二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 地獄少女の恋愛。〜今更地獄少女? とか言わないで!〜
- 日時: 2011/01/06 14:47
- 名前: 戯言遣い (ID: O/vit.nk)
どうも、あんまりアニメは見ないけど漫画は読んでる戯言遣いです。さて今回は「地獄少女」という漫画(永遠幸さん原作)の二次を書かせて頂きます。二次小説は初めてなので、ご指導お願いします。
登場人物
・閻魔 あい(エンマ アイ)…女性
・白石 夢(シライシ ユメ)…男性
- Re: 地獄少女と天国少年 ( No.2 )
- 日時: 2010/09/11 11:34
- 名前: 戯言遣い (ID: H6B.1Ttr)
「えーんまさんっ」
「…………なんで、ここにいるのかしら?」
校門に差し掛かったところで、さっきの男子が声をかけてきた。
「ストーカーしておりました」
「いや、なんでよ?」
「君が好きだから。一緒に帰りたいし」
……だめだ、こりゃ。この男子、根っからの阿呆(アホウ)だ。
私は諦めて、歩き出した。早足で。それに、男子もついてくる。何だか、競歩しているみたいだ。
「ねねね、俺の名前、知ってる?」
「知るわけないでしょ。初対面なんだから」
「あー……それもそうかぁ……」
そうだった、と頭を掻く男子。
「じゃー自己紹介。俺、白石夢。十七歳でっす」
「夢? 女っぽいわね」
「む? あ、よく言われるよ」
何となく嬉しそうに、男子がにやける。
「あなた、ストーカーなんてしてたら、警察に駆け込むわよ」
「警察はそれくらいでは動いてくれないよ」
男子が、さらりと言った。過去に何かあったのだろうか。
「警察は、嫌い?」
「うん。大っ嫌い」
そこで、いつもの突き当たりに差し掛かった。私は、妙に白石が気になったが、黙って曲がることにした。
「あれ? そっち曲がるの?」
「どうでもいいでしょそんなこと」
棒読みで、男子を突っぱねた。
「あ、じゃあ……閻魔あい殿に、敬礼!」
と言って、ビシッと敬礼した。警察嫌いなんじゃなかったのか。
「……ふぅ」
男子が見えなくなった頃。一人で、敬礼したのは。口が裂けても言わない。
- Re: 地獄少女と天国少年 ( No.3 )
- 日時: 2010/09/11 11:49
- 名前: 戯言遣い (ID: H6B.1Ttr)
「お嬢。今日はやけに嬉しそうじゃないか」
「……そう?」
「なんかあったの? 学校で」
家(?)に帰ってきた時点で、骨女と一目蓮が言及してきた。
「気にしないで。ちょっとアホな男子にストーカーされてただけよ」
「すとーかー?」
きくりが、シャボン玉を吹くのをやめて、顔を私の方に向けた。
「好きな人の後つけてみたり、ってことだよ」
「あい、こくはくされたの?」
沈黙が流れた。一目蓮と骨女が、顔を見合わせる。
そして、
「おっじょおおおお!」
「すっ、すかれておるのかー!!」
二人が騒ぎ出した。大騒ぎだ。
「そうね、まあ……そんなところよ」
私が仰天してしまうではないか。
本当に、幸せというわけではないけど。自分が人間の十七歳に戻ったような気分だ。
「あ、あい。これ、地獄流しの依頼がきてるよ」
きくりの一言で、みんなが固まった。またか、という顔である。
「いきましょう」
そうだった。
私は、人間でも、十七歳の娘でもない。
地獄少女、なのだ。
身分詐称の幸せをつかむなんて。
私がやっていいわけがない。
「今回の、依頼人は?」
私は、自分の声が予想外に冷たかったことが分かった。
人の怨みを晴らすことが、私の使命だから。
感情なんて、もってはいけない。
- Re: 地獄少女と天国少年 ( No.4 )
- 日時: 2010/09/11 16:51
- 名前: 戯言遣い (ID: H6B.1Ttr)
浜名弥生の部屋には、破かれた写真と壊された家具が散乱していた。
「死ね死ね死ね……! 宮坂麗華、殺してやる!」
呪文のように呟き、ノートを「死ね」という言葉で、埋め尽くしていく浜名。
これが、今回の依頼人なのだ。
「あなたでしょ? 私を呼んだのは」
「地獄少女よねぇアンタアタシの怨み晴らしてよね」
「……えぇ」
浜名は、憎悪で盲目となったのか、机に激しく身体をぶつけながら、立ち上がった。同時に椅子も、ひっくり返る。
「あなたが怨んでいるのは、誰?」
「宮坂麗華だよ宮坂麗華、最悪の女だよ分かる?」
私に知らないのか? という風に尋ねる、浜名。早口すぎて、聞き取れない部分もある。怨みの度がケタ違いらしい。
「……あなたに、この藁人形を授ける。やはり考えなおすんだったら、返してくれて結構よ。糸を引くなら、考えた方がいいわね」
「引くわよアタシ、絶対ひくわよ」
そう呟きながら、宮坂麗華と思われる人物の写真を破っていく浜名。
これは、人間の姿なのかと疑った、最初の地獄流しのことを、思い出した。
そして今は、別のことを疑問に思っている。
「なんで、私は地獄少女なのだろう」。
- Re: 地獄少女と天国少年 ( No.5 )
- 日時: 2010/09/11 16:54
- 名前: 戯言遣い (ID: H6B.1Ttr)
キャラの名前を書いておきます。
・浜名 弥生(はまな やよい)…十七歳
・宮坂 麗華(みやさか れいか)…十七歳
・矢嶋 正人(やじま まさと)…十七歳
コメントなくてもぶっちぎりでいくぜ!
- Re: 地獄少女と天国少年 ( No.6 )
- 日時: 2010/09/11 17:08
- 名前: 戯言遣い (ID: H6B.1Ttr)
『衝撃』
(弥生の過去編です)
「正人、帰ろー!」
「いいよ。弥生元気だなー」
正人は、にっこりと笑った。私だけに、見せてくれている笑顔。
矢嶋正人。正人は、二年生でレギュラーの、野球部部員だ。いつも熱心にプロ野球選手を目指し、努力している。
「ねえねえ、正人ー!」
「あなた達。もっと静かにできない?」
凛とした声で、私の言葉を遮る人物。
「生徒会長」
生徒会長、宮坂麗華。学年では成績トップで、先生にも気に入られている。しかも大会社を経営する父もバックにあり、女子の憧れだ。
「あなた達。騒ぐのもほどほどにね。あ、あと矢嶋君は、今日委員会サボったでしょう。生徒会室で、反省文を書いてもらうわ」
「えー? しょうがない、弥生、先帰ってて」
「うん。また明日ねー」
少しがっかりしたけど、正人のためだもんね。浮気なんかしないだろうしー、と呟いて、はっとした。
「あ、ペンケース忘れた」
教室に取りに行く。階段を駆け上がり、教室の前まで来た。すると、
「ねえ、弥生可哀そうだよね」
「なんで?」
噂話をしているらしかった。クラスの女子と、親友の亜美。少し、耳を傾けてみた。
「矢嶋君って、生徒会長と浮気してるらしいよ」
「え、マジでー?」
正人が、浮気?
「それ、本当?」
「! 弥生っ」
亜美は、戸惑いながらもうなずいた。
「だってあたし、見たんだもん。二人が仲良くデートしてるところ」
その言葉を聞いた途端、私は走り出していた。
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