二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 短編集-花闇-【根緒様リク執筆&うp中】
- 日時: 2014/07/23 23:29
- 名前: 帆波 (ID: 3rAN7p/m)
まずはくりっく感謝です。
帆波とかいてほなみと読むものです、どうぞお見知りおきを。
此処は長編ではなく、短編やシリーズ物、IFなどを取り扱う所です。
何故短編その他もろもろかというと、わたし、長編書いても続けられない事に気付いたので。
シリーズ物くらいならまだ続けられるかなあ、なんて思ったりした所為でもあります。
では、次に注意事項を。
・二次小説が嫌いな方、二次小説にご理解がない方はご退場願います
・作品、及びキャラの贔屓がそれなりにあります。リクエストはいつでも受けつけますのでお気軽に
・個人的に私が嫌いと言う方もUターンをお願いします
・此処のせいでキャラのイメージが崩れた!などの苦情は受け付けかねます。私も出来る限りキャラ崩壊はしないつもりですが、最終的には自己責任でお願いします
次は取り扱い中、また予定の作品です
・黒子のバスケ
・ポケットモンスター
・ハリーポッター
・めだかボックス
・ヘタリア←New
・オリジナル←New
リクエストもこっそりと受け付けています!
リクエストする際には作品名と誰夢か、傾向(甘やシリアス、ギャグなど)を書いてください。それプラス、細かい設定などあれば帆波が助かります。
お相手:球磨川禊/めだ箱 >>1.>>2.
お相手:ノボリ/ポケモン >>3. >>5.
お相手:pixivレッド/ポケモン >>4.
お相手:ヒビキ/ポケモン >>8.
お相手:リーマス/ハリポタ >>9
お相手:髏々宮カルタ/妖狐 >>11
お相手:チェレン/ポケモン >>13
お相手:花宮真/黒バス >>14
※死ネタ お相手:黒子テツヤ/黒バス >>16
お相手:フェリシアーノ/APH >>19
お相手:ギルベルト/APH >>24
お相手:イヴァン/APH >>29
お相手:?/APH >>32
お相手:アルフレッド/APH >>33>>34
加誕短編 >>35
お相手;アーサー/APH >>36>>37
お相手:ロヴィーノ/APH >>39…coming soon *根緒様リクエスト
ピクレ妹主シリーズ
>>6.>>12
オリジナル
>>15
- Re: 【短編/主にポケモン】刹那的蜃気楼【リク&コメ募集中】 ( No.11 )
- 日時: 2013/05/05 21:14
- 名前: 帆波 (ID: voQe75S9)
簡易オリキャラプロフ
山祇神 弓弦/やまぎかみ ゆづる
性別、女。山神の先祖返り。六号室のSS
友情出演
鎌井城 礼疾/かまいじろ あやと
性別、男。鎌鼬の先祖返り。六号室の住人。
お相手?:髏々宮 カルタちゃん
「__ちゃん、ゆーちゃん?」
「…ん、かるた、ちゃん?どうしたの?」
「ううん…、ゆーちゃんが、ボーッとしてたから…」
いつも通りの無表情、けれどその瞳には心配の二文字が宿されていて。それに弓弦は笑ってこう返す、「大丈夫だよ」と。
この頃、とても不安な気持ちになる。…いや、気持ちというよりは、妖の先祖返り特有の、直感。こういう時、自分が先祖返りであることを恨む。なんで、こんな事を感じなければいけないのだろう。でも、言ってはいけない気がする。誰かに話しては、いけない。
「ねぇ、カルタちゃん?…私達って、友達?」
「?うん、友達…」
「じゃあ、来世でも?…また生まれ変わっても、私と友達になってくれるかな?」
「うん、ゆーちゃんとなら、ずっと、生まれ変わっても友達。…指切り、する?」
そう言って差し出してきたカルタちゃんの小指にそっと自分のを絡めて、「指切りげんまん」。その時のカルタちゃんが、何となくだけど、とても弱々しく見えて、とても、護りたいと思った。今も、きっと来世でも。
嗚呼、もう。泣きそうになったじゃない。そんな感情を隠すために、私は笑顔でカルタちゃんに抱きつくのだ。
「カルタちゃん、だーいすき!お母さんよりも、お父さんよりも、礼疾よりも、ずっとずーっと大好きだよ!」
「…私も、大好き。渡狸と同じくらい、ゆーちゃんが好き」
「卍里くんと同じ、かぁ…。うん、今はそれでいい。けど、来世で会う頃には卍里くんを追い越してるといいな」
私達は笑いあった。これから起こる最期の始まりになど、気づきもせず。
ただ幸せそうに、幸せに、無知に、無邪気に。
((ゆーちゃんが渡狸みたいにちっちゃくなったら、もっと好き…))
((本当!?ちょ、ちょっと調べものしてくる!))
((うん…(必死なゆーちゃん、かわいい…) ))
~END~
自ブログに載せていた小説をば。いぬぼくです。カルタちゃんです。
- Re: 多作品短編集-影踏み-【リク&コメ募集中】 ( No.12 )
- 日時: 2013/05/05 21:16
- 名前: 帆波 (ID: voQe75S9)
「…嗚呼、負けて、しまったのですね」
「悪い、シノブ。……じゃあ、また今度」
無様に負けた私の姿を見、少し苦しそうな表情をした兄は、それでも踵を返してボスのいる場所へと足を進ませます。待って、行っては駄目。言いたいけれど、敗者の私にそのようなことを言う権利は、微塵もないのです。
知らぬ間にまた会おう、と言った兄を、私は憎く思います。なんて甘ったれた兄さん、…だからこそ、その甘さに縋ってしまいたくなる。嗚呼、その心に妹への情が少しでも残っているというのなら、どうか。どうかもうそれ以上優しくしないでください。
「どうか……。__私の兄さんを、救ってください。そして、私に罰を、」
この醜い敗者には、罰がよく似合う。
__目を開ければ、壊したくなるほどに真っ青な空。どうやら寝てしまっていたようです。ゆっくりと体を起こせば、どこかの公園。
「…起きた?」
「!?」
本当に近く、耳元で言ってしまったはずの兄の声。驚いて横を見れば相変わらず無表情の兄の姿。……、この体制はどうみても"膝枕"というものの体制。
兄といえど膝枕なんてされたこと、記憶の中には存在しないので、羞恥心で顔が赤く染まります。その感情を精一杯隠して、取り敢えず体制を直して兄の隣に座り直しました。
心なしか兄の表情が残念そうなものに変わったなんて、きっと幻なのです。ああ、私は疲れているのでしょうか。
「…兄さん、何故此処に。ボスは、」
「倒した。その後に、シノブを連れてきた」
「何が目的で。……情報なら、はきませんよ。意地でも、それでこそ死んででも」
私がそう言うと、兄は首を横に振って「違う」ということを表す。じゃあなんで、そう言おうと口を開けかけた瞬間、兄が声を発しました。
「シノブは、大切な妹だから。放ってはおけなかった。…ロケット団だからとか、関係ない。俺は、ただ純粋にシノブが大切。…わかる?」
「は、はい。…でも、今現在進行形でロケット団の私なんかを、これからどうしてくれるおつもりですか」
「一緒に旅する?」
「結構です。…兄さん、私は、ロケット団なんですよ。だから、同僚達を置いて、一人だけ逃げたり、幸せになったりしてはいけないんです。今までしてきたこと、それ相応の罪を背負って生きなければいけないのですよ。…大丈夫、兄さんは正しいことをしたのです。兄さんが、正しい。だから、私は間違っている。……これから、ジュンサーさんの所へ行ってきます。また、同僚と一緒に」
「…ふざけるな」
「…え?」
兄の声は、確かに怒りを含んでいました。表情がいつになく冷たくて、何の感情も感じられません。私は、ただただ驚き、それだけです。
「俺を、他のその他大勢の為に妹を売れる兄だと思うな。…俺は、シノブが思っているほど、正義でも、聖者でもない。他はどうでもいい、シノブだけは、絶対に俺が、」
「それ以上言っては駄目です、兄さん」
薄く笑って、必死な兄の唇をそっと人差し指で塞ぎます。嗚呼、愚かな兄さん。貴方は、罪滅ぼしをする私を静かに見守ってくださるだけでよかったのに。生憎と、私はそれほど謙虚な人間ではないのです。だから、
「甘えてしまいますよ、兄さん」
「…それを、俺が望んでいるとしたら?」
「ほぅ、兄さんも、とんだ食わせ者というわけですか。私は…、欲張りですよ。誰よりも、依存を求めるでしょう。それでも、良いというのなら」
「ああ、上等だ」
なんて綺麗に笑うのだろう、と思いました。今にも消えてしまいそうな、その微笑みはこの上ない、私への赦しでした。
~END~
ピクレ妹主シリーズ第二話です。
意外と計算高い双子だといいと思います。次からほのぼのります。多分。
- Re: 多作品短編集-影踏み-【リク&コメ募集中】 ( No.13 )
- 日時: 2012/06/07 18:58
- 名前: 帆波 (ID: cA.2PgLu)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=23985
何ヶ月ぶりでしょうか、帆波です。
今は周波数3.3というHNでポケスペの二次小説を書いてたりします。URLを貼っておきますので、もしよろしければ読んでいただきたいです。まあ亀更新なんですがw
久しぶりの更新にチェレン夢を。中編にしてみたいです。
「虫取り少女はお嫌いですか?」
「ねーねー、チェレンー。さっきね、ミツハニーの群れを見かけたんだけど……。不覚にもボールが切れてたんだ、不覚!」
「文脈可笑しいよ。…まったく、そんな泥だらけで帰ってきて何してきたのかと思えば……。
心配して待ってる僕の身にもなってほしいね」
服は所々破れて、至る所土で汚れているというまあ酷い格好でチェレン宅(※現在は私の家でもある)に帰ってきた所である私。アゲハは玄関で説教されていました。
目の前のチェレンは仁王立ちで、なんかゴゴォォっていう効果音でも流れそうな具合。そんなに怒らなくても…、と思うわけですがいつも通りのツンデレさに安堵してしまう。
何とか説教から逃れるべく、にやっとした表情で言ってみる。
「チェレンってホントツンデレー」
「なっ……、君って本当に口が減らないね。それで、僕の一体どこがツンデレだって?」
「さっきのツンデレのまさに黄金比率、ツン6割に対しデレ4割がわかりやすくでている態度がまさに……」
「黙らないとその人差し指へし折る」
「ごめんなさーい」
人差し指をぴんとたてて言ってみたら何か変わるかと思ってやってみたら、見事チェレンの怒りメーターが変化しました。悪い方向に。
いつもよりなんか不機嫌そうな声でへし折るとか言われたらもう謝るしかないと思うんだ。
……なんてコントみたいなことやってたらやがてチェレンは怒る気が失せたのかため息をついて、
「早く上がって、お風呂入ってきなよ」
「はーい」
靴を脱ぎ捨てて……っと、ちゃんと靴は揃えなきゃチェレンが怒るね。靴を玄関の端に整えて置いて、ばたばたとせわしなく一階と二階をいったりきたり。
だって着替えとかバスタオルとか色んな所に…、あ、私の所為か。
お風呂にちゃぷん、とつかると良い気持ち。疲れが取れる。
ミツハニーの他にヤンヤンマとかを追ってたら自然と上を向いて走っちゃうわけで。それで足下見なくてずっこける、なんてのはお決まりのパターンすぎて慣れちゃった。
何回もこけてると痛みにも強くなるから、これはこれでいい気も……、
「アゲハ!のぼせないでね!」
「…わかってるよー」
本当に、ツンデレなのか過保護なのかどっちかはっきりしてほしい。
私一回もお風呂でのぼせたことないもん、そんな心配されなくても大丈夫なんだもん。
「ねぇ、チェレン。明日一緒に出かけようよ、どうせ暇でしょ?」
「どうせって……。まあ暇だけど、「ならいいでしょ?」……明日だけだからね」
そんなこといって、毎回付き合ってくれるくせにー。とか言ったら本気で不機嫌になりそうなのでやめておく。
冷蔵庫にアイスあったよね、とか思いながら見てみると、ビンゴ。ピ○のだ。小さいから食べやすいんだよね。
一個、アーモンド味を口の中に放り込むと、
「しぇれんも食えるれしょー?(チェレンも食べるでしょー?)」
「え?何?」
食べながらだと話しにくな、まあ当然だけど。
ピノ(もう隠さない)を付属の刺す奴で指して、チェレンの口元までもっていて、「あーん」なんて。
顔を少し赤くして戸惑っているチェレンに「早く食べないと溶ける」とか言ってやると恥ずかしがりながらもあーん、とそれを口に含む。
え?なんか卑猥な描写?エー、ワタシのセイチガウー。
「チェレン真っ赤、林檎みたい」
「誰の所為だと?」
「私でーす」
確信犯、とかも良いでしょ?
〜END〜
30分クオリティです。因みにゲーム未プレイ。さーせん。
- Re: 短編集-花闇-【色々雑食】 ( No.14 )
- 日時: 2013/07/01 23:09
- 名前: 帆波 (ID: K84EbAPL)
・花宮妹なヒロイン
「真実ちゃんってばピュアぁ、かっわいー!」
「ちょ、ちょっと、やめてよこんなトコで……。恥ずかしいよ」
「恥ずかしがってる所もかわいーよ、真実たん!」
「うわぁああ…、”たん”とか本当に恥ずかしいからやめてぇ……、本当やめて……」
ほんっとやめて欲しいったらないよね。皆わたしをマスコットか何かに勘違いしてる?大して仲もよくないくせに、とりあえずわたしを褒めちぎればいいと思ってる?そうすれば自分も輪に入れるって思った?……筋金入りのバカ共かよ。そういう集団意識って吐き気するなぁ。それでもわたしって優等生だから笑顔振りまいて皆をいい気分にさせてあげるんだ。まあ、卒業までの辛抱だよ。どーせ高校じゃばらばらになるんだからさ。三年間一緒にいたマスコットから裏切られるなんて、……あはっ。滑稽にもほどがあるわぁ!愚者の才能あるんじゃないかな?
「真実ちゃん一緒にかーえろっ」
「うわっ、…もぅ、後ろから抱きつくのはなしっていったじゃない。毎回びっくりするんだからね?」
「あははー、ごめんごめん。ほら、かえろっ?」
後ろから抱きついたクラスメイトにぷう、と頬を膨らませて拗ねたふりをすれば、クラスメイトの彼女はころっと騙されてくれる。わたしは立場上、よく弄られるのだが……後ろから抱きつくのはぎりぎり許容範囲内というところ。あまりべたべた触れないでほしい。鬱陶しいから。
まあそんなことは表にださず、上辺だけはにこにこと笑っていればそれで世の中渡っていける。ほら、この子だってわたしの上辺しかみてない。「ねぇ、あの人かっこよくない?」…、今頃の女子は通行人にまで手をだすの?生憎、わたしは一目惚れとかは信じない主義だから、初対面の人に媚を売るような、…そう。ナンパとか、逆ナンとかよくわからない。適当にあしらうが、それでも「かっこいいんだって!ほら、あそこ!」と主張してやまないクラスメイトに、渋々その指差す方向を見る。
高身長。そしてわたしと同色、紫がかった黒のショートの髪。そして何故か見慣れた制服。——あっれー、見覚えあるんだけど、誰なんだろー。
……ええい、こうなれば気付かれる前に退散するに限る。
「あ、ほんとだぁ。ああいう人憧れるなぁ、……あっ。あの小物かわいい!見に行こうよ!」
「わ、ネコじゃん!さっすが真実ちゃん。いいセンスしてる〜!」
今度こそ適当に相づちをうち、すぐさま話題を変える。女子中学生なんてものは、興味の対象がすぐに変わってしまうものだ。違う話題を提示してやれば今までのなんかほっぽって、そっちに飛びつく。バカだなぁ、と普段なら思う所だが、今ばかりはその移り気な性質が役に立った。クラスメイトは目を光らせて雑貨屋さんに足を進める。
「あれ、真実?」
ぎくり。自分ではない誰かがわたしの名前を呼んだのを聞いて、クラスメイトの足も止まる。文字通りロボットのようにぎくしゃくと振り向けば、少し驚いた表情をした男。さっきまで話題にあがっていた男である。クラスメイトは「え、なになに?もしかして知り合いだった!?」と余計な詮索をいれてくる。
うわぁ…、こういうのだけは避けたかったのに…。うげぇとなったわたしを他所に、男はわたしに近づいた。
「此処で会うなんて珍しいよな、そっちの子は友達?」
「あ、はは……、……こんなトコで何してるの?お兄ちゃん。部活は?」
「今日は休み。先生達の会議があるからってさ。…いや、それにしてもこんな所で会うなんてな」
男……もといお兄ちゃんはわたしに営業スマイルともとれる笑顔をむけてきた。なにそれ、やめてほしい。横ではクラスメイトさんが一人ではしゃいでるし。
「え、うそ、真実ちゃんのお兄さん!?えー、まじでかっこいいじゃん!やっぱり遺伝なんだぁ〜!!」
「真実の友達?初めまして、花宮真です。うちの妹、迷惑とかかけてない?」
「いやっ、そんなことないですよ!むしろこっちがまとわりついてるって感じでぇ、あはは〜」
…クラスメイトよ、わたしの兄と分かった途端「接点発見!」とばかりに媚を売るのはやめてくれないか。怖いから(主にうちの兄の目が)。
「そうなんだ、いつも仲良くしてくれてるみたいで、ありがとう」うわぁあ、お兄ちゃんも会話にのんじゃねぇよぉ…。営業スマイル(目が据わってる方)とでれでれスマイルとかまじで最悪な組み合わせだからさぁ……。
「あ、お兄さん真実ちゃんと帰ります?滅多にあわないんですよね?兄妹水入らずでどうぞ!じゃあねー、真実ちゃん!」
「え、あ、うん。ばいばい」
うわぁあああ、もういらんとこで気ぃつかわなくていいよぉおお!!今は誰でもいいからこいつと二人にしないで、「さーて真実。邪魔者はいなくなったし、帰るか。兄妹”水入らず”で」
…もうこいついやだぁ……。
「おにぃちゃぁん、とりあえず手ぇ離してくれませんかね……」
「やだよ、離したらお前逃げるだろ?絶対離さねー」
クラスメイトと別れたわたしとお兄ちゃんは絶賛帰宅中、なのだが……。お兄ちゃんが何故か手首をつかまれたまま離してくれない。兄は流石バスケをしているということで手が大きい(わたしが周りと比べてかなり小さい、ということもあり余計に)。だから少し力をいれているだけのつもりなのだろうが…、十分痛い。
「いや、そうはいいましても手首いたい、…っぁ、い、ったいなぁ!なにす、ん……」
どん、と背中に衝撃。周りには人がいない、閑静な住宅街のコンクリート塀に追い込まれる。いわゆる壁ドンってやつ?……あれ、結構やばくないかな?
「もっと痛くしてやろうか?」
不敵に笑う兄に対して冷や汗が流れる。掴まれていた手首は掴むままでは飽き足らず、ひねりあげてそのままコンクリートに縫い付けられていた。にやりと歪められた口元にわたしは引き笑いしか起こらない。
近親相姦とかまじシャレになんないよお兄ちゃん……。やめて、の意をこめて睨むと、特徴的な笑い声が聞こえてずいいとお兄ちゃんの顔が間近にくる。
「ふはっ、そんな目していいのかよ?…逆効果だぜ、それ」
小さく、吐息混じりの声で囁かれて不覚にもびく、と体が跳ねた。その生理的反応にもう一度笑ってから、お兄ちゃんはわたしから離れた。
「こんな所じゃなんだしなぁ、早く変えろうぜ。ほら」
まるで今までの行為がなかったかのようにいつも通りの声色で言って、そして手を差し出した。突き返されるなんて思っていない、絶対的自信のもとに行われているこの行動に反発したい気はあるが、やはり兄の前では叶わないことである。
差し出された手をとって、せめてもの腹いせに思いっきり強く手を握ってやる。右手17、左手18のわたしなんかの握力じゃ痛くもかゆくもないのだろが。…案の定、その抵抗は鼻にかけたような笑いによって空しく終わった。
とある最低兄妹の話
((お前って握力弱いよな。ていうか、全体的に貧弱))
((いや、お兄ちゃんが強過ぎるだけだからね。…あ、地味に握りかえそうとするのはやめて?わたしの手が潰れる))
((潰れれば?そしたら俺が介抱してやるよ))
((加害者が介抱とか……、どんだけ病んでんの?))
((本気で潰そうかなって思うくらいには))
((うわぁ…、危ない人だぁ……))
end
ヒロインちゃんのちょっとした設定。
名前→花宮 真実/はなみや まみ
花宮真の一つ下の妹。花宮に似てかなり歪んだ思考をもった中学二年生(ちなみにこの短編の設定ではまこたんは中三)。けど兄には敵わない。むしろ怖い。でも好き(兄として)。最近兄が近親相姦に走っている気がしてならない。まこたんが花宮”真”で名前が名前なのにめっちゃゲスいから、どうせなら妹も、と思って真実(しんじつ)でまみにしてみた。この名前つけた親御さんまじ報われないね。
- Re: 短編集-花闇-【雑食/オリジナルうp】 ( No.15 )
- 日時: 2014/05/04 15:55
- 名前: 帆波 (ID: QxOw9.Zd)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=8089
「せんせー、ヴァンくん今日も遅刻だそうですー」
「アイツまたかよ…、いい加減日傘差してでもこいよな」
「先生、フランくんも今日は結合部分の腐敗が酷いから休みだそうです」
「あー、アイツな。アイツは仕方ないわ、良い奴だし」
「最後のは関係ないでしょう」
「せっんせー!今日はぴっかぴかのかっらからという近年稀に見る晴天なのでマーちゃんは引きこもるらしいよー!」
「まぁ、アイツにとっちゃ今日は厄日だもんな。御愁傷様っと」
「せんせ、リリちゃんがねぇ、今日イマイチ髪型決まんないから休むわぁ、だってさぁ」
「いやお前、アイツの親友なら意地でも連れてこいよ!アイツ何日連続学校来てねぇと思ってんだよ!5日!アイツ月曜から今日までずっと休みだよ!?」
「あの……先生?」
「なんだ!?次は誰が休みだ!?」
「あぅぅ……、その、非常に申し上げにくいのですが……」
「だからなんだよ!」
「先生も、首から下お休みなんですか……?」
「……へ?」
「ぎゃあああああああああオレの身体あああああああ!!え、ええ!?アイツオレが教室来た時はいたよね?ていうかアイツいないとオレできないもんね!?え、まじでいつの間に!?」
「先生の身体ならちょっと前に脱走してましたよ」
「財布持ってたからコンビニでも行ったんじゃないですかねー。ほら、先生の身体パックすぎじゃないですかー」
「ていうか、先生気付いてなかったのねぇ……。てっきり気付いてるかと思ってたわぁ」
「せんせー出席確認ってお仕事で忙しかったもんね!他の事に気が回らなかっただけのおっちょこちょいさんなんだよね!」
「あう、先生どうします…?身体さんがいないとチョーク持てないですし、授業も……」
「ぅうあああああああ、もう、誰でもいいから身体連れてきて!お願いだから!!」
「えぇー、私授業なくてもいいからぁ、協力したくないわぁ」
「僕も面倒なので嫌です」
「シーちゃんも今日は眠いから辞退するね!」
「ごめんなさいっ、わたしも追いかけるのは、ちょっと……」
「おっ、お前らなんて薄情な…!……な、なあ。お前は、お前は行ってくれるよな…?」
「…学食一週間分、奢り」
「……っあああああもう、それでいいから!頼むからアイツ連れ戻してくれ!」
「了解ですー。ビョウの速さは学校一なので安心してくださーい」
人外率100%
((お嬢さん、この学園には人間は誰一人としていないよ?))
——この後、無事先生の身体の方はビョウちゃんによって捕獲され、授業ができましたとさ。
答え合わせ
ヴァンくん→ヴァンパイア
↑を言っていた女の子(語尾伸ばしてあ、身体を連れ戻した子)→猫又「ビョウ」(猫の音読みの”びょう”より)
フランくん→フランケンシュタイン
↑を言っていた男の子(びくびくしてない方の敬語)→エルフ「ルー」
マーちゃん→マーメイド
↑を言っていた女の子(元気な子)→ケット・シー「シー」
リリちゃん→リリス
↑を言っていた女の子(語尾に小文字がついてる子)→サキュバス「サキ」
びくびくしてる敬語の女の子→ホムンクルス「ムゥ」
身体がどっかいっちゃってた先生→デュラハン
後書き
素敵なお題を見つけてしまったので、完全放置していた此処に投下です。ロルはありません、ごめんなさい。設定も物語も書きながら行き当たりばったりでした。実にすみません。
そしてネーミングセンス、ありゃだめだorzと思いながらも行き当たりばったりなのでかなり適当につけました。ていうか、最初の文字とか真ん中の文字とっただけですね。
お題は参照のお題屋さんより頂きました。ありがとうございました。
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