ダーク・ファンタジー小説
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- 【完結】ナイトメア・サバイバル / Epilogue更新!!
- 日時: 2012/05/06 17:22
- 名前: Kuruha ◆qDCEemq7BQ (ID: 2QWuZ1bi)
ようこそ、夢の世界へ!
覚悟はいいかい?
では、“殺し合い”を始めようか——
はい、始めましてっ
Kuruha(クルハ)と言います
まだまだ素人なんですが、素人なりに(途中放棄しないよう)頑張ります!(笑)
※注意!※
・人死にがダメならブラウザバック!
・荒らしたいならブラウザバック!
・荒らしをスルーできないならブラウザバック!
・感想がこないと作者が死にます
・最近はほとんど休日更新です。
*☆*:;;;:*☆* CharachteR *☆*:;;;:*☆*
秋笠 藍 / アキガサ アイ ♂
2年B組 称号 ≪不殺主義≫
我妻 叶葉 / アヅマ カナハ ♀
2年B組 称号 ≪美麗悪魔≫
綿原 言音 / ワタハラ コトネ ♀
1年D組 称号 ≪恋愛疾患≫
藤貴 杁夜 / トウタカ イリヤ ♂
3年C組 称号 ≪狂楽者≫
*☆*:;;;:*☆* StorieS *☆*:;;;:*☆*
Prologue1『はじまりのはじまり -StarT-』 >>01
*Episode1 『睡眠不足 -Lack of sleeP-』 >>02
*Episode2 『興味 -InteresT-』 >>03
*Episode3 『悪夢 -NightmarE-』 >>04
*Episode4 『術 -RulE-』 >>05
*Episode5 『死亡 -Game oveR-』 >>13
*Episode6 『他殺願望 -Be killeD-』 >>14
*Episode7 『防衛本能 -Defense instincT-』 >>15
*Episode8 『屋上 -RooftoP-』 >>19
*Episode9 『提案 -IdeA-』 >>24
*Episode10 『同盟 -CooperatioN-』 >>25
*Episode11 『仮想恋人 -Fake loverS-』 >>26
*Episode12 『狂 -CrazY-』 >>29
*Episode13 『図書室 -LibrarY-』 >>35
*Episode14 『発見 -DiscoverY-』 >>36
*Episode15 『あい -Deep bluE-』 >>37
*Episode16 『過去 -Ai&kotonE-』 >>38
*Episode17 『あい -LovE-』 >>39
*Episode18 『過去 -KanahA-』 >>42
*Episode19 『戦闘 -First fighT-』 >>43
*Episode20 『もう一回 -Second fighT-』 >>48
*Episode21 『怨み -GrudgE-』 >>53
*Episode22 『盾 -ShielD-』 >>56
Prologue2『おわりのはじまり -Re:starT-』 >>60
*Episode23 『神 -GoD-』 >>63
*Episode24 『邂逅 -EncounteR-』 >>64
*Episode25 『過去 -IriyA-』 >>67
*Episode26 『鬼ごっこ -TaG-』 >>68
*Episode27 『東郷 -KilleR-』 >>69
*Episode28 『終焉 -LasT-』 >>72
*Episode29 『夢 -DreaM-』 >>73
Epilogue『おわりのおわり -True enD-』 >>76
*☆*:;;;:*☆* VisitoR *☆*:;;;:*☆*
*ひいらぎ ゆあ様
*たらこマヨ様
*チェス様
*ガリュ様
- Re: ナイトメア・サバイバル / Episode16更新!! ( No.39 )
- 日時: 2012/04/27 22:51
- 名前: Kuruha ◆qDCEemq7BQ (ID: 2QWuZ1bi)
Episode17 『あい -LovE-』
9月12日(水)12:42/綿原 言音
言い終えた後、そっと藍くんから離れる。すると、藍くんの顔色が明らかにおかしくなっていた。
驚愕と、恐怖と、不安と、そんな複雑な表情で頭を抱える藍くん。
「あ、あぁ……。あぁああぁああ……」
きっと、全てを思い出しているのだろう。あの事件のことを。あんなの、忘れてた方がいいのに。でも、あれはあたしたちの大切な出会いだから。
「…………。……言音、ちゃん?」
恐る恐る、といった風に聞いてくる藍くん。あたしはそれに、「うん」と短く答えた。
9月12日(水)12:42/秋笠 藍
思い出した。あの時の事。 それと、彼女のことを。
どうして、忘れていたのだろうか。どうして、この娘のことを、知らないなんて。
「…………。……言音、ちゃん?」
一ヶ月程度一緒に軟禁されていた、懐かしいその名前を、久しぶりに呼んだ。
「うん」
笑顔を浮かべながら、言音ちゃんは答えた。確かに、この声はあの時のあの娘の声だった。
「思い出してくれた? 警察があたしたちを見つけてくれる直前に、藍くんが言ってくれたこと」
俺が……。いっそ死んだ方がマシだとさえ思ったあの最後の日に、俺が言ったこと……。
『“生きて帰れたら、どこかへデートにでも行こうね”』
——そうだ。あの時俺は、確かにそんなことを。
「あの時って、どういうこと?」
隣にいる叶葉が、割り込むようにして聞いてきた。
俺はそれに、簡単な説明をして答える。
「……東郷?」
何故だか叶葉は、あいつの名前に強く反応していた。そして、腕を組んで、目を瞑って考え事をし始めた。
「ねえ、藍くん。あの時言ってくれたことは、嘘じゃないよね? 好きだって、ちゃんと言ってくれたもんね」
言った。の、だと思う。俺の記憶は確かにあの頃はこの娘が好きだったのだと教えてくれた。しかし、今と昔は違う。
俺は正直に、今思っていることを打ち明けた。昔は確かにそうだったが、今はそうじゃないと。
言音ちゃんも、少し思いをめぐらせるような仕草をしてから、ハキハキとした声で、
「そう……、わかった。じゃあ藍くん。——あたしを殺してくれないかな?」
と言った。
9月12日(水)12:45/綿原 言音
藍くんに彼女がいた。許せない。でも殺せなかった。
なんで?
——藍くんが庇ったから。
そりゃあ、5年も経てば心変わりもあるだろうけど……。
ああムカつく。殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい。
でもそれだと藍くんが悲しむんだろうなぁ……。それは嫌だなぁ。優しい藍くんなら、ここがいくら夢とはいえ、絶対泣いちゃうくらいにはショック受けちゃうよね。
仕方ないから、あたしは最初の目標だけ果たそうかなぁ。
藍くんが庇うんだから、信用してもいい、かな。裏切ってたら現実で殺すけどね。
とりあえずは、あたしを殺してもらおーっと。
- Re: ナイトメア・サバイバル / Episode17更新!! ( No.40 )
- 日時: 2012/04/28 14:16
- 名前: ひいらぎ ゆあ (ID: N8fbfYCs)
すーごーいー。
言音ちゃん、なんかすごいなぁ。
- Re: ナイトメア・サバイバル / Episode17更新!! ( No.41 )
- 日時: 2012/04/28 15:37
- 名前: Kuruha ◆qDCEemq7BQ (ID: 2QWuZ1bi)
>>ひいらぎ ゆあ様
どんどんヤンデレなのかわからなくなってきたんですけどね(笑)
- Re: ナイトメア・サバイバル / Episode17更新!! ( No.42 )
- 日時: 2012/04/28 15:38
- 名前: Kuruha ◆qDCEemq7BQ (ID: 2QWuZ1bi)
Episode18 『過去 -KanahA-』
9月12日(水)12:44/我妻 叶葉
久しぶりに聞いた、あいつの名前。本当に忌まわしい。
でもまさか、あの二人もあいつの被害者だったなんて……。
2010年12月26日(日)10:37/我妻 叶葉
「昨日、仁平侑馬さんが、亡くなりました」
玄関の向こうで、背広を着た大人が何かを言っていた。私はただただ、沈黙をもってそれを迎える。
頭の中が、一気にさめていく感覚に襲われ、何も考えられない。
——死んだ? 侑馬が?
「あなたは、仁平さんと付き合っていたそうですが、少しお話を伺えますか?」
侑馬は、昨日私と別れた後、帰り道で殺されたらしい。路上で倒れていたそうだ。
それを最初に見つけたのは、同じ学校の後輩だった。警察はその第一発見者が、犯人だと踏んでいるらしい。「俺はやってない」の一点張りであるそうだが。
「うそ……、そんな……。侑馬っ、う……、あぁぁああぁあぁあ……」
ソファに寝転がり、涙を流すだけの冬休み。クリスマスの楽しい思い出と、その後の悲しい出来事。受験生だというのに、勉強なんてまったく身に入らなかった。
その後、第一発見者であるところの少年は釈放された。証拠不在な上、DNA鑑定の結果などから、犯人ではないとされたらしい。
でも私は、その人が犯人ではないことを知っていた。だって、私はすでに真犯人と接触していたのだから。
その真犯人というべき奴が、東郷だった。
大晦日の日。あいつは現場にはなかったという侑馬のケータイから私のケータイに電話をかけてきた。
盗られていたということは知っていたけど、一体誰が——
『こんにちは。叶葉ちゃん、でいいか』
「……貴方は? どうして侑馬のケータイを」
『それはねー、俺がその侑馬くんを殺したからだよ』
また、侑馬が死んだと知らされたときのような感覚。呼吸をするのを忘れるくらいに、全神経で聴覚を研ぎ澄ます。
『あぁでも。このことは警察には言わないでよね。そんなことされたら、俺が俺でいられなくなっちゃうし。それなりに名前も気に入ってるしさ』
東郷って名前。と、奴は続けた。
『それに、君も殺しちゃうよ?』
「……なんで、電話してきたんですか?」
『特に意味なんてないよ。ただ、侑馬くんが最後に“叶葉”っていってたから、気になっちゃって』
あはは、と軽く笑いながら、答える東郷をいう男。口調は罪悪感の欠片もない軽薄なものだった。
「じゃあ、どうして、侑馬を殺したんですか?」
『それも特に意味なんてないよ。たまたま見かけて、たまたま俺が殺したいなーって思っちゃって、そしてたまたまナイフを持ってたから、殺しちゃった。って不幸な偶然が起こした悲劇だよ』
——たまたま? たまたまで侑馬は死んだの?
「ふざけないでよッ!」
『まあまあそう怒らないでよ。俺は真実を教えてあげたわけだしね』
怒らないでいられるわけがない。そんな理由で、侑馬は……。
『それじゃあ、俺はこれから初詣に行って寛大な仏様に懺悔してくるよ』
ツー、ツー と一方的に切られたケータイからは、無機質な電子音だけが流れ始めた。
私はケータイから耳を離すと、ベッドに倒れ、また泣いた。
侑馬、絶対に東郷を死刑台に送ってやるからね——
- Re: ナイトメア・サバイバル / Episode18更新!! ( No.43 )
- 日時: 2012/04/28 18:25
- 名前: Kuruha ◆qDCEemq7BQ (ID: 2QWuZ1bi)
Episode19 『戦闘 -First fighT-』
9月12日(水)12:50/秋笠 藍
「あたしを殺してくれないかな?」
「な、なに言ってんだよ……お前」
「これはあたしの本心だよ。だって、誰かを殺さなきゃ、生き残れないんでしょ? だったらあたしを殺していいよ。あたしは藍くんに殺されに来たんだから」
さも同然というように、言音ちゃんは言った。
言音ちゃんは俺に近づくと、カッターの刀身を俺の首筋に添えた。少しでも動けば、刃に触れてしまいそうだ。
「いい? 藍くん。あたしは今から藍くんを殺すよ。だから、藍くんは自分を守るためにあたしを殺して? これは正当防衛なんだから、責任を感じる必要も、優しくする必要もないよ」
言音ちゃんの表情は優しげで、その瞳は吸い込まれそうなほどに綺麗だった。
しばらく、二人して固まってしまう。永遠にも似た沈黙が約15秒。
「——どうしたの? 殺しちゃうよ? ねぇ、早く、……殺してよ」
だんだんと、言音ちゃんの顔は泣き笑いのような切ないものへと変化していく。
「無理だよ。能動的に殺す気はないし、それにお前、俺のこと殺す気はないんだろ? だったら——」
殺せない。
そんなんじゃ、俺は動けない。
「ずるいなぁ、もう……。やっぱり藍くん、優しすぎるよ」
カッターの刃は仕舞われ、命の危険はなくなった。しかし、言音ちゃんは俺から離れない。
「あたしの事は言音でいいよ。もう“ちゃん”なんて嫌でしょ? 今はあきらめるけど、いつかは絶対殺してねっ。藍くん」
そういって、言音ちゃ……言音は俺の腕に抱きついた。
9月12日(水)13:15/藤貴 杁夜
すっかり血で赤く染まった廊下で出会ったのは、さっき購買前の階段で見たあの女子生徒だった。緑のリボンから察するに、二年生なのだろう。
特に逃げる様子もなく、お互いがお互いの方向に向かって歩いている。僕はもちろん、あの娘もやっぱり攻撃的なタイプらしい。
本当は、戦うっていうのは好きじゃないんだけどなぁ。一方的な方が好みだ。しかし、こんな状況ではそうも言ってられない。
間合いは充分。彼女は短機関銃、僕はナイフをそれぞれ構えた。
彼女がにやりと笑ったのを合図に、僕は一気に走り出した。もっと距離を縮めないと、僕の方が不利だ。いくら短機関銃が近接戦闘に特化しているとはいえ、飛び道具な時点でナイフほどの距離は必要ないのだから。
次々に、銃弾が僕を狙って飛んでくる。彼女は余裕の笑みを浮かべながら、照準を僕の動く先に当てていく。
「く……っ!」
日ごろの運動不足を呪いたくなる。今までで一番“戦闘”と呼べる殺し合いに、僕はすでに疲れを感じていた。
「まだまだぁっ!!」
いっそ楽しげでさえある彼女は、僕とは違ってあまり動かない。疲れなんて、なさそうだ。……このままじゃやばい。僕が動けなくなるまで追い回されて、いずれ撃たれるだけだ。
全力を出せるのはこれがラストチャンスだ。一気に終わらせてやろう。
僕は踵を返すと、別方向から彼女の背に回りこんだ。その背中に、慣れないながらも回し蹴りを食らわせる。
「っ!?」
短機関銃を落とし、床に倒れる彼女。立ち上がるまでのその隙に、僕はぜいぜいと息を吐き、呼吸を整える。
しかし、彼女はいつまで経っても立ち上がらない。それどころか、ぶつぶつと何かを言っているようだ。
耳を澄まして、それを聞いてみる。
「……さい。ごめんなさい……。許してください、助けてください。叩かないで殴らないで蹴らないで……。痛いのは嫌……。グズでごめんなさい、ノロマでごめんなさい、役立たずで、出来損ないで、何も出来ないバカでごめんなさい、お父さん……」
お父さん?
さっきまでの勝気な表情とは裏腹に、彼女は真っ青な顔で床に転がって頭を抱えて、うわ言のようにただそれだけを繰り返していた。
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