二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【イナGO】〜雷門の蒼きストライカー〜
日時: 2013/01/14 08:31
名前: 時橋 翔也 (ID: bHw0a2RH)
参照: また…つくってしまった

毎度どうも 銀河一の駄作者 時橋です

イナゴ第三弾!今回はオリキャラが主人公です

注意!

・恐ろしいを飛び抜けた駄文
・セリフはほとんどオリジナルです アニメでのセリフあんま使わないです
・アニメあんま見たことないので色々おかしい
・アニメと言うよりゲーム沿い そしてオリジナル要素がある
・更新遅し これでも作者は受験生なの
・荒らし&悪口は禁止 それ以外のコメントなら大歓迎
・天馬が本来すべきシーンはオリキャラの主人公がやります
・キャラの多くに重い過去がある、特に剣城がかわいそう
・キャラ崩壊がヤバイ
・謎が解明されるの遅いですかなり
・話が意味不明&ドロドロ
・マイナーキャラ多いです
・十%コメディ九十%シリアスです

これらが許せる方はどうぞ

目次   主人公 >>5

第一章「蒼きストライカーの出現とホーリーロード」

プロローグ >>1  第一話 >>2  第二話 >>6  第三話 >>10  第四話 >>11  第五話 >>12  第六話 >>15  第七話 >>16  第八話 >>17  第九話 >>18  第十話 >>19  第十一話 >>20  第十二話 >>21  第十三話 >>22  第十四話 >>24  第十五話 >>25  第十六話 >>26  第十七話 >>27-28  第十八話 >>31  第十九話 >>32  第二十話 >>33  第二十一話 >>36  第二十二話 >>37  第二十三話 >>38  第二十四話 >>39  第二十五話 >>42  第二十六話 >>43  第二十七話 >>46  第二十八話 >>47  第二十九話 >>48  第三十話 >>49  第三十一話 >>50  第三十二話 >>51  第三十三話 >>52  第三十四話 >>53  第三十五話 >>54  第三十六話 >>55  第三十七話 >>59  第三十八話 >>62  第三十九話 >>63  第四十話 >>64  第四十一話 >>65  第四十二話 >>68  第四十三話 >>69  第四十四話 >>70  第四十五話 >>71  第四十六話 >>72  第四十七話 >>73  第四十八話 >>74  第四十九話 >>75  第五十話 >>76  第五十一話 >>77  第五十二話 >>78  第五十三話 >>79  第五十四話 >>80  第五十五話 >>81  第五十六話 >>82  第五十七話 >>83  第五十八話 >>86  第五十九話 >>87  第六十話 >>88  第六十一話 >>89-90  第六十二話 >>91  第六十三話 >>92  第六十四話 >>93  第六十五話 >>94  第六十六話 >>95  第六十七話 >>96  第六十八話 >>97  第六十九話 >>98  第七十話 >>99  第七十一話 >>101  第七十二話 >>102  第七十三話 >>103  第七十四話 >>104  第七十五話 >>105  第七十六話 >>106  第七十七話 >>107  第七十八話 >>108  第七十九話 >>109  第八十話 >>110  第八十一話 >>111

《捕捉短編集》

本編の捕捉説明を兼ねた短編集 暇なときにどうぞ
本編では語られないキャラ達の過去の話

No.1 「絆が憎悪に変わるとき」
前編 夜桜said

エピソード1 >>100

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第七十二話 ( No.102 )
日時: 2012/12/13 21:20
名前: 時橋 翔也 (ID: 7uqXWVar)


ベンチに戻り、皆がドリンクを飲んでいる中、海音は足を抑えた
よく見るとうっすらと青く変色していた

「いてて…」
…病院で見てもらわないと
「海音…足 どうしたんだ?」
すると神童は海音に言った
「昨日転んだ所が痛くて…」
「試合出来そうか?」
「ハイ 何とか…」
海音は言った

——————

「…話ってなんだド?」

香坂に呼び出され、天城はスタジアムから少し離れた所に来ていた
「…天城くん お願い 真帆路くんを助けてあげて」
香坂は言った

「!? どういうことだド…」
「いじめられていた天城くんを庇った真帆路くんは、変わりにいじめの標的になったの」
香坂は説明する
「…だから真帆路くんは小六の時 天城くんと絶交した… 天城くんを巻き込まないために」
「!!…」

ずっと… 真帆路に裏切られたと思っていた…
そんなことが…

「なら…助けましょう天城先輩!」
すると声がした

見ると輝が立っていた
「影山…」
「大丈夫ですよ!先輩なら出来ます!」
「…ああ わかったド」
天城は頷く

——————

「皆 よく聞いてくれ」
二人が戻ると、鬼道は雷門の皆に言った

「山菜に写真をいくつか撮ってもらった… そしてわかったのは、あのバンパーの出現は時間ごとに決まっている」
「…そうか それが分かれば…」
「攻略できるわけか」

鬼道にバンパーの出現時間を教えてもらい、後半戦はスタートした

「海音!」
さっそく剣城は海音にパスを出す

足が痛むなか、海音は必死にゴールにかけ上がった
「いくよ!」

まだ試していない必殺技
でも…やってみる価値はある

海音は右手を横に出す
すると辺りに強い吹雪が吹き始め、視界が悪くなる
「コールドストーム!」

海音は凍りついたボールを思いきりシュートした
その先にはバンパー

するとバンパーは時間が来て地面に引っ込み、幻影学園のゴールを強襲した

雷門は一点取り返した

「やった!」
海音は天馬とハイタッチした

「…くそっ!」
キックオフ早々、真帆路は強引にゴールに進んだ

「…邪魔だ!」
「うわあっ!」
海音をはね飛ばし、真帆路は突き進む

「昔は強いやつに立ち向かうやつだったのに…」
天城は悲しげに呟いた

すると真帆路の背後から黒い女性の化身が現れた
「幻影のダラマンガラス!」
そして真帆路はそのまま強力なシュートを放つ

「フェンス・オブ・ガイア!」
目の前に壁を出現させ、何とか三国はゴールを守った

「天馬!」
そのまま三国は天馬にロングパス
すると幻一がスライディングをかけた
「そよかぜステップ!」
天馬は幻一をよけ、輝にパス

「エクステンドゾーン!」
輝は紫色の強力シュートを放ち、雷門は同点に

「…くっ」
すると海音は膝をついた
「海音大丈夫?」
「うん…平気」
足の痛みがひどくなる
マジでヤバイよ コレ

幻影学園からのキックオフ
ボールは真帆路に
「行かせない!」
剣城は真帆路にスライディングをかけた
「イリュージョンボール!」
すると真帆路はボールをいくつにも分裂させ、剣城をかわした

「マボロシショット!」
「アトランティスウォール!」
天城は必死に防御するが、またしてもアトランティスウォールが発動せず、幻影学園が再びリードした

「まだぜよ!」
錦はそう言い、パスをもらってゴールに迫る
「戦国武神ムサシ!」
化身を発動させて錦はシュートした
「伝来宝刀!…シュートチェインじゃ海音!」
「はい!」

ボールを追いかけ、海音はボールに冷気を纏わせた
「ダイヤモンドショット!」
「うわああ!」
幻影学園のゴールを破り、再び同点に

「…選手交代!西園 お前がGKになれ」
「ええっ!?」
鬼道に信助は驚く
「頼んだぞ信助」
三国は言う
「未来に繋げるための交代だ」

ゴールの前に立つ信助
「できるのかな」
そして試合再開

「ディメンションカット!」
ボールを奪い、影二がゴールに上がる

「いくよ!」
影二はそのままシュートした
来る…止めないと!
「はあっ!」
信助は思いきりジャンプし、パンチングでゴールを守った

「いいぞ信助!」
ボールを受け取った海音は言った
「剣城シュートだ!」
そして剣城にパス

「デスドロップ!」
漆黒のシュートはゴールを襲い、雷門は逆転した

「やったね剣城!」
「ああ」

「…お前達の革命などぶっ潰す!」
真帆路は強引にゴールに向かった
「真帆路、わかったド お前が笑わないストライカーと言われているのか…お前は一人で戦う為に感情を殺していたんだド!」
天城は言った

ずっと誤解していた自分が恥ずかしい
だからこそ 真帆路を助けたい!

「マボロシショット!」
渾身のシュートを真帆路は放つ
「真帆路…お前の気持ち、俺が受け止めるド!」

すると天城の背後から練習の時に見せた巨大な建物が出現した
「アトランティスウォール!」
ボールは威力を失い、天城の前に転がった

「や…やったド!」
「やりましたね先輩!」
輝は言った

「…天城」
思わず真帆路に笑みが零れる

ここで試合終了 勝ったのは雷門だった
「やったあ!」
天馬は飛び上がる

「…俺の負けだ 天城」
すると真帆路は天城に近づく
「…真帆路 どうして小学生の時 俺を庇ってくれたんだド?」
天城は真帆路に訪ねる

「……お前が 最初の友達だったんだ」

『一緒にサッカーするド!』

「真帆路…」
「お前はもうダメなやつじゃなかったな… 革命頑張れよ」
「俺は…本当のサッカーを取り戻すド!だから…お前もサッカー続けるド! 一緒に世界を目指すんだド!」
「…ああ そうだな 約束だ!」
真帆路は頷いた

第七十三話 ( No.103 )
日時: 2012/12/14 19:22
名前: 時橋 翔也 (ID: TaF97fNV)


「遂に準決勝だな」
第二グラウンドで霧野は言った

「…信助 良いプレーだった 正式にGKになってみないか?」
すると三国は言った
「……やっぱり僕にはフィールドプレイヤーの方が合ってると思います すいません」
そう言って信助は走り去ってしまった
「信助…」

「おい!お前ら雷門サッカー部だな!」

するとグラウンドの向こうから声が飛んでくる
他の学校の生徒のようだ
「俺達の学校を潰しやがって!」

「え?」
海音は声をあげた
学校を…潰す?

「お前らの真似してフィフスセクターに逆らったせいで俺達の学校は潰された! 何が革命だ!俺達はもうサッカーできない!やっぱり…逆らうんじゃなかった!」
「おい よせ!」
すると隣の生徒は言った
「すまないな 俺達の分まで革命頑張ってくれよ」
そう言い、二人は去っていった

「監督!今のって…」
「…本当だ 革命派にまわった学校のうち三校が廃校になったと連絡があった」
鬼道は海音に言った

「まさか見せしめのために…」
「ふざけやがって フィフスセクターに抗議しようぜ!」
「俺達が言った所で聞いてくれるはずないだろ」
三国は倉間に言った

「ボクが…革命を起こしたから…」
「お前たちのせいじゃない これまでも廃校になった学校はたくさんあった これ以上こんなことのないように革命を成し遂げるんだ」
「………」

豪炎寺…どうしてなんだ
鬼道は思った

——————

「革命派にまわった学校を潰すなんて…」
フィフスセクターのエントラスにある玉座の前で一人の青年は言った
「今回も指示したのは[あの人]ですね…ひどいことを」

「…このホーリーロードで起こったことは全て責任を取る」
玉座に座るイシドは言った
「私はフィフスセクターの聖帝なのだから」
するとイシドは立ち上がる

「…少し出てくる」
そう言って歩いていった
「イシド様…」
青年…虎丸は呟いた

——————

「…ボクのせいだ…」
サッカー棟のミーティング室で海音は言った
「ボクが革命を起こしたから…」
「そんな…海音は間違ってないよ!」
天馬は言った

「そ…そうですよ!俺達の他にも本当のサッカーをしたかった人達はたくさんいるんだし」
速水も言った

「…でも!」
海音は立ち上がる
「ボクにはわかるんです!サッカーが出来ない人の気持ちが!」
「おい海音!」
神童の制止も聞かず、海音はミーティング室を飛び出した

「俺…連れ戻して来ます!」
そう言って天馬も走っていった

——————

本当にこれで良かったのかな
海音はうなだれる

「海音!」
そこに天馬がやって来た
「天馬…」
「海音…悩むのはわかるけど…戻ろう?」
「天馬…ボクは…」

「君達…ちょっといい?」
すると校門の前の少女は二人に言った
二人よりも歳上で高校生のようだ
「あなたは?」
「君達に会って欲しい人がいるの …河川敷の駅前に来てくれる?」

会って欲しい人?
…でも 今戻っても気まずい
「…わかりました 天馬行こうよ」
「そうだね海音」
天馬は頷いた

——————

三人は河川敷の駅前にやって来た
「ここで待ってて」
少女はそう言い 向こうに消えていった

「…天馬…」
「海音?」
「ボクさ…話したっけ?女子という理由でサッカーチームに入れなかった事があるって」
「うん 言ってた」
「だからかな… サッカーが出来なくなる人をつくるのが嫌なんだ」

『何が革命だ!俺達はもうサッカーできない!やっぱり…逆らうんじゃなかった!』

「海音… でも 円堂監督が言ってた事を思い出して」

『自分の心に聞いてみろ …これがお前達のやりたいサッカーなのか? お前達のサッカー…本当のサッカーって何なのか!』

「円堂監督は…俺達に本当のサッカーを教えてくれた …きっと本当のサッカーを取り戻す事は悪いことじゃない… きっと」「でも…」

「活躍しているな… 松風天馬くん それに雪雨海音くん」

声がした
横を見ると、さっきの少女と共に聖帝 イシドシュウジが立っていた
「あなたは…!」
「イシドシュウジ…」
二人は驚く

「…初めまして、と言うべきかな」
「あなたですよね…サッカーをこんなにしたのは…何でですか!」
天馬は言った
「サッカーはもっと楽しくやれるはずです!勝敗を管理しなくても」

「君達は心からそう思えるのか?」
イシドは言った
「……!」
二人は反論出来なかった
革命のせいでいろんな人からサッカーを奪ってしまった

「君達も疑問を持ち始めている やはりサッカーは管理されるべきだったのではないか そうすればみんながサッカーを楽しめたのではないかとね」
「でも… 今のサッカーは誰も楽しめません!」
海音は言った

その時だった
「きゃあああ!!」
向こうから悲鳴が聞こえた
見ると女性がひったくりにあっていた

「あ…」
「貸せっ!!」
イシドは天馬の持っていたサッカーボールを奪い、逃げていくひったくりにシュートを浴びせた

まるで炎のようなシュートはひったくりを直撃した
「…!!」
天馬は目を見開く

戻ってくるボールをイシドは拾うと天馬に返した
「すまなかった」
「……どうして」
天馬はボールを受けとると言った

「天馬…?」
「俺…ずっとあなたに憧れて来たんです! …なんで…サッカーにこんなことするんですか!」
海音の声も聞かず天馬は言った

「…昔サッカーボールで俺を助けてくれたのは あなただった」
「……」
「?…」
天馬…なにかあったのかな…

「あなたは誰よりもサッカーが好きなはずなのに…! 今のボールだってサッカーが好きな人じゃないと打てないはずだ!何で…」
「答えを知りないなら、ホーリーロードを勝ち進むんだ」
イシドは言った

そして少女と共に去っていった

「天馬…あの人を知ってるの?」
「……あの人は、俺の命の恩人なんだ」

昔 天馬は沖縄に住んでいた
木材に挟まれていた仔犬のサスケを助けたと同時に木材が天馬に倒れてきた

そこに先ほどと同じボールが飛んできて、木材を砕いて天馬を助けてくれた
それなのに…

「俺は信じない…きっとなにか理由があるんだ」
「天馬…」

——————

「わかりましたよ 貴方の本当の目的が」
歩いていたイシドに立っていた剣城は言った

「そうか…だからどうした?」
イシドは剣城を見た
「どうして松風と海音に本当の事を話さないんですか?」
「…まだ時が来ていない 話せば今までやって来た事が壊れてしまう」

「…確かにこのままの方がいいかもしれません…ところであなたにお願いがあります」
剣城はイシドに近づいた

第七十四話 ( No.104 )
日時: 2012/12/15 09:51
名前: 時橋 翔也 (ID: oMcZVhE7)


「骨がかなりダメージを受けていますね…」
病院で足の診察を受けた海音はそう診断された
「先生…サッカー出来ますか?」
「安静にした方が良いです」
「…そうですか…」

暗い気分の中海音は診察室を出た
そういえば天馬大丈夫かな
恩人がサッカーをこんなにしたって… ショックだよね

海音は直矢の病室の前に来る
まだ目覚めてないかな…
そう思いながらも病室のドアをあける

「…海音?」
「あ…」
見ると、直矢はベッドの上で雑誌を見ていた

「直矢!」
海音は直矢に近づいた
「大丈夫なの?」
「ああ… すまない心配かけて」
直矢は言った

「試合どうだった?」
「あ…勝てたよ 幻影学園に でも…」
「?」
海音は昨日の事を話した

すると直矢は表情を変える
「天馬くん…ショックだろうね 」
「大丈夫かな天馬…」
海音も言った

——————

海音が病院を出た時だった
「太陽しっかり!」
救急車から太陽が運ばれて来るのが見えた

そこには天馬もいる
「天馬!?」
「海音…太陽が!」
天馬は言った

太陽はすぐに病院に運ばれていった
「また発作を起こしたんだ…」

「すまないね、雨宮くんを見つけてくれて」
すると医師の一人が二人に近づいた
「しかし…病室を抜け出してあんな遠くまで行くなんて…どうしたのか」

「先生」
すると太陽の担当の看護師が三人に近づく
「雨宮くんは落ち着きました… それで、そこの二人と話がしたいそうです」
「え…ボクらと?」
海音は言った

太陽…どうしたんだろ

——————

病室に行くと、太陽がベッドに座っていた
「太陽大丈夫?」
海音は言った

「天馬、海音…ごめんね心配かけて」
太陽は言った
「いいよ…でもどうしたの?病室を抜け出して」
「そうでもしないと、病院から出られないから」

太陽…
「それよりさ二人とも試合見たよ すごいよね雷門!」
「見てくれたんだ!」
「最近のホーリーロードってつまらなかったけど…雷門はちがうんだ 本気っていうのかな…なんか見ると元気になる」

「…でも、ボクらのせいで廃校になった学校があるんだ」
海音は言った
「俺達…どうしたら…」

「そういうときは…自分の心に従ったら?」
太陽は言った

自分の心…

「天馬、そろそろ行こうよ」
「そうだね…またね太陽!」
二人は病室から出ていった

「…海音、太陽の病気ってそんなにひどいの?」
すると天馬は訪ねる
「……太陽とボクは同じ施設で育ったんだけど…昔から入退院を繰り返していたんだ」
海音は言った

「昔 夜桜から聞いたけど…太陽このままだと命が危ないって」
「え!…」
「もちろん手術を受けて治療すれば治るんだって…でも太陽はその気がないみたいなんだ」
「そんな…」
天馬はうつむいた

——————

次の日の放課後
第二グラウンドに雷門イレブンは集まっていた
「次の相手が決まった」
神童は言った
「次の相手は…新雲学園だ」

「…新雲学園…」
「海音どうした?」
「いや なんでもない」
新雲学園…太陽の学校だ

「…今までの試合結果を見るに、新雲学園はかなりの強豪だ」
「しかも新雲学園には、十年に一人の天才と呼ばれるストライカーがいるらしいです まだ試合には一度も出ていませんが」
剣城は言った

「十年に一人の天才…」
太陽の事だ…海音は思った
「俺達を潰す為に出てくる可能性は十分あるな」
「もうおしまいだ〜!」
速水は嘆く

「……」
海音は天馬を見た
太陽が敵になるなんて知ったら…どう思うかな

——————

海音は練習が終わり、鉄塔にやって来る
バダップ達はサッカーの練習をしていた

「…珍しいね、サッカーの練習なんて」
「そうか?」
ミストレはリフティングしながら言った

「これから…少しヤバイ事するからな」
「ヤバイ事?」
海音が言うと、エスカバは海音を見た

「…実は、近くに組織の基地があることを突き止めたんだ」
「本当に!?」
「だが本拠地じゃない …小さなアジトってとこだ」

「僕らは明日 そのアジトに乗り込む」
「乗り込むって… 偵察?」
「まぁそんなとこかな」
ミストレは言った

「だから…俺達はしばらく戻れない …もし10日たっても帰らなかったら、死んだと思っていい」
「バダップ…あ そうだ」海音はバッグから何かを取り出す

それはミュウからもらった薬とペンダントだった
「これ持っていって 変身出来る薬と姿を消せるペンダント」
「すまない…」
バダップは受け取った

「…じゃあ俺達は帰る 準備があるからな」
「三人とも…絶対帰ってきてよ?」
「もちろんだ」

三人は化身のオーラを出す
そして高く飛び上がり、消えていった

第七十五話 ( No.105 )
日時: 2012/12/17 23:13
名前: 時橋 翔也 (ID: Byb50NrS)


「まさかあんな大差がついてしまうなんてな…」
第二グラウンドで霧野は言った

雷門イレブンは聖帝直属の聖堂山中の試合を見てきた
十六対0の圧勝だった

「もうおしまいだ〜」
「どっちもまだマジじゃないかもしれないんだ 新雲は天才ストライカーを出してない」
倉間は言った

「…でも ボクは勝ちたいです」
すると海音は言った
「新雲にも聖堂山にも勝ちたい …あんなすごいチームなんだから 勝てなきゃもったいないです!」
「海音…」
神童は言った

「…そうだな 特にお前は」
剣城は言った
「俺もだ 準決勝まて来たんだ こんなところで諦めたくない」
三国は言った

「革命の成功は…すぐそこだ」
神童は言った
「…海音、お前 何か隠している事があるんじゃないか?」
倉間に言われ、海音はドキッとした

「え…そんなこと…」
「天才ストライカーについて何か知っているんじゃないか?」
「ま…まさか! …ボク河川敷に練習に行ってきます!」
ボールを持って海音は走っていった

「……俺、少し見てきます」
剣城はそう言って海音の後を追った

——————

新雲の天才ストライカー…か
それだったら 太陽しかいないんだよな

「はぁ…」
海音は河川敷に来るとため息をついた
話すべきかな…

でも… どうしよう…
病気の太陽と戦いたくない

「サッカーの練習か?雪雨海音くん」
すると見知らぬ声が飛んでくる
見ると河川敷に褐色の肌の男が立っていた
「いや…くんではなくさんの方が正しいかな」
「あなたは?」
海音は言った

「千宮路大語… という者だ 君の活躍 いつも見ているよ」
「あはは…ありがとうございます」
海音は言った

「千宮路さんもサッカーするんですか?」
「ああ …昔はプロ選手を夢見たこともある」
「へぇ〜 …じゃあ次の試合も見に来てくださいね!」
「もちろんさ」

「海音!」
するとそこに剣城がやって来る
「では失礼するよ …活躍を期待しているよ雪雨さん」
「あ…はい!」
歩いていく千宮路を海音はただ見ていた

「海音…あの人は?」
「いつもボクらの活躍見てくれているんだって 」海音は言った

「…もしかして 天才ストライカーについて聞きに来たの?」
「やっぱり知っているんだな」
剣城は言った

「…新雲の天才ストライカーは…太陽の事だよ」
「え…!?」
剣城は声をあげる
「でも太陽は病気だから… 試合に出れるかわからない」
「……そうなのか」
剣城は言った

「誰にも言わないでね?」
「もし言ったら?」
「剣城が歌好きな事イナッターでカミングアウトする」
「わかったいわない」
剣城は真顔で言った

「…そうだ 剣城病院に行かない?」
「病院に?」
「直矢が目覚めたんだ バスケの雑誌渡してないし」

直矢さん…気がついたのか
「わかった 行こう 最近兄さんに会って無いしな」
「うん 行こっか!」

——————

病院にやって来ると、少し直矢が心配になってくる
また…倒れていないかな

「直矢来たよー…」
病室に入ると、直矢はベッドの上でTVを見ていた

「海音 それに剣城くんも…来てくれたのか」
直矢は言った
「はい コレ バスケの雑誌ね 世界特集やってるよ」
「本当か!?」
受け取ると直矢は言った

「…直矢さん 本当にバスケ好きなんですね」
「それ 色んな人から言われるよ 世界一のバスケバカだって」
直矢は言った

「直矢… 身体大丈夫なの?」
「ああ 今のところはな」「…血を吐いた原因はなんだったんですか?」
剣城は訪ねる

「それがね…わからないんだ」
「え?」
「医者にも原因がわからないって… 退院はもう少し延びそうだ」
「……お父さんに連絡した?」
「ああ …凄く慌ててたよ」
直矢は苦笑する

「じゃあ俺 兄さんに会いに行ってくる」
「うん わかった」
海音は頷き、剣城は病室から出ていった

「…なぁ海音 俺…死ぬのかな」
「え…」
「意味も分からず血を吐いたし… 医者ももう長くないかもしれないって言ってるの聞いたんだ」
「そ…そんなことないよ!」
海音は言った

「直矢は死なないよ! バスケで世界目指すんでしょ?」
「あはは… そうだな」
直矢は言った

——————

見舞いも終わり、二人は商店街を歩いていた
「…元気ないな 直矢さんのことか?」
「うん…」
やっぱり剣城は鋭いな

「直矢がね …死ぬのかなって言ってた」
「そう言うやつほど長生きするものさ」
剣城は言った

すると剣城は止まった
「…俺 家こっちだから またな海音」
「うん…バイバイ」

第七十六話 ( No.106 )
日時: 2012/12/18 19:57
名前: 時橋 翔也 (ID: LCLSAOTe)


河川敷での練習が終わり、天馬と信助はベンチに座っていた
「はぁ…」
「信助 何か悩んでるの?」
天馬は信助に言った

「…実はね 三国先輩にGKをやらないかって言われたんだ」
「三国先輩に?」
「うん 僕ならGKになれるって」

すると信助は上を見た
「不思議なんだ… GKが嫌じゃない でもずっとDFをやって来たのに」
「円堂監督もGKだったんだよね」
天馬は言った

「うん イナズマジャパンでGKやってたのかっこよかった」
「じゃあ円堂監督を目指すのは?」
「遠いよ…監督なんて…」

「そうだね 確かに円堂さんは遠い」
するといつの間にか立っていた青年は言った
「え?」
「あの…何ですか?」

「俺もサッカーやってるんだ GK」
「GKを?」
天馬は言った

「君達と同じくらいの時、MFからGKになった それでGKの面白さを知ったんだ」
「そうなんですか…」
「あ…あの!」
信助は立ち上がる

「GKって大変ですか?フィールドの皆に気を配ったりしないといけなくて」
「ああ GKはグラウンドの全部を取り込まないといけない」
青年は言った
「そしたら見えてくる ゴールへの行き先がね」
「自分の中に…」
「最後はみんなの思いがこもったボールを掴む それがGKなんだ」

「GKってすごいんですね!」
「そうかい?じゃあ練習頑張ってね」
そう言って青年は去っていった

「…あの人どこかで…」
天馬は呟く

——————

「こんにちは!」
次の日、元気よく信助はサッカー棟に入ってきた

信助元気になったな… 海音は思った
「みんな 今日は帝国学園で練習するぞ」
すると神童は言った

練習試合?

——————

訳も分からず、帝国のグラウンドにやって来る
そこにいたのは驚きの人物達だった
「遅いぜお前ら」

「南沢さん!それに貴志部!」
「兵頭さんや豹牙も…」
神童と海音は言った

「これからは俺達もレジスタンスとしてフィフスセクターと戦う事にした」
南沢は言った
「本当のサッカーを取り戻そうと決めたんだ」
「貴志部…」
霧野は言った

「よし、じゃあそれぞれ個人練習しようぜ、海音 お前は俺とシュート練習だ」
豹牙は言った
「あ…うん」

「神童と霧野は俺と練習しよう… またあの頃のようなサッカーしたいしな」
「貴志部…わかった」
神童は頷く

それぞれ色んな選手と交流して練習することにした
「…三国先輩、兵頭さん」
すると信助は二人に近づいた
「僕に…GKの特訓をつけてください!」
「なに?」
兵頭は声をあげる

「…その言葉をまっていたぞ」
三国は言った

——————

それから数日 南沢たちと練習する日々が続いた
海音は豹牙とサッカーバトルをしている

「エターナルブリザード!!」
二つのエターナルブリザードがぶつかり、辺りには強い吹雪が吹き荒れる

「はぁ…はぁ…」
「…そういえば 雷門の次の相手って新雲学園なんだろ?」
豹牙は言った
「太陽…出るのか?」
「わからない…でも出る可能性は十分にあるよ」

「…ねぇ豹牙覚えてる?四人での約束」
「約束…」

『ねぇ、ボクたち中学生になったらそれぞれ違う中学に行こうよ』
『え、なんで海音』
『バラバラの中学に行って、競うんだよ 大会で一番を取るのは誰なのか』
『いいねそれ面白そう!』
『その前に太陽は病気治せよ』
『じゃあ決まりだね!約束だよ?』

「…ああ 忘れるものか 俺と太陽と夜桜と海音の四人の約束を」
「太陽…きっと戦うよ 約束を果たすために」
海音は言った

「………」
「剣城」
すると霧野は剣城に近づいた
「霧野先輩…」
「最近調子どうだ?」
「…あまり夢を見なくなりました」
剣城は言った

「でも…いつまでもつのか…」
「………」

——————

準決勝の当日
海音は病院に来ていた

「直矢に準決勝見てもらえるように言っとこ」
そう思いながら海音は病室をノックした
「直矢来たよ…」

「はぁ…はぁ…」

思わず目を疑った
直矢が医師と看護師に付き添われていた

「直矢!?」
海音は急いで直矢に駆け寄る
「一体何で…」
「一時間前に体調が急変したんだ」
医師は言った
「熱と汗がひどい… 原因はいまだにわかっていない」

「直矢…」
酸素マスクを着け、荒く息をしている直矢の手を強く握る 熱い…
「か…いん…」
すると直矢は海音を見て言った

「直矢聞こえる?」
「ああ…もちろんさ…」
かろうじて話せるようだった
「先生…直矢は…助かりますか?」
「まだ…わからない」

「俺は…死なないさ」
すると直矢は言った
「まだ…バスケしたいんだ…」
「直矢…」
すると海音の携帯が鳴った

見ると相手は天馬だった
『海音!早くしないとキャラバン出発するよ!』

「そうだ試合…でも直矢が…」
「行ってこい…海音…」
直矢は言った
「大丈夫… 俺は死なない」

「直矢…!」
海音は両手で直矢の手を握った
「ボク…まだ直矢にバスケで勝ててないんだ!だから… 死なないでね?」「ああ… 約束だ」
直矢は微笑む

そして海音は病室をあとにした


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