二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ボカロ小説【猿マネ椅子盗りゲーム】
- 日時: 2012/11/15 18:34
- 名前: 秋(元苺) (ID: V70KaHly)
初めましてor久しぶりです。
元、苺の秋です。
すっかり、前に書いていた小説放置してしまいました
でも、今回はやりきる自身はないですが、応援次第で変わると思います(←え
注意
・悪コメ、中傷、荒らし等、人を傷つけるようなコメント等は絶対に
しないで下さい。
・私の小説は大体意味不ですが、「へたくそ」、「何言ってるか分からない」等はやめてください。分かってますので(アドバイスはOKです!)
・リクは、基本OKにしますが、悪ノシリーズやカゲプロ等、小説が既に発売されてるのは、少し控えてください(すみません;;)
・更新速度は、基本的には遅めですが一気に更新することもあります^^
以上の事が守れる方のみ、お進み下さい!
では、頑張りたいと思います!
【一作目】
《夕焼け蝉日記(ゆうやけせみにっき)》
曲:まふまふ様
歌:IA
#1プロローグ >>1
「嘘吐きな日々に消えていく」>>2
>>3
>>4
>>5
>>6
>>7
「蝉日記」>>8
>>9
>>10
「終わりに気づいて宙ぶらり」>>11
>>12
>>13
>>14
>>15
#最終話「あの子が泣き止むまで、ずっと」>>16
#作者から>>17
【二作目】
『猿マネ椅子盗りゲーム』
曲:150P
唄:IA
- Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.2 )
- 日時: 2012/10/20 21:02
- 名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)
#1「嘘吐きな日々に消えていく」
<月×日
外は雨が降り注いでおり、いつもなら聞こえる、煩い蝉の鳴き声も、今日は静かに止んでいた
僕は何の面白みもない、白髪混じりの教師の話に今日もまた耳を傾けることなく
ただただ、窓の外をじっと見つめていた
そして僕はある場所に目を向ける
廊下側の、一番奥の端っこの席に座っている一人のクラスメイトに視線をやったのだ
黒髪の、後ろで一つのみつ編みをして顔を下に向けている
一人の彼女。
僕はいつもその彼女を見て思う。
幼い時に彼岸花がたくさん咲き誇っている神社である約束をした、彼女
によく似ているのだ
もし、君がそうなら……
花を渡した時に微笑んでくれた、あの優しい笑みはもう、見せてくれないの?
- Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.3 )
- 日時: 2012/10/18 23:35
- 名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)
放課後
僕は靴を履き替えている時、教室に忘れ物をしてしまった
「—うわぁぁ……肝心の教科書と筆箱が……」
すぐに、階段を駆け上がる
しかし、教室は四階。
皆は楽勝だとか言っているけれど、僕自身はそう感じることはなく、
上る度にキツいと思うばかりであった
教室の前まで辿り着くと、笑い声とみつ編みの少女が床に倒れこんでいた
そして周りには、小さな花の花瓶が割れてあった
笑い声が収まると、今度は喋り声がした
「アンタさ、いつまで学校に来んの?アンタなんか誰も必要として
くれてないじゃん」
—え?
今なんて……
「マジ、キモいから。アンタなんて、この世から消えればいいのに」
喋りが終わるとすぐに笑い始める、クラスの女子等。
何でこんなこと……
「アンタなんて消えても誰も泣いて悲しんでくれないんじゃない?」
ふ……ふざけるな。
何が、キモいんだよ。何で、消えろだなんて、言うんだよ!
僕はそれを今すぐ、あの女子達に向かって叫んでやりたかった
のに……
言葉が、出ない
言葉がつまって……上手く発することが、出来なかった
- Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.4 )
- 日時: 2012/10/20 21:05
- 名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)
僕は悔しさでいっぱいになり、手を強く握り締めた
「んじゃあ、さよなら」
くすくすと笑いながら、三、四人くらいの女子生徒が教室のドアへと向かってくる
僕はすぐに隣のクラス内に隠れる
ガラッと、教室の後ろのドアが開く音がした
そして、バタバタと駆けていく足音が鳴り止むまで僕は隠れていた
「もう。いいかな?」
僕は直ぐに自分のクラスに向かう。
そこには、傷だらけで右頬から血が垂れている彼女の姿があった
彼女の目からは、一粒の涙が、流れていた
僕は「大丈夫」の一言すら言えずに、ただただ呆然と、立ち尽くしていた
- Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.5 )
- 日時: 2012/10/20 21:06
- 名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)
ぼくはただただ呆然と立ち尽くしていた
暫く僕は硬直していると
「覚え、てる?」
彼女が急にこちらに目を向けて話しかけてきた
僕はビクりと驚き、後ずさりしてしまった
「何……を?」
約束って……
「あの日、約束したこと覚えてる?神社の、彼岸花がたくさん咲いていたあの神社で」
「神社?」
「うん。神社」
僕はそして、今まで疑問に思っていたことが少し分かった
もしかしたら、この少女はあの時出会った……
僕は、「約束、覚えてるよ」と言いたかった
「覚えてる」の一言でも、言いたかったのに。
「ごめん。覚えてない。知らないから」と、嘘をついてしまった
「そう……そうだよね」
彼女は視線を僕からゆっくり外すと、起き上がり鞄を持って
教室から出て行ってしまった
僕は、彼女とすれ違った瞬間(とき)
少女の顔をチラっと見た
そして僕は、その瞬間に何故だか心が痛んだ気がした
「最低……だよな」
僕は一言そう呟くと、忘れ物をとり教室を後にした
- Re: ボカロ小説【夕暮れ蝉日記】 ( No.6 )
- 日時: 2012/10/21 20:30
- 名前: 秋(元苺) (ID: iv9jnC9n)
次の日の朝
僕は今日も窓の外を見つめる
外は昨日の天気とは反対に、良い秋空でほんのり金木犀(きんもくせい)の香りが教室内に漂っている
「……はぁ」
僕は深い溜め息をついた
昨日の彼女の悲しげな横顔が、頭から離れられない
「何で、嘘なんか……ついてしまったのだろう」
僕は小さな声でそう呟いた
今更後悔したってもう、遅い
僕はまた少し、胸がズキズキするような痛みを感じた
そして、白髪交じりの教師が教室の中に入ってきた
「おはようございます。出席確認するぞー」
教師がそう告げると、たち歩いていた生徒達は、もたもたと
気だるそうに席についた
教師が次々と点呼を取っている中、僕はまた廊下側の奥の席に目を
やった
「—……」
彼女はまた下を向いていた
表情一つ、変えずに。
点呼を終えると、教師は話をし始めた
「えー皆さん。よく聞いて下さい」
ゴホン、と教師は咳払いをすると、また話を続けた
「えー人間、一人では生きていくことは出来ません。
それは、私達人間だけでなく、動物達もそうです
一人で困難な道を歩むことは、きっとほとんどの人間は無理だと、思います
つまり、困ったときはお互い様。助け合っていくことが大切なのです」
急に何を言い出すんだと思った
こんなの……キレイごとに過ぎない。
そして、廊下側の奥の席から、声が聞こえた
「もう、散々だよ」
少し涙目の彼女に
「大丈夫だよ」
って、そう声をかけられたら。
しかし、僕にはそんな勇気が何処にもなかった
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