二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

玲瓏カタルシス ◆ ポケモン
日時: 2010/09/07 22:23
名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
参照: ポケモン小説増えてきて歓喜してる俺。

(澄み切った夜空に、小さな星が瞬いた。)



■ご挨拶
どうもこんにちは、烈人から宮園紫奔とかいう名前になりました者です、初めましての方もこんにちは!
ポケモンの長編を書くことになりました。ハイ。ポケモン好きなんですよ自分(知るか

ジャンルはシリアス、ほのぼの、戦闘、微恋愛みたいな感じです。グロくはないのでご安心をw

題名—「玲瓏カタルシス」-「レイロウカタルシス」
玲瓏—「澄み切っている」
カタルシス—「心の浄化」

■注意事項
上記にも書きましたが、オリジナル要素満載です。そういうのが駄目なかたは注意してください。
更新は亀でも驚くほど遅いです。しかもこの世の終わりだと思うほどの駄文です。
バトル描写とか上手く書けないと思います。バトル描写を書くこと自体は好きですが。
おkな方だけ、どうぞ!

■スペシャルサンクス
氷橙風様、空梨逢様にオリキャラ投稿していただきました、有難うございます!


◆目次

序章 始まりロストアウト>>3

◇一章 黒い星は微かに微笑む

 一話 毛並みのぬくもり>>8>>11-12 二話 聖騎士団>>13>>16>> 三話 暗中渦巻き>>
 四話 手探り奇談>> 五話 闇の果て>> 最終話 静かな微笑>>

◇二章 追憶の歌姫

 一話 採用試験>> 二話 セピア色の追憶>> 三話 赤頭巾が歩いた道>>
 四話 笑うこともできやしない>> 五話 未定

※一話一話のタイトルは酷いのは……し、仕様ですからね! そして執筆されてない分は不定期に変わります。

Page:1 2 3 4 5



Re: 玲瓏カタルシス ◆ ポケモン ( No.9 )
日時: 2010/08/05 10:35
名前: ポテト ◆ymbs7pfL2w (ID: tfithZZM)

初めまして! 小説面白かったですよー!
図鑑完成を目指すのがきっかけで旅に出るっていうのが定番ですが、この作品はまったく予想外の展開で驚きました
描写が丁寧でわかりやすくって、読んでいてわくわくします(゜∀゜)ワクワク
アリアがこれからどうなるのか楽しみですね! これからも応援してまーす(´∀`)ノシ

Re: 玲瓏カタルシス ◆ ポケモン ( No.10 )
日時: 2010/08/05 19:20
名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)

>>ポテトさん
初めましてー! わわわ、嬉しいお言葉をどうも有難うございますっ^^*
どう森の方ですよね? よね?← ちゃっかりstkさせていただいてますコメ行きますね!

外道でごめんなさいw はい、そうなんです、普通じゃないんですよーw
図鑑完成とか全く関わってこないという最悪の事態になりかねない、ていうかなってます(ぁ
あ、有難うございますッ! 描写が丁寧とは、嬉しいです^^ わくわくするといっていただいて光栄です……!
励みになります!

応援有難うございますーっ! 頑張りますv アリアは苦労人になっちゃいまs(ry
コメントどうも有難うございましたーっvv

玲瓏カタルシス/第一話 毛並みのぬくもり ( No.11 )
日時: 2010/08/05 22:13
名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)

 どうすることもできなかった。まるで泡のように無力感が体を覆いつくして、やがて無力感という名の泡はひたすらに増殖していき、私の心の隙間を埋めていく。
 無力感だけで埋められた、隙間だらけの私。なにもない。なんにも、ない。私に、何があるだろう。
 死んだ。お母さんが死んだ。お父さんが死んだ。おばあちゃんが死んだ。弟が死んだ。思い出が死んだ。何もかもが、消えていった。焼けて、灰になってしまった。
 なんで? なんで私がこんな目に合わなきゃならないの? ねえ、どうして。ねえ、ねえ。
 目の前で尚も揺れている、幻想的な炎の群れ。現実感の無い綺麗な光景だけれど——実際は、綺麗でもなんでもない。人の命を、想い出を、何もかもを奪っていく残虐なモノだ。
 ああ、なんだろう。妙な脱力感が体を包み込んで、疲れ切った私の体がへなへなと崩れ落ちる。膝はもうがくがくで、使い物にならないだろう。ぼんやりとしながら燃えていく家を眺めていると、隣の家のリイちゃんのお母さんが私のほうへと駆け寄ってきた。
 気がつけば、エルシアさんが隣にたって声を掛けてくれていた。ああ、全然気がつかなかったや。なんだか、夢を見ているみたい。これが全部夢なら、悪夢なら、どれだけ幸せだろう。
 
「がうっ」

 不意に、体に重さが加わる。けれども人間のものではなく、ふわふわとした優しい暖かみを持つ毛並みの重さだった。相変わらずはっきりとしない意識のままそちらへ顔を向けると、小さい頃から一緒に住んでいるウインディが私の顔を心配そうに覗き込んだ。
 私のお母さんはポケモントレーナーだ。ウインディをメインとして様々なポケモンと旅をしたらしいが、ウインディ以外のポケモンは親友が経営している育て屋に預けているらしい。
 このウインディは、お母さんのポケモンだ。といっても家族みんなと仲が良く、よく一緒に遊んでいる。小さい頃からずっと一緒で、ウインディと遊ぶことが大好きだった。
 赤々とした燃えるような毛並みと、クリーム色のなめらかな毛並みが私の目の前で揺れる。ああ、ウインディは炎ポケモンだっけ。炎、炎、たくさんの命を奪う炎、思い出を消してしまう炎!
 やだ、いやだ、炎なんて見たくない。私に触らないで、近寄らないで! 全部燃えてしまう、ねえなんで私なの? どうして私がこんな目にあうの? 私が、私がなんで。

「……ぐるるッ」

 ウインディの心配するような低い唸りで、はっと我に返る。私にふわふわのあたたかい毛並みを押し付けて人間ならきっと笑顔だろう表情を浮かべながら、ウインディは私を励ますかのように顔を私の頬に摺り寄せた。
 つぅ、と頬を涙が伝う。収まっていたはずの哀しみが、一気にまたあふれ出してくるのがわかった。まるで波のように押し寄せて、一瞬息ができなくなる。ひゅう、と掠れた吐息が口から洩れた。
 
「……リアちゃん! アリアちゃんッ!?」

 ああ、エルシアさんが何か言ってる。なんて言ってるんだろう。でも、私にはどうでもいいや。
 あれだけ炎を恐れていたはずなのに、ウインディを抱き締めると段々と落ち着いてきた。次第に深いまどろみが私の脳を麻痺させるかのように手招きし始め、私はウインディの毛並みに顔を押し付けた。
 ちくちくはしなかった。ただ、優しい温かさが体全体に沁みていった。意識が、段々とまどろみの向こうへ落ちていくのを、私はなんだかとても冷静に把握していた。
 激情が、静かに収まっていくのを感じていた。哀しみが、不自然なほどにすっきりと退いていくのを、感じていた。


 目が覚めると、そこはアイリスの家だった。




-
ポケモン小説書くの楽しい。ていうか一話の題名変更しますごめんなさい。
一話次で終わります。なんか長くなった。

玲瓏カタルシス/第一話 毛並みのぬくもり ( No.12 )
日時: 2010/08/06 13:51
名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)

「アイリス、ウインディ知らない?」

 アリア達が住んでいる町は、海辺の町だ。すぐ近くに砂浜があるため、そこまで行って海でも眺めようということになったアリアとアイリスの二人は、寝巻きの上に上着を羽織るという簡単な服装で外に出た。アリアは服は全て燃えてしまったため、アイリスの服を借りてだが。
 砂浜までの五分も掛からない道のりの途中で、アリアがきょろきょろしながらアイリスの問うた。え? とアイリスは一旦聞きなおしたが、すぐに納得した表情になって言った。

「そういえば、見てないね」
「……どこかに行ったのかな」
「大丈夫、帰ってくるよ。ウインディがお前を置いてどこかへ行くはずないでしょ」

 微笑を浮かべながら、アイリスが言い聞かせるように言うと、アリアも笑顔になって「そうだね」と元気に返した。
 がさっ、とその時綺麗に整理された道の周囲に生えている草むらが揺れる。びく、と弾かれたように二人はそちらへ顔を向けた。ふとよぎるのは、外で出る直前にエリシアに言われた一言だった。

『最近、野生のポケモンが凶暴化しているらしいから気をつけてね』

 元は野生のポケモンも何も害は与えなかったのだが、最近になって急激に野生のポケモンによる人への被害が増えたそうだ。思わず二人は不安に顔を見合わせた。
 ざずっ、という荒々しい音とともに草がいくらか散った。二人が反射的に身構えると、微かな残像を残すほどの素早さで何かが飛び出した。

「……ッ!」

 針のように尖った黒い毛を持ち、しなやかにうなる肢体と黒と青の力強い脚を持つ、まるで血のように鮮やかにてかる凶暴そうにつりあがった赤い目のレントラーが、低いうなり声とともに草むらから飛び出す。
 レントラー特有の鈴ようによく響くどこか楽器じみた鳴き声が無雑作に伸びた雑草を揺らす。
 ばちばちとレントラーの体の周囲には静電気が散っていて、今にも襲い掛かってくるだろうということが簡単に予想できた。逃げなければ、という想いよりも先に二人の頭を支配したのは『おかしい』という違和感だった。

 野生のレントラーは何匹か見かけるが、コリンクやルクシオとじゃれていたり群れで戯れていたりと基本温厚な性格で、人間とも仲が良く危害を与えることは決して無かったのだ。しかし、今二人の目の前にいるレントラーは明らかに敵意をむき出しにしている。
 このままだと、飛び掛ってくるか技を放つだろう。アイリスはアリアの服の袖を引き、逃げるように顎で促した。
 とりあえず家に帰ったほうがいいだろうと来た道を振り返り、できるだけレントラーを刺激しないようにゆっくりと後ずさる。
 今走り出したら飛び掛ってくる可能性が高い。そうわかっていたため二人はそれ以外になにもすることができず、じりじりとレントラーに間合いをつめられていた。
 朝早いということと、彼女らが住んでいるのが森深くの田舎で住んでいる人が極端に少ないということが相まってか、周囲に人影は無い。大声を出せば助けに来てくれるだろうが、それでレントラーを刺激するわけにはいかない。

 どうしよう、そんな弱音を吐くことすらせずぴりぴりとした緊張感が重く流れる。
 ウインディが居てくれたら、とふとアリアは思う。しかしさっと周囲を見渡してもウインディはおらず、どうやらどこか遠くまで走りに行っているようだった。
 ポケモンに人が殺された、などということは聞いたことがない。けれど最近の野生のポケモンの凶暴化により確実に人が被害を受け、重症者まで出たというのは紛れもない事実だった。
 田舎だから、とどこか他人事のように安心していたことが、今となってあだとなった。


「——やって、サーナイト」


 ぴりぴりと張り詰めた沈黙を、どこかつまらなさそうな可愛らしい女の声が破った。




-
わー。うん。とりあえず一つだけ。レントラーは渡さない!(黙れよ

玲瓏カタルシス/第二話 聖騎士団 ( No.13 )
日時: 2010/08/08 10:05
名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)

  第二話【聖騎士団】


 目の前で静電気を散らしながら低くうなり今にも飛び掛ってきそうな頑丈なレントラーが、横から放たれた淡いピンクが掛かった赤紫色の光により吹っ飛ばされた。光はまるで衝撃波のようにうねりながらレントラーに降りかかり、横合いに吹っ飛ばされ草むらの上に倒れこんだレントラーをさらに追撃する。
 オーロラのように様々な光を綺麗に放っていた衝撃波が、ゆっくりと空気へ溶けるようにして消えていく。第二撃を受けたレントラーは吹っ飛ぶこともせず、瀕死の状態になっているのか起き上がる様子は無い。
 え? と思わず呆気にとられるアリアとアイリスは、状況をつかめないまま呆然を辺りを見回した。きょろきょろと不思議そうに、それでいて恐怖の名残がある不安定に揺れる瞳が、彼女らの正面の上方、つまりレントラーの真上辺りに浮いているピジョットを捉えた。
 大きな翼が立派なピジョットで、逞しくもあるが毛並みがよく整えられていて、見ている者を圧倒させるような並ではない美しさがあった。そしてそのピジョットの翼の脇に脚を下ろす形で座っている、桃色のセミロングをポニーテールにしている少女へと視線がうつった。
 手にはモンスターボールを持ち、つまらなそうに視線を宙へと彷徨わせる。地上にいる少女達が自分を見ているとしばらくの間が空いたのち悟り、ピジョットに地上に近づくように言う。

「……えーと、アリア、っていうのはどっち?」

 ピジョットから降りながら、少女が尋ねた。ピジョットの頭を一度撫でてから、肩に下げているショルダーバックの中から手に持つモンスターボールとは違うモンスターボールを取り出し、ピジョットを戻す。

「あ、……私です」

 緑色の髪を揺らしながら、少女のほうへとアリアが歩み出る。アイリスは警戒しているようだが、ポケモンを戻したことからどうやらこちらに危害を加えるつもりではないと判断したのだろう、アリアを止めはしなかった。
 アリアの姿を認めた少女は、「へぇ」とやはりつまらなさそうに呟いて、明るい緑色の瞳でアリアを見据えた。

「あたしはマリサ。……ちょっと一緒に来てもらうよ?」

 ポニーテールの少女——マリサはそう言うと身を翻し、アリアについてくるように手招きする。え、と思わず戸惑った声を洩らすアリアを手で制し、アイリスがやや強い口調で問いかけた。

「待って。貴女は、何者?」

 警戒心を露にして睨みつけるアイリスを、マリサは振り返って見据える。はぁ、と少々呆れたようなため息がマリサの口から洩れる。まあ仕方ないか、と心の中で呟いてアイリスに向かって言葉を紡ぎだす。
 一方のアリアはおろおろとするばかりで、どうすることもできない様子だ。

「んー……まあ、<騎士>ってところかな。そこまで大層なモノでも無いけどさ」

 マリサの言葉に、アイリスがはあ? と顔を顰めた。<騎士>という耳慣れない豪奢な単語に戸惑いを覚えると同時に、呆気に取られている様子だった。
 あはは、とマリサは軽く笑う。その笑顔には、少女らしさが強く現れていた。

「まあ、とりあえずきて。あ、アンタも一応ついてきてね」

 それ以上何か言うわけではなく、マリサは彼女らが目指していた場所——砂浜がある方角へと、歩き出していた。




-
マリサちゃんは氷橙風さんより頂きましたーv 有難うございますv


Page:1 2 3 4 5



この掲示板は過去ログ化されています。