二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス)
- 日時: 2010/11/24 19:37
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
こんばんは、泉海斗です。
またもや勢いで書いてしまった、聖剣の刀鍛冶の二次です。
執筆はゆっくりだとは思います。
それでも皆さんに読んでいただき、コメントをいただければ嬉しいです。
それではよろしくお願いします。
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第1章 出会い〜MEETING〜
春の温かな風が吹く、ここ独立貿易都市。周りには帝国・聖都・聖国・天都があり、それらとの貿易によってここは多いに成り立っていた。
とはいえ貿易都市もまた、それら以外の国からの旅人たちを受け入れ、ひと時の急速を与えるところとして、旅人たちにとっては天国だった。
「今日も平和でいい天気」
1人の女の子が春の香りをいっぱいに吸い込み、伸びをする。年に比べるとは対句法で、燃えるような赤い髪が特徴的な女の子。腰に派遣があり、どうやら貿易都市を守護する騎士団のようだった。
彼女の名前はレイナー・フロスト。貿易都市にある、とある貴族の家柄のものだ。そしてその腰にある剣はその家に伝わる剣であり、彼女の父親もまたこの剣で幾多の戦いを繰りぬけてきた。
しかし今は亡き父。彼から受け取ったこの県でここを守り抜いてみせるというのが彼女の夢だった。
町の中を歩いていると知り合いの皆から声をかけられる。いつも買い物に行くお店の若夫婦からはそろそろ殿方を見つけたほうがいいのではないかと茶化される。年も17になるレイナー。彼女に言い寄る男性も多いが、なかなか踏み出せないでいた。恋愛経験のない彼女だから不安なのであった。それに彼らに対して好意があるというわけでもない。ため息をつきつつ恋愛は難しいと元気がとりえの彼女に似合わない沈んだ表情になっていた。いつも騎士団に剣を配給している工房では工房長が外でタバコをふかしていた。
「こんなところでサボりですか??工房長さん」
「レイナーか、仕事の合間の一服ってもんだ。タバコを吸わないお前にはわからんだろうな」
そんな健康を害するものはやらないと舌を出して笑うレイナー。まるで子供のような行動である。ここ貿易都市にはたくさんの武器用の材料や各国の職人が来ることもあり、そのとき珍しい武器が手に入るということで、それ目当てで来るものも少なからずいた。それの監視として彼女も参加することもあり、ついこの間もそれに参加したばかりであった。
彼女には今立派な剣があるが、それもまた何代も使われていたためか刃こぼれがひどかった。研ぐことも欠かさなかったがそれでも時間に勝てないこともあった。脆くなっていたのだった。
「そろそろその剣もお役目ごめんてもんじゃねえか??いくら名剣だからといって時間には勝てねえよ」
「確かにそうかもしれないが、私にとってはこれが父からの唯一の遺品なんだ。それにわが家ではこの剣で多くの戦いに勝利してきたのだ。私もまた・・・この剣でこの都市を守りたい」
「お前ならそういうと思ったさ。でもな、もう一本持っててもおかしくはないぞ??どうせなら俺達が造ってるものもって行くか??万が一ってこともある」
「そのときはよろしく頼む」
そう言い残し、レイナーは再び巡回へと向かった。
「これは一体どういうことなんだ??」
レイナーが呆気にとられてみているのは、今まさに目の前で行われている喧嘩だった。1人の旅人らしき青年を囲んで男たち4人が喧嘩をふっかけていた。足元には何やら酒こぼれだしているこっぽがあることから口論から発展したのだろうと思われた。
「テメエ・・・もう一度言ってみろ!!」
男が青年の胸倉を掴んで引き寄せる。対格差があるためか、青年はぶらぶらと持ち上げられた状態である。
「ああ・・・大丈夫でしょうか」
レイナーの隣では、さらりと栗色のロングヘアーの少女が肩を震わせて心配そうに見ていた。神は地面につかんと刷るくらいの長さで、どことなく貿易都市の人間ではないと感じていた。青年を心配していることから、つれであろうかとも思った。
「俺達はな!!幾多もの戦いを生き抜いてきた猛者なんだよ!!それを馬鹿にしやがって」
「俺は事実を言ったまでだが??図星だからと逆切れか??小さい器の人外が・・・」
人外という言葉に違和感を感じたレイナー。それを聞いたのはそう多くなく、騒ぎになることはない。しかし今にも男たちは青年に襲いかかろうとしている。
「死ねやこのガキ!!」
理不尽な男たちの攻撃が降りかかる。大きな剣が次々と降りかかる。それを鼻先数ミリ前でかわす青年。キャーという女性の悲鳴を含めたたくさんの声が聞こえてきた。それでも平然としたかお持ちで攻撃をかわす。しかし青年はまだ腰にある武器に手をつけていなかった。よく見ると自分が使っているような剣とはまた違った形。反りのある武器がそこにあった。
「すばしっこいガキだ!!」
- Re: 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス) ( No.9 )
- 日時: 2010/12/05 19:02
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
「オークションね・・・それで??そっちにいるのは魔剣というわけか」
「魔剣など友の扱いするな。彼女は今は立派な人だぞ」
「いいんだよレイナー。私はずっとそうやって言われてきたから。フラムだなって呼んでくれたのはレイナーくらいだよ」
オークションについて話をしたレイナーだが、まったく興味がなさそうなアリアである。時折あくびをするなど無礼千万。ぶん殴ってやろうとも思ったが、彼にかわされるのが落ちだろうと思い、ひそかに足をふんずけておくことで我慢した。そのとき彼がぐぎいっと小さな悲鳴を上げたのはまたの話。
「それにしても何故オークションで剣技の披露などやらなければいけないんだ??やるとしても私じゃなくてもいいのに・・・」
「剣を大事にしてるからじゃないか??」
「剣を??どういうことだ??」
「そのままの意味だ」
「そんなこといわれても分からないものは分からないんだ」
回りくどいアリアの言葉にイライラを募らせるレイナー。そんな彼女に助言するクリス。
「アリアはあの時レイナーさんが折れた剣を捨てずに持っていた、ちゃんとつかえなくなった後もちゃんと感謝の言葉をかけていたことを聞いてるんです。そんな風にものを・・・ここでは剣ですが鍛冶師としてのアリアは大切にする人はいい人だといってます」
「そういうものなのか」
「そうです。剣だってちゃんと鍛冶師の魂が込められてます。だから生きてるのです」
フンとそっぽを向くアリア。無言だがふざけたことをいうなといっているようだった。しかし意外といいことをいうものだと思うレイナー。確かに自分たちが使っているのは量産型であるために、使い古しはすぐに再利用するか、捨ててしまう。任務のたびに使い捨てにするものも多くない。レイナーはまだ二本目であり、最初の剣が折れるばかりか粉々になってしまったためにそのようなことはしていないのだが。
「私ってね、生まれたのが戦場だったんだ」
突然の告白に雰囲気が変わる。レイナーとクリスはフランを見つめ、アリアもまたほおずえをかき、耳をそばだてる。
「私が起きたらそこは地獄のような風景だった。人々が倒れて、真っ赤な血が流れている。すぐに私は剣になった。すると私を掴んだ男が私を振るってたくさんの人を殺した。私は炎を司る魔剣。いわく、炎を繰り出しては妬き殺したり、焼ききったりと無類の強さを発揮していたの。そうしたら躍起になって私を奪おうとする者たちが現れたの。奪ったら奪われる。私のからだはべったりと真っ赤で生々しい血で染められたわ。だから目も髪も・・・そして着ているこの服も真っ赤になった」
フラムは剣の姿であちこちの戦場に連れて行かれては人を殺すための道具(・・)として扱われてきたのだ。人の姿になっても人権などは認められることなく、夜通し男たちの性欲のために使われたという。それを聞いてレイナーもクリスも表情が曇る。無理やりやらされることのつらさ。人扱いされないことの孤独。そんなことをずっとフラムは抱えてきたのだ。
自分はフラムの味方になりたいとそう思うレイナー。だから絶対に彼女を売り物にしたくない。
「だがそんなわがままが通じるとでも思ってるのか??」
「アリア・・・。お前は少し黙っててくれないか??」
少し怒気を含んだ口調で言う。こんな状況になっても冷めたことしかいえないようなやつに頼りたくないと思った。今回ばかりはクリスもアリアには幻滅しているようだ。少しでも女性のことを考えてみろと思った。どうやら彼女たちが自分を責めているの徒ぼっちになっているのを感じ取ったのか。
「せいぜい追い出されないように頑張れよ」
そう冷めたセリフを残して去っていった。それから数日間彼女たちはアリアと接触することはなかった。彼が忽然とここから姿をくらましたからだ。そしてオークション当日となった。京まで彼女たちが講じられた策は・・・なかった。
To be continued
- Re: 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス) ( No.10 )
- 日時: 2010/12/09 07:52
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
第6話 魔人〜[Nin]〜
目の前にはたくさんの観客がいる。現在レイナーは公衆の面前に魔剣フラムとともに立っていた。それは数日前に言い渡された魔剣の披露役に抜擢されたからだった。
いつものような騎士団の正装を身にまといしっかりとした面持ちでたっていた。というのは嘘で、実際は足がすくみ、頭の中が真っ白になり、手や震え、歯はがちがちとなり、今すぐにでも逃げ出したい気分だった。
———やばいやばい、こんなたくさんの人の前で醜態さらしたら・・・。
ふとここに来る前の騎士団副団長・・・ボレス之言葉を思い出していた。
『レイナー、お前魔剣の披露剣技見せるんだったよな??』
『はい、そうですけど??』
『うれしいか??ああ、うれしいだろうな??一生手に取れるかどうかの魔剣だ。お前は幸せ者だな』
『確かに嬉しいですが、そこでうまくできるかどうかは私の腕次第なので・・・』
『そうだな。いまだ中級の任務にもついていないお前が魔剣を使いこなせるとは思えない。はっきりいって宝の持ち腐れだな』
『ちょっとそれは言いすぎじゃないかしら??』
『フラム・・・いいのよ、言われたとおりだし』
『だめだよレイナー!!ああいうやつは自分が一番じゃないと嫌だって言うアマチャンなんだから』
『何だお前は??たかが魔剣で道具の癖に。人間に文句を言うのか??』
『ボレス副隊長!!そんな言い方はないと思います。魔剣であってもこのように人格を持つものだってあるのです。それなのにたかがものって・・・』
『魔剣は道具だ。それがどんな姿をしていようと変わらないと俺は思う。ただの人殺しの道具に過ぎない。それともなんだ??人を殺す以外にも何か使い道はあるのか??観賞用か??』
そんな見下すようなボレスに対して言い返すことができなかった。剣は殺す以外に何ができるのか・・・。
———ごめん、フラム。何も言い返せなかった・・・。
申し訳なさで会場まで何も話さなかった2人。フラムは特に気にしているそぶりはなかったが心の中ではどうだったのか。ふと思い出した顔はブスッといつも機嫌が悪そうな青年の顔だった。
・・・アリア・ブラックス。彼とはここ最近あっていない。妹のクリスもまたレイナーと同じく騎士団寮にとまわせて貰っているが、アリアの姿は見ていないというのだ。さすがに妹を捨てて旅にでることはないとは思うが、一体どこにいるのかと思う。それに彼がボレスの言ったことを聞いたらなんというのか聞きたかった。きっとぶちきれるかもしれないが・・・。
「それではこちらにおりますのが炎の魔剣・フラムであります」
うおぉぉぉっと言う大歓声である。裏で待っているクリスもあまりの大きさにビビッているようだ。すっと前に出るドレス姿のフラムはスカートを少し上げてのお辞儀をする。それにまた大きな歓声だ。
「それでは今回は騎士団のレイナー・フロストさんによる魔剣の剣技を披露してもらいます」
司会の男が淡々とスケジュールを進める。ちらりとフラムを見て、頷き返してきた。
「我の炎にて聖魔に宿る神々を殺せ」
紅蓮に輝く炎がフラムを包み込む。そして現れたのは一本のレイピアだった。それお手に取ったレイナーは向こうに建てられている的を向き合う。突きの構えを取る。
- Re: 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス) ( No.11 )
- 日時: 2010/12/09 07:52
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
『フラムはレイピアの形になるといっていたが、普通に降るだけでその力を発揮できるものなのか??』
『うーん、どうなんだろう。私あのときは多大のままに振られるだけだったからどうだったかなんていちいち覚えてないや』
『聞いただけなんですけど・・・』
『クリスどうしたんだ??何か知っているのか??』
『さすが鍛冶師の妹だね』
『アリアに聞きました。魔剣や魔刀はその使い手の心にある思いの大きさに比例して力を発揮するそうですよ』
『心にある・・・思い??』
『なんだか難しいことだね。思いだなんていろいろあるから』
『それはどんな思いでも言いそうです。憎悪・嫉妬・悲しみ・怒り・不安・恐怖・絶望・幸福・・・いろんな気持ちと連動するようです。きっとフラムさんが戦場にいたときには不の感情に反応していたのですよ。それに合わせた力が発揮される』
———フラムにも心がある・・・。だからその心と私の心を合わせる。
そして意を決して渾身の突きを虚空へと放つ。その切っ先からまるでビームのように紅蓮の炎が放たれ、的を飲み込む。そして煙がはれた底には焦げ付いたクレーターができていた。燃やしただけではなく、破壊したのだ。直撃したところが丸ごと無くなっていたのだ。
「どうですかこのすばらしい破壊力は!!さあ、それではオークションを開始します!!」
大歓声である。商人たち歯に眼になって魔剣・フラムを手に入れようと我先にと金額を言う。ドンドン上がる金額。ついに50万リントまで上った。それ以降まったく声が上がらない。ひょろりとした金持ちらしき商人が満足げに伸びたあごひげをなでながらいる。
何もできないレイナーとクリス。あんなことをアリアに言っておいて何もできない自分が悔しかった。すっと剣を司会者に取られ、フラムがケースの中に入れられた。あれには特殊な魔法人がかけられているためにフラムは人型になることができない。
別れとはこうもあっさりなのであろうか。彼女の思い出になれただろうか。そんなことばかりが頭をよぎる。司会者がお金を持っている商人の元に行く。残念ながら買うことができなかったものたちはそのフラムの見事なレイピアのすばらしい姿を目に焼き付けていた。
そしてついに商人へとわたろうとしたときだった。
「おい司会者・・・100万リントだ」
ザワッと観衆がざわめいた。司会者も購入者も誰だときょろきょろと見渡している。すると人を掻き分けてやってくる男がいた。その男は整った顔に似合わない眠そうな東洋系の黒い瞳、寝癖ではないかと思えるくらいのボサボサ頭、ぼろぼろの私服の上に漆黒のコートを着込み、腰にはあの刀を差した青年・・・アリア、ブラックスだった。
その手にはその金額に匹敵するくらいの金塊が握られていた。高値で引き取るここ独立貿易都市で売ればさらに高値がつく金塊。それをすっと見せたアリア。
「これで俺が購入することができるだろうか??」
「え・・・??ああ、はい、そうですね。あなたのほうが高値を出していますので」
「ふざけるな!!だったら私は150万リントだ」
「・・・これ二個」
もはやあきれるしかなかった。男が次々に高値を表示してもアリアが次々と金塊を出していく。あきらめたのか男は自分にそんなお金はないと崩れ落ち、魔剣・フラムはアリアの手に渡った。
すると黒いローブを来たものが突然上から数人降ってきた。その瞬間アリアはすぐに腰の刀を抜いた。
「誰だ??」
低い声で聞く。その眼はいつぞやの赤い瞳へといつの間にか変わっていた。・・・魔眼。ローブを脱ぎ捨てるとそこにはそれぞれ武器を持った鋭い目を持った人間・・・否魔人だった。
「魔剣・フラムを頂戴する」
アリアに向かって魔人が武器を振り上げた。
TO BE CONTINUED
- Re: 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス) ( No.12 )
- 日時: 2010/12/15 07:25
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
第8話 共闘〜cooperation〜
魔人・・・それは人であり人でない存在。悪魔との出産または悪魔との契約、悪魔の血を飲むことで血が半分悪魔のものとなりそうなる。からだは大きいものから小さいもの、その場所にあわせて半かさせられることができ、筋肉は異常に発達し、巌も砕く。内蔵機能などはもはや人のものではないために毒物も意味をなさない。
しかし彼らの基礎は人の体。つまりからだがついていけないようなダメージを与える、つまり心臓を貫いたり、首を折ったりすればさすがの魔人も死ぬということだ。
大剣、棍棒、メイスなどをそれぞれ持った魔人が一斉に会場を暴れだす。人々は悲鳴を上げて逃げていく。人が雪崩のように押し寄せてくるために騎士団はまったく身動きができない。
「レイナー、わたしたちどうすれば・・・??」
「まずは騎士団と合流する。こんな目立つところにいたらすぐに見つかる」
走り出そうとした二人の前に突然大剣を持った魔人が現れた。どうやらほかの二体は足止めしているが、子の魔人はどうやら突破してきたようだった。大剣を振り下ろしてきた。すばやく腰にあった剣を出して受け止めるもあまりの力に吹き飛ばされる。
フラムがレイナー元に駆け寄る。顔をしかめながら立ち上がるレイナー。よほどの力を加えられたのだろう。まだ腕がジンジンと痺れていた。剣もまた人外と同じくらいかそれ以上の力をもつ魔人の力でもはやぼろぼろでいつ折れるかわからないという状態である。
「レイナー、その剣じゃ勝てっこないよ。私を・・・魔剣を使って」
「フラム・・・しかし私はお前のことを使いこなせるか・・・」
「魔剣を使いこなすコツは・・・聞いてるよね」
あっと思い出すクリスの言葉。魔剣を使いこなすのは気持ちだと言うこと。それがどんなに綺麗ですんでいるものでも、それがどんなにまがまがしく汚れているものでも、魔剣はそれに反応し、力を発揮するということ。それを思い出し、コクリと分かったということを伝える。そしてフラムが再び魔剣へと姿を変える。そこには見事に鍛え上げられたレイピアがあった。
それを掴んで突きの構えをとる。しかし本当に突き刺すのではなく、それの動作によって放たれる炎がこのレイピアの力だと思っていた。し過疎もっとこの力を利用する手立てがあるのではないか。そう思うがこの危険な状況であれこれとするわけにもいかない。
———後で色々と教えてもらうぞ・・・アリア・ブラックス。
先ほどこのフラムを大金で購入した旅人であり、鍛冶師でもあるアリア。今はどこかに影を始祖ませているが、まだここにいるであろうとはなんとなく感じていた。一緒に闘ってほしい、力を貸してほしい。ふと正直な気持ちがあふれてくる。あの剣技は騎士団の中でもできるものはいないだろうし、もしかすると隊長の戦いでも組み合わせ次第ではもしかするとが起きるかもしれない、それくらいの強さを感じていた。
「ハァ!!」
勢いよく憑きが放たれ、その剣先からは紅蓮の炎が飛び出す。それが魔人に向かって放たれる。
———やった??
さすがの魔人も魔剣の力・・・紅蓮の炎に包まれたらひとたまりもないだろうと思った。しかしぶわっと大剣によって炎が切り裂かれるとそこにはまったくの無傷の魔人が立っていた。それを見たレイナーは驚愕の表情。まったく魔剣の力が通用していないのだ。
何度炎を放ったところで体験になぎ払われるだけで通用しない。徐々に後ろに下げられ、とうとう背中には壁しかなくなった。ひやりと背中に悪寒が走る。これはあの時と同じ感覚・・・殺されるという感覚だった。体験を何とかフラムで抑えようと構えたがふと折られるのではないかという恐怖感が頭を駆け巡り、必死で隙間に飛び込んで魔人の背中を取る。
隙ができたと思い、レイナーは何度目かの炎を放つ。そのとき距離が近かったこともあって、レイピアが魔人の体の肉をえぐった。炎とともに突き刺さるレイピア。刃が肉を切り、えぐる。その傷を紅蓮の炎が焼く。まさに焼ききるというものだった。二重の痛みに魔人は思わず後ずさり、苦悶の表情を浮かべる。
いけると思ったレイナーは昼夢魔人に向かって突きを放つ構えを取ったまま突進する。しかし次の瞬間レイナーはとまらずを得なかった。なんと魔人が泣いていたのだ。それは普通の人間の涙。彼らが魔人となる前の人間としての涙だった。
彼らは好きでこんなことをしているわけではないらしい。彼らの出身は帝国。そこの女王が魔剣を集めて軍事力を上げているらしく、普通の兵では戦争になるために、判別のつかない魔人を送り出すことで国を傷つけることなく魔剣を手に入れようとしているようだ。
思わずふざけるなと思ってしまったレイナー。殺し合いのために魔剣を集め、非常なまでの戦争を繰り返し、人々を苦しめ、悲しみを与え、幸せを奪う。そんな戦争は最近は起きていないがふとしたうわさの元着々と準備が始められているらしい。
・・・聖魔杯。どんな願いもかなえるという力を持つ神器である。しかしそれを扱えるというのはそれを守護する地に堕ちたといわれる12の神々だけであるらしい。つまり12の堕神のみが聖魔の力を扱えるのだ。それに聖魔杯が一体どこにあるのか。それにその力を扱うには自分以外の11の堕神の力を得なければいけない。
その力を持つのは大抵王族のものである。王族の血筋のものは生まれたときから堕神の力を何かしらのものが現れ受け継いでいることが判明する。大抵は刻印が体の一部に浮き上がるというものである。それならアリアのあの魔眼はいったいなんだろうかと思う。
- Re: 魔眼の刀鍛冶(ブラック・スミス) ( No.13 )
- 日時: 2010/12/15 07:25
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
見た目は普通のものではない。それにたとえ彼が目に堕神の力を宿しているならば彼は一体どんな王族の血筋なのだろうか。しかしそんなそぶりは一切見せず、まったくそんなたしなみもありそうではない。そんなときだった、男たちの境遇を聞かされていたレイナーは思わずレイピアの切っ先をおろしてしまい、力を抜いていしまっていたのだ。
魔人は好機と見て襲い掛かる。レイピアが手から離れ、魔人に四肢を抑えられ、馬乗りにされる。身動きができない状態。レイピアも騎士団たちを蹴散らした魔人たちが回収する。焦るレイナーだが四肢の自由奪われた今彼女に何もできることはなかった。騎士団たちが決死に走ってくるほうにむけて紅蓮の炎が放たれた。間人には聞かなかった炎が騎士たちを飲み込み、塵一つ残さず焼き消した。
唖然とその気氏たちがいたところを見る。大きなクレーターができ、黒く染まっていた。鉄くさい香りがするがそれは血が一瞬で蒸発したからであろうと思った。何も痛みを感じずに一瞬で命が消し飛ぶその炎。魔剣はその使い手の気持ちと重なる。あの間人は一体何を考えているのだろうか。
しかしそんなことを考えいる暇はなかった。突然魔人がレイナーの清掃に手をかけると一気に胸当てやら着ているものを引きちぎったのだ。
「嫌!!やめて!!」
悲鳴を上げるもそんなこと関係なくそこからあらわになった胸をわしずかみにする魔人。思わず悪寒が走る。これ以上のことがなされるとなれば自分は一体どうなるのか。見えない不安に体と思考を支配される。
しかし目をつぶってされるがままになっていたレイナーだが、突然魔人の手が止まった。さらに止まったと同時に悲鳴が聞こえたのだ。なんだと思い目を開けるとそこには手だけが残っており、切り離された傷口からは赤黒い血が吹き出していた。間人の地は人間との混血であるためにそのような色をしているのだ。
そして祖の魔人の腕を切り取ったのは今レイナーの目の前にいる人物だった。てにもつ刀は銀色の光を放つ彼の愛刀であった。
「アリア・・・??」
「・・・まずはそれ(・・)を隠せ」
「え??」
胸当てや基地るものを引きちぎられたためにあらわになった見事な胸。慌てて隠したがきっとアリアは現れたときに目に入ってしまったのだろう。顔が若干赤かったのをレイナーは見た。
「見たのか??」
「・・・」
「見たんだな??」
「・・・」
「見たんだなあぁぁぁ!!アリア・ブラックス!!」
「うお!!何いきなり立ち上がってるんだお前!!前か癖見えるだろうが!!」
「見るな見るな見るな!!」
「馬鹿、しゃがめ!!」
「え??」
いきなり頭を押さえつけられたレイナー。しかしアリアは放たれた炎を己の刀でなぎ払った。いつ見てもすばらしい刀だと思う。邪を払う刀。すなわち魔剣の力とは彼の刀からしてみれば邪の力を操るということだ。走り出したアリアは飛んでくる炎を難なく切り裂く。そしてすり足を生かして瞬間的に現れたと錯覚させて居を疲れた魔人が持つレイピア・・・フラムがあるほうの腕を切り飛ばした。
「ぐあああぁぁぁ!!」
魔人の悲鳴が上がる。レイピアは飛ばされレイナーの近くに刺さる。それを掴んで立ち上がるレイナー。心の中では申し訳なさでフラムに謝っていた。思わず話してしまったことを・・・。今はレイピアの形だが大丈夫だというフラムの声が聞こえてきたような気がした。
立ち上がる魔人たち。いくらアリアからの攻撃を受けたとはいえ彼らは魔人であるために腕を吹き飛ばしても死にはしないのだ。倒すためには一気に叩くしかないのだが、一体ずつ処理していればこちらが不利になる。そのために彼らがやることは一つしかなかった。
「俺が援護するからお前がその魔剣の力でやつらを倒せ」
「ええ!?でも間人には炎が効かなかったけど・・・」
「あれは威力がなかったからだ。まだお前には使いこなせていない。だから俺が援護するといっているんだ」
「炎を援護・・・つまり風の力!?」
「そうだだから少しばかりあいつらの足止めをしてくれ」
それだけを聞いてレイナーはアリアが何をしようとしているかを理解していた。魔剣精製・・・。風の力を付加した刀を作り出そうというのだった。しかし魔剣精製には時間がかかる。その間に教われたら意味がない。そのための足止めだった。
「分かった。アリア、あなたもしっかりいい刀作りなさいよね」
「ふん、俺を誰だと思ってる・・・」
「旅人??」
「刀鍛冶だ・・・」
そう言って懐から刃のない柄となにやらまた金属の塊を取り出した。そして瞳を閉じるとそこには真っ赤な血で染まったかと思うような瞳があり、その奥には魔法陣か刻印らしきものがあった。そしてありあの前には大きな黒い球体が現れた。
「鍛錬を開始する・・・」
その球体の中に両手を入れた・・・。
To be continued
久しぶりの投稿ですザ、コメント・アドバイスがありましたらお願いします。
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