二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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D灰 闇ノ支配者ハ血ノ海デ嗤エ Ep2最終話更新 キャラ募集
日時: 2011/04/22 19:57
名前: 秋空 (ID: 4.ooa1lg)

クリック有難う御座います。
また消えた!!一体何回消えりゃ良いんだよって感じだよ(涙


〜作者状況〜

執筆していない【〇】執筆中【】
申し訳ありませんが執筆中に〇が付いている時は書き込まないで下さい。





今まで来てくださったお客様〜

なさにえる様 セピア様 翡翠様 黒犬様 梨桜様 詩己様・ねこうさぎ様・芽留様・麻鈴様
赤色うさぎ様・蛍様・悠様・葵様・橙龍様・みちる君様・葛端様・陽様・淡幸様・夢樹様
六様・白夜様・フェイト様・ゆずは様・迷鎖様・芽子様・幻様・na-様・まゆか様・レッド様
ゆずき様・リンネ様・智那様・花影様

来てくださった方々本当に有難う御座います!!
是からも手抜きせず皆様へ愛を篭めて書いていく所存です^^


〜目次〜
No.1 建て直し終了     >>1より
No.2 第二章 第五話更新  >>16より
No.3 第二章 第六話更新  >>27より
No.4 第二章 第七話更新  >>33より
No.5 第二章 第八話更新  >>41より
No.6 第二章 第九話更新  >>52より
No.7 第二章 第十話更新  >>62より
No.8 第二章 第十一話更新 >>68より
No.9 第二章 第十二話更新 >>79より
No.10 第二章 第十三話更新 >>90より
No.11 第二章 第十四話更新 >>102より
No,12 第二章 第十五話更新 >>116より
No,13 第二章 第十六話更新 >>122より
No,14 第二章 第十七話更新 >>133より
No,15 第二章 第十八話更新 >>142より
No,16 第二章 第十九話更新 >>155より
No,17 第二章 第二十話更新 >>181より
No,18 第二章 第二十一話更新>>193より
No,19 第二章 最終話    >>210より


番外編
No.1 番外シリーズ    >>12より
No.2 番外シリーズ    >>21より
No.3 番外シリーズ    >>27より
No.4 番外シリーズ    >>33より
No.5 番外シリーズ    >>62より
No.6 番外シリーズ    >>68より
No.7 番外シリーズ    >>79より
No.8 番外シリーズ     >>90より
No.9 番外シリーズ     >>102より
No10 番外シリーズ     >>116より
No11 番外シリーズ     >>119より
No12 番外シリーズ     >>133より
No13 番外シリーズ     >>142より
No14 番外シリーズ    >>149より
No15 番外シリーズ     >>155より
No16 番外シリーズ     >>164より
No17 番外シリーズ     >>181より
No18 番外シリーズ     >>210より




〜注意書き〜
・更新速度が物凄く遅いです。心の広い方のみどうぞ。
・Dグレが苦手・私が苦手・オリキャラ駄目等と言う人や荒し中傷目的の人は来ないでください。
・グロ・エロ描写入ります!平気な方のみどうぞ


〜お知らせ〜

No.1
>>193にオリキャラ募集要項を掲載!

No.2
記事の52番・90番・116番は都合により削除しました。





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Re: Dグレ 闇ノ支配者ハ血ノ海デ嗤エ 第二十話更新!コメ求む!! ( No.187 )
日時: 2011/02/02 22:22
名前: 淡幸 (ID: 3sIbxPMr)

風危姉さんとラウの戦い、ラウがかなりピンチぎみ!?
風危姉さん強いですね〜

Re: Dグレ 闇ノ支配者ハ血ノ海デ嗤エ 第二十話更新!コメ求む!! ( No.188 )
日時: 2011/03/06 15:49
名前: なさにえる (ID: 3NlWBChu)

なんだか面白そうな募集をやってたので応募^^

〜〜〜〜コピペ〜〜〜〜
名前:レイラ
人間時の容姿:身体中に縫合痕がある黒髪黒目、黒ドレスの女性。
憂鬱として生気のない表情を浮かべている。
性格:もの静かで命令に忠実な下僕的性格。情緒不安定。
誰のお付き?:シェリル
能力:身体中を強力な酸の毒が巡っている。毒を吐き出したり、毒の爪で斬りつけたりして戦う。相手を噛む事で毒を相手に流し、捉えたり拷問したり。他に毒霧とかで周囲の物を溶かす。
毒によって苦しみ、死ぬまでの時間は操れる。
備考:自分の顔の傷痕からか綺麗なモノに嫌悪感を持っていて、それに対しては激しい破壊、殺人衝動にかられ大人しい性格が一変する。どもり口調。
死んでも良いですか?:Yes
〜〜〜〜キリトリ〜〜〜〜

こんな子がアクマでいいのか、ってかアクマなのかっていう最大の問題は放置。

能力自分でも意味不明だ((汗
風が勝手に解釈していろいろ技も作っちゃって←

2/7追加
サンボイ
「私は……伯爵様とノア様の僕ですから」
「えっと………申し訳ありません。でもシェリル様の命令なので……死んでくれませんか?」
「憎い……憎い……美しい者なんて…美しい物なんて……全部…全部…消えてしまえばいいのに…」



サイト運営の注意書きがあったんでちょっと修正しました。

Re: Dグレ 闇ノ支配者ハ血ノ海デ嗤エ 第二十話更新!コメ ( No.189 )
日時: 2011/02/07 20:23
名前: 葵 (ID: /jbXLzGv)

オリキャラ(AKUMA)募集用紙〜〜〜〜コピペ〜〜〜〜

名前:スイ
人間時の容姿:水色の髪に(肩にかからない位の長さ)、藍色の瞳。そこそこ長身。主にタイトスカートとYシャツを好んで着て、ドレスを嫌っている。大人っぽい。
性格:よく分からない、信頼し難い性格。空元気…な感じ。常に心から笑っていない。
誰のお付き?:風危
能力:時空を歪ませ、近付いた者を破滅させる。
刃状にしたり、盾状にしたりする事で用途が増える。
備考:風危&伯爵以外に心を開けておらず、まともに話さえしない。関西弁で話す。一人称はウチ。
死んでも良いですか?:Yes
サンボイ
「風危様、こんな奴等ウチに任せてくれれば楽勝ですね」
「時空を歪ませる…其れがウチの能力や」
「関西弁で話すのは、ウチの個性や。アイデンティティーや!」


〜〜〜〜キリトリ〜〜〜〜


アクマ受け付けてたの知らなかったよ…。
サンボイ付けとくねww

うーん…スイ、足手まといになりそう((殺すで? byスイ

Re: Dグレ 闇ノ支配者ハ血ノ海デ嗤エ 第二十一話執筆中! ( No.191 )
日時: 2011/02/12 20:58
名前: 葵 (ID: /jbXLzGv)

スイ…良かったのかな?
わぉ、結構強い奴として出て来るんだね!

ラウが生き残れるか…其処が気になる所…
悟りを開き気味なラウが一番かっけぇ←

Re: Dグレ 闇ノ支配者ハ血ノ海デ嗤エ 第二十一話執筆中!! ( No.193 )
日時: 2011/02/16 18:24
名前: 風(元;秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: KjzdqHYY)

コメント下さった方々有難う御座いました。


葵へ
まぁ,アルデバランよりは弱いですがね(汗
多分,二話…持ったら良い方だと思って下さい。
悟りを開いたラウの運命は??
ゴメン…でも,他にも書かないといけない奴等沢山居るから…
ラウ,私だって好きなんですよ!!

淡幸様へ
お久し振りですね♪
風危姉さんはノア最強の看板を背負ってます…因みにラウはルージェ最弱の実力者(涙

なさへ
AKUMA……アルデバランがAKUMAなんですから有りです♪
シェリル何気に良いですよね^^


夢へ
あぁそう?
頑張りなよ…あたしも行ってあげる♪
ロード保安官は私の夢^^
本当「俺は鼠か」所じゃないですよねぇ…
リャドの大技とクロエさんの大技は最初から出したかったので格好良く書けて良かった!!

 
D,gray man 闇ノ支配者ハ血ノ海デ嗤エ
小休止:オリキャラ(AKUMA)募集容姿

〜〜〜〜コピペ〜〜〜〜
名前:
人間時の容姿:
性格:
誰のお付き?:
能力:
備考:
死んでも良いですか?:Yes/No
〜〜〜〜キリトリ〜〜〜〜


≒注意事項≒
1.AKUMAのレベルは全員統一して有ります。
2.誰のお付きかと言う問いはノアの誰に従う存在かと言う事です。
必ず誰かご指名下さい。唯,スキンとデビットは抜きでお願いします。
オリジナルキャラのノアでもOKです。
3.確実に全員死にますのでご了承…
4.採用するのは作者の気に入った5名までとさせてもらいます。
尚,後発でも私が好きだと思ったキャラの場合登用される可能性がありますので
ドシドシ募集してください^^



D,gray man 闇ノ支配者ハ血ノ海デ嗤エ


第二章:ルージェ
第二十一話「終わりと始まり」

『ヤレヤレ…俺は鼠扱いか…』

ちらりと下を見ると森林の方に人影,どうやらフィアルテ達はクロウリー城から脱出できた様だ。
心の中で嘆息しながら死を悟りラウは目を瞑る。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



    —諦めナイで…貴方に罪は無イかラッテ



                                   優しク言ってクレた君は果たシて本当の姿ナノか?—


                          〜ラウ・フェイ〜


≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒
(ラウ・フェイ視点)

ルカ……
アリス………
俺は,もう駄目みたいだ…

ルカ,お前には世界を見るという約束を果せなかった謝罪の言葉を…
アリス,お前にはお前の愛を受け止められなかった俺の弱さを謝罪しよう…
思えば,悔いの多い人生だった…ルージェの血を恨んで呪って1年が過ぎたのは思い返してみれば滑稽な事だ。
過去は取り戻せないから恨むんだと…何時までも女々しかった俺に救いの手を差し伸べてくれたのはアリスお前だった。

有難う…心の底からそう思って居たのに…何でだ?俺は何で恩を仇で返す。
ルージェの目的と仲間を生かして逃すと為には最も効率的だという大義名分…
自分が死んで誰が苦しむか,考えもしないで…

「なぁ,何で今更俺にチョコを渡す?」
「カイ君に言われたんだ……何時も,ラウ兄さんが私の事を気にしている事。
一番ラウ兄さんがアタシの事を気にしている事」


「それで良いのか?お前の意思は……」
「あたし,いっつも目を逸らしているの。ラウ兄さんから…ラウ兄さんが一番好きなのに」

「嘘だろ?」
「本当だよ……本当」

俺達の意思は…思いはつい数ヶ月前に交わったばかりだった。
俺もアリスも結局は最も愛する者を遠ざけたいと言う思いで近付こうとしていなかったんだ。
其れをカイの奴が後押ししてくれて今がある。数ヶ月,表には出して居ないが感謝している。
はぁ,いちゃつくのが恥かしくて全然,愛し合ってる男女らしい関係は汲めてないんだがな…
全く…女々しいぜ。



そして,ルカよ…
俺はずっと前から気掛かりな事があるんだ,俺の心の中のお前は何時も嗤ってる清純なお前
だが,本当は死ぬ瞬間どす黒いほどの殺意を俺に抱いていなかったか?
魂はどうだ……ルージェは死ぬ間際,
天国とも地獄とも着かぬ場所に引き寄せられる時,最も愛した死した存在と再開すると聞く。
お前の意思は……お前の思いは—————?



============


ズゥン…


体中を衝撃が走る。
どうやら走馬灯も終り地面へと叩きつけられた事を理解する。
地面は陥没し大量の土砂が空へと吹飛ぶ。
普通の人間ならこの衝撃で五体がバラバラになるがラウはルージェゆえ頑健だ。
楽に死なせてくれ……自分の心を痛くする懺悔なんて長時間させないでくれ…
その頑強さが今は憎い。


ザッ___
「まだ,死んでなかったのか」
「生憎と鼠はしぶとい……もんでね」

「そうか」

「ははっ,俺の勝ちだな…おい?俺の仲間は皆逃げ遂せたみたいだぜ。
そして,俺はこのクロウリー城にある結界を破壊した……アンタみたいな強い奴に…」
「そうだな…お前は死ぬが…な」




                          ===ドッ===



粉塵が止んで行く。
月の光に乱反射して輝く様が美しく見える。
其処に天女と見紛うような美しい女が降りてくる。ラウを追詰めた女,七夜風危その人だ。
ラウは死期を悟り微笑を浮かべる。
風危の瞳には欠片の感情も映っていない。
唯,肉食獣が餌たる草食動物に止めを刺す時の様に何の感情も持たず冷徹だ。
それがいっそ清清しくさえある。

ラウは大の字になり身を委ねる。
やる事はやった。今更,後悔しても遅い。どうしても助からない。
最後に自分のなした事の大きさを噛み締め溜飲を下げる。
瞬間刃が降りる———



      ___心臓に深々ト




                            ラウの命は潰えタ———


是で漸く長年の謎だった初恋の女の死別の時に抱いた感情が分るとラウは
表面上は安らかだった。



_______________
(ラウ視点)

俺達は命が消える間際夢を見る。
そう,良くレフの爺に教わった物だ…その夢はかつて愛した人間との邂逅らしい。
何故,死ぬ間際にそんな事が起こるのか…俺には分らない。
多分,俺達は皆力を手にした瞬間から愛したルージェ以外の普通の人間を殺す運命なのだろう。

ルカ…
俺は何時も夢の世界でお前に話しかけていた…今や,お前の面差しも殆ど分らない。
お前の本音はどんなだ?
本当は怖くて怖くて……怖くて………堪らない。


大きな川の向こう…蓮の花が咲き乱れる花畑,其の先に華奢な女が立っている。
何の悪意も持たないような水晶の様に輝くあの瞳…

「ルカ…」
「あ……ラウ」



「ルカなのか!?ルカなんだな!!」
「ラウ………言いたかった事があるの」


「何だ…何でも言ってくれ」


あぁ,やっぱりルカだ。
身長は前より頭二つ分近く大きくなったか?
女性としては平均よりやや高めだな!身長とか胸の大きさとか気にしてたアイツが…
喜ばしい事だ。
俺は大きくなったルカを抱き締めた。
そして,ルカの言葉を待った。


「やっと死んでくれたのね…やっと言える」
「?」


「良くもアタシの事を殺してくれたな!!!しかも……他の女に現をぬかして!
憎いよ…アンタなんか大嫌いだ」


「俺は…態とやった訳じゃ…」
「………さっさと消えて。もう,アンタの顔なんて見たくないから」

「………」


『アァ…踏んだり蹴ったりだ』



ルカは綺麗に輝く双眸をキッと吊上げ憎悪の炎を燃やしながら今までに聞いたことの無い声で言う。
荒々しく俺を心底憎んでいる事が伝わるように…俺は慌てて弁明しようとする。
だが,アイツは言葉を淀めない…俺は空を見上げた。
あの世とこの世の境界でも空は尚,青く高く遠く澄み渡っていた。

俺は……そんな空色のルカを見ていたかった。
過去に犯した過ちは消えない…ルカの憎しみの炎は増長するばかりだった……
真実から眼を背けて…結局最後に落された…





人生なんてこんな物か—————


でも,気のせいかな…アイツないてた
ルカ・ジュリエッタは俺に憎しみをぶつけている時泣いてたんだ…
何でだ…俺には分らない。
分りたくも無い。

=======================


一方___
スーマンの風の力により逃げ切ったテッサイア達は何処とも知れぬ森の中に身を潜めていた。

「うっ……はっ!ラウ…ラウは?」
「分っているでしょう?」

道中でフィアルテが目を覚ます。
少し前まで本気で愛していた男が危機に直面している事を悟り
普段の冷静な判断が出来て居なかった彼女はスーマンに担がれそしてテッサイアに気絶させられた。

「何で…だ」

「……………」
「何で見殺しにしてそんなに冷静なんだセルラン!」


「腸煮え繰り返っているのは自分も同じです。ですが,我々は彼の意思を尊重せねばならなかった」
「命より大事なものか!?」

「………時として男の覚悟は命より重くなる。自分は其れを知って居ます」


彼女の嘆願にセルランは眼を滑らせ言葉を選びながら言う。
女には無い物が其処には有ったのだと…時として捨石になる事も必要なのだと。
其れこそが命の重みなのだと……
常に賭け事で命を懸けている男だからこそ其の言葉は重かった。

「………あの女…私が殺す」

「俺も手伝うさ…ラウは良い奴だった!」

「俺も手伝おう」
「テッサイア…」


「勘違いするなよ…唯単に俺達黒の教団の敵だからだ」
「他のお三方は?」

「無論手伝うさ…」
「当然です…名前と顔が一致する程度ですが僕達を逃す為に命を掻けた人なのでしょう?」
「まっ…組織の敵だしな」


「一人忘れてるである…」
「クロちゃん………」

暫し沈黙しフィアルテは冷え冷えするほど冷酷な怒気の篭った声で風危を殺す事を宣言する。
そしてラウと短い邂逅ながら分かり合ったラビも風危にフィアルテに近い復讐心を抱いていた。
テッサイア・クロウ・スーマンと夫々その言葉に呼応し関係は深まって行った。


________________

イギリス.エディンバラ

カイとクロエはレフの捜索を諦め結界の捜索に当っていた。
そんなおり,青のローブを着た不揃いな銀髪の白い肌の男が目の前に現れた。
カザーナ・リャドの一撃により甚大な損傷を蒙ったアルデバランだ。
体中にガタが来て居るためか長距離の移動が出来ずここに不時着した様だ。


「カイ…私がやる」
「クロエさん」

敵のまとう雰囲気から強さを察したクロエは逸るカイを制し前へ出る。

「ラウをやったのはお前か?」
「ラウ?さて…誰の事でしょう…今,私は頗る機嫌が悪い,気をつけた方が良い」


「お前がな…」


ガアァァン…
『何だこの剣戟は!?』

「ホォ,手負いの状態で我が一撃を止めるか。」
「ルージェの戦士ですか!?」

「物分りが良いな」

ガッ…

「ッ……ウゥ」

仲間の命が費える事をルージェは悟ることが出来る。
然し,誰に殺されたかどんな死様かまでは分らないのが現実だ。
クロエは目の前のAKUMAが彼を殺したのか気にかけていた。
それは目の前の存在が一重に強かったからだ。
いかにルージェでは弱いと言えラウとて相当の実力者だ。
簡単に遣られるはずが無い。目の前の男ほどの実力者でもなければ…
男はラウの事を知らない様だが戦意には満ち溢れている様だ。

どの道,敵だ。黙って返す訳には行かない。
前髪を風になびかせクロエは緑色の双眸をギラリと輝かせ抜刀する。
男は自らの獲物でその剣を止め第弐撃を飛び退り回避する。
然し,掠めたその一撃は彼の硬質な体を確実に抉っていた。


ザッ…

「私の名はアルデバラン・F・オーヴェンスワイト!偉大なるノア様の衛兵」
「そうか…私は騎士の力を有するルージェ,クロエ・エイジリアスだ」


「クロエ・エイジリアス…記憶しましたよ」


ズッ…
「行きなさい!レジスタ・ヴィオラ!!」

ガギィン
『硬いな……この力では歯が立たぬか』

『よし,この鋼鉄の兵団には歯が立たぬ模様』



互いの強さを認め合ったクロエとアルデバランは正対しあい名乗りあう。
瞬間,その空間の空気が張詰める。先手を取ったのはアルデバランだった。
リャド達との戦いの中でも使った意思無きブリキの兵団がクロエに襲い掛かる。

ブリキの兵隊の単調な攻撃などクロエの精錬された動きには当らないが
然し,クロエの攻撃も兵団に損傷を与えられない。
標的を損傷を与えられるアルデバラン本体に変えようとしても
兵団はそれは何としても阻止しようとする。
アルデバランは笑みを浮かべる。このまま行けば自らの勝利だと…相手は疲弊して倒れると。
然し,それは間違えだとすぐに気付く。


「成程な…どうやら,この剣じゃ無理か」


       
                       〜第三楽章「カイザー」発動〜



カッ…


「なっ?一瞬にして全滅…!?」


ドシャシャシャシャシャ


剣を柄に戻し技の名前と思しき物を口にした瞬間光が一面に立ち込める。
そして,居合い切りに似た所作の一瞬後には鋼鉄の兵団の体は真っ二つになり
機能を失い動かなくなっていた。


「ベリアル・スキン!」


ビキビキ…
「意味は無いぞ?」
「何を…私のベリアル・スキンはそいつ等とは遥かに硬度が!」


スパァ…


「なっ…なあぁぁぁぁぁ!!?」
「私のこの剣は敵の硬度を無効化する」


相手の剣が攻撃力特化のものと推断したアルデバランは先ずは身辺防護を徹底させようとする。
然し,その防御壁は彼女の剣には余りに無力だった。何故なら彼女の第三楽章に硬度は無意味。
一撃の下,ベリアル・スキンごと手を持っていかれる。
悲鳴をあげ逃げながらアルデバランは最後の力を発動する。
其れは,自分を中心とした球状半径二百mの鉱石全てを微粒子化して武器とかえる大技だ。


ズズズズズズ…

「寂寞の帝都(バドラー・ギルルディング・スティアレンス)」



サアァァ…

「クロエさん?」
「案ずるな…下らん」


                    〜第五楽章「風斬り」〜



ドパァ…


「……え?何が……我が最強の見えざる刃達が」



ドパァ…





ドサッ


微粒子化した埃の様な鉱石群,其れを高速で回転させながら相手にぶつける伎
周りの全てを切裂くと自負するアルデバランの切り札。
然し,クロエには全く通じない。その怒涛の攻撃を一薙ぎのもとに全て制し
アルデバラン本体までも真っ二つに切断するのだった。


アルデバランは何が起こったのか理解できず逡巡するが
自らのオイルが飛び跳ねるのを見て漸く
自らが生命維持できぬほどの損傷を負ったことを理解する。


そして,爆発した。


『矢張り,次元が違う…』
「然し,是だけ探し回ってレフ叔父さんの気配を感じ取れないのも可笑しいが…」

「結界の所在が分らないと言うのも可笑しいですね」
「ウンディーネ姉様の情報が間違っていたのか?」

カイは自らとクロエの雲泥の差を深く感じ嘆息する。
其れに対しレフの所在も結界の所在も分らずクロエも嘆息するのだった。


___________________


日本__江戸

鎖国を理由に国交を鎖したこの国は伯爵の絶好のAKUMA製造工場と成っていた。
その製造構造のホットラインである江戸に伯爵は居を構えている。
その江戸が今は炎上し瓦礫の山と化していた。
レイジア・ライクラインの仕業だ。千年伯爵は何とか攻撃を察知し瞬間移動で逃れていたが…


「あぁ,まさか…デビット」


自らを救う事に精一杯で大事な同志を一人失っていた。
其の同志は双子で「絆」のメモリーを有するノアの片割れ
双子は大層仲が良く一人だけ逝ってしまった事が一層悲しい。


ザッ…


そんな伯爵の元に客人が現れる。
白髪交じりのオールバックに眼帯と言う様相で威厳に満ち溢れた雰囲気の男だった。


「貴方は…」
「久し振りじゃのぉ伯爵?また,私と手を組まんか?」

「ロード,貴女が?」
「うん,使えると思って…」


「使えるぞい♪何しろ私はルージェの全てを知っていると言って良いからのぉ♪」
「ロード…デビットが死んだのは知っていますネ?」


「涙が出てる」

「デビットを殺したのは貴方の仲間でしょウ?」
「そうじゃが…其れは私の意志ではないよぉ?」


ズバアァッ…

現存するルージェの最高齢者,我欲に囚われた獣レフ・ボロディンだった。
伯爵と彼は過去,同居しあった事が有る。その経験上伯爵は彼が使える男だと知っている。
レフも其れを感じ取っていた。だからこそ取入る。自らの我欲の達成の為に…
然し,会談は早い段階で打ち切られた。
伯爵が手刀によりカマイタチを発しレフを切裂いたのだ。
レフを大量の血を噴出しながら口内から吐血し倒れ込んだ。


「伯爵?」
「フン…この狸メ。所詮は自己顕示欲と金銭欲しか無い小者ですヨ…」




そう言って伯爵はレフの脈と呼吸を確かめた後,彼の顔を一瞥し歩き出す。
江戸城が崩壊したのは予想外だ。計画に大きな支障が出る。今後の予定が山済みだ。
こんな男にか可面って居る暇は無いという風情で…


ニタァ…

『計画通り』


立ち去る伯爵の足音を聞き半眼を開けレフは凄絶な笑みを浮かべた。
伯爵はレフが死んだ事を確認した上で立ち去った筈だが何故彼は生きているのか?
彼の目的は何なのか…



                         ∞END∞


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