二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

短編集-花闇-【根緒様リク執筆&うp中】
日時: 2014/07/23 23:29
名前: 帆波 (ID: 3rAN7p/m)

まずはくりっく感謝です。
帆波とかいてほなみと読むものです、どうぞお見知りおきを。
此処は長編ではなく、短編やシリーズ物、IFなどを取り扱う所です。
何故短編その他もろもろかというと、わたし、長編書いても続けられない事に気付いたので。
シリーズ物くらいならまだ続けられるかなあ、なんて思ったりした所為でもあります。
では、次に注意事項を。

・二次小説が嫌いな方、二次小説にご理解がない方はご退場願います
・作品、及びキャラの贔屓がそれなりにあります。リクエストはいつでも受けつけますのでお気軽に
・個人的に私が嫌いと言う方もUターンをお願いします
・此処のせいでキャラのイメージが崩れた!などの苦情は受け付けかねます。私も出来る限りキャラ崩壊はしないつもりですが、最終的には自己責任でお願いします

次は取り扱い中、また予定の作品です


・黒子のバスケ
・ポケットモンスター
・ハリーポッター
・めだかボックス
・ヘタリア←New
・オリジナル←New


リクエストもこっそりと受け付けています! 
リクエストする際には作品名と誰夢か、傾向(甘やシリアス、ギャグなど)を書いてください。それプラス、細かい設定などあれば帆波が助かります。





お相手:球磨川禊/めだ箱 >>1.>>2.
お相手:ノボリ/ポケモン >>3. >>5.
お相手:pixivレッド/ポケモン >>4.
お相手:ヒビキ/ポケモン >>8.
お相手:リーマス/ハリポタ >>9
お相手:髏々宮カルタ/妖狐 >>11
お相手:チェレン/ポケモン >>13
お相手:花宮真/黒バス >>14
※死ネタ お相手:黒子テツヤ/黒バス >>16
お相手:フェリシアーノ/APH >>19
お相手:ギルベルト/APH >>24
お相手:イヴァン/APH >>29
お相手:?/APH >>32
お相手:アルフレッド/APH >>33>>34
加誕短編 >>35
お相手;アーサー/APH >>36>>37
お相手:ロヴィーノ/APH >>39…coming soon *根緒様リクエスト


ピクレ妹主シリーズ
>>6.>>12

オリジナル
>>15

Page:1 2 3 4 5 6 7 8



Re: 短編集-花闇-【雑食/6/8現在生存中】 ( No.32 )
日時: 2014/06/10 07:40
名前: 帆波 (ID: vsc5MjXu)

 「 真夜中の密会 」




深夜零時を過ぎた頃。人気のまったく感じられない廃工場に、二つの人影があった。如何にもヤクザやマフィアが取引が交わされていそうな場所であるそこでは、案の定密会が行われていた。声と背丈の違いからして男と女。男の方は黒のハットと同じく黒のロングコートに身を包んで、今にも夜の闇に溶けてしまいそうだった。ただ、彼の鮮やかなオリーブグリーンだけが闇夜の中で一際存在感を醸し出していて。…女の方はというと、同じく黒のパンツスーツにファーコートを着込んだ姿。黒髪黒目の出で立ちから東洋人だとわかるものの、その肌は西洋人のように白く、この暗い空間の中では一種の青白い光を帯びているようにさえ見えた。
お互いの出方を伺うように暫く制止を保っていたが、男の方が短気なのか痺れを切らして動きを見せた。


「 ……来たんか。 」

「 まあ、ねぇ。呼ばれて行かないわけにもいかないし。 」

「 そうか。じゃあついてきい、案内する。 」


女のことなど気にかける様子もなく、ロングコートを翻してかつかつとヒール音を響かせて廃工場の奥へと入っていた男。それに続いて、女も歩き出す。いくら正当な取引といえど、相手はマフィア、警戒するにこしたことはない。暗闇の中でも周りに目を凝らして注意深く歩を進めた。


案内されたのは廃工場の奥の奥。何も考えずについて行けば確実に帰り道が解らなくなるほど入り組んだ通路の先にある一つの小部屋だった。逃走防止というやつなのか……、相手の悪意が目に見えるようだ。扉を開けて、会議室のような造りをした中に置かれた古びたソファに腰掛ける黒ずくめがいち、に。案内してきた奴も含めてさん。…三対一の威圧感が私を襲う。特に逆立った金髪をした奴からの視線が怖い。きっとアイツがボスだ。ひくり、と喉が鳴った気がしたが、ここで弱気になっては負けだと自分を叱責して。


「 そんなとこ突っ立ってんと、まあ座りいや。 」


ボスらしき金髪の右隣に座った案内役の男は、あくまで優しげな声色で促す。他の場所と比べて仄かに明るいからこそ認識できるソイツの表情はにこやかで、人懐っこそうな笑みを浮かべていた。表社会なら人気者が浮かべるであろうそれを今ここで貼り付けることに若干の嫌味を感じながらも、大人しく相手方の向かいのソファーに腰掛けた。間にテーブルが在るのがせめてもの救いだ。冷静に、焦りや動揺は悟らせずに。緊張の糸が張りつめたこの場では、少しでも弱味を見せた方が負ける。そう肝に命じて。


「 まずは、よう来てくれたなぁ。ロザイオのお気に入りっていうもんやから、俺らみたいな”中小ファミリー”には目も留めてくれへんのかと思うたわあ。 」

「 …あら、笑えない冗談を仰るのね。規模こそ大きくないものの、狙った獲物は逃がさない腕の良さと狡猾さ。それに加えて統率の取れた集団戦法…、それを持ってしても貴方方は”中小ファミリー”だなんて冗談を? 」

「 うわあ、俺らんことそないに評価してくれとったん? 光栄やわ〜、アンタみたいな人に言ってもらえると、やっぱ重みがちゃうな。 」

「 …トーニョ、世間話はそこらへんにせな、兄ちゃんもうそろそろ青筋立てて怒んでー? 」

「 おっとそうやったな、堪忍堪忍。……じゃあ、早速仕事に話に入らせてもらうで。 」


のんびりとしていて逆に苛立ちを煽るような口調が、一瞬にして零下のものへと変貌した。案内人の彼と同じ暗緑の光が私を射抜く、それはまるで心のうちを全て読み解くように。


「 最近うちのシマで悪さしてる奴ら…知っとるやんな? 前まではチンピラのやることとあんま変わらへんし、そんな餓鬼臭いことしてる奴らに構ってる暇ないと思ってたんやけど……。アイツ等最近になって急に粋がりだしてん。あれは絶対バックになんかついとる、っていうのがうちの判断でな。そこでや、成功率ほぼ100%を誇る殺し屋さんのアンタに、 」

「 バックでこそこそしてる奴らをやればいい、ってわけね? 」

「 そうそう、話が早うて助かるわぁ。 」

「 それくらい誰でもわかることでしょ、一々口に出さないで。 」

「 勝ち気な嬢ちゃんやなぁホンマ。ギルちゃんから聞いとったとおりやわ。 」

「 …ギル? 」


おうむ返しにした声が思いの他低く狭い部屋の中を反響する。嫌悪するものほど目の敵にして反応して、意識してしまう。皮肉な話だ。忘れかけていた嫌な記憶を無理矢理掘り返されるような感覚に陥り、眉間に皺がよるのが自分でもわかった。だがこの関西弁の男はそんなこと気にも止めず、更に傷を抉りにくる。


「 え、もしかして知らんかったん? ギルベルト・バイルシュミット、俺らイタリアンマフィアの総元締の組織の幹部やろ。 」

「 それくらい知ってるわよ……。くそッ、アイツ他まで情報漏らしやがって……。 」

「 何々!? 嬢ちゃんとギルちゃん、何か因縁でもあんの!? うわぁ、何それめっちゃ聞きたい!! 親分その手の話めっちゃ好きやねん!! 」


ばん、とお互いの真ん中に位置するテーブルを力強く叩く音にびくりと体が震えた。ここまで関心を持たれるとは予想外だ。未知の物に対する溢れんばかりの好奇心を露にした瞳に映されては大層居心地が悪く、眉を顰め不快感を示す。あっ……という顔をしてから、誤摩化し笑いで謝罪を口にする関西弁男は、やはり信用ならない気がした。


「 うーあー、…いや、ホンマごめんって。そないに怖い顔せんでもええやん……。 」

「 あら、アナタのところのボスに比べれば可愛いもんでしょう? 」

「 あちゃー、言われてしもたなぁ、ラン。 」

「 …無駄話ばっかせんと早よ話付けえ。 」

「 ホンマや、うちんとこの方が「 ……。 」はいはいっと。…まあ、てな感じの依頼内容なんやけど、受けてもらえるんかな? 」


何故か申し訳なさそうな表情で不安げに問いかけてくる男に、先程の凄みは何だったんだと叫びたくなるのを抑えながら、ここはあくまで感情を表に出さずに返答する。釣られて愛想笑い、なんてしてやるものか。


「 ええ、勿論。断る理由がないもの。でも代金はきっちりいただくわよ。 」

「 それに関しては安心してえな。何せうちのボスは金にめっちゃ煩い人やから。 」

「 それは結構。……用件がそれだけならもう帰らせてもらえる? 仕事が立て込んでいるの。 」

「 うん、ええよ。……っと、ちょっと待ったって! 伝言、頼んでもええかな? 」


この息苦しい空間からとっととおサラバしたくて、言葉を発しつつ帰り準備( といっても服を整えて立ち上がるだけの動作だけど )をし、相手からの返事をもらえばすぐにも帰宅してやろうと計画していたのに思わぬ邪魔が入った。何とか引き止めたくて、無理矢理用件をこじつけたような声色にはあえて触れず緑色の瞳を真っ直ぐに見つめる。貼り付けたような笑みと共に、不意にその緑がぎらりと光った。


「 アンタんとこの眉毛に、カリエドが宜しく言うとった、ってな。 」

「 ( …コイツ、アーサーの知り合い……? )…、わかったわ。確かに伝えます。じゃあね、今度こそさようなら。 」


——去り際に、何を思ったのか彼をちらりと伺った。彼は変わらない笑顔をこちらに向けていた。不気味の谷を越えたロボットのように完璧に、けれどそれ故不気味さを纏ったそれは私の背筋を粟立たせるのには十分で。振り返ったことに激しく後悔の念を抱きながら、私のその場を早足で後にした。






「 もー、トーニョの悪い癖やんなぁあれ。あんな可愛い子にちょっかいかけて……。うちまで嫌われたらどうしてくれるん? 」

「 えっ、親分そんな風に見えとったん? うわぁ、それは悪いことしたなあ。けどベル、お前は心配せんでも嫌われるどころか何の印象も持たれてへんから安心しぃ? 」

「 うっわこれやからトーニョは! どうせ自分のことしか印象に残らんように誘導してたんやろ? ずるいでそれ……。 」

「 ずるくありませーん、わざわざ案内役も買って出たんやから当然の権利やろ。 」

「 …そんなこと言って、あの人に何されてもうち助けへんからね? 」





「 後書き 」
この前のマフィンパロ設定でリハビリ作品です。トマト一家( ロマ抜き )はアッセファミリーの傘下だといいな。
あと蘭兄さんの福井弁がわからなくて全然喋らせられませんでした。ごめんよ蘭兄さん……。

Re: 短編集-花闇-【8/16現在生存/米短編執筆中】 ( No.33 )
日時: 2014/06/30 23:36
名前: 帆波 (ID: vsc5MjXu)

米夢【 広大でからっぽな旅日記 】



「 …なんてこったい。 」


 やはり慣れない事をするものではなかった。アナログな地図を片手に、明らか大通りではない人通りがほとんどない歩道に立ち尽くすわたしはさぞ滑稽だろう。あぁ、何故こんな事になってしまったんだったか。…そう、あの時はわたしも周りも浮かれていたのだ。良い意味でも、悪い意味でも。


 高校卒業、そして有名大学合格という学生にとってめでたい出来事に、わたし達は見事に浮かれていた。兄は友達に自慢しに颯爽と出かけ、祖父母はこりゃめでたいと赤飯と鯛料理の準備。そして両親はといえば秘蔵の酒をどこからともなく取り出し昼間から飲みだす始末。そういうわたしも、表では家族に呆れる振りをしながらも胸中は驚きと歓喜でいっぱいだった。
 そんな異常なまでのお祝いムードに当てられて、アルコールの入った母はなんと「 あんた一回くらい外国行っときなさいよぉ。社会勉強になるんじゃないぃい? 」とかいう戯言を言い始めた。そしてわたしは…、そう。渋りながらも周りの賛成に押し切られて海外旅行を決意してしまったのだ。…本当に正気の沙汰ではないと思う。国内旅行でもトラブルを五回以上は起こす母(これが残念ながら実話である)の言う事なんて聞かない方が身のためだったのに。
 ……これは身内しか知らないことだが、母の不運は”感染る”。これがどういうことか、もうお分かりだろう。


「 …あいむ迷子なう…? 」

 
 中途半端に日本語と英語を混ぜたことにあまり意味はない。しいていうなら、こうでもしないと真っ暗な現実に潰されそうだったから。は、ははは……と乾いた笑いが込み上げてくる。これも同じく意味はなく、ただ現実逃避のために笑ってみたというだけで、状況に何も変化はない。
 このまま予約済みのホテルにも辿り着けず、路頭に迷ってしまったらどうしよう。夜になったら怖い人達に目をつけられて、身ぐるみ全部剥がされたりして。そんな最悪の結末が頭を過った。泣きたくなるところを唇を噛み必死に堪えて、今は歩き続けなければ。


「 えーっと、地図の向きはあってる…よね。じゃあ真っ直ぐ行って突き当たりを右…じゃなくて左に行って、そのまた突き当たりを今度は右に……。 」
「 HEY! さっきからなにぶつぶつ言ってるんだい? 」
「 今話しかけないでください! 」
「 そ、そーりー……。 」


 まったく、人が一生懸命この状況を打開しようとしている時に話しかけてくるなんていう空気の読めない奴は一体誰だ。悪いけど貴方に構っている暇はないんだ。地図と周りの地形とを交互に睨みながら、なんとか目的地までの正確なルートを練る。あそこはああで、そこはそうして。よし、なんとかこれで迷子を脱することができそうだ。


「 君、そこ行ったら都心からもっと離れちゃうけど、いいのかい? 」
「 えっ嘘! ……っていつからいたんですかぁあああ!? え、ええええ!? ふーあーゆー!!? 」
「 今更かい!? さっきから居たのに……。 」


 さも当然のようにそこに立って私の地図を覗き込んだ男に盛大な叫び声を浴びせてやった。いやほんと、いつから居た? 「君がぶつぶつ言い出したところからだよ! 話しかけるなって君が言ったんじゃないか! 」…まじですか。
 どこの不審者だと思ったが、よくよく見れば金髪碧眼が眩しい好青年といった風貌をしている。…べつに見た目で判断してはいない、断じて。この青年、名前をアルフレッドというらしいが、この人通りの少ない地区にぽつんと立っている私を心配してくれていたようだ。一度は話しかけるなとまで言ったのに( 記憶はない。無意識だったのだろうか )、再び声をかけてくれる優しい人だとわかった。これは、頼らざるをえない…!


「 えっと…その、さっきはすみませんでした。それでもし迷惑じゃないなら、道案内をお願いしたいなーなんて…。 」
「 いいよいいいよ! なんたって俺はヒーローだからね! 人助けくらいお易い御用さ! 」
「 ひ、ひーろー? 」
「 そうだぞ、俺はアルフレッド。アメリカ合衆国のヒーローなんだ! 」


 誇らしげに胸を張って、堂々とおかしな事を言い始めたよこの人…。悪い人ではなさそうだけど、もしかして頭がちょっとあれなのだろうか。ほら、あれ。ジャパニーズ的に言えば主に中二くらいに見られるイタタタタ……な、あれ。
 哀れむような、怪しむような視線を送りつけると、頭のアホ毛らしきなにかをひょこひょこさせながら怒りだした。


「 君信じてないだろ!? 本当なんだからな! 」
「そ、そうですねーアハハ……。 」
「 まったく…日本人ってのは皆こうなのかい!? 菊といい君といい、視線が痛いんだよ……。 」


 怒りだしたかと思えば、今度はへこたれてしまったようで、元気のないチワワみたくしょぼくれている。うわあ面倒な人だな……。内心は放っておきたい衝動に駆られつつも、これから案内してもらうのに機嫌を損ねてはいけないから、少しだけ付き合ってあげることにした。

 

Re: 短編集-花闇-【8/16現在生存/米短編執筆中】 ( No.34 )
日時: 2014/07/01 07:27
名前: しゅみっと (ID: vsc5MjXu)


「 すみません、日本にはその、アルフレッドさんみたく自己主張の強い人が中々いなくて……。その菊、さん? も、だから免疫がなくてちょっと物珍しく思っただけなんだと思いますよ? 」
「 …本当に? 」
「 本当かどうかは知りませんが…、おそらくそんな感じの理由だと思います。 」
「 ……なんだ、君ってば良い奴なんじゃないか! HAHAHA、いやー怖い奴かと思ったんだぞ!! 」


 変わり身が早いというかなんというか……。いやそれよりも笑いながらわたしの背中叩かないでください、痛いです骨折れます。「 ん? あぁごめんごめん! ついうっかり! 」……うっかり済むレベルの力じゃないぞこれ……。
 もう、気をつけてくださいねっ。人差し指を立てて素振りをしてみるとアルフレッドさんはしょぼくれてしまい、思いのほか弄りやすいことがわかった。ようし、もっと弄ってやる……じゃなくて。今のわたしには生きるために行かなければならないところ、即ち本日の宿泊先のホテルを探すという重要な使命があるのだ。こんなことをしている場合ではない。


「 あのー、わたしそろそろ行かないと……。 」
「 ちょっと待ってくれよ! 俺が案内するって言っただろ? ここはヒーローの俺に任せておくんだぞ! 」
「 じゃあ…お願いしますね、ヒーローさん。 」
「 …! も、勿論だよ! さーて、俺から逸れないでくれよ? 日本人はちっちゃくて見失いやす「 なにか、言いました? 」…いやっ、何も言ってないぞ! 」


 あれー、何でアルフレッドさんの顔が引き攣ってるのカナー( 棒読み )。…という冗談はさておき、アルフレッドさんはわたしの手渡した地図を一瞥することもなくすいすいと進んで行く。大通りから裏路地に入り、そこからまた大通りにでて少し脇道にそれた所へ。これじゃあ本当に迷子になってしまいそうだったが、先程のやり取りをしてしまった手前、まさか逸れるわけにもいかない。必死に揺れる金髪を目印に追いながら歩くこと30分ほど。
 目の前には探し求めていたホテルの外観がそのままあって、思わず感嘆のため息を吐いた。凄い…、地図を見ずに辿り着けるなんて。此処に来るまでにアルフレッドさんは何度もわたしに話を振ってくれて、そして今も息一つ切らさない余裕な態度、対してわたしはその振りにも生返事しか返せず着いて行くだけで必死で( だって西洋人足長い…! )息が乱れている。そんなに体力がなかったのかと情けなくもあり、癪でもあり、複雑だ。


「 君大丈夫かい? ちょっと速く歩きすぎたかな……。まあゆっくり休んでくれよ。ホテルは此処で合ってるんだろう? 」
「 はっ…、はい……。ありがと、ございました……! 」
「 …本当に大丈夫かい? 」


 綺麗に澄んだ碧眼でわたしの顔を覗きこんだ。反射的にふいっと顔を反らすと、Sorryと発音の良い英語が耳に届いた。人のペースを乱すことしか出来ない人だと思っていたけど、勘違いだったみたいでなんだか恥ずかしい。その申し訳なさで顔もなんだか暑かった。
 

「 いや、ほんと大丈夫ですから。ほら、もう呼吸も整いましたし! 」
「 えー、なんだか君危なっかしくて信用ならないよ…。 」
「 なっ、なにおう! 失礼な! 」
「 わ、叩かないでくれよ! 」


 思いもよらない評価に不満を覚えてアルフレッドさんをぽこぽこと叩く。殴るではない、叩くのだ。日本人の中でも小柄なわたしとアルフレッドさんでは体格が違いすぎて、殴るという表現は当てはまらない。それでもこりずにぽこぽこ叩いていると、不意に頭に重みを感じて手を止める。大きい手、それは他でもないアルフレッドさんの手で、静止の合図でもあった。


「 はーいそこまでだぞ。君、チェックインもしなくちゃいけないんだろ? 先に済ませてきたらどうだい? 」
「 あ、そういえば……。 」
「 その大荷物じゃ動きづらいよ、もっと軽い荷物にしてから下りてきて。 」
「 ……え? 」


 それではまるで、わたしを待っているという宣言じゃないか。予想外な発言にびっくりして固まっていると、アルフレッドさんは子供っぽい笑みを浮かべてこう言い放った。


「 こうして出会えたのも何かの縁なんだぞ! 言っただろ、君一人じゃ危なっかしいから俺がこの街を案内するよ! 」
「 え、…えええ、い、いいんですか!? そんな、わたし見ず知らずの人ですよ? 」
「 What? 何言ってるんだい、俺達はこうして知り合ったじゃないか! もう十分知り合い、いいやfriendだよ! だからさっ。 」


 早く手続きしておいでよ。
 邪気のない笑顔に当てられて、わたしは頷きざるを得なかった。こくこくと必要以上に首を縦に振ってから踵を返してホテルのロビーへと入る。……顔が、暑い。きっと耳まで真っ赤だろう。そんなところを見られたくなくて、出来るだけ顔を俯かせてチャックインを済ませ、部屋に滑りこんだ。心拍数が一定以上を越えたまま収まらない。苦しい、……だけど何故か笑顔が溢れてきて。


「 ……早く、行かなきゃ! 」


 必要最低限の荷物をバッグに詰め込んで部屋を飛び出した。目指すは金髪碧眼の彼。——わたしの旅を唯一無二のものにしてくれた、彼の元へ。

Re: 短編集-花闇-【7/1米短編うp】 ( No.35 )
日時: 2014/07/22 14:27
名前: 帆波 (ID: 3rAN7p/m)


加誕【 いつもの場所から、君を 】




ただひっそりと、見ているだけの僕だった。

「 ごめんな、マシュー。 」

 ううん、僕は大丈夫だから、早く兄弟のところに行ってあげて? きっと兄弟も貴方を待ってる。

「 ごめん、マシュー。…俺は。 」

 貴方が謝ることじゃないよ、だからそんなに悲しい顔しないで。

「 ……抱え込まないでくれよ。俺と君は、兄弟なんだから。 」

 うん、ごめんね。でもこうでもしないと心配かけちゃうから、もっと色んな人に迷惑かけちゃうから。
 そう言うと、僕とよく似た顔の君は悲しそうな顔をして俯いた。…ごめんね、それも僕のせい。

「 オマエ、一人寂シクナイ? ズット我慢シテル、苦シクナイ? 」
「 うん、大丈夫だよ。クマ二郎さんは優しいね。 」
「 オレ、オマエトズット一緒ニ居ル。ダカラ分カル。 」
「 ……うーん、そうだね。長い付き合いだもんね。 」

 つぶらな瞳が悲しげに歪むのが見えた。昔からの友達、君にまでそんな顔をさせてしまうなんて、僕はなんて駄目な奴なんだろう。
 …なんて、言ったら今度は怒るかな。

「 実を言うとね、すっごく寂しい。皆が兄弟に構っている間、僕はずっと一人だった。でもね、仕方ないんだよ。兄弟には道しるべとなる人が必要なんだ。それがたまたま、僕の近しい人だってだけで。 」
「 …オマエ、聞キ分ケ良スギル。 」
「 だって唯一の兄弟だよ? 成長の邪魔をするようなことは絶対にしたくない。 」

 それは矛盾した愛。愛されたい、けれど兄弟のためならそれを我慢することもできて、でもやっぱり寂しい。愛しているのと、愛されたいのと。それが今はたまたま愛したい方が勝っているだけ。

「 だからいいんだ、僕はこれで。 」

 自己満足だっていい、それが誰かのためになるなら。



・ ・ ・ ・ ・


「 ……そんなこともあったね。 」

 入れたてのココアの一口飲み、落ち着いた口調で話した。

「 あったね、じゃないだろ! まったく、なんで君はいつもそうなんだい!? 頼れば良いじゃないか、君にだって甘える権利はあるんだぞ! 」
「 うん…アルのそういうとこ、本当に羨ましいよ。 」
「 …じゃあもっと欲張れよ!! 俺達は万能じゃないんだ、言葉にしなきゃわからないことだって沢山ある。それを勝手に自己犠牲にすり替えるなんて、馬鹿にも程がある! 」
「 ……しかた、ないじゃないか……ッ! 」

 バンッ、と木製のテーブルが音を立てた。物静かな彼からは想像もできないことだったが、しかしここで はいそうですねと負けてやるものか。

「 じゃあもし、僕が欲張ったら君はどうなっていたの!? もしかしたら成長が遅れて、君自身も、周りの国にも被害があったかもしれない! 発展途上でどこかの国が君を略奪しにきたらどうするの? それは君一人の問題じゃなくて、他の人にも迷惑がかかることなんだ。……誰かは礎にならなきゃいけないんだよ、それくらい、君だってわかるだろ…!? 」
「 ああわかってるさ、犠牲はどの時代も必要だからね。でも、君一人がずっとその礎になる必要はなかった。…辛いならそう言って欲しかったんだ、状況が打開できなくても、それでも共有することができればそれは一人じゃない。 」
「 ……それは、きれいごとだよ。 」
「 まあ、そうだね。歴史に”もし”はない。…だから、これからの事を考えよう。 」
「 ……。 」

 疑惑の視線が突き刺さる。けれど屈しない、俺はヒーローなんだ。大演説をする時のように手を広げて、訴えかけるように言葉を紡ぐ。

「 これから君はどうなっていくのか、どう成長して、どんな国々と関わっていくのか。前向きに真剣に考えればいい。昔には戻れなくても、昔を繰り返さないようにすることはできだろ? そうやって進んでいこうよ、兄弟。 」
「 …………僕に、 」

 涙をこらえているような震えた声だった。顔は俯き、表情は見えない。

「 ——僕に、できるかなあ、兄弟……ッ。 」

 ああ、やはり泣いていた。涙がぽろぽろ溢れだして、酷い顔。でもこれが俺が一番見たかった顔。格好悪くてもだらしなくても、兄弟の本当の心を表した表情を俺はずっと待っていたんだ。テーブルの上で震える両手をすくいとって、力強く握る。もう離しはしない、俺の大事な兄弟。

「 できるさ、なんたって俺がいるからね! 」
「 そう…だね…っ。 」
「 あー、あとフランシスとアーサーもいるぞ! 他にも君を支えてくれる奴らは、沢山いるんだ!! 」

 俺の言葉一つひとつを噛み締めるように、相槌をうち、最後にはふにゃりとした満面の笑顔を見せた。

「 じゃあ改めて、マシュー。 」


「 Happy birthday!! 生まれてきたことに感謝するんだぞ!! 」

 
 その笑顔がこれからもずっと続きますように。



(( ——届いていない一方通行、それが実はちゃんと繋がっていたりして。ああ、やっぱり世の中わかんないことだらけだ。 ))



「 後書き 」
カナちゃんの誕生日にブログにうpした短編です。題名は根緒様より頂きました。

Re: 短編集-花闇-【7/22加短編うp】 ( No.36 )
日時: 2014/07/22 14:59
名前: 帆波 (ID: 3rAN7p/m)

英夢



風が運ぶ薔薇の香りは鼻孔をくすぐり、ああもうそんな季節なんだなぁ、なんて思いながら周りに咲き誇る薔薇達をぐるりと見渡した。
定番とも言える赤、穢れを知らないような白、愛らしいピンク、品のある紫、爽やかなレモンイエロー。どれもこれも、まるでわたしだけを見て!と言わんばかりに精一杯花弁を開いて咲き誇っていて見所がつきない。
決して広い庭ではないけど、ずっと見ていたいと思った。薔薇は手入れが大変だと聞く。これだけ立派な薔薇を咲かせるには相当の時間と労力を要したということだろう。ここまで出来る人間は、薔薇愛好家達の中でもきっと限られているに違いない。
視線の先にあった白薔薇をしゃがみこんで見ていると、背後から静かな足音。上体を少し捻り振り返ると、見事に逆光であまり顔が見えない。だが、その立派な眉毛だけは確認できて、思わずくすり、と笑みが溢れた。


「お邪魔してるよ、アーサー」

「…ん、あぁお前か。また今年も来たんだな、ご苦労なこった」

「苦労なんてしてないよ。此処来るのだって精々十分くらいしかかからないし、なによりアーサーの育てた薔薇、わたし大好きだから」

「なっ……、そ、そうかよ!」


一年ぶりに会った彼は相変わらず素直じゃない。丹誠込めて育てた薔薇を褒められて満更でもないくせに、それをつっけんどんな口調で誤摩化す。彼は去年も一昨年もこんな感じだった気がする。そう思うと、一年にこの時期の、数日間しか会わない私を忘れず同じ態度で接してくれるというのはなんだか嬉しくて、特別な気分になってくる。もしかすると彼もこの時間を楽しみにしてくれているのではないか、なんて。……流石に自惚れすぎだとは思うけど。
考え込んでいると、急に肩に手を置かれて驚きから勢いよく立ち上がる。どうやらアーサーに呼ばれていたらしい。…自分の世界に入ってて気がつかなかった。私が勢いよく立ち上がったことによって、アーサーも少なからず驚いた様子で、「ひ、人の話はちゃんと聞けよなばかぁ!」と言われてしまった。あはは、申し訳ないです。誤摩化し笑いをしながら謝罪すれば、そっぽを向かれてしまった、ありゃりゃ。と思えば、顔を背けられたまま話し出して。


「おい、今年はいつまで滞在するんだよ」

「え、あ、んーっと、まあ今日入れて三日ってとこかなぁ。おばあちゃんの体調が良くってね、今年は少し短いんだ」

「そう、か…。よかったなあ、早く地元に帰れて!」


少し弾んだ声で理由を話せば、相反して沈みがちで拗ねたような言葉が返ってくる。毎度思うが、こいつは中々面倒な性格をしている。多分、ツンデレの中でもかなり複雑な類の人種だ。でも、今の言葉は遠回しにデレてくれているという解釈でいいのだろうか。きっと、「寂しくなんてないぞ!」って言葉が省略されているんだ、うん、そう思おう。


「もう、素直じゃないなぁアーサーは。帰ってほしくないって素直に言えば「んなワケねぇだろ!誰がお前なんかがいないくらいで!」
 …はいはい」


ほんと、ツンデレが通常運転すぎて困る。呆れ半分といった具合に相槌を打つと、余計彼のプライドを刺激してしまったみたいで拗ねた態度で向こうの方に行ってしまった。私もすかさず追いかける。なんだかんだこのやり取りが楽しくて、毎年この地元に帰ってくるのが楽しみなのだ。この時期が近づいてくると柄にもなくそわそわして、何を着ていこうかな、とか、お土産のお茶菓子はあれにしようだとか、とにかく落ち着かない。彼に会うまで久しくこんな気持ちは抱いていなかったから、この感情に名前を付けるのはまだ早いと思っているのだけど…。


「アーサーって本当に薔薇の手入れが丁寧っていうか…うん、上手だよね。その癖手綺麗だし……ずるい」

「なにがだよ。それに、男に手が綺麗とか褒め言葉になんねぇから。それ言うならお前も白い肌に綺麗な爪してるだろ、いいじゃねぇか」

「アーサーの方が綺麗だもん……。…も、もしかして、それでハンドケアしてないとか、言わないよね!?」


まさかそんな!と、思わず土いじりをしていたアーサーの手をひっつかみ、必死の形相で問い詰める。


「し、してないけど…悪いかよ!まあ、乾燥が酷い時にはハンドクリームくらい塗るが……」

「ず…ずるい!アーサーずるい!!」


しょ、衝撃だ……。それ以上に悔しい!こんなに白くて滑らかで白磁みたいな手をしておいて、基本何もしてないだって!?くぅぅ…、女として負けた気がする……。掴んだままのアーサーの手をより一層強く握り、空いている方の手で憎たらしくさえ見えてきた白い手の甲をぺちぺちと叩く。せめてもの腹いせだ。


「…地味に痛ぇんだよ、やめろって」

「アーサーの肌が黒くなるというのなら今すぐにでもやめましょう」

「無茶言うな。…ったく、俺に嫉妬してどうするんだよ」


今度はアーサーが呆れる番で、大きなため息をついた。確かに、厳密にはアーサーの”手”なのだが、男の彼に嫉妬するというのもなんだかお門違いな話だ。少々取り乱しすぎたかもしれない。握っていた手を緩めてごめんね、と口に出そうとした時、アーサーによって不意に手を掴まれた。


「それに、ほら。お前の手だってこんなに綺麗だ。男の俺の手なんかよりもずっと滑らかで、華奢で、女らしい。…少しでも力を込めたら折れそうなくらい弱々しくて、守ってやりたくなる」


至極真面目な顔でそう言い放った。私の手を丁寧に優しく、それこそ彼が薔薇の手入れをするように繊細に触られて、気恥ずかしい台詞まで言われて、顔に熱が集まってきてとても熱い。ねえアーサー、わかったから、離して?やっとの思いで絞り出した声で言えば、彼の方も真っ赤になった顔で咄嗟に手を離した。
二人の間に気まずい空気が流れる。どうしよう、何か言いだしたいけど、タイミングが掴めない。そんな感じで、二人ともだんまりになってしまった。…こ、これはアーサーが悪いんだよ。あんな恥ずかしいこというから…!急すぎるでしょ、デレるのが。…でも、あれはデレというよりも、もっと別の。
……あああああ!もう、黙っていちゃ何も始まらない、終わりもしない!意を決して空気を吸い込み、いつも以上にからからに乾いた口を開いた。


「あ、アーサー」 「な、なあ」

「「あ……」」


最っ悪だ。なんでこんな漫画みたいな展開に…。私を勇気を振り絞って発した声は、同じくして発せられたアーサーの声ともろに被った。ど、どうしよう…さっき以上に気まずい。ええい、こうなったら、


「あ、あのねアーサー!」

「お、おう」

「聞きたい事が、あるの…」

「ああ…」

「その…、さっきのは、別に深い意味とか、ないんだよ、ね?日本の、言葉の綾とか、そういうやつなんだよね?」


私というやつは!なぜこんなに答えづらく、かつ消極的な質問をしてしまうのだろう。ほら、案の定アーサーも困っている。でも私だって傷つきたくないんだ。まだ名前も知らないこの感情が、こうすれば傷つかなくて済むことを知っているから、私はそれに従っただけ。——いいや、本当はちゃんとわかってる。こうしてしまえば、確かに大きく傷つくこともないけど、始まりも終わりもしないせいで心が満たされることもない。それでもこの選択肢を選んだ。私は結局のところ臆病なんだろう。
質問をしたきり、俯いて口を閉ざしてしまったアーサーに、ねえ、と呼びかけて返事を促す。すると、ゆっくり顔が上がり、光を宿した翡翠が私を真っ直ぐと見つめた。その瞳はやけに真剣で、視線を外せそうにない。


「違う」

「……」

「言葉の綾とか、そんな曖昧なものじゃない。あれは、確かに咄嗟にでた言葉だ。けど、嘘じゃない。俺は本当にそう思ってる。お前を…守りたいって。そして、一緒に居たいとも思ってる。
…なあ、俺の答え、聞いてくれるか?」


静かな声色にごくりと生唾を飲んで、首を縦に振った。本当のところを言うと、今にも涙が溢れてしまいそうだった。彼が私を、…直接は言ってくれていないけど、とても好意的に思ってくれているという事実だけですごく嬉しい。でもその衝動を今はぐ、とこらえて彼の真剣な声に耳を傾ける。


「最初は、変なやつだなって思った。勝手に人の庭に入り込んだと思ったら垢抜けしない笑顔で薔薇が綺麗だとか言い出して。それからも暫く、…会って一度目の年はずっとそう思ってた。けど、変わったんだ。一年にこの時期しか会わないのに、それを重ねるごとに段々お前に会うのが楽しみになってた。…自分でも驚いたぜ。でもな、なんとなくは気付いてたんだ。お前が笑うたび、喜ぶたび、俺も同じように心が弾んだしお前が悲しそうにしていれば俺も気持ちが沈んだ。なあ、それって、」


——好きってことなんだろ?


聞きたかったような、聞きたくなかったような。待ち望んでいたけれど、言ってほしくなかった言葉は、今確かに彼の口からしっかりと紡がれて私の耳に届いた。嘘、でしょう…?答えも聞いてもなお、否定したくなる。どっちつかずの関係に慣れてしまったこの身がハッピーエンドを拒んでいるのかのように、舞い上がりそうになる頭に反して瞳からはぼろぼろと大粒の涙が頬を伝って、落ちる。綺麗に整備されたレンガ道に不規則なしみを作って、喉からは嗚咽が漏れだした。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8



この掲示板は過去ログ化されています。