と彼女の背中に衝撃が入れる
「上官は無闇に蹴るもんじゃない、これを覚えておきなさい。」
「カッ…ハッ…」
簡単に言えば背中に膝蹴りを食くれてやった、彼女は鈍い痛みと共に床へ崩れ落ちる。
「相変わらず容赦ねぇなアンタは」
「おや、佐之助くんもやるかい?」
「遠慮しとくよ、まず俺じゃアンタに勝てない事くらい分かる。」
はぁ…、実力を弁えられるのに彼女は懲りずに何度もかかって来るのだろう、合理性に欠ける行為は嫌いじゃなかったのかな?
「私はもう行こう、これから部隊間での会議があるからね」
「なんだ、あいつの事はもういいのか?」
「別にその内起きてまた突っかかって来るよ、心配ないさ」
「そうかよ、気をつけてな」
私は彼…灰崎 佐之助くんに一言告げてこの場を後にする、正直会議後に突っかかって来られると面倒くさいんだよなぁ…、とか思いながら後にする



「はて、何故私の部隊は彼女といい彼といい問題児が押し付けられるんだろうか」
「俺達一ノ瀬小隊が一番それに適してるからでしょう、彼女も…まぁ、問題児と言えば問題児か…」
私の隊の副隊長である鹿島 新くんが苦笑いと共に説明じみた事を言ってくれる、彼とは長い付き合いだから上からもの言う事しか脳のない無能な上官共に比べたら相当信用出来る。
「ちょっと新ァ!その問題児って私の事!?」
「新人達とお前以外に誰がいる」
「良い度胸してるじゃない!」
「おっと?先輩に対しての口の利き方がなってないみたいだな、躾けてやろうか?」
「やってみなさいな優男」
「まぁまぁ二人共、そろそろ会議室着くよ」
私はそうやって一色即発だった二人をなだめながら会議室に入る、ここには私達一ノ瀬小隊以外にも二伊、三島、四堂、五河、そして我々White/Fangを収める『東家』の面々が揃っている、私は特に何も考えず扉を開く。
「失礼します」
「遅いぞ一ノ瀬!一分一秒の遅れが皆に迷惑を掛けると何度言えば分かる!」
入室早々物凄い剣幕で迫って来たのは三島小隊隊長、三島 朝霞。かなり几帳面で一分一秒の遅れも許さない鬼隊長だ、しかも見た目は二十代に見えるだろうが彼女はなんと40代なのである、化粧とかそんなチャチなものではない、本当の摩訶不思議だ。
「まぁまぁ三島、どうせあの新入りの相手してたんだろうぜ」
フォローを入れてくれたのは二伊小隊隊長の二伊 冷次、私と二伊は訓練生時代からの仲でそれなりに関係は良好…だと思う。
「だが俺達は五つの首都を守る番人だ、30秒ならまだしも五分は致命的な遅刻やも知れん」
三島の意見に賛同しながらも二伊の意見にも賛同する彼は四堂小隊隊長である四堂 叡山、頭脳担当として活動する事が多く、隠密任務を主に請け負っている。
「………」
そしてこの少女は五河小隊隊長でありながらWhite/Fangの隊長の中で最年少の五河 日鞠、無口で基本的に…というか全くと言っても差し支えない程に喋らない。
「お前ら御託は後にしろ、まずは会議が優先事項だ」
一括し私達を黙らせたのは東家の現当主…東 総二郎、White/Fang総司令官を務める男で一代を持ってこの天津巫國を強国にした英傑でもある。
「して、今回の議題だが…」
「会議っつっても何を話すんだ?まさか三島の年齢に反して若過ぎる外見の裏が遂に!?」
「お前マジで殺すぞ?」
「まぁ落ち着け二人共…そんで一ノ瀬、お前は前々から式神…まぁレギオンにかんして色々危険視してたよな?その事についてか?」
四堂が本題の本質を聞いてくる、大体当たってるのが余計怖い
「まぁ厳密に言えばね、四堂の言う通り私はレギオンに関する新たな情報を知りました」
「ほう、例えば?」
「はい、レギオンは一個体ごとに一つの性格があります」
「性格か…と言ってもレギオンの性格が私達と何の関係がある?」
「ところが三島、結構あるんだよ関係は」
「成る程な…レギオンの性格が凶暴で扱い難い奴程強力なパワーを発揮し、逆に性格に難が無く扱い易い奴程思った戦術が取れる分面倒になる…って事か」
「そう言う事、てか良く分かったね」
本当に何で四堂は本質が分かるんだろう、本当に怖いわ
「性格にクセがあるもの程強力な分暴走のリスクが高いと言うことか…」
「まぁそういう事です、私達一ノ瀬小隊に問題児が多い理由も知りたいですし、天童司令」
「何だ?」
「後でよろしいでしょうか」
「……構わん、議会は終わりだ、解散!」
「隊長、俺達は…」
「いや、君達も戻っていいよ。これからは私達の話だからね」
「…分かりました、失礼します」






「良かったのか?」
「えぇ、彼等に…新入り達に関しての話ですので、隊長である私と司令だけの方が話し易いでしょうから」
私は聞く、何故私の隊に彼等が配属されたのか、彼等は何故、レギオンの適正があったのかを、何故…『レイヴン』が今になって活性化したのかを…












「ふぅ…」
「あっ、帰って来た!」
「隊長、お疲れ様です」
「うっす」
「アタシと勝負しろぉぉぉぉぉ!」
「まったく…良いだろう、全力で来なさい!」
私は皆と…この部隊で過ごせれば、何が起ころうが関係なく過ごせる気がする、一ノ瀬小隊の皆なら…!











次回White/Fang代捌節
「眩む炎天下に希望論だって」
壁外遠征編、始まる

Re: White/Fang(過激グロ注意) ( No.11 )
日時: 2019/11/09 20:41
名前: 祝福の仮面屋 (ID: jo2UR50i)

White/Fang代捌節
「眩む炎天下に希望論だって」




「はいみんな注目ー」
私は一ノ瀬小隊の皆にこちらを見るように促す、公開の任務内容を伝える為だ。
「今回の任務内容なんだけど、壁外遠征に行く事になった。」
「壁外…遠征…?」
佐之助くんが頭を傾げる、まぁ元々壁外出身の彼からすれば何故ゆえ壁内の人間が、わざわざ壁の外へ出る必要があるのかとでも言いたいのだろう。
「佐之、俺達が壁外遠征に行く理由は壁外にも横浜の様な人間のいる集落を探す為でもある、それに新たな生息域を拡大する為にもな。」
「成る程、それで?」
鹿島くんが説明してくれる、彼は本当に頼りになるね
「えっと…、壁外遠征に行くのは私達一ノ瀬小隊だけなのでしょうか?」
「いいや、今回は隠密行動のスペシャリスト、四堂小隊の皆さんにも協力してもらう。」
「俺達四堂小隊は、主に隠密任務が主だしお前ら一ノ瀬小隊より経験とノウハウがある、おそらく室内への侵入も想定されるから分からない事があったら聞いてくれ」
「言っても分かるかどうかだけどね〜」
「少し黙っていろ、啓示」
四堂小隊の隊長…叡山が隊員に睨みを効かせ黙らせる、彼…強面だから睨むと怖いんだよね
「アタシはどうでも良い、何があっても合理的に対処するだけだし」
「心強いな、一ノ瀬の新人、お前はレギオンの使用許可は降りているのか?」
「まだ」
「おい一ノ瀬、お前まだ許可してやらなかったのか…?」
だってほぼ忘れてたんだもん、レギオンなんて与えたら何しでかすか分かったもんじゃないんだもん、この子なら尚更だもん
「まぁ…うん、とりあえず簡単な操作を教えて本格的な戦闘は実戦で、あと専用装備も渡しておくから」
「分かった」
本当にこの子は変わったな…、あの日以来この子は本当に人が変わってしまったかの様だ。
「よし、そろそろ解散でいいかな?」
「必要最低限の事は言ったから良いだろ」
「よし、それじゃあ解散!」
私の声をきっかけに四堂、一ノ瀬小隊のメンバーは解散してそれぞれの隊と交流を始める、親睦を深めるのは大事だよね
「一ノ瀬、ちょっと話がある。少しだけ良いか?」
「うん?別に構わないけど…」
「そうか、助かる」
四堂から話掛けてくるなんて珍しいな…と思いながら私と四堂は小会議室を後にする、用心深い四堂の事だから隊長同士での入念な作戦会議かと思ったが、話題は予想外のものだった。
「で、話って?」
「俺が気になったのはお前の所の新入り二人が何故レギオンに適性があったのかって話だ」
なんと、話題は彼にしては珍しく他の隊の隊員の事に関してだった、基本彼は自分の隊の隊員の話はしないし他の隊の隊員に興味を示すそぶりも見せなかったから本当にめずらしいよ。
「さぁ、それに関しては私も知らなくてね」
「そうか…いや、何故適性があったとか詮索するものではないな」
「悪いね、力になれなくて…」
「なに問題ない、寧ろらしくない事をした俺を怪しんだりするか?」
うん、確かに怪しい、怪し過ぎて一周回って怪しくない位に怪しい。
「時に一ノ瀬」
「うん?」
「良い焼肉屋を見つけたんだ、今夜…一緒にどうだ?」
「…喜んでお供するよ」
この後めちゃくちゃ焼肉した












「さて、今回は初めて導入された壁外遠征だ!我々一ノ瀬、四堂混合大隊が著しい戦果を手にし、他部隊の、White/Fangの士気をより一層向上させるぞ!」
「「「うおおおおおおおおおおお!」」」
四堂の一喝と共に声援が上がる、ホント彼はこういうの上手いから凄いよね
「さて、では俺と同様に今作戦の指揮官を一任されている一ノ瀬小隊隊長、一ノ瀬 燈矢殿からも激励を貰え!」
マジかよ私に振るか、めっちゃキラキラした目で見てくんじゃん、めっちゃ言う事に期待してんじゃん
「あ〜ゴホン、我々が成すべき事は三つだ、一つ、我々はどの様な困難が訪れようが決して怯えるな、國の命は我々に掛かっていると思え。二つ、先程四堂 叡山殿も言っていた様に我々は多大なる戦果を持ち帰り、今後の発展に貢献する義務がある。そして三つ、我々は失敗して帰るのでも生きて帰るのでもない、我々は、勝って帰るのだ!この事を肝に命じておけ!」
我ながら上手い事言えたと思う、さてみんなの反応は…
「……………」
めっちゃ静かじゃん、やっぱ回りくどかったか…!?
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」
…と思っていたのだが声援がさっきより凄くなった、よし、士気は高い状態だ。
「開門開始!進めェェェェェェェ!」
特殊装甲車両が前進する、今回は初めてと言うのもあって検証段階だ、拠点を置いて一週間遠征する。補給班20人、衛生班10人、防衛班15人、…そして私達殲滅班10人の計55人は壁外を目指す、我々を喰らう捕食者がいる事も知らずに…












次回White/Fang代玖節
「君死ニタモウ事ナカレ」
壁外遠征編と言う名の隊長メイン回

Re: White/Fang(過激グロ注意) ( No.12 )
日時: 2019/11/10 08:05
名前: 祝福の仮面屋 (ID: jo2UR50i)

White/Fang代玖節
「君死ニタモウ事ナカレ」






〜廃墟 『Thunder・Volt』〜



「…着いたか」
「その様だね」
私達壁外遠征混合大隊代壱陣は東京…まぁ天津巫國壁外から旧埼玉県付近まで来ていた、廃墟『Thunder・Volt』…かつて地盤沈下により現れた巨大な磁鉄鉱が、中の今なお稼働しているリアクターに反応して特殊な電波が発生している国家公認代壱立入禁止区域だ、私達の着ているデルタスーツはこう言った有害物質を悉くシャットアウトする性能なんだとか。
「ここがThunder・Volt…」
「数年前と随分様変わりしましたね」
「あぁ、ここはかなり酷いな…」
私や四堂の様な隊長格ですら、この世に生を受けたのはあの大災害の後だ、当時に比べるとまだマシな状況なんだろうが惨状には変わりはないだろう。
「四堂、ここに拠点を構えるかい?」
「そうだな…ここより先に進んでも良い場所は見つからんだろう、よし、ここに拠点を構えるぞ!」
「(…全く、用心深い癖に決断は早いんだから憎めないよねぇ君は)」
声を聞いた防衛班が拠点設営の準備を始める、少人数(と言っても遠征隊で2番目に班員が多いが)でありながら着々と、それであり次々と拠点が設営されて行く、流石はWhite/Fangで訓練された部隊だなと思う。
「よし、僕達も手伝いをしようか、佐之くん、君は設営を手伝ってくれるかい?」
「了解」
「赤城ちゃんは武器の搬入」
「はいはい」
「新くんは補給班の所へ」
「分かりました」
「三葉ちゃんは衛生班の手伝いを」
「はい!」
私は部下達に命令を下す、すると四堂から声を掛けられた。
「なんだい?」
「お前中々良い演説だったじゃないか、結構ビクつくもんかと思ってたが結構ノリノリでやってたな」
「その話はよしてくれよ…」
どうやら彼は私の演説を高く買ってくれたらしい、正直三つも言う事無かったよな…と思うが良かったのなら良かったのだろう、そう思っていると防衛班班長から拠点設営完了の報せが来た。
「一ノ瀬隊長、四堂殿!拠点設営完了いたしました!」
「ん、ご苦労様」
「よくやった、後で褒美をやろう」
おいおい四堂、いつの時代の将軍だいそれは?
「いえ、本官は結構です、寧ろ一ノ瀬小隊の佐之助という男に…」
「あ〜、佐之くん変な事しちゃった?」
「いえとんでもない!彼のお陰で作業がとても捗りましたよ!」
どうやら佐之くんはかなり活躍したらしい、後でご褒美あげないと。
「夜か…」
「夜だね…、そろそろ夕食と行こうか?本格的な遠征は明日からにしよう。」
「そうだな…、よしお前ら!飯だ!」
「やっと終わった〜」
「飯だ飯ィ!」
「く〜っ!疲れた〜!」
「それよりお風呂入って良いですか!?」
「お腹すいた〜!」
様々な声が聞こえる、食事を喜ぶ者、互いを労う者、風呂に入って良いか質問する者など、明日からは私達殲滅班程ではないがある程度の戦闘は出来る防衛班に拠点の防衛を任せ、衛生班と補給班から二人ずつ拝借して本格的な遠征を始める。
「カレーだ!」
「よっしゃあ!」
「美味しい!」
「あっつ!はふはふ…」
「あ!それアタシのコンソメスープ!」
「へっ、遅えのが悪いんだよ!」
佐之くんと赤城ちゃんは仲悪いのかな?明日に支障が出なければ良いけど…








もう深夜だ、食事と入浴を終えた各隊員及び班員達はぐっすりと寝ている、全身疲労だからしっかりと睡眠を取れば楽になるだろう。
「一ノ瀬、遂に明日だな」
「あぁ、明日から六日間はここで寝泊まりだ」
「今日含め七日だな」
「違いない…フハハッ」
「クカカカカッ」
私達は珍しく笑い合った、いつ以来だろう…大笑いとは行かずとも笑いが漏れるなんて。そして私達は結局寝て明日を迎えた。








〜翌日〜
「補給班並びに衛生班から二人ずつ付いて来い、今日から遠征開始だ!拠点の全権利は防衛班に任せる!」
「了解です!」
「成る可く独裁にならないようにね、僕達は午後になるまで帰って来れないから、頼んだよ」
そう告げて私達は装甲車両へ乗り込んだ、車両は悪路を駆け抜ける、巨大な廃墟を目指して…



「着いたな」
「よし、みんなここで降りよう一ノ瀬小隊は僕の所、四堂小隊の皆は四堂の所へ」
各隊の隊員達が隊長の元へ集まる、さぁ、遠征開始だ。
「武装!」
「完璧です」
「ライト!」
「問題ねぇ」
「よし!行くぞ!」
私達は廃墟へと足を踏み入れる、自ら捕食者の口の中へと入って行く様に…
〜『Thunder・Volt』内部〜
「ここがThunder・Volt…」
「元々はなんかの建設中の建物か?」
佐之くんはこういう時に鋭い事を言う、その通りここは元々戦後の保存工事中だったらしい、こんな大きい建物は維持費だけでも大変だろうにかつての日本はよくやったものだ。
「隊長!何か居ます!」
四堂小隊の隊員の一人が叫ぶ、妖だろうか、クラスは恐らくC-4、C-6以上ならこの建物が壊れるだろう。
「全体撃ち方用意!」
ジャカッ!と隊員達のカービンライフルが構えられる
「撃ち方始め!」
「撃てェェェ!」
四堂と副隊長と思しき人物が叫び、四堂小隊がカービンライフルを妖にぶっ放す、50m口径の弾丸は余す事なく放たれ妖に殺到する…
「な!?」
筈だったのだが、妖がゲル状に変化して攻撃を全てやり過ごしたのだ、まずい
「四堂!どうすれば良い!?」
「近接戦闘は俺達専用装備持ちがやる!お前らは後方支援だ!」
「了解!」
「三葉ちゃん!君もレギオンで後方支援だ!」
「了解!」
私達は腕輪を構える、すると腕輪の一部が変形し、レギオンのコアを囲んだリングが放たれ…人類の切り札、レギオンが姿を現した。
「よし!」
「行けェ!」
各々のレギオンを放つ、レギオンはパートナー毎の特徴に合わせたチューンが施されており、例えば
「うおおおおおっ!」
新くんが蛇の様なレギオンを大剣に変形させ大鎌との変則二刀流で妖の群れを一掃し、
「行くぜ、装身《アンペイル》ッ!」
佐之くんがレギオンを鎧の様に纏いボス格の妖と肉弾戦を始める。この様にレギオンにはレギオン毎に違う特殊能力を秘めている、佐之くんや新くんのレギオンは装身型と呼ばれている。
「じゃあ、行こうか!」
ダッ!と赤城ちゃんは壁を駆け抜ける、逆側を駆けるは両腕に双剣を装備したレギオン、私と赤城ちゃんの様にそれぞれ独立して行動するレギオンは独立型と区分されている。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
斬ッ!と妖を斬りつけるは彼女用に作られた専用装備「粒子加速式忍刀『ムラクモ』」、柄のトリガーを押す事で特殊粒子を刀身に纏わせ斬れ味を激増させる、忍術を得意とする彼女に合わせた装備だ。
「私も、見てるだけではだめだな…」
私もレギオンを放つ、私とレギオンが持つ得物は巨大な斧、私の専用装備「漆式大型変形斧『オシリス』」だ。斧とハルバードに変形する様に造られているこれは圧倒的な破壊力を誇る!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「伊藤!」
「チッ!頼んだ!」
四堂もレギオンを顕現させる、翼の生えた女性の様な肢体のそれは、ゲルに包まれた四堂小隊の隊員達を引きずり上げた。
「ナイスアシスト!」
三葉ちゃんが残りのゲルを撃つ、銃剣型の専用装備「狙撃式大型銃剣『アズサ』」はレールガンと摩擦操作技術を応用する事で長射程レールガンと言っても過言ではない、彼女のレギオンは両腕に弓を装備しており後方支援を得意とかする、彼女や四堂のレギオンは支援型と格付けされている。そうこうしている内に遂に親玉の妖の弱点が露出した。
「私に任せてくれ!」
私はレギオンに命令し、特殊行動を取らせる、独立型のレギオンは『干渉』と呼ばれる特殊能力を備えている、赤城ちゃんのレギオンはエネルギーの流れを切断、私のレギオンはエネルギーの塊を爆破する事が出来る!
「チェックメイトだ!」
圖怒尾尾音ッ!爆発音を鳴らし妖のコアが爆散する寸前に鹵獲される、鹵獲された妖のコアはレギオンの精製に使われるのだ。
「今回は、この位か?」
「そうだね、もう四時だし戻った方がいいだろう。」
私達の遠征は終わった、だが…あと四日間はこれが続く、まだ…現れない…












報告書
遭遇した妖「特殊型」
数 15
目立った収穫 なし
調査達成率 5%



次回White/Fang代拾節
「それでも私は戦いたい」
拾伍節位で新章突入と同時に新作出します


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