ダーク・ファンタジー小説

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異世界戦争~魔法と技術~ 第二章  
日時: 2024/02/14 20:28
名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)

こんにちは
作者の味海みかいです。
この話はもともとコメディーライトのほうで投稿していたのですが、あまりにも明るい感じではないので、こちらで連載?することにしました。
初心者みたいな文章力なのでお気を付けください。



作者用事で投稿できずすいません…
小説☆カキコ大会2023・冬 銅賞 ありがとうございます。
閲覧数100越えありがとうございます。(日時不明)
閲覧数200越えありがとうございます。(2023確認時4/26)
閲覧数300越えありがとうございます。(2023確認時5/28)
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閲覧数900越えありがとうございます。(2024確認時1/17)
閲覧数1000越えありがとうございます。(2024確認時2/14)

閲覧数が1000に達したので、なんかやります。


感想等を頂けると作者がもっと頑張れます
書いてくださる方は是非(いるかわかりませんが…)


目次
プロローグの一気見 >>1-4
第一話の一気見 >>5-9
第二話の一気見 >>10-12
第三話の一気見 >>13-15
第四話の一気見 >>16
第五話の一気見 >>17-18
第六話の一気見 >>19-21

全部一気見 >>1-

一章のみ見る>>1-16
二章のみ見る>>17-

プロローグ1 >>1
プロローグ2 >>2
プロローグ3 >>3
プロローグ4 >>4
第一話 (1) >>5
第一話 (2) >>6
第一話 (3) >>7
第一話 (4) >>8
第一話 (5) >>9
第二話 (1) >>10
第二話 (2) >>11
第二話 (3) >>12
第三話 (1) >>13
第三話 (2) >>14
第三話 (3) >>15
第四話 >>16
第五話 (1)>>17
第五話 (2)>>18
第六話 (1)>>19
第六話 (2)>>20
第六話 (3)>>21
第七話 (1)>>22
第七話 (2)>>23

第六話(その3) ( No.21 )
日時: 2023/08/03 20:49
名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)





気が付いたら私は病室のドアを開けていた。
「!?」
驚いた顔をする彼と、真っ赤になったビットさんの顔が見え、思わず固まる私。
「アルトモ!久しぶりだね!」
彼はすぐさまそういうが、さっきまでの会話を引きづっているくのかひどく動揺しているように見えた。
私は彼のもとまで何も言わず歩くと、率直に聞いてみることにした。
「修行……するそうですね……?」
突然の問いに目を見開く彼と、あっけにとられているビットさん。
この場は異様なほどの何かが充満し、空気が重くなっていくのを肌で感じた。
「聞いてたんだ……」
「はい……」
「私h――――――――――――――――――――」
「止めないでくれ」
遮るように彼はそう言った。
ボロボロの雑巾のような体を無理やり彼は動かし、窓から身を乗り出す。
その時だった。
「へえー泣かせてくれるじゃないか、まぁ君を捕まえるから意味ないけどね」
突如として窓から現れた金髪で糸目のその男は、張り付けたような笑顔だった。
狂気より狂喜、そんな言葉が似合いそうだ。
男はただでさえ不気味なその顔をさらに不気味にゆがめながらも笑うと男は一言こういった。
「俺も混ぜてy――――――――――――――――――――」




僕は死を確信していた。
男の体から発せられるとてつもないほどの殺気。
そのどれもが僕の体を刺し、体中の穴から血が噴き出す。
「俺も混ぜてy――――――――――――――――――――」
その瞬間、男の首はまるでおもちゃのように吹っ飛ぶ。
サリーの記憶と人影が交差する。
「え?」
それがあの不気味な男の最後の言葉である。
ドサッ
そこからは僕の記憶はない、気が付いたら嫌な空気のする薄暗い森にいた。
すぐさま僕はボロボロの体を起こし、周りを確認する。
かつて、ビットの秘密基地へ行くときに入った森ではない、何となく僕はそう思った、あの時は見たこともない花が咲き不気味な木がそびえたってはいなかったからだろう。
「ここは一体……」
そう思わず声が漏れ出てしまう。
少なくとも病院の近くには森なんてない。
おかしい、どんな移動をしたとしてもこんな場所には来れないのだ。
だが、
進むしかない。
現実を、この腐った世界を、変える為には僕が変わるしかないのだから。



――――――――――――――――――――
「……ハルマクア博士ぇまだできないのかぁね?」
「アハハ……思っていたよりも開発が難しくてね~」
「実験体はたくさんいるんだから早めに開発してほしんだがね?」
ここはとあるノブレスの国、オルボモスの城の地下。
ここでは様々な薬品を開発しており、それに伴い人体実験も行っている場所である。
この地下研究所の目標はトレイトの殲滅。
現在、研究員は一人しかおらず、それがこの天才、ハルマクアである。
「ッ!!!」
博士の声にならない驚きとともに研究所は光に包まれる。
「できたッ!できたぞッ!!ついに!ついに!」
―――――――人を操る薬ができたぞッ!!!!!!!!――――――――








第六話(その3) マリーとネット



第七話(その1) ( No.22 )
日時: 2023/08/16 15:34
名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)







「ほう……久しぶりじゃな、わらしがこの森を訪れるのは……」
霧がかかった景色の中で女性の声が乱反射する。
どこかなまめかしく、怪しげな雰囲気のその女性はそばにあった大きな石に腰を掛ける。
そして霧の晴れた場所からそのわらしがいる場所を見ていた。
一体何をしているのだろうか、こいつは誰なのだろうかそんなことを考えながらもひたすらにわらしを見ていた。
「……ノブレス……」
女性はそうぽつりとつぶやくと木々が激しく揺れ、鳥が鳴き、動物たちが暴れまわる。
「また……か」
悲しそうにそう言うのだった。




誰かが見ている、僕は直感的にそう思った。
最初は気のせいだと思ったが、明らかに視線を感じる。憎悪などの嫌な感情を持ちながらも何もせずただ見るだけ。
それがこの森の薄暗さと異様なほどマッチし、さらに不気味に感じさせた。
「ビットさん?」
視線を感じたほうを何気なく振り返り僕はとある人の名を口にする。
しかしそこには人も動物も木も何もなく、あるのは僕が通ってきた道だけだった。
「?」
しかしここで僕は何か異変を感じる。
「……石畳?」
そう、僕が通ってきた道に石畳が現れ始めたのだ。
そして奥には見えないほど深い霧。
死神の罠……僕にはそう見えた。
薄暗いこの森で霧が発生し、浮き出るかのように石畳も出現した、疑うには十分すぎる罠だ。
どうしようか、僕は
進むのか
進まないのか




――――――――――――――――――――
「ハルマクア!!ついにできたんやな!」
私はそう言って、階段を転げ落ちるかのように降りるとハルマクア博士に向かってダイブする。
「はいぃ!前回作った不老不死の薬をサンプルについに作ることに成功いたしました!」
そう言って博士は私にガラス張りの水槽に入った被検体を見せられる。
それは小さい女の子だった。
忌々いまいましいトレイトのね。
「?あれ?人を操る薬を作ったんじゃないんか?」
「あぁ、私もそう思ったんですが研究員十人に試してみたところ全員死んでしまいまして……」
「はぁ……じゃあ何で我を呼んだんや?」
「この薬に適応する者が見つかったんです、つまり今回の報告はこの醜いトレイトの奇術を我々が命令をすることで使うことができる、戦況を変えられるそういう報告だったんです――」
自信満々に言う、ハルマクアを後目しりめに私はドスの効かせた声で遮るように言い放つ。
「我は、兵隊を作れなどと言ってないが?」
その言葉を聞いた直後、ハルマクアから大量の汗が噴き出るのを見なくても感じた。
「え、えっとその、わ、私はッ――――――――――」
「黙れ」
「ッ⁉」
「我の命令を無視した、すなわちそれが何を意味するか……分かるな?」
「でもッ、私はッ、貴方の命令でッ!」
「おい、黙れと言っただろう?違反、二回目」
私がそう言うと即座に騎士がハルマクアの周りを取り囲む。
「貴方は本当に優秀な博士だった、本当に残念だ」
「嫌だ……嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
ハルマクアのその言葉を最後に騎士は手当たり次第にハルマクアを殴っていく。
血が出ようとも、嘔吐おうとしようとも命乞いをしても、涙を流してもひたすら殴り続ける。
顔が腫れようが、眼球が飛び出そうが、歯が飛び出そうが、顔の原型がなくなろうが、関節が逆をむこうが、骨が折れようが、悲鳴がなくなろうが、やめない。
私が止めをかけるまで、彼らはひたすら殴り続ける、殴られる側に残るのは、痛みと憎悪と
人の恐ろしさだけだ。
―――――――――――――――――――――

「……ここはどこだ?」
「一体どこでしょうかね……?」
謎の男の首が吹っ飛び、男の子は意識を失い、突然光に包まれたかと思ったら知らない家のベッドで寝ているって色々なことがありすぎて意味が分からない。
幸い、アルトモは僕と一緒だが、あの子の姿はない。
誰かの攻撃を受けてどこかにワープした、僕が出した答えはそれだった、というかそれしか考えられない。
「ビットさん、なんかここ変じゃないですか?」
「ん?何が?」
「もし、私たちに危害を加えようとしているのであればわざわざこうやってベッドに寝かせる必要ないじゃないですか、それがちょっと意味わからないなと思いまして……」
確かに、アルトモの言う通りだが、世の中頭のおかしい奴はごまんといる、万が一でもいや億が一でも可能性があるんだったらこの場合は警戒しておくのが得策だろう。
トントン、と突然僕たちのドアが叩かれ、この場を静寂へと変える。
すぐさま臨戦態勢を取ろう……と……した……b……

「……あちゃ~また寝ちゃったか、常時奇術発動は辛いね~も~……」






第七話(その1) 常時発動

第七話(その2) ( No.23 )
日時: 2023/08/21 20:18
名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)







一体何でこんなことになったのだろうか、私は何もしてないのに、何で大切なものを何度も破壊されなきゃいけないんだろうか。
前の世界でも私を壊されて、この世界でもまた壊されて、何も残ってない私をまた壊される。
そんなのはもう嫌だ、我慢したくない、例えわらべを殺そうとも、絶対に
守りきってやる。
私はその決意を胸に手を強く、強く握りしめたのだった。



「はぁ、はぁ、はぁ」
歩けど歩けど、坂道ばかり、絵面えづらも何も変わらずただただ体力だけが失われていく。
額には汗がにじみ、首筋をつたい地面へと落ちていく。
ぽたりぽたりと落ちていく。
心臓はバクバクと大きな音を鳴らし、呼吸も荒くなり本当に倒れてしまいそうになる。
が、僕は何とか意識を保つ。
「はっはっはっ……」
あぁこれはやばい、本当にやばい。
意識が、もう……
それでも僕は足を一歩踏み出した
つもりだった。
急に足を後ろに引っ張られそのまま前のめりに倒れたのだ。
そして僕はそのまま意識を失った。



「……やっぱりわらわには出来んな……」
白目をむき、泡を吹いて意識を失っている小さなわらしをわらわは気が付いたら抱き上げていた。
元の世界でもわらわは人を殺したことがなかった。
同じ仕事仲間には人を殺したことがある者もたくさんおった、がわらわはそれでも殺せなかった。
わらわの命が天秤にかかった時にも。
わらわの大切なものが壊されてる時も。
何もできなかった。
今回もそうだ。
また逃げるしかないんだ。
わらわはひとまずわらしを本体の前まで持って行き目の前に置くと共有していた意識を元の体へと戻す。
「……ふう……どうしたものかな」
一体これをどうしろと言うのだ。
そもそも何故このわらしをわらわは持ってきた、自分でもよくわかってない。
わらわはまたゆっくりと息をはきながら頭を抱えた。
何をするのが正解なのじゃろうか、元の場所に戻す?それとも……
ここで育てる……?
一瞬そんな言葉が頭の中をよぎる、がそんなのは考える間もなく〈いいえ〉じゃ。
もう傷つきたくないんじゃ。
わらわは両手で思い切り頬を叩いて喝を入れるとわらしのほうへと向き直る。
その瞬間目を開けるわらし、本来わらわは見えるはずもない。
魂の寄せ集めみたいなものだからの、
それなのに、
それなのに、わらわはわらしと目が合ったのじゃ。
「……女の、人……」
力なく言うそのわらしにはどこか悲しさがあった、とても辛い思いをしてそれを乗り越えかけている途中、そんな風に感じた。
不思議とそのわらしを見ていると先ほどまであった育てるという考えが現実味を帯びていく。
鎖がつながれていく、わらわの首からわらしの首へと。
紡がれていく、わらわから女子おなごのように華奢な体をしたその子へと。
伝わっていく、その子の気持ちが、わらわの思いが。





――――――――――――――――――――
「ん~っ!」
僕はそう言って体を良く伸ばす。
「あ!起きましたか!」
起きた直後の頭の中を聞いたことのない声が巡る。
まだ視界がはっきりとせず声の主が誰かは分からないが、声からしておそらく女性だろう。
「誰だ!」
とっさに拳を僕は構えるが、その誰かの手をたたく音で力が抜けていく。
「私は敵ではないです、落ち着いてください」
良く伸ばしたはずの体が重みを帯び始め、そしてベッドへと沈んでいく。
「い、一体何をした……」
力が抜けていくとともに強烈な眠気がまた僕を襲うがそれを何とか抑え、その女性に尋ねる。
「ごめんなさい、私の奇術の所為なんです」
「奇術?じゃあ使うのをやめてくれ」
「それが……できないんです、常時発動型でして……」
「はぁ?」
思わず素っ頓狂な声が漏れ出てしまう。
そりゃそうだろう、常時発動型の奇術なんて聞いたことがない。
というか前例が多分ない。
「?大丈夫ですか?」
その女性は不安そうに聞いた来る、おそらく僕がポカーンとしていたからだろうが。
「……えーと大丈夫です……」
僕にはこれしか言えない。
「一応解除できるか試してみますね……エイッ!」
女性はそう言うと今度はもっと大きく手を鳴らした。
その瞬間霧が晴れたかのように目がさえてくる。
それと共に僕の目の前には
ノブレスの顔をした女性の姿が映るのだった。








第七話(その2) 鬼と音

第七話(その3) ( No.24 )
日時: 2023/09/20 20:43
名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)





「閃光弾を使うなんてやりすぎだったかなぁ……」
俺がいるここは森の中にひっそりとたたずむ洋館である。
いつ、だれが、何のために作ったかは定かではないが、とにかくここは洋館のはずである。
俺はそう思いながら自分が目の当たりにした意味の分からない空間を相変わらずにらみつけた。
少し濁ってて、ぶよぶよしてはいるが普通の空気のような……
「あー!もう来たのー?!」
小さい子供のような声が突然後ろから聞こえ、振り向きざまに俺は手にしていた銃を発砲する
が、
すんでのところでかわされ、逆に俺の頭がそのままねられる。
「もーダメだよ♪僕の気配ごとき察しないと!」
「と言われましても……」
血だらけになった小刀のようなものをくるくると回しつつ、男の子は俺の首を手にするとこちらへパスをした。
すかさずキャッチをする俺、そしてそのまま首に取り付ける。
「ありがとうございます」
「いえいえ♪じゃあ入口まで案内するからついてきて!」
男の子……いや、彼の名は、
イサ・ノルベール
かつてあったオシャッシ―連続殺人事件の犯人であり、わずか9歳で人を手にかけ、彼に関わった者すべてを殺してきた、そんな人物なのだが
現在なぜかこのアルハマスに所属している。
そして何より、一番彼の恐ろしい所は、
奇術、人殺し、である。
その名の通り、人を殺すことで発動される。
そしてその発動した際の内容は……
「着いたよ♪」
っとそんなことを考えている間に洋館の入り口に着いたようだ。
彼は持っている小刀をその入り口と呼ばれるところに刺すと、その瞬間ぶよぶよとしていたものが破裂する。
音は出ないが相変わらずこの爆発にはなれないな。
「はーい♪入ってい入って♪」
彼はそのままドアノブをひねり、中へと案内をする。
「こっからまっすぐ行って二番目のドアに入ってね♪」
彼はそう笑顔で、狂気じみた笑顔で、
「……せいぜい死なないようにね♪」






「ふぅ……あー疲れたぁ……」
俺はもげた腕を接合しながらそう呟く。
あそこで彼と別れてからは大変だった。
いきなり火の玉はでるわ、ナイフはとんでくるわ……もはや地獄絵図だったよ。
「フフッあなたって本当に死なないのね」
「まぁ、はい……痛覚はあるんで痛いんですが」
「でも、もう慣れたでしょ?」
「まぁ、そう、ですか、ね~……」
俺の前には今は女がいる、白いシスターの服を着て、十字架を握り締めた女がね。
彼女の名はリルト・ノルベール、さっきの子の妹である。
「それにしても、みーんな遅いね、君が来てくれなきゃこの部屋八つ裂きにするところだったよ」
ニコニコとした顔で僕を見つめながらそう彼女は言う。
「まぁ、暇つぶしにもならないけどね」



――――――――――――――――――――
「ノ、ノブレス⁉⁉」
僕はとっさにそう叫んでしまった。
やばい、このまま僕は殺されるかもしれない。どうにかしてここからキヤと逃げる方法を……
そんなことを必死に考え始めた僕に彼女は慌てながらも返してくる。
「ち、違いますよ!!」
その瞬間、部屋にあった花瓶が大きな音を立てて割れ、この場を静かにさせると彼女は落ち着きを取り戻したかのように静かにこう答えた。
「私……私は、今のように奇術が使えるのでトレイトのはずです……」
「って言われてもな……」
あの子のような人はそうそういないはずなんだけどな。
そもそもサリーさんだけで戦争の引き金になりかけたっていうのにこりねぇなホント。
とりあえず僕は彼女の話を信じてみることにするのだった。
「はぁ……」
「?どうしました?」
「いや、これからどうしようかと思ってな」











第七話(その3) 人殺しになるところだったな








第八話(その1) ( No.25 )
日時: 2024/02/21 17:56
名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)







「……あれ……ここ……どこ……だ?」
先ほどまでとは打って変わって、電球のような形のものが部屋を明るくさせている天井が真っ先に入ってくる。
パッと辺りを見回してみても窓はない。
そして何故か僕は、そんな木造の部屋のような床で横たわっていた。
一体ここはどこなのだろうか、そんなことを考えながら体を起こし、ひとまず今までの事を整理する。
「そうだ、僕……気を失って……」
気を失った、確かにそれは覚えている、なのになぜ僕はこんな小屋にいるんだ?
ひとしきりそのことについて考えてみたが、一向に答えは出なかった。
そんなとき、部屋のドアを誰かが叩いた。
瞬間的にバリアを準備をする僕を他所に、おぼんの上のコップに水をなみなみと入れた女性が入ってくる。
その女性には血で染められたような赤黒い角が生え、トレイトのような長い耳、黒い薔薇バラの模様が描かれた着物に、首や両手両足に鎖を付けたきわどい和風のコスプレをしたような姿をしていた。
「もう、起きていたのか」
少し低く、何故か安心してしまうような……そんな声で彼女は僕に話しかけてくる。
この人は一体誰なのか、敵なのか、味方なのかそれは次の一言で決まった。
「えーと……もう大丈夫なのかい?」
張りつめていた空気がプツンと切れた。
そして僕はいつの間にか上げていた腰をへなへなと落とすのだった。
少なくとも敵意はない、それは彼女の言葉、彼女の表情を見れば一目瞭然だ。
「おお!?どうしたのじゃ!?どうしたのじゃ!?何かわらわがしてしまったのか!?」
「あぁ……いえ……」
気が付いたら僕は彼女に気を許していた、何故だろうか。
……理由は良くわからない。
だが、一つ言えることがある。
「あの……」
「何じゃ?」
――あなたは誰ですか?――
なみなみとがれた、水がおぼんの上でこぼれる。
しかし、彼女は動揺したわけではない。この瞬間に何かが起きたのだ。
その何かはこの場所に揺れを引き起こし、この建物を大きく揺らした。
彼女は慌てておぼんを床に置き、ドアの外の闇へと消えていく、おそらく雑巾か何かを取りに行ったのだろう。
彼女が行ってしまってから、僕はずっと考えていた。
今のは一体何なんだろう、地震……とは少し違うような、まるで人為的に起こされたかのような違和感があった気がする。
とりあえず、僕は倒れたコップを置き直し、彼女を待った。がいくら待てど彼女は帰ってこなかった。仕方なし僕は扉の外へと向かうがその時は僕は気づいてしまった。
この扉の外、何かおかしい。普通、電気をつけていなくとも部屋からの明かりで廊下が見えそうなものだが、廊下が全く見えないのだ。
それどころか、虚空の中にポツンとドアが置いてあるようだった。
彼女は一体どこへ……?
そう思い一歩、足を踏み出したその時、後ろから小さな音が聞こえた。
パタンッと。



―――――――――――――――――――――――――



「おーきーろー!!」
真っ暗闇の世界の中で聞きなじみのある声が反響する。
「おーきーろぉぉぉぉぉ!!!」
耳元で大声を上げられ思わず飛び上がるように私は起きた。
耳がジンジンする……
「よう寝坊助!」
そう、ビットさんは私を呼んだ。
「お、おはようございます……ビットさん」
ニッコリとはにかんで笑う彼、そして
謎の女。
瞬間的にそれを認識した私は瞬時にベッドから飛び降り、拳を女へと振るった。
がしかし、寸でのところでビットさんに止められる。
ぶわっと部屋全体に風が送られたかと思うと、ビットさんは優しく私に話しかけた。
「この女の人は敵じゃないよ、家の前で倒れていた僕たちを助けてくれたらしい」
とたんに汗を垂らしながらぺこぺこするその女性は確かに悪人には見えなかった。
「……なんで喋らないんですか?」
「……!……!!……!」
「……なんかこの人奇術を常に使用しちゃってるらしいんだよね……で、さっき眠らされかけたから無言でなんとかやってもらってるんだ」
ぶんぶんと首を縦に振る女と何とも言えない顔をするビットさん。
そんな二人に私がかけた言葉は
「……はい?」
だった。






「……って訳なんだよ、分かった?」
「……まぁ、その……なんとか理解はしましたけど……」
チラッとその女性を見る。
ツヤツヤとした長い髪、ノブレスのような長いまつ毛、クリクリとした大きな目、整った顔立ち、そして圧倒的胸。
むしろそれが一番目立ってる、大きさはどのくらいあるんだろう……
服は全体的に紫色?強いていうなればマルタヤの花のような色の服を着ていて、とても自分の奇術のせいで喋れなくなっている人には見えない。
「……!」
私に見られているのに気付いたのかまたペコリとお辞儀をする。
思わずしかめっ面になる私と苦笑いするビットさん。
ノブレスとトレイトのハーフなんてまずあの人以外いないのに……
私はそのままその女の人の元へと歩いてゆく、そして
「助けてくれてありがとうございます」
そう、お辞儀をした。






―――――――――――――――――――
「……さて、皆集まったかな?」
長い机を見回して男は言った。
「では、今から特別会議を始める」








第八話(その1) 虚空と存在感のある胸


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