二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 真種小説集〜それぞれの物語〜
- 日時: 2011/03/13 09:34
- 名前: 真種 (ID: .jBkwSyl)
始めまして、真種です^^
ここでは初めて小説を書かせて頂きます
何分、至らぬ点がありますが、よろしくお願いします
さて、このタイトルを見て、皆さんは「これ夢小説!?」などと思いましたでしょうか?
もちろん、これは列記とした夢小説です
〜それぞれの物語り〜というのは、様々な作品の夢小説を書くからです
・デュラララ!!
・ひぐらしのなく頃に
・夏目友人帳
・ルミナスアーク 今計画しているのはこの4つですが、その内、多分5つとかになります
……ああぁあ!堅苦しい挨拶だなぁ!
まあ、大雑把な性格なので、文章も大雑把になりかねませんが、こんな私をよろしくお願いします!
では、まずはデュラララ!!からです
- 杏里ノ誕生日×1 ( No.1 )
- 日時: 2011/03/13 11:04
- 名前: 真種 (ID: .jBkwSyl)
10月31日 池袋 来良学園——
「じゃあねー、バイバーイ」
「これからどっか寄ってく?」
「ヤベー! 部活遅れるー!」
そんな声が、放課後の私立来良学園に溢れかえった。
外は綺麗な黄金色に染まり、校門前には仮装をした幼い子供たちが、チラチラと見える。
子供の手には、小さな缶やお菓子の袋。
そう、今日は10月31日。繁華街では二日目のハロウィーンが行われていた。
——いいな、楽しそう……。
お菓子を抱えて笑顔になっている子供たちを窓越しに見て、園原杏里は思わず笑顔になった。
——小さな子供って……お菓子を貰うだけで笑顔になれるんだ……。
——……私があれくらいの頃は……。
子供たちを見て、杏里は自身の過去を思い出す。
……自分があれくらいの頃は、笑顔になる暇などなかった。
父親の酷い暴力。
それは年を重ねるごとに——いや、1日が終わるごとに、酷くなっていった。
自身の精神を保つため、自分の見る世界とその出来事を、全て「額縁の中のもの」とし、客観的になった。
それを永い間続けていたある日——……
——もうやめよう……。
そこまで回想すると、まるでDVDを停止し、そのままDVDディスクをプレーヤーから抜き取り、もう見ないとするように、彼女は記憶を脳の奥深くに、とても深い井戸に捨てるように、記憶というDVDを放り投げた。
外はいつしか子供の姿が見えなくなり、部活中の生徒、下校中の生徒で一杯になった。
そんな景色に興味はなく、たった一つ、ため息を漏らした。
ガラッ
教室のドアが開き、杏里は思わずドアの方を向く。
そこにいたのは、一人の少年だった。
「うぃーっす、オース、メース。こんちゃーっす、どーもっす、お疲れ様でーっス!」
「……紀田くん……」
そこにいたのは、よく知っている人物——紀田正臣だった。
彼は、数少ない杏里の友人の一人である。
「あれれー、杏里だけ? 帝人くんは?」
「あ、竜ヶ峰君ならしょ——」
「あ、あいつひょっとして逃げたなぁ? こんなに可愛い巨乳美人の杏里を一人残して逃走なんて、あいつも馬鹿だなぁ。ま、そのお陰で俺は杏里ちゃんと二人っきりなわけなんだけど……ねっ! ……と」
杏里の言葉をよそに淡々と言葉を続けた後、杏里の前の席の椅子を180度回転させ、そこに座り、杏里の机で頬杖した。
「え……えっと……」
「ん? どうした? あ、ひょっとして、俺が直視できない? ごめんねーカッコ良すぎて。てことは俺に惚れた? 惚れたんだ? 惚れちゃったんだ? 惚れすぎちゃったんだ? 惚れ満ちちゃったんだ? 惚れ待ち遠しかったんだ? 惚れ——」
「竜ヶ峰くんなら、職員室にいますけど……?」
「奏でちゃ————は……?」
意味のわからない言葉を並べる正臣を無視し、杏里はまったく別のことを言う。
流石の正臣も、どう返事をしたらいいのか解らず、きょとんとした形相でしばらく黙り込んだ。
ガラッ
沈黙の中、再びドアが開く。
二人は思わずドアの方を向いた。
「園原さん、あのさ——って……なんで正臣がいるの……?」
そこにいたのは、杏里と同じクラス委員の竜ヶ峰帝人だった。
彼も杏里の数少ない友人の一人であり、正臣の親友だ。
「オース、帝人〜。何してたの?」
「ちょっと職員室で先生と話してたの……って、あ、そうだった。園原さん、アンケートのまとめ、今週中に提出だから、今日はもう帰っていいって。」
「あ……そうだった、アンケート……」
そこで、杏里は思い出す。
自分は今日、アンケートをまとめるためにわざわざ居残ったと言うことに……。
結局、作業は進まなかったが。
「ちっちっち。それは違うな、帝人。そこは、『後は僕がやるから、先に帰って。何、大丈夫さ。これも君の愛の試練だと思って頑張るよ。』だろ、帝人くん?」
「矛盾じゃん。√3点。」
「√!? また√かよオイ!? せめて「−」を使えよ! つか、また3点!? 少しはまともになったぞ俺も!」
正臣の言葉に、帝人はため息をつき、「全然変わってないし、むしろ酷くなってるような気がする」と呟いた。
その子供(小学生くらいの)のようなやり取りを見て、杏里は小さく噴出した。
小さい頃、少々暑苦しくてベタとはいえ、こういう関係に憧れていた彼女は、この空間に、何の変哲もない教室に、小さな、でもとても大切な幸せを感じるのであった——
- 杏里ノ誕生日×2 ( No.2 )
- 日時: 2011/03/13 15:58
- 名前: 真種 (ID: .jBkwSyl)
池袋 杏里のアパート
あのあと、帝人と正臣とは別れた。
2人とも、何か用事があるといって、先に帰って行った。
——きっと皆、家族のこととかで忙しいんだろうな……。
彼女には、家族がいない。
両親は、とうの昔に他界した。
これまで、決して寂しいなどとは思ったことがない。
しかし、他人が家族のことで忙しいのだろう……と考えると、少し複雑な気持ちになった。
「…………」
杏里はそんな気持ちを「額縁の中のもの」にし、パチン、と携帯を開いた。
現在、6時28分。自宅に帰ってきてから、30分が経過していた。
——そろそろご飯の用意しなきゃ……
と、杏里が立ち上がったときだった。
トゥルルルルル……
トゥルルルルル……
突然、電話が鳴った。
電話のデジタル画面を見る。
『非通知』
その単語が、画面に浮かび上がっていた。
トゥルルルルル……
トゥルルルルル……
こんな時間に誰だろうと考えつつも、杏里は受話器を取った。
そっと耳に当て、「もしもし……?」と消えそうな声で言った。
『…………』
返事はない。
まるでどこかの漫画のようだ。
きっと合成されたような声で何か意味のわからないことを言うのであろう。
そう思いつつも、杏里は再び「もしもし……?」と消えそうな声で言った。
『……んぇあ!? あぁあ、ご免杏里、俺。正臣』
「あ……紀田くん……」
電話の相手は紀田正臣だった。
何故返事がなかったのか訊いてみると、何か考え事をして、ボーっとしていたらしい。
「あ……それはそうと、何か用ですか?」
『え? ああ、そうだった。 これから帝人の家……ていうかアパート来れるか?』
「え……?」
どうせ正臣のことだ。「明日のナンパに付き合って?」や、「勉強わかんないから教えて?」や、「これからお茶しない?」などのことかと思っていた。
しかし、今回は違った。
——竜ヶ峰くんのアパートに……?
『何か帝人が、『不味いかもしれないけど夕飯をご馳走する』とか急に言い出してさー。俺は暇だし、今日は親が両方残業で帰ってくんの深夜だし行くけど……杏里はどうする?』
「……どうして私を?」
『え? 何?』
どうやら杏里の声は正臣には聞こえなかったらしい。
「あ、なんでもないです。」
『……? ま、いっか。で、どうする?』
「あ、じゃあ……お言葉に甘えて……」
『OK! 帝人の部屋、わかるよな?』
「はい、大丈夫です」
『んじゃ、後でな!』
そう言って、正臣は電話を切った。
杏里も受話器を置くと、私服に着替えた。
部屋の閉じまりを確認し、杏里はアパートを去った——
- 杏里ノ誕生日×終 ( No.3 )
- 日時: 2011/03/13 17:20
- 名前: 真種 (ID: .jBkwSyl)
池袋 繁華街
「ぅう……寒……」
タッパーを抱えた少女——園原杏里は身震いをさせた。
まだ6時代だとは言え、辺りは薄暗くなり、風もやや強めに吹いていた。
——やっぱり日が短くなってきてるんだ……。
杏里はマフラーを少しだけ緩め、鼻の下辺りまで被せる。
薄いマフラーの割には、とても暖かかった。
「…………」
繁華街を歩きながら、杏里は一つの「疑問」を抱く。
——私は……何かを忘れている気がする……。
今日、自分は何かを忘れている気がする。
それは、朝、目覚めたときから感じていたことだった。
学校に着いて、荷物を確認しても、忘れ物はない。
勉強について、忘れたこともない。
じゃあ、何を忘れている……?
「……あ……」
杏里はふと、手の中の温かさを思い出す。
それはタッパーだった。
中には、昨夜の残りもののナポリタン。
何も持っていかないのは失礼だと思い、温めて持ってきたのだ。
昨夜作りすぎてしまい、かなりの量が残っていた。
丁度3、4人分くらいあり、残り物だが持って来た。
「冷めちゃうから、急ごう……」
杏里は「疑問」を「額縁の中のもの」にし、アパートへの道を急いだ。
Э g э i н
池袋 帝人のアパート
「あ、園原さん、いらっしゃーい」
「お邪魔します……」
消えそうな声で一言言って、杏里は部屋に上がった。
狭いボロアパートには、3人が入るのがせいぜいだった。
「あ、竜ヶ峰くん」
「ん? 何?」
杏里は帝人にタッパーを差し出す。
「これ……昨夜の残り物だけど……」
「え? あ、別にいいのに! ごめん、変に気使わせちゃって。有難う。じゃあ、頂くね。」
「うん……」
帝人は杏里からタッパーを受け取ると、そのタッパーをテーブルの上に置いた。どうやら、そのナポリタンが乗っかれるサイズの皿が無いらしい。
「園原さん、適当に座って。」
「あ、はい。失礼します」
杏里はどこに座ろうか迷ったが、台所側には正臣の荷物、押入れ側には段ボール、玄関側には本が散乱していたので、インターネット側の、一番広いところに腰を下ろした。
ふう……と一息ついた瞬間——
目隠しされ、何も見えなくなった。
「……! ……!?」
明かりも消され、真っ暗になり、杏里は混乱する。
落ち着こうにも、心が言うことを聞かなかった。
「ちょ……杏里! 落ち着けって!」
「大丈夫だよ、園原さん。何も変なことはしないし、すぐに終わるから。」
「……はい……」
正臣と帝人の声に安堵したのか、自然と心は落ち着いた。
ジッというマッチをこする音、「ぅ熱っ!」という正臣の声、フッと火が消える音が、杏里の耳に入った。
「……園原さん、目隠しの布取るね。そしたら目を開けていいよ」
杏里はコクリと頷いた。
それを見て、帝人は丁寧に布を取る。
杏里は目を開けた。
「……あ——」
そこに見えたのは、オレンジ色の、小さな数個の灯り。
それは、小さな蝋燭に灯してあり——
それは、小さく、円いケーキの上に座っていた。
——わかった。
——何を忘れていたか。
——今日は……
今日、10月31日は、園原杏里が母親の腹の中から出てきた日。
杏里の誕生日だった。
去年の誕生日は、張間美香と共に行った。
楽しくなかったと言えば嘘になる。
しかし、決して、楽しいとは言えなかった。
——あの日は結局……何をしたんだっけ・・・?
——どうして楽しいとは言えなかったんだっけ?
——どうして……「幸せ」じゃなかったんだっけ……?
そんなことはどうでも良かった。
今、目の前で二人は自分を祝ってくれている。……それは美香のときと同じだった。
あの日、美香に「楽しかった?」と訊かれた。
「楽シイヨ、有難ウ」
それが杏里の答えだった。
あの「ありがとう」は、口先だけの言葉だった。
でも、今なら言える。
たった一言、でも、全ての感謝を込めて
心から——————
「ありがとう」
END
- Re: 真種小説集〜それぞれの物語〜 ( No.4 )
- 日時: 2011/03/13 17:31
- 名前: 真種 (ID: .jBkwSyl)
再びこんにちわ。真種です
へたくそで大雑把な「デュラララ!!」を読んで頂き、ありがとう御座います。
杏里ちゃんたちはあの後、どう過ごしたんでしょうね^^
途中で、
Э g э i н
というのを見たと思います。
あれは、ロシア語とローマ字でできた、「Again」です。
私の名前——「またね」にちなんで、というものです
べつに暗号じゃないですよ〜!(汗
……え? そうですよ? 「またね」って言葉、好きですよ?
それが何か?
って! オイオイ! 何を言うんだね、私はぁ!
何かすみません;
次は、「ひぐらしのなく頃に」を書きます。
では
- 君愛し編 〜Thanks〜 ( No.5 )
- 日時: 2011/03/14 14:22
- 名前: 真種 (ID: .jBkwSyl)
昭和60年6月 雛見沢村
運命なんて、金魚すくいの網のようなものだと、誰が言ったんだろう?
私は、どうしてその言葉を知っているんだろう?
そんなことは知ってるよ。君が言ったわけじゃないけど、はっきり覚えてる。
この世界の人じゃなくて、ほら……パラレルワールドみたいなところにいる人。
……え? うん、そうだと思う。
君の言うように、私がその言葉を覚えているという事は……きっと、私はその人のことが……その……好きだったんじゃないかな?
好きじゃなくても、尊敬したり、最高の人だったり……私の中では、高いランクの中に入ってたんだと思う。
……ん? どうしたの? 急に黙っちゃって。
「むぅ」なんて言われても、わかんないよ?
あ、わかった。妬いてるんでしょう? 私がその人の話ばっかするから。
隠してもわかるんだよ? あ、赤くなった。可愛いなぁもう。
クスクスクスクス……。
……大丈夫だよ、私は、君のことが大好きだから。
仮にその人のことが好きだったとしても、やっぱり君のほうが好き。
……あ、また赤くなった。照れてるの? クスクスクス……。
……ずっと一緒にいようね……。
「ね……? 悟史くん……」
「おや? 寝言ですか?」
「ん……ぅへ……?」
「ぅへ」なんて変な言葉を出してしまった私——園崎詩音は、閉じていた瞼を開いた。
見えるのは、よく知っている天井。
天井を見て、ここは入江診療所だとすぐにわかった。
「んぁ……ふわああぁぁ……」
口から漏れたのは、大きなあくびだった。
昨夜宿題やってて徹夜だったんだっけ。
もちろん、この私が宿題を常にやる訳がない。
しかし、仕方なく通っている興宮の学校の先公——じゃない、先生が五月蝿いので、仕方なくやったのだ。
「あ、やっと起きましたか。魅音さん」
「監督ー、おはよーです。っていうか、なんで『魅音』なんです?私はあんな男女でおじさん臭いお姉とは違いますよ? 『詩音』でしょ。可憐で上品で美人で性格が良くて要領のいい、知性に満ち溢れた詩音です。もー間違えないでください。」
「えっと……下品と痴性に満ちた詩音さんですね。はい、カルテにもそう書き込んでおきます」
「もー! 監督ったらー!」
私はフグのようにふくれ、監督はそれを見てはははと笑った。
この白衣で眼鏡の人は、入江京介。通称「監督」。
この診療所の所長だ。
何故「監督」と呼ばれているかと言うと、この村の野球チーム・「雛見沢ファイターズ」の監督だからである。
仕事に熱心で、子供にも優しく、極度のメイド好き。
暇さえあれば、メイドのことばかり考えている、ちょっと変態な——じゃない、変わった人である。
「……あれ? そういえば何で私こんなところで寝てるの?」
気がつけば、私はベッドの中。
患者用の、診察室にあるものだった。
「ああ、私が寝かしたんですよ。地下に様子を見に来たら、部屋の前で詩音さんが倒れてて……あわてて見た所、ただ寝ているだけで、流石にそこで寝かせていたら風邪を引くだろうと思い、ここに運んだんですよ」
「そうなんですか……。ありがとうでした、監督」
私は上半身を起こしたまま軽く頭を下げてお礼を言った。
監督が「いえいえ」と言うと、私はベッドから降り、思いっきり背伸びをした。
「これからまたあそこに行きますか?」
「うーん……いいです。そろそろお姉たち部活の時間でしょうから、雛見沢の方の学校で遊んできますよ。また明日来ますねー!」
そう言って、私は監督に手を振ると、診察室を走って飛び出した。
途中、看護婦さん——鷹野三四さんにぶつかりそうになり、「廊下は走っちゃ駄目よー?」と注意された。ま、当然のことか。
そして外に出ると、くるりと診療所のほうを向き、「また明日」と小さく手を振って、私は診療所を後にした——
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