二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 夢色パティシエール 〜新たな仲間〜
- 日時: 2011/01/19 17:15
- 名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)
ここは製菓学校の聖マリー学園。ここには中等部で有名な4人が居ます
「ちょっと待ってよー。行き成り特訓ってひどい!」
と怒っているのがいちご。
「仕方ねーだろ。お前が落第点取らなきゃこんなこと・・・」
とぼやいているのが樫野。
「2人とも相変わらずだね。天野さん、頑張ろうよ」
と励ましているのが安堂君。
「僕ならもう少し優しくするけどな」
とナルシストぶりを発揮しているのが花房君。
この4人は今から調理室で特訓をしに行くのです。そこに1人の女の子がやって来ました。転校生のようです。
「ねぇ。どうしたの?」
いちごは声を掛けました。女の子は言いました。
「今日からここに通う事になったんですけど教室が分からなくて」
すると親切ないちごは3人を連れて案内してあげる事に。
「そういえば名前を聞いてなかったね。何て言うの?」
いちごは女の子に聞きました。すると女の子は言いました。
「流星寺ゆりかです」
ゆりかは礼儀正しくお辞儀をしました。
「私は天野いちご。よろしくね」
- Re: 夢色パティシエール 〜新たな仲間〜 ( No.26 )
- 日時: 2011/02/05 10:00
- 名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)
「さてと詳しく話してもらおうかな?」
俯くゆりかの前には優しく微笑む五月と千乃介。しかし微笑みの裏には漆黒のオーラが出ていたのです。ゆりかは話そうとしませんでした。
「さっきの話は本当なのか?」
真は聞きました。しかしゆりかは答えようとしません。その事を知られてしまえばいくら幼馴染であったとしても愛想を尽かされて離れられるのが怖いからです。ゆりかは仲間を裏切りたくありません。一度は幼馴染とそのような事があったので余計に怖いのです。すると優しくゆりかは誰かに抱き締められました。どうやら3人から見ても震えていたのでしょう。
「怯えることは無いよ。ゆりかの考えていることなら分かっているよ。でもそんなことはしない。この前に約束したよね。もう隠し事は二度としないって。けれど今のままじゃ何も変わらないよ。その事を話してくれれば僕らだって守るよ。話してくれないのなら僕らだって相応の態度で接することになるよ」
千乃介の言葉はゆりかの心を暖めていきました。誰も信じたくない。そう思っていたゆりかは心を開こうと思ったのです。優しくされると誰でも信じたくなりますよね。今のゆりかはそのような気持ちなのです。
「千乃介・・・」
ゆりかは呟きました。幼馴染なら信じても良いんだと思ったのです。真と五月も心配そうな顔で見つめています。ゆりかは泣きたくなりました。さっきの出来事で驚いていただけだったのでゆりかは幼馴染の3人に頼ってみようという気になりました。
「誰にも話さないって約束してくれる?」
ゆりかの問いに幼馴染の3人は頷きました。落ち着いている間に話をしないとゆりかは抱え込んでしまいます。幼い頃からそばで遊んでいれば気付きますよね。
「それなら話すわ」
ゆりかは観念したのかドリームリボン家との約束について少しずつ話し始めました。
- Re: 夢色パティシエール 〜新たな仲間〜 ( No.27 )
- 日時: 2011/02/06 15:05
- 名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)
「実は私の親が勝手にドリームリボン家のトーヤと許婚にしていたの。だから私はここにやって来た。もちろん両親には秘密でね。私はみんなに迷惑を掛けたくなかった。だからずっと隠していたの。そうねたぶん6年間くらい隠していたわ。でも隠していたのにも理由があるの。3人に離れて欲しくなかったからよ。そのせいでさっきみたいな事になるなんて・・・。ごめんなさい。いちごにも迷惑を掛けてしまっているわ。本当はいちごの家と私の家とドリームリボン家が連携していたの。でもいちごは伝説の力を授からなかったから私が選ばれたの。これ以上4人を危険な目に遭わせる訳には行かないわ。だから明日にでもここから出て行く事にしたの。そうすればみんなに迷惑をかけなくて済むわ。もう二度と会えなくなってしまうかもしれないけどいちごには話さないでね。私の事で困らせたくないわ」
ゆりかはそう言うと歩き出しました。
「そんな事で出て行くのかよ・・・。ふざけんな!」
真が言いました。ゆりかは一瞬立ち止まると小さく微笑んで3人にこう言いました。
「皆と過ごせた時はとっても楽しかったわ。ありがとう。私にはやる事がたくさんあるの。もうここには居れないわ」
するとゆりかの頬を一筋の涙が伝いました。
「泣くくらいなら出て行かないほうが良いよ。僕らがずっと側に居てあげるよ。悲しい事なんか直ぐに忘れさせてあげるから。それともここに居るとゆりかにとっては何か不都合があるの?それなら出て行っても構わないよ。でも僕らはショックだよ。そんな風に思っていたなんてさ。幼馴染だから傷つけたくないけどこれ以上1人になりたいとか言ったら二度と許さないよ。いちごちゃんだって認めないよ。この間とかなんて僕らの前で泣いてたよ。大親友が居なくなるって。そうやって悲しんでくれる仲間が居るんだから別に無理に1人になろうとしなくてもいいんじゃないかな?」
五月の言葉はゆりかの心にストレートに入って行きました。ゆりかは小さな手を差し出しました。その手は震えています。そっと立ち上がった千乃介はゆりかを抱き締めました。
- Re: 夢色パティシエール 〜新たな仲間〜 ( No.28 )
- 日時: 2011/02/06 16:34
- 名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)
次の日からゆりかは授業に出席するようになりました。今日の実習はマカロンと言われました。マカロンは本当なら3年生でやる内容なのですが特別にやることになりました。
「(今日の実習はマカロンか・・・。なんで大嫌いな物を作らなきゃならない訳?大嫌いなスイーツなのに・・・)」
ゆりかは心の中でこう思っていました。
「今日も頑張ろうね、ゆりかちゃん」
いちごが声を掛けて来ました。ゆりかは頷きました。するとモンブランが言いました。
「マカロンならマロンペーストを入れると美味しいわ。トライしてみましょう」
ゆりかはモンブランの言うとおりにマカロンの生地にマロンペーストを入れました。そしてついにオーブンで焼くときになりました。
「(こんなの作りたくない・・・。あの事を思い出してしまうから。いっその事作れなくなればいいのよ)」
ゆりかはオーブンを睨みつけました。すると・・・。
パリーン!!
オーブンのガラスが割れると同時に調理室のゆりかに近い窓のガラスが割れました。真下に居たゆりかは怪我をしてしまいました。
「ゆりか!」
「「ゆりかちゃん!」」
「ゆりか!!」
慌てた4人が走って来ました。先生も物音に気がついてやって来ました。
「まあ大けがしてるじゃない。保健室に行った方がいいわね」
- Re: 夢色パティシエール 〜新たな仲間〜 ( No.29 )
- 日時: 2011/02/06 16:50
- 名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)
先生は真っ青になりながら言って来ました。ゆりかはその言葉を遮るように言いました。
「大丈夫です。これくらいの怪我なら当たり前ですか・・・ら」
ゆりかは調理台に捕まりながら立ち上がろうとしました。しかし大ケガなので立つこともままなりません。
「僕が保健室に連れて行きます」
そう言ったのは千乃介。ゆりかをお姫様抱っこで抱えあげると先生に言いました。
「分かったわ。安堂君。誰かもう1人手伝ってあげて!」
その言葉に五月が反応して手を上げました。
「僕も行きます」
そして先生は言いました。
「安堂君、花房君。流星寺さんを連れて行ってあげてね。他の皆さんは作業に戻りなさい」
ゆりかは千乃介に抱えられて五月もついて保健室へ向かいました。向かっている最中にゆりかは必死に抵抗します。保健室=病院と考えているらしく抵抗も尋常ではありません。
「離して!離して!」
ゆりかは必死に言います。
「駄目だよ。こんなにケガしてるんじゃ保健室に行かなきゃ」
千乃介は言いました。
「嫌よ!離して!私のことはほっといて!」
ゆりかは身を捩ってなんとか逃れようとしています。
「ほっとけないよ。そなケガされているとね」
五月が言いました。ゆりかはそれでも逃れようと必死になっています。
ついにはゆりかを千乃介と五月の2人で押さえて保健室に向かう事になりました。
- Re: 夢色パティシエール 〜新たな仲間〜 ( No.30 )
- 日時: 2011/02/06 17:16
- 名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)
保健室に着くと先生が慌てて中に入れてくれました。そしてゆりかの怪我を一通り見るとこう言いました。
「ここまでの怪我は対処しきれないわ。そうねドリームリボン総合病院に私の知り合いの医師が居るわ。連絡しておくから3人で行ってくれるかしら?」
千乃介は頷くと五月に目配せをしてゆりかを抱え上げました。嫌がるので2人は抑え付けてバス停に連れて行きました。ゆりかは必死に抵抗し続けました。バスに乗るとさすがに観念したのか大人しくなりました。
「大丈夫?」
千乃介は心配そうに聞きました。ゆりかは頷きました。それにしてもなぜガラスが立て続けに割れたのでしょうか。
病院のそばのバス停に到着しました。入口にはもう看護婦さんが待機していて3人は慌てて行きました。看護婦さんは言いました。
「学校から連絡は貰っています。ケガの処置をするので処置室へ行って下さい」
そして3人は処置室に行きました。するとさっきの看護婦さんがやって来ました。
「それでは処置を始めますよ。暴れられると困るので2人とも押さえていて下さいね」
そう言うと看護婦さんはゆりかの怪我を治療していきました。まずは少しだけ残っていたガラス片を取り除いてもらいますがゆりかは痛がって必死に逃げようとします。けれど2人が両脇から抑え付けていたので逃げ出すことはありませんでした。腕の治療が終わると今度はベッドに寝かして処置を始め出しました。千乃介は五月と共にゆりかを抑え付けていました。そして見える範囲の治療は終わりました。
「それじゃあ2人はここで待っていて下さいね」
そう言ってゆりかを連れて看護婦さんは暗い部屋に入って行きました。しばらくはバタバタ暴れているような音がしていましたが30分くらいすると大人しくなっていました。さらに30分経ってからゆりかは2人のところに戻って来ました。
「終わったよ。痛かったよ・・・」
ゆりかは千乃介に抱きつきました。そして3人は学園へ戻って行きました。
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