二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 東方 『神身伝』
- 日時: 2010/05/10 14:23
- 名前: お (ID: Gx2AelYh)
弾幕STG、東方プロジェクトの二次創作小説になります、かなりグダグダで、オリジナル設定にオリジナルキャラクター等が多数に登場するため、そういった物が苦手、もしくは受け入れられない方々は回覧を御控頂きますようお願い致します。
文章力、語学力、表現力に乏しいため、読んでいただく方に、かなりのご迷惑をおかけするかもしれませんが、それでも一生懸命に妄想し、一生懸命に製作していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
後、投稿方法等も曖昧にしか解っていないため、ページの区切り方等も不自然になったりする事もございますので、どうかご了承下さい。
そして、ご意見やご感想など頂けますと幸いに思います。
物語概要
とある青年、水上冬馬(みなかみとうま)はある日のバイトの帰り道に、不思議な狼に出会う。
その出会いが、彼を幻想の世界へ導くと同時に、壮大な戦いの渦へと巻き込んで行く。
現世と幻想、そして、もう一つの世界、全てが繋がる時、伝説は幕を開ける。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜目次〜〜〜〜〜〜〜〜〜
プロローグ
>>1
第一章 出会い
>>2>>3>>4>>5>>6>>7>>8>>9>>10
間行
>>12>>13
第二章 日常の終わり・非日常の始まり
>>14>>15>>16>>17>>18>>19
第三章 幻想郷
>>20>>21>>22>>23>>24>>25
- Re: 東方 『神身伝』 ( No.17 )
- 日時: 2010/05/08 13:23
- 名前: お⑨ (ID: NzSRvas.)
第二章 続3
そして、ある程度まで近づいたところで、月明かりが彼女の姿を映し出す。
白いドレスに、赤く大きなリボンの付いた変わった帽子、不思議な模様の入った紫色の前掛けをしていて、綺麗な顔立ちにブロンドの髪。
一言で言うと『綺麗』その言葉しか出てこない。
だが、状況が状況なだけに、恐怖の対象以外の何物でもない。
そして、次に発した彼女の言葉が冬馬の全ての理性を吹き飛ばす。
「でも、だからといって貴方に逃げ道がありまして?」
この女、不味い。
直感だった。
そして、そう思った瞬間には窓から外に飛び出していた。
『逃げ道がありまして?』言い換えれば『逃がさない』と言う事だ、言葉が通じるから大丈夫かも知れない、甘すぎる自分の考えに恥ずかしさを覚えながらも、それ以上に飛び降りた事の方が問題だった。
「まてまてまてまて、無理無理無理。」
地面が近づいてくる、当然の結果だ。
解ってはいても、それ以外に策が思いつかなかった冬馬には何とかするしかない。
「しっかりとなさい、大丈夫、しっかりとタイミングを合わせて膝で衝撃を和らげるのよ。」
直ぐ横でアドバイスが聞こえる、誰の物かなんて構っている余裕も無い。
言われたとおりに咄嗟では有るが、膝で衝撃を吸収する事を意識した。
そして、次の瞬間。
ストッ
信じられ無い事に、彼は病院の3階辺りから飛び降りて、見事に着地して見せたのだ。
冬馬は、余りの事に時が止まったかのように着地したままの姿勢で止まる。
「ほら、出来たでしょう。」
後ろから、聞いたことのある声が聞こえる、そう病室にいた女性の声だ。
「っく。」
振り向くことも無く、そのまま距離を取ろうと地面を蹴る。
すると、冬馬の身体は羽のように何メートルもの高さまで浮いてしまったのだ。
「な、何だよこれ。」
今までなら、飛べて1メートルちょいだったのに、難なく10メートルは跳ね上がった自分の身体能力に、混乱する。
「こらこら、話を聞きなさい。本当に最近の子は話を聞かないんだから。」
ふと声のする方を見ると、先程の女性が自分と同じ高さの所を飛んでいたのだ。
「うわ、グムムムム。」
驚きの余り、思わず大きな声をあげそうに成った冬馬の口を、誰かの手が押さえ込む。
その手に目をやると、その腕は得体の知れない黒い亀裂のような物から生えている。
今までに無かった身体能力に得体の知れない女性、更には亀裂から生えている腕。
最早、冬馬の混乱と緊張はピークに達した、その場でもがく様にして暴れると、体勢を崩して真っ逆さまに落ちていく。
再び迫り来る地面、これで何度目だろうか。
今度こそ覚悟を決めて目を瞑る。
- Re: 東方 『神身伝』 ( No.18 )
- 日時: 2010/05/08 13:24
- 名前: お⑨ (ID: NzSRvas.)
第二章 続4
しかし、何時までたっても地面に衝突する衝撃は来ない。
恐る恐る目を開くと、冬馬の身体は、空中で静止していたのだ。
意味が解らず、自分の身体を見ると、逆さまの状態のまま、自分の下半身が先程見た黒い亀裂に飲み込まれていたのだ。
「な、なんじゃムググググググ。」
「はいはい、お決まりの台詞はいりませんわよ、まったく、よく叫ぶ子ね。」
再び、直ぐ傍で女性の声が聞こえる。
見ると、驚くことに女性は空中に浮いたまま静止していたのだ。
「はあ〜、男の子が情けない。少しは落ち着いたらどうです?」
そう言って、呆れた様な視線をこちらに向ける。
『いやいや、無理だろ。』そこは頭の中で冷静に突っ込みを入れ、暫くもがいてみたが、一向に開放される様子も無い。
この状況で何をどうしても無意味な事を理解すると、諦めの極地から来る冷静さが芽生えてきた。
女性も、暫く冬馬のもがく姿を眺めていて、落ち着きを取り戻し始めたのを見計らい話しかける。
「どうです?少しは落ち着きまして?」
冬馬は、逆さまのままコクコクと頷き、女性の言葉に返事をする。
「では、話を聞いていただけますわね?」
再びコクコクと頷くと、口を押さえつけていた手がひょいっと亀裂の中に消え、その亀裂も消えてしまった。
よく見ると、女性の腕にも全く同じ亀裂があり、その亀裂の中に腕を突っ込んでいる。
そう、亀裂から生えていたのは女性の腕だったのだ。
どう言ったマジックなのかは解らないが、テレビに出た瞬間に話題になる事間違い無しだと思う。
そんな仕様も無いことを考えている冬馬に、女性が話しかけてくる。
「さてと、貴方は水上冬馬で間違いありませんわね?」
「どうして、俺の名前を。」
「そんな事はどうでもいい事ですわ。」
冬馬の言葉をあっさりと片付けて、会話を続ける。
「っで、信じられない事かも知れませんが、貴方は最早人間と呼べる存在では無くなっています。」
「・・・・・。」
その言葉に、何も返すことが出来ない。
否定したい気持ちはある。
しかし、病院から逃げ出してからのほんの5分ぐらいの出来事で、身を持ってそれを体験してしまったからだ。
「っで、この世界では最早貴方はイレギュラー、存在してはいけない者に成ってしまっています。」
「ど、どうして。」
言葉を口にしたはいいが、その理由は容易に想像が付く。
「言わなければ解りませんか?」
「・・・・・・・いえ。」
10メートルも飛び上がりそして見事に着地する。
それだけで、どれだけの混乱を世界に招くかは用意に想像が出来る。
何よりも、自分の周りの人間に迷惑をかける可能性すら出てきてしまう、そんな事が有っては成らない。
だが、それ同時にショックも大きい。
『存在してはいけない者』それは、自分の存在を完全に否定される事に他ならないからだ。
- Re: 東方 『神身伝』 ( No.19 )
- 日時: 2010/05/08 13:25
- 名前: お⑨ (ID: NzSRvas.)
第二章 続5
「俺は・・・・俺はどうすれば良いんですか。」
突然突きつけられた事実に、助けを求めるように自然と言葉が出る。
「安心なさい、貴方の存在できる世界に連れて行って差し上げますわ。」
冬馬は女性のその言葉に、思わず期待の目を向ける。
「でも、その前に。」
女性が何かを言いかけた次の瞬間、後頭部に強い衝撃と激痛が走る。
「かはっ」
そして、そのまま一瞬にして意識を持っていかれてしまった。
女性はいつの間にか作り出していた、亀裂に腕を突っ込み、その先は冬馬の後頭部を見事に捉えていた。
「普通に連れて行くのは面白くありませんからね。私も、傍観者として楽しまさせていただきますわ。ウフフフフ。」
黒く怪しい笑みを浮かべて、そのまま冬馬を担ぎ上げると、再び亀裂を作り出してその中へと消えていった。
第二章 完
- Re: 東方 『神身伝』 ( No.20 )
- 日時: 2010/05/09 10:39
- 名前: お⑨ (ID: QP4Yy5Wh)
第三章 幻想郷
んで、ここはどこなんだよ。」
冬馬はとある森の中を歩いていた。
意識を失い、次に目を覚ました時には木々が生い茂る森の中だったのだ。
幸いにも、日が出ていて明るくなっていた御陰で、歩くことは出来ているものの、完全に当ても無く、小一時間は彷徨っている。
「マジでありえないぞこの状況。あの女見つけたら・・・・・・・どうしよう。」
勢い良く文句を言うものの、あっさりと自分の意識を奪った女性を、どうこう出来る気もせずに、肩をおとす。
「ふ〜、取り合えず、このまま夜になるのはまずいしな〜、。」
冬馬は立ち止まり空を見上げる。
太陽は丁度真上の辺りに見え、木々の葉から差し込む木漏れ日が、とても幻想的な物を思わせるが、今の冬馬にそれを満喫すほどの余裕は無い。
「とにかく進もう。」
うだうだと考えていても仕方が無いと、再び足をうごかす。
「ん、待てよ・・・・・・。」
何かに気が付いたのか、再び立ち止まり上を見上げる。
「行けるか、行けるのか?」
何かを自問自答すると、足の感覚を確認するようにぶらぶらと振って柔軟をする。
軽い柔軟を終えると、意を決したようにその場に勢い良くしゃがみ込み、地面を力いっぱい蹴る。
すると、冬馬の身体は羽のように軽く舞い上がり、10メートル近い高さまで飛び上がったのだ。
「うお、マジですげえ。」
再び自分の驚異的な身体能力に驚くが、飛び上がったその目的を思い出し、周りへと目を向ける。
「なにか、何か有ってくれ。」
曖昧な希望を口にしながら、360度全てを見渡す、そしてその目に入ってきたのは、高台にある神社だ。
建物は良く見えないものの、赤い鳥居が目立つ御陰で発見することが出来た。
「あった〜〜〜〜。」
歓喜の雄たけびだった。
見ず知らずの土地で、永遠に続くかと想われた探索に、終わりが見えた。
- Re: 東方 『神身伝』 ( No.21 )
- 日時: 2010/05/09 10:41
- 名前: お⑨ (ID: QP4Yy5Wh)
第三章 続
「そんなに距離も無かったし、これなら夕方には着きそうだな。」
着地をすると、神社が見えた方角に向かって、力いっぱい地面を蹴り走り出す。
しかし、次の瞬間・・・・ゴッチーン。
想像以上のスピードと勢いが出たため、見事に顔面から木に突っ込む。
「○×@#☆△〜」
鼻に手を当て、その場にしゃがみ込むと言葉にならない声をだして蹲る。
「忘れてた・・・・・・。」
赤くなった鼻をなでながら呟くと、前方に気を付けながら、今度こそ、神社のあった方向に向かって走り出した。
驚異的な身体能力の御陰で、思っていたより、大分と早く到着する事が出来た。
高台の上にある鳥居を見上げる。
そこには、『博麗神社』と書かれている。
「はく・・・れい・・・・・・。」
確認するようにその文字を読むと、そこ続く階段をゆっくりと上っていく。
「・・・・・・人が居ますように。」
神にでも祈るかのように呟き、あがって行くと、綺麗に掃除された境内と、真正面にあるお賽銭箱が目に入る。
鳥居を潜り、真正面に有ったお賽銭箱の許まで進むと、キョロキョロと周りを見渡す。
「そんな挙動不審でどうしたの?お賽銭でも盗むつもりかしら?」
急に真後ろから、女の子の声が聞こえてきた。
振り向くと、そこには赤く大きいリボンをした、脇の露出した巫女服姿の女の子が立っていた。
「いえ、そんなつもりは。」
すぐさま、賽銭泥棒では無いことを伝えるが、少女は疑いの眼差しを向けてくる。
そんな顔をしなければ可愛らしい容姿をしているのに、勿体無い。
とか、何時もの如く仕様も無い事を思っていると、少女が再び口を開く。
「じゃあ、何の用かしら?っと、見た事の無い格好してるわね・・・・・・まさか迷い人?」
冬馬は、病院で寝巻きの代わりに着ていた、黒いジャージ姿だった。
恐らく、目の前の少女は、その服が見馴れない物だったのか、若干怪訝な顔を向けて、呟いた。
「確かに、迷っていますし、此処が何処かも解らないんです。
気が付いたら森の中に居て、そこからこの神社が見えたので・・・・。」
ごく普通の服装を怪しむ少女に、疑問を感じながらも、冬馬は自分がここに来た経緯を話す。
少女は冬馬の言葉を聞いてから、暫く黙って考え込む。
「いいわ、着いて来て。」
そう言うと、神社の裏側えと歩いていく。
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