二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- たからものの死臭 【鋼錬】オリキャラ募集中!
- 日時: 2011/08/25 18:47
- 名前: 一条夏樹 ◆iYEpEVPG4g (ID: l4scGqhv)
【ハガレン、トリップ!】
※観覧注意
- Re: たからものの死臭 【鋼錬】オリキャラ募集中! ( No.13 )
- 日時: 2011/08/28 17:15
- 名前: レディグレイ (ID: JhSKFTjv)
一条夏樹さんっ!!
すごい!!!素晴らしいですっ!!
有難うございました!!!
そうですねw女の子×刀って萌えますよねwww
父親が仏教信仰しているという設定で。←
では、これからはフレンドリーに呼びタメというのはどうでしょう。←
あ、だめならいいんです。
- Re: たからものの死臭 【鋼錬】オリキャラ募集中! ( No.14 )
- 日時: 2011/08/28 18:11
- 名前: 一条夏樹 ◆iYEpEVPG4g (ID: l4scGqhv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
花と如月 長編付属 Short story
※グロ注意
両親が残してくれた喫茶店は、今も変わりなく営みを続けている。夜にはちいさな明かりが灯り、仄かに桃の香りが漂う。来店するお客さんはいつもと変わらぬ顔ぶれで、癒しを求めてここにやってくる。喫茶「桃子的花」——通称タオファ。私の唯一の、大切なもの。
「それで、今日はどうされたんですか。」
いつもと変わらぬ掛け言葉。口元に微笑を浮かべ、話に耳を傾ける。最初に断っておくが、ここは洒落たバーでもなければキャバレーのママなんてやっちゃあいない。私が自主的に、お客さんの話を聞いているだけ。誰だって辛い時もある、それを一番良く知っているから。両親にも何度も何度もそう言われた。人も自分も大切にしなさい、誰かが不安になっていたら助けてあげなさい、聖人になれとは言いません、ただあなたには幸せになって欲しいの、お願いわたしの優しい子、母の穏やかな笑顔は、今でもこの目に焼きついている。
人は貪欲で、愚かで残酷だと悟ったのは6歳の頃。世界の全ては母や父であり、同時に私の全ても両親そのものだったのだ。それを奪ったあいつ等を、きっと一生憎んでいる。忘れることなどいつ何時もありはしない。そんなこと絶対にあってはならない。いつだってこの頭を離れない、漂う鉄の臭いと顔もわからなくない程ぐちゃぐちゃにされて、骨も筋肉もばらばらで。眼球すら抜き取られかつて優しい瞳があったはずの其処には黒い空洞が宙を見つめている。赤黒くて、きたない、吐き気がして、それを両親だと認めたくなかった。出掛ける前に見た母の赤いチェックのエプロンと、父が朝食肌身離さず持ち歩いていた銀色の腕時計、それを見たときの絶望といったら。「おかあさん、おとう、さん、」なんで寝てるの、ねえ早く起きてよ、あ、あああああああ。
逃げ出したくて怖くて理解できなくて必死で走った。景色なんて全然目に入らなくてどんなに目を擦ってもどんなに涙を流してもきえない光景が反転しては映る。どこまで来たのか分からなくなって疲れて倒れた。膝が赤い。血だ、そうだ、怪我をすると、血が出て痛いんだ。じゃあお母さんとお父さんは?痛くて痛くていっぱい血が出たの?そしたら、どうなるんだろう、・・・・・・そっか。「しんじゃう」んだ。私も死ぬのかな、嫌だな、でももうどうでもいいや。擦り剥いただけの膝と手がそこにはあるだけ。それから意識を失って、ふと気付けば病院の一室だった。嘘なら夢なら、どんなに。
「花咲さんは、とんでもなく悲しい事があって、それを理解できないことって、ありますか。」
客の一人が訊いてきた。その人はいつも週末に来る温厚そうな30代のサラリーマンで王さん、という苗字らしい、少し料理を啄ばんでは愚痴や家族の事などを零す。お馴染みの常連さんだ。
「・・・そうですね、ありますよ。」
「そんな時って、どうしましたか。」
カウンターを移動して珈琲豆を挽く。芳ばしい香りが辺りを包んだ。この人は、何故そんなことを訊くのだろう。私はそんなに悲しい顔をしているだろうか。
「どうしたって言ってもですね。私の場合、心が空っぽになった気分で何も考えられませんでしたね、だから——何もしていなかった、ということになると思います。」
「ありがとう。今まで自分がおかしいのかと思いましたが、同じような気分です。」
「何か、そんな悲しいことがあったんですか。」
王さんは伏せ目がちに言葉をとめた。なんだか彼がとんでもなくちいさな存在に思えて、同情したくなった。救いたい気分なのに、その人を救うことはできやしない。私にできるのはせいぜい、話を聞くことぐらい。
「・・・・・・・・・娘が、いえ、」
「ごめんなさい、変なこと訊いちゃいましたか。」
「いいんですよ。先週の水曜なんですけどね、今まで憎たらしくてしょうがない子で、何かにつけては口論ばかりしていたんです。ホラ、前にも一度話しましたよね。でもそんな子でも、愛していたんですよ。子を愛さない親なんて、いませんから。なにぶん急なもんで、友達と出掛けるといったきり。2tの大きなトラックで、撥ねられたそうです。」
後悔ばかりしてます、そう話したあと、王さんは席を立った。親を失えど子を失えど肉親とはもう体の一部のような存在なのだ。彼もわたしもそれを失くしてしまった。引っ張られて一緒に剥ぎ取られたもの数え切れない程たくさんあって、それは感情だったり笑顔だったりもっともっと大切な何かだったり、死んでしまった人と一緒に何処かへ行ってしまった。今日も明日も、その次も、私達はただ、空っぽになったこころを抱えて生きていくしかないのだ。からん、と店のベルが音を鳴らした。願わくば、此処に訪れる全ての人に幸あらんことを。私のような人間に、なってしまわないことを。
- Re: たからものの死臭 【鋼錬】オリキャラ募集中! ( No.15 )
- 日時: 2011/08/28 20:45
- 名前: 秋桜 ◆hIJueew2tI (ID: vLlTyC08)
っふぁあああああああ!!最高じゃないですかああああああああ!!←
なんでそんなに素晴らしく書けるんですか!?貴方は神ですか!?←
その文才が羨ましいです(´ヨM)←
ではまた来まっす
- Re: たからものの死臭 【鋼錬】オリキャラ募集中! ( No.16 )
- 日時: 2011/08/30 15:53
- 名前: 一条夏樹 ◆iYEpEVPG4g (ID: l4scGqhv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
※ボツになりました。保留スペース
- Re: たからものの死臭 【鋼錬】オリキャラ募集中! ( No.17 )
- 日時: 2011/09/04 16:09
- 名前: 一条夏樹 ◆iYEpEVPG4g (ID: l4scGqhv)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
もの≫ひと 長編 − 2 −
例えるならそれは、無。何もない、だれもいない、なにもみえずなにもきこえない、それを無と名付けて存在にしてみたけれど、確かにそこにありはしない。だから、無と呼ばれるものなんてこの世界にただひとつたりともないのだ。全ての出来事に意味が有るとしたら、理不尽だとおもうことも他人への感情だとかって大切なものなんだろうか。誰も無を知りはしないし当然わたしも知っているフリをしているけれど理解しちゃいない。ただ主観的な考えよりわたしを無にわたしの中ですることならできると思った。けどそんなの全て全て混沌とした意味と理由と感情と行動の間で起こるぶつかり合いなんだろう。わたしが望んだものは無だったけれど、結局最後までわかりはしなかった。此処にいるんだと絶望にも似た、されど喜びの混じる心音がきこえる。無性にやるせなくなった。
「それで、しばらく西へ行くと駅があるんですよね?」
耳横にヘアピンを刺しながら、淡々とそう口を開いた。目の前の少年——エドワードエルリックが頷く。殺風景な部屋とそこにぽつりと置かれた白い向かい側のソファに彼が腰掛けている。わたしはその正面に同じく座っていて、礼ぐらいは言っておこうとこうして対談しているのだ。
「ああ、にしてもあんた、目覚めた初っ端から介抱人に小さいだの何だの言ってくれるじゃねえか。」
申し訳ないことをした、とは残念ながら思っていないが、彼は本当に低身長で、そのうえ弟さんとやらがまた体格が良く、並ぶと別の生き物のよう。ここまで言うとさすがに悪い。「すみません、ありがとうございました。」わたしは、これからどうやって過ごしていけばいいのだろうか。平静を装ってはいるが、ここが何処なのか検討もつかないのが一番の問題だ。飛び降り自殺したら道端に倒れてて気分が悪くなっただなんて、言ってしまえば頭のおかしい奴だと思われかねない。——まあ、おかしいのはあながち間違っていない。自嘲ぎみに表情を変えた。
「じゃあな、まあ今後は二日酔いだなんてそういう風なことが無いように気い付けろよ。」
・・・・・言葉が足りなかったようだが、二日酔いだと勢いで説明してしまった。
「ええ。エドワードさん方は、これから何処へ?」
年齢的にはわたしが上だが(しかも二日酔いということで二十代ということにもなってるが)
「セントラルまで。最初は真っ直ぐそっちに行ける予定だったんだけど、ちょいと雑用を押し付けられたんで一時的に。」
いつまでも人に頼ってはいられない、そう教えられてきた。幸い言葉は通じるし駅だとか二日酔いだとか、一般的な単語もあるらしい。不安なのは金銭的な問題だが、まずは多くを知らなければ。玄関を出ようとして、聞き覚えのある声が聞こえた。
「兄さん!あとちょっとでもうセントラル行きの出ちゃうみたいだよ!」
「え、ちょ、おい時間は八時じゃなかったか?!」
「なんか一昨日から一本ずつ時間が早く変わったみたい。急がないと!」
ドアを開けて金属の鎧を着たアルフォンスさんが横をすり抜けて行った。ばたん、と開けかけたドアが音を立てた。背を向けていた部屋側に視線を戻すと、慌しく二人が走り回っている。ぼうっとそれを見つめている内に、すっかり出て行くのを忘れて、エドワードさんに不意に肩を叩かれるまで気付いていなかった。
「そうだ、あんたも乗るんだろ。」
「え?あ、はい。」「何処?」
しまった、と直感。口からぽろりと出た言葉は、
「ええと、セントラルに。」
じゃあ急げよ、という言葉と共に腕を引っ張られて明るい景色がひとみに映った。ああ、また世界に色が戻ってしまった。無にはなれなかった。ただわたしはわたしの中にある、唯一確かな存在。遠い日を見つめると、せめてもう少しだけいないきみに会いたい、そんな感情がまだ心のあちこちに散らばっているようだった。心地良い風がゆっくりと頬を撫でた。晴天の空がこちらを見下ろしていた。
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