二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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秘蜜〜黒の誓い〜 記念短編小説執筆中☆
日時: 2011/11/30 18:14
名前: 夏茱萸 (ID: lkF9UhzL)

≪プロローグ≫


貴女は『人間』

      僕は『天使』


決して出逢ってはいけなかったのに…
          
           あの時あの場所で 僕と貴女は出会ってしまった。


決して恋なんて 許されないのに…

           出会った瞬間 恋に落ちる音がした。


決して貴女は 汚れてはならぬ存在なのに…

           僕のこの手で 汚してしまった。



神に背いた罪として

     僕の一生を 貴女へ捧げましょう。




   それが僕の  『運命』と信じて…


  ずっと 貴女だけを 愛しているから……————

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Re: 秘蜜〜黒の誓い〜 参照400突破企画実施中♪ ( No.52 )
日時: 2011/06/03 20:28
名前: ロール (ID: PRmCvUEV)

はじめまして!!ロールって言います


すっごい上手です


僕この歌大好きで、自分じゃ物語りにできなかったからすっごく嬉しいです


ありがとうございました!!!!

Re: 秘蜜〜黒の誓い〜 参照400突破企画実施中♪ ( No.53 )
日時: 2011/06/03 22:57
名前: 夏茱萸 (ID: ncyYlurw)

*鏡音レン様

初めまして!

はい、私もこの秘蜜大好きで
初めて聞いたときはマジで涙出ました><

あの悪ノシリーズもいいですよね♪
私のなんてまだまだですが…

涙腺崩壊と言っていただけるものになっていたのかどうか不安ですが、
嬉しいです!

ありがとうございました><

*ロール様

こちらこそ初めまして!

上手なんて、私なんてまだまだ未熟もいいとこですww

私も最初、自分で書けないって思ったけど
もう我慢できずにやっちゃいました☆←

まさかお礼を言われるとは思わなかったっス><;
恐縮!

ありがとうございました!

Re: 秘蜜〜黒の誓い〜 参照400突破企画実施中♪ ( No.54 )
日時: 2011/06/05 19:00
名前: 夏茱萸 (ID: ncyYlurw)

第十二章 〜禁断の友人〜


カイナは初めこそ声の続く限り叫んでいたが、
やがてゆっくりと立ち上がると、静かに天界へと飛び立った。

そのカイナの存在を、ミリアムは知らなかった。

ただただ、リアンが残していった漆黒の羽根を頬に寄せ、
ポロポロと涙を落としている。


「リアン…っ!…私だって…リアンのことッ好きだったのに…ッ」


———どうして自分の姿を偽ったりなんてしたの…?



「ぅッうぁ…ひっくッ…リアン!」



…違う。


リアンは、私を愛してくれたの。


あれは偽りなんかじゃなかった。


じゃあどうして、姿を変えたんだろう…





それは、私が本当のリアンを拒んだから。





それなのにリアンは

レオンになってまで、

仲間を捨ててまでも私のことを愛してくれた。


なのに、私は…



「リアン…私ね、また会えたら伝えたいことがあるの。それを言うまでは絶対に貴方を愛したままでいるから…。…この、黒の羽根と私に誓って」


そう言うとミリアムは、羽根を見つめ
そっと唇を寄せた。

その瞬間に、ふわっと花畑を風が渡ってゆく。
ミリアムは自身の指で揺れているシロツメクサの指輪を見て、ふっと微笑んで見せた。


リアンはずっと、見守ってくれている。


そう思ったミリアムは、スッと立ち上がると
美しい緑の髪をなびかせながら、花畑を後にした。




*   *   *   *   *   *




「まったく…無茶をするようになったものね、リアンったら…まぁ、元からか」

そう溜息交じりに嘆くのは、天使まとめ役のメイサだった。
天界にやっとのことで帰ってきたラグミナと、放心状態で帰ってきたカイナは、今はメイサの前に跪いている。

「リアンはもう、戻らない。でも、魂は此処に生きている」

ラグミナがメイサにそう言うと、カイナはぎゅっと手を握り締めた。

「そうね…一人だけ、リアンの魂を救ってくれる人を知ってるわ。その人に頼んでみましょうか」

「それって…誰ですか」

不思議そうな顔をしているカイナにメイサは


「古い友人よ」


そう短く答えて人間界へと降りていった。



*   *   *   *   *   *



〜ルミカのパン屋にて〜



「それで?天使の長が一人の天使のために、ここに降りてきたってわけ?」

「久しぶりに会ったっていうのに、挨拶もなし?相変わらずね、ルミカ」


桃色の髪をいじりながら呆れたようにメイサを見るルミカと、それに溜息で返すメイサ。

彼女たちは昔から仲の良い友人同士だ。

「ねぇルミカ。お願いよ、リアンの魂を救えるなんて芸が出来るのは、貴女くらいなんだから」

「って言われても…ま、いっか。リアンちゃんだし。魂が救われることでパートナーだった二人や、ミリアムの心が少しでも晴れてくれるんなら、やったげるわよ」

「本当?ありがとう、感謝するわ。ルミカ」

嬉しそうな顔をするメイサににっこりと微笑むと、
ルミカは椅子から立ち上がり、ミリアムのいる部屋へと歩いていった。


コンコンと木造りの扉を数回叩き、中にいるミリアムにルミカは声をかけた。

「ミリアム、少しだけリアンちゃんを貸してくれないかしら?」

ルミカの呼びかけにミリアムはゆっくりと扉を開く。

「…リアンの羽根のこと?」

「そうよ。でもその羽根はリアンちゃん自身だから、粗末に扱っちゃダメよ」

「…え?」

「あら、知らなかったの?」

意外そうな顔をするルミカを、軽く睨みつけながらミリアムは言った。

「リアンの羽根かと思ってた…」

「そう。…その羽根使うから少しだけ貸してくれないかしら?」

「いいけど…何に使うの?」

「リアンちゃんを救うのよ。何ならミリアムも見る?運がよければ、リアンちゃんに会えるかもしれないわよ」

「…本当!?」

困ったような顔から一転して明るい表情になったミリアムを見て、ルミカはクスッと微笑んだ。

「さ、行きましょう。表で友人を待たせてあるの。リアンちゃんの上司でもある人だから、軽く接しちゃ嫌な顔されるわよ」

「そう、なんだ」

———少し怖いかも…

そう苦々しく思いながらも、表情には出さなかった。




「あ、来た。じゃあルミカ、さっそくやってもらえるかしら?」

待ちくたびれたと言わんばかりに腕を組んで、店の外でメイサが言った。

その様子を見たミリアムは、ルミカに聞いた通り、軽くは話せないなとすぐに悟り、一人苦笑をした。

「フフ、分かってるわよ。ミリアム、それを貸してもらえる?」

ミリアムの持っている羽根を指差しながらルミカが指示する。

そしてメイサやミリアムにテキパキと指示を出して、ルミカ自身も忙しく地面になにやら書き込んでいた。




始まるのだ、ルミカの儀式が…





人と天使。


出逢ってはいけなかったのだろうけど


もう、遅い。


きっとふたりは何かで結ばれていて


再び巡り合う運命だったんだと


その場にいる誰もがそう思った……—————

Re: 秘蜜〜黒の誓い〜 ≪ボカロ曲小説化≫ ( No.55 )
日時: 2011/07/05 22:27
名前: 夏茱萸 (ID: nC4FdBJT)

第十三章〜禁断の儀式〜


「さ、大体の準備は出来たわ…」

ふぅ、っと一息つくルミカの言葉に、ミリアムとメイサも休憩に入った。

「休んでる暇なんてないわよ?ったく、本当にリアンちゃんを助ける気があるのかしら…」

近くの木陰で涼んでいるミリアムたちに、ルミカのきつい言葉が突き刺さる。
メイサはそれにイラッとしながらも木陰から出て行った。
ミリアムもその後に続いていく。

「…はじめるわよ。心の方の準備はOK?」

「正直かなり緊張してる。でも、早くリアンに会いたい」

ミリアムの真剣な表情を見たルミカとメイサは、にっこりと微笑んだ。

「よし!じゃあ始めるわよ!ミリアムはリアンちゃんの羽根を真ん中より少し後ろへ置いて。…そう、そんな感じ。あ、枠の中から出てもらえる?メイサはもう少し枠から離れてくれるかしら?」

言い方はきつかったが、それでも一番疲労しているのはルミカだ。
二人はそのことに本当に感謝していた。

文句を言いながらでも友人の頼みは絶対に断らない。
ルミカは結構優しかったりするのだ。

そうしている間にルミカが呪文の様な言葉をブツブツと呟き始めた。

ザァっと、森の中に強い風が吹き通る。
ルミカが呪文を唱える度に森が震え、大地が揺れた。

見とれている一瞬の間に、辺りがいきなり輝き始めた。

































「ッリアン!!」

光が消えた後に、リアンの姿が三人の目に映った。
それに真っ先に反応を示したのはミリアムだった。

「リアン!やっと…ッ逢えた!」

震えながら言うミリアムの方を見て、リアンは悲しげに微笑んだ。

その身体は、向こうの景色が確認できるほどに透けている。

「…久しぶり、ミリアム」

「…うん」

ミリアムに挨拶した後、リアンの視線はメイサの方へと向けられた。
それに気づき、メイサもリアンを見つめ返した。

「お久しぶりです、メイサさん。みんなに大変な迷惑をかけてしまって…本当に申し訳ありませんでした」

深く頭を下げるリアンにメイサは苦笑してしまう。
そして、優しい声で告げた。

「もういいのよ。あなたの罪は許されることはないけれど、そのことにあなた自身が納得してるんでしょう?それなら何も言うことはないわ。カイナやラグミナには私が言っておくから。元気だったってね」

優しく微笑みながら涙を流すメイサに、リアンは涙を溜めてお礼を言った。

再びミリアムの方に向き直ると、彼女は声を出さずに震えながら泣いていた。

「ミリアム…僕は君が本当に好きだった。君のために親友を裏切り、自分を捨てた。でもね、勘違いしないでほしいんだ。僕はそれを悔やんでなんかないし、君のためなら命も捨てられる…ってもう捨てたんだけど」

「…リアン…ッ」

リアンの言葉に、ミリアムはただ頷くことしか出来なかった。


「…ミリアム、僕の近くに来てよ」

「うん。あのね、リアン」

近づきながらミリアムは口を開いた。

「私ね?リアンにもう一度会えたら、伝えたかった言葉があるの」

「…?何なの?」

















涙を袖で拭い、ふわっと微笑みながら言った。

















「リアン、ホントに今までありがとう!私はありのままのリアンを…」






































『愛してる』














































その言葉を聞いたリアンは、大粒の涙で頬を濡らしながら大きく笑った。


そして、三人の顔を順番に眺めた後、



スッと何処かへ消え去っていった…—————

Re: 秘蜜〜黒の誓い〜 ≪ボカロ曲小説化≫ ( No.56 )
日時: 2011/07/13 20:19
名前: 夏茱萸 (ID: Zqou3CL2)

第十四章〜禁断の場所〜


リアンが消えた瞬間に、ミリアムを襲ったのは失望感と大きな疲労だった。
そのまま地面へと崩れ落ちそうになる彼女をルミカが慌てて支える。

「ちょっとミリアム大丈夫?疲れたなら休んでてもいいのよ?」

「…いい。もう少しだけ、ここにいたいの…」

泣きそうな目でそう訴えられ、ルミカは言葉に詰まってしまった。

「そういえば、リアンの魂はどうなったの?救われたってどういうことなのか、具体的に説明してよ」

話に追いつけなかったのか、メイサが拗ねたように問う。

「あぁ、そう言えば説明してなかったわね。…リアンちゃんの魂は一言で言えば救われたんじゃないかしら。ただリアンちゃんの行った場所自体が、救われたって言える場所なのかどうか…」

「…どういうことよ」

言葉を濁すルミカに、メイサとミリアムは少々苛立った。

「リアンは、どこに行ったの?」

恐る恐る聞くミリアムを見て、意を決したのか。ルミカはゆっくり口を開いた。



「…地獄よ」




その瞬間、メイサは目を見開いて言葉を失くし、

ミリアムはその場で硬直してしまった。







































「…ッルミカ!リアンは…本当に地獄へ落ちてしまったの!?違うよね!?だってそれじゃ、リアン全然救われてなんかないじゃない!」

暫くして頬を濡らしながらミリアムがルミカに縋り付いた。
それを見たメイサも、泣きながらルミカを睨んでいる。

「…ミリアム、悪いけど貴女にだけは言えないの。家へ入って休んでてもらえるかしら?メイサは残っていてちょうだいね」

「そんな…ッ!」

「ミリアム!!…分かるわよね?貴女が少し、ほんの少しだけ我慢すれば、リアンちゃんは助かるかもしれないのよ…お願いだから、ね?」

ルミカは優しくそう言って、ミリアムの緑の髪をそっと撫でた。
それに少しは納得したのか、重い足取りで家の中へと消えていった。



「さて、メイサ。話さないといけないことが結構あるのよ。聞いてくれるかしら?」

「…もちろん」

「ま、立ち話もアレだし、移動しましょうか」


そう言ってルミカが提案した場所は、あの教会だった。


———ミリアムとガノムが誓い合うはずだった場所。

———ミリアムとレオンの出会った場所。


全てがあの教会で始まったことなのだ。
そして…———



「私たちが逢ったのも、確かこの場所よね?」

移動し終わった二人は、近くのベンチへと腰掛けた。メイサは座った瞬間、苦笑しながらこう言ったのだ。


「そうね。あの時はまだお互いに若かったわよね〜」

「あら、ルミカはあまり変わってないような気もするけど」

くすくすと微笑み合い、お互いに昔の事を思い出しながら懐かしんだ。



そう、昔はメイサも人間だったのだ。
ルミカの友人であり、姉妹の様なものでもあった。



何故、メイサは天使として生まれ変わったのか…



それにはルミカという友人の存在が、深く関わっていたからだった———


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