二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】
日時: 2014/02/11 13:23
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21419

 どうも!私、夜桜(ヨザクラ)と申す者です
今回、ここに来てくださって有難うございます!!

ちなみに皆様は私の前作「イナズマイレブン〜心に灯る星」を知っていますか?
これは、それの続編、世界編となっております
できるならば、そちらを読んでからいらしてください
URLに前作を載せていますので、読んでください




 注意事項
・なるべく原作を元に作っていきます。
・誤字脱字あるよ。
・荒らし、悪口はよしてください。
・「オリキャラなんて嫌だ」という人は読まないほうがいいです。
・サッカーの試合内容が省略されても大丈夫という方はお読みください。
・パクリとかもやめてください(する人いないよね)



-----目次-----

プロローグ>>1

一話「はじまり」>>7
二話「FFI」>>13
三話「日本代表」>>22
四話「チーフマネージャーと医療責任者」>>28
五話「試合〜日記形式〜」>>68
六話「練習〜一人称、語り手〜」>>84
七話「ネオジャパン」>>86
八話「必殺技と恋と勘違い?」>>98
九話「思いと決意」>>128
十話「決勝に向けて」>>142
十一話「決勝開始」>>151
十二話「パーフェクトゾーンプレス」>>156
十三話「立ち上がれキャプテン」>>171
十四話「鷹、飛立つ」>>172
十五話「世界への切符」>>173
十六話「ライオット島」>>184
十七話「世界大会」>>185
十八話「親善パーティ」>>189
十九話「イギリスエリア」>>197
二十話「超高速ダッシュ」>>202
二十一話「パーティ」>>207
二十二話「イギリスの力」>>208
二十三話「英国の騎士」>>214
二十四話「俺だけの必殺技」>>215
二十五話「双子姫・ライオット島へ」>>216
二十六話「ムゲン・ザ・ハンドを超えろ」>>217
二十七話「呪縛」>>219
二十八話「怪我人」>>220
二十九話「もう1人の鬼道」>>226
三十話「究極のペンギン」>>227
三十一話「皇帝ペンギン3号」>>228
三十二話「監督代理」>>234
三十三話「ジ・エンパイヤ」>>235
三十四話「足音」>>241
三十五「敗北」>>243
三十六話「復帰と離脱」>>246
三十七話「記憶」>>247
三十八話「アメリカ戦」>>253
三十九話「アメリカ戦開始」>>256
四十話「同点」>>259
四十一話「不死鳥」>>260
四十二話「記憶の戻り」>>261
四十三話「新な真実」>>262
四十四話「イタリア戦」>>266
四十五話「ルシェ」>>268
四十六話「同点」>>271
四十七話「浅野レナ」>>272
四十八話「天使と悪魔」>>279
四十九話「ヘヴンズガーデン」>>280
五十話「天界の使徒」>>286
五十一話「デモンズゲート」>>288
五十二話「魔界軍団Z」>>289
五十三話「ダークエンジェル」>>292
五十四話「天魔」>>293
五十五話「ザ・キングダムの闇」>>294
五十六話「潜入」>>295
五十七話「陰謀」>>396
五十八話「RHプログラム」>>297













番外編<明日のための物語>

「小さな花」>>181







■柄風教えてくれバトン■(短編)
「いつもと違う」>>210
「桜のまじない」>>211



☆特別企画☆
【ミニキャラと遊ぼう♪】
第1回[星宮そら]>>221
第2回[凪原ゆうり]>>250
第3回[神田菜乃香]>>264
第4回[神田舞衣香]>>275
第5回[優樹つらら]>>287




<季節の出来事>
「happyHalloween?」>>105
「happyHalloween!♪」>>106
〜クリスマスversionⅠ〜【白雪の淡い思い出】>>161
〜クリスマスversionⅡ〜【白に染まることの無い漆黒の蝶】>>162
〜クリスマスversionⅢ〜【儚く消える白雪のごとく】>>164
〜クリスマスversionⅣ〜【初雪】>>167
【初詣】>>177
【バレンタイン】>>192 >>193
【君が淹れたホットチョコレートを】>>282
【冬のイベントと君の記念日】>>298


-----オリキャラ-----
星宮そら>>8 
月風かがり>>31
凪原ゆうり>>33 
優樹つらら>>44
神田舞衣香>>53
神田菜乃香>>81
柊ルナ>>82
浅野レナ>>83





☆来て下さった神と言う名のお客様(読者様)

・姫佳様
・桜花火様
・Koyuki様
・Kokuyo様
・桃李様
・桃咲 梨莉様
・天音様
・おかゆ様
・風風様


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Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.295 )
日時: 2013/04/05 14:31
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 五十六話「潜入」

突然響き渡る警報音

「何?…ってあのバカ共」
画面に映る少年たちを見て顔を引きつらせる紫の少女
「あっちゃー。どうする?」
「とにかくこっちが先よ!アンタはできるならフォローしておいて」



「見つかった?!逃げるぞ!!」
「どこに?!」
円堂、土方が言う
「どうにかして情報がある部屋を探さないといけないのに」

突然開いた扉から延びる手
先頭にいた円堂が引っ張られ続くように3人は中へ入る

扉は当然閉め、息をひそめる
「…行った、みたいだな」
鬼道が言う
「あぁ。助かったぜ」
円堂が自分の中に引きこんだ人物を見る
「え…そらっもごっ」
そらに口を抑えられる
「静かに。まったく危ないことしないでって言ったでしょ」
「そらさんだって、どうしてここに」
「話は後よ。こっちに来て」
窓を開ける
「俺たち証拠を探しに来たんだ!」
「知ってる。とにかく逃げるわよ」
円堂が言えばそらが言う
「どうしてだ!まだ証拠がっ!」
土方が言う
「アンタたちね…こっちはセキリティの方も考慮した行動をしてるの
 なのにアンタたちは馬鹿みたいにのこのこ来て、防犯カメラにもばっちり映ってるわよ」
そらが鋭く言う
「だが…」
「“だが”じゃない。なんでこの姿でくるの。せめて身元がばれない恰好をしてきなさいよ」

そらは藍色のパーカーを着ていて普段の制服姿ではなかった

「大丈夫。証拠の方は、大丈夫だから」

そう告げ窓から外へと出る
「今なら簡単に敷地外へいけるはずよ」
周りを慎重に確認をして進んでいると真横の窓が開き紫のフードが目に映った

「あ゛?まだ居たの?!はやく出るわよ」
「かがり?!どうして」
「話は後って言ったでしょ」
そらが制しかがりがタイミングを計り走り出す




「ここまでくれば一安心だね」
そらが言う
「おい、なんでお前らがいたんだ」
土方が言う
「こっちが聞きたい。人があれ程首を突っ込むなって言ったのに、なんでいるわけ?
 おかげで仕事が増えたわ」
かがりがフードを外し言う
「仕事って…?」

「私たちはみんなよりはやくガルシルドの屋敷に潜入していたの。もちろん探していたのは
 ザ・キングダムをガルシルドから解放するための証拠」
「外からネットワークに侵入して、防犯カメラの場所、死角、見回りの時間なんかも
 全部計算して侵入してたっていうのに、どっかの馬鹿たちがアホ丸出しでカメラに写ってるわ
 追いかけられてるわ…ホント、馬鹿ね。防犯カメラのアンタたちの映像消すのどんだけ面倒だったか」
かがりが言う



「進まないから、順を追って言うとね」
そらが経緯を説明する




「ガルシルドがしてること。つまり、家族を人質にして選手に限界以上のプレイを
 させている事が知れ渡れば、いいわけでしょ?」
かがりが言う
「やっぱり、やるんだ…」
そらが苦笑いを浮かべ言う
「善は急げって、言葉もあるしね。任せなさい、このあたしに扱えない
 コンピューターなんてあってたまるものですか」




「それで…」
「そう。とにかく、帰りましょう」
「分析しなくてもかなり大きいのが釣れたって事は確か」
かがりは言う




「…無茶、しないでくださいって言いましたっ!!」
ゆうりが言う
「それは…」
「怪我をしてないみたいなので見逃しますが、次は許しません」




「とんでもないデータよね。これ」
かがりがデータを見せ言う
「見てわかることは、ガルシルドが世界征服でも企んでるってことね」
「世界征服っ?!!」

Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.296 )
日時: 2013/04/29 17:42
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 五十七話「陰謀」

「世界征服って…?」
つららが小さな声で尋ねる
「データ。移している時から何となく気付いていたのだけど、改めてみて確信したわ」
かがりは言う

かがりは的確に話してゆく
「やがては武器そのものも自分の元で作る。そして供給する。そうしたら…?」
「世界を征服したも同然…ってことね」
そらが言う
「うわぁ」
明らかに引く舞衣香
「ひぃぃ」
肩をすくめる虎丸

「FFIを開催した理由もきっと各国を戦わせて、いがみ合わせて戦争にもっていくため…」
「それぐらいで戦争って…国のトップどんだけ馬鹿にされてるの」
かがりに続き舞衣香が言う
「同感。まぁ証拠も揃ってるし、久しぶりにいい仕事したわ」
かがりが憎たらしくみえる笑みで言う

「FFIの裏にそんな事情が」
「何が『私の愛するサッカーで世界平和を目指す』…だよっ」
風丸、綱海が言う
「許せない…サッカーを、そんな事に使うなんて」
円堂が静かに言う
「円堂君」
秋が心配そうな表情をする

「良かった…と思うべきです」
ゆうりが言う
「その証拠は此処にあるのですから」
「警察に持って行って、逮捕してもらえばいいんだよ」
ゆうりに続き菜乃香が言う

「これは俺が警察へ持っていこう」
響が言う
「私も行きます」
かがりは言う





翌日、響とかがりがデータを警察へ持っていくと
円堂と土方はロニージョ達へそのことを報告に行った

そして、その帰り
秋が慌てた様子で2人に駆け寄ってきた
「円堂君っ!響監督が大変なのっ!!」





響は病院のベッドに横たわっていた

「何があったんだ」
「警察へ行く途中にガルシルドの仲間に襲われたらしいの」
秋は言う
「ガルシルドに?」
「えぇ。宿舎を出たときからつけられていたみたいで。
 それがガルシルドの手下だってすぐに分かった響監督はそれを播こうとして」
「それは何とかなったみたいだけど、急に心臓が苦しくなったみたいで…」
秋に続きつららが言う
「どういう事だ?」
「響監督、昔から心臓に病気を持っていたみたいで」
「お医者様からは何度も手術を進められていたみたいですが、FFIが終わるまではって断っていた様です」
ゆうりが言う
「目が覚めたら検査をして、耐えられそうならすぐに手術をするって」
そらは言う


「そういえば、かがりは?アイツも一緒だったはずだろ?」
「かがりは警察の相手をしてるの。データは警察の元へ行ったわ」




夜の病院で円堂は監督に響が目覚めた事を連絡した


電話が切れてるとかがりは円堂に言う
「円堂。飛鷹連れて帰るよ。監督も言ってたでしょ?」
「あぁ」

「響さんっ!!」
その声を聞き円堂がその方向へ走る

響が飛鷹に何か言っていた
「…円堂」
呼びかけ言う
「いいか。円堂、どんな辛い戦いでも諦めるな。勝利の女神は諦めない奴が好きらしい」






「検査の結果もいいから、予定通り手術を行うそうよ」
秋はいう
「じゃあ、勝って勝利の手土産持参でお見舞いに行かないとっ」
そらが笑みを浮かべ言う



「響監督の事は私たちに任せて。手術終わったら連絡するよ」
舞衣香が言い菜乃香が頷く





試合目前で振動が起こった
「な、何。アレ飛行艇?」
そらが言う
「まさか…」
かがりが愕然と目を見開く

飛行艇から出てきたのはガルシルド

それを見るとかがりはすぐに携帯へ手を伸ばした



「…っ!」
かがりが乱暴に携帯を切る
「かがりちゃん…」
ゆうりが心配そうにかがりを見る
「警察は、そんなデータもらってないって…あん野郎。警察にまで圧力かけやがったっ」


ガルシルドが来た事で動揺が広がる
「…この試合、勝つぞ!」
円堂が言う
「え?でも…そうしたら」
「ガルシルドの好きにさせないためにも、絶対に勝たないといけないんだ!!」
「そうだよ、私たちはサッカーが大好きなんだよ。でもアイツはそのサッカーで…
 そんなの許されない。なら、勝たないとっ!絶対に!!」
そらは言う

「この試合、絶対に勝つぞ!!!」

Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.297 )
日時: 2013/05/11 18:59
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 五十八話「RHプログラム」

試合が始まってすぐロニージョが攻め込む

「何…可笑しい」
かがりはパソコンを取り出し何かを調べ始める


ロニージョの独壇場
誰にもボールを渡さずシュートまで運ぶ
だがそのシュートはゴールならず

「変よ。個人プレーからのチームプレー、それがザ・キングダム。なのに…どうして」
そらが言う

圧倒的なロニージョの個人技
敵味方構わないプレー

かがりの瞳が細める
そして、キボードで何かを打っているようだった

「まったく、面倒事ばっかりで嫌になる」



「お前、監督にRHプログラムをされたんじゃないか」
ラガルートが言う
「………」
ロニージョの足が止まる
「受けたんだなっ!RHプログラム…」
「し、仕方がなかったんだっ!!」
ロニージョは言う
「何時だ…」
「昨日」
「だからか。まだプログラムが体になじんでいないんだ」




「本当に面倒な事ばっかり。どうしろって言うのよ…」
携帯画面を見て少女は呟く
「スタジアムに急ぎましょう」






ザ・キングダムはイナズマジャパンへのマークを外しロニージョにマークをつける

ザ・キングダムが先制点を決める

「へぇ。上手いじゃない…」
かがりは言う
「どうにも出来ない欠点を補う方法…じゃ、あたしちょっと出てくるわ」
かがりはそう言いその場を去る
「え…?かがりさんっ!!」
春奈の声が響く



前半が終了した
ザ・キングダムに1点取られたままで終了







「時間です。証拠ってこれで十分ですよね?」
「あぁ。お前さん達はいつも厄介ごとに巻き込まれるな」
「自覚してます…」






「実験台はいくらでもいる」
ガルシルドは言う
「実験はそこまでだ」
強い声が響く
「おや。前監督ではないか」
ガルシルドは突如現れた鬼瓦、そして横にいる男を見て言う
「どうして此処にいるのか聞かないのか…?」

「お前には聞きたい事が山ほどあるんでな。事情聴取に付き合ってもらうぞ」
鬼瓦が言う

円堂と土方が駆け寄る
「どうして此処に」
「見ての通り、ザ・キングダムの本当の監督を連れてきた」
鬼瓦が言う
「レオン・サムスだ」
「私のチームに何か用か?」
ガルシルドが言う
「“私のチーム”…。良くいえますね」
皮肉にしか聞こえない言葉を発して現れるはつらら
「レオン・サムス監督を監禁して奪ったチームの監督…だというのに」
つららは言う
「監禁っ?!」
「本当のことだ」

「それから、RHプログラム。本当に面倒でやっかいな実験してくれるわね」
満面の笑みで言いながら歩いてくるはかがり
「RHプログラム?」
「サッカーをするための、強化人間プログラム」

「力をやってやったのに非難される謂れなないわ」
ガルシルドは言う
「いますぐあのデータ世界にバラ撒くわよ」
相変わらずの笑みでかがりは言い歩き出す

そして審判の元まで行く
「ソレ。渡して?」
かがりは言う
ソレとは審判の持つホイッスル
「これ…ですよね?ロニージョのRHプログラムの発動音」

ガルシルドは大人しく警察についてゆく
「大人しすぎて気持ち悪い…」


「鬼瓦刑事!!」
「円堂。お前からの資料が役立った」
「え?あの資料にプログラムの事まで?」
円堂が聞く
「いや。あれは…かがりからのものだ。それにレオン・サムス監督を助け出したのも俺たちじゃない」

鬼瓦の視線の先にはかがりとつららがいた
それに気づいたかがりは言う
「影山が残したのよ。それを渡しただけ」
「私はかがりちゃんに支持された通りに動いただけです」
つららは言う



ガルシルドはある言葉を吐き捨ててゆく

「だが忘れるな。私がいなくなった後、お前たちの家族がどおなるかを」

Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.298 )
日時: 2013/12/25 23:03
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)


 番外編<季節の出来事>

 【冬のイベントと君の記念日】


12月24日
世間ではクリスマスだといって賑わいをみせる
また、学生は終業式の処が多く明日からの冬休みに胸を躍らせている

「…明日から休みだっていうのに、なんであたしはアンタとここで書類整理をしないといけないわけ?」
控え目なツインテールを揺らしながら面倒くさそうに書類チェックをしている少女が呟く
「なんな事言わないで。僕的には役得だけどね!」
明るく応えるはクリーム色の長い髪を1つにまとめている少年
「職権乱用」
「してないよっ!!」
少女はため息をつく

少女の名は月風かがり
学園の時期生徒会長候補・現在、書記である
少年の名は亜風呂照美
学園の時期生徒会長候補・現在、副会長である

「先輩たち、絶対にメンドーだったから押し付けて行くし、アンタはソレを安請け合いするし…馬鹿なの?」
呆れながらかがりは問う
「そんなことないよ!承知したのはかがりと2人って事だったからさ!」
「ごめん。馬鹿だったわね。聞いたあたしがバカだったわ」
窓の外をみれば夕焼け空となっている
「日が落ちるのは速いね。かがり、これ終わったら一緒にケーキでも食べに行こうよ」
「この後はそらたちと会う約束だから」
明様に落ち込む亜風呂
それを横目にかがりは書類を戸棚にしまう
紫色のマフラーを巻き、かがりは立ち上がる
「終わったから、帰るわ。アンタは支度しなさい。遅れるとそらたちが怒る」
淡々と言う
それを聞くと同時に亜風呂は嬉しげに目を輝かせる
「うん!いやぁかがりも素直じゃないね。一緒に行くなら行くと言ってくれれば」
「置いていくわよ」
「調子乗ってすみませんでした!!!」
白色のマフラーに茶色のコートを羽織り亜風呂がかがりを追う様に生徒会室を出てゆく



空は青く、黒く、薄暗くなってきている
その下を歩き白い息をはく
「かがり、クリスマスだし僕にプレゼントのひとつでもないの?」
「あると思っているの?」
「いいえ。思ってません」
かがりの応えに対し亜風呂が言う
「まー、今回は僕があるんだけどね」
楽しげな声
亜風呂の足が止まるのを感じかがりはゆっくりと振り返る
「なに」
にやにやと笑う亜風呂を見てかがりは怪訝さを表に出す
「似合うと思ったんだよね〜。見つけたのは偶然だけど!」
そう言ってピンク色の袋を取り出す
それを見てかがりは瞬きをする
亜風呂の顔を見て、袋を見て、その行動を2回繰り返すと静かに声を出す
「…もらう理由がない。だから、いらないわ」
「そっちがなくても、こっちはあるの。贈る理由が」
落ち着いた声
顔をしかめるかがり
「知ってるんだよ。僕は」
亜風呂が言う
「君にとって今日がどういう日かを」
かがりが目を見開く
「それを知って、僕が何もしないと思うのかい?だとしたら君も考えが甘いね」
にこやかに笑う
「どこでソレを知ったというの?個人情報流失」
「そんな事言わないで。僕は感謝してるぐらいだしね」
亜風呂が笑みを絶やさすにいう
「クリスマスとか、キリストとか、そういうのじゃなくて。まぁイベントとしては重要だけど。そうじゃなくて」
真っ直ぐにかがりを見据える
その瞳から目を逸らす事が出来ずにいるかがり

「ありがとう。生まれてきてくれ。今日が君の、生まれた日。本当の誕生日だ」

空から零れる白い雪
「ありがとう。僕と出会ってくれて」
「ば、馬鹿じゃないの…?!」
かがりが焦りを見せ言う
「そういう時って…ありがとうとかじゃなくて“おめでとう”っていうんじゃないのっ?!」
動揺しているのが見てわかる
彼女は普段、冷静なぶんそれが剥がされたとき、可愛らしく愛らしい反応をみせる
段々と頬を赤く染める
「そうだね。おめでとう」
亜風呂が笑う
彼は笑う。いつも、笑う。それは自分のためで他の誰かのためで
「〜っ!いいわ、もらってあげる。変なものだったら許さないから」
袋を受け取り亜風呂より半歩前に出て歩き出す
顔はそっぽを向いている

半歩足りない距離感
手を伸ばせば届く場所
大きく足を開けば届く場所

少しずつ、僕等は近づいてゆく


Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜【世界で輝く星】 ( No.299 )
日時: 2014/02/11 13:28
名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)

 五十九話「決着」

“だが忘れるな。私がいなくなった後、お前たちの家族がどうなるかを”

ガルシルドが告げた言葉がザ・キングダムのメンバーの頭に木霊する



後半がスタートする

鬼道がロニージョのマークにつく
ロニージョはパスをする

後半のザ・キングダムの動きはパス回し
「なんでだ。ガルシルドはもういないっていうのに」
土方が言う

「いないからだ。いないから…答えが出なくなった」
かがりが呟く
「楽しくない。守りのサッカー」
「どうして、もうロニージョたちに強制する人はいないのに」
秋が言う
「違うよ。秋ちゃん、いないから…整理がついていないんだよ」
そらが言う


「がっかりだ!!」
土方が叫ぶ
「ガルシルドの奴がいなくなって本当のザ・キングダムが見れるかって期待してたのによぉ」

その言葉にロニージョは返す言葉を持っていない
「ロニージョ!」
レオナルドからのパス
鬼道とヒロトが迫る
「(こっちにはパス出来ない)」
方向を変えるがそこには土方がいた

「グレードアタック!」
土方がロニージョからボールを奪う
「これがイナズマジャパンのプレーだ!」

土方、吹雪、土方と渡る

「「サンダービースト改!」」

「カポエィラスナッチっうわぁぁあ!!」
シュートが決まる



「どうしたんだ。ロニージョ、前半よりキレがなくなってる」
円堂が言う
「ガルシルドは刑事さんたちが絶対逮捕するって約束してくれた
 もうお前たちに命令したりする奴はいないんだぞ」
「…違うんだ。確かに俺たちの目の前でガルシルドは連行された。でも、それだけじゃ何も解決してないんだ」 
ロニージョが言う
「俺たちの家族はガルシルドのグループ企業から仕事を貰っていたんだ
 もしガルシルドが逮捕されれば俺たちの家族は仕事を失ってしまう」
ラガルートが言う
「サッカーで優秀な成績を収めて、家族に楽をさせようして。逆に家族を苦しめる結果に…
 サッカーでの自由は手に入れたかもしれない。だが、ホントにこれで良かったのか」

“しん”と静まり返るフィールドに届く声

「…馬鹿みたい」

その声は小さく、呟くような音量
しかし、フィールドにいる誰もにその声は届いた

冷たく、感情の籠っていない声が

「なんだ!お前に何がっ!!!」
ロニージョがその声の主に叫ぶ
「ゆうり?」
鬼道がゆうりを見る

「馬鹿みたいだから、そう言っただけです。だって、そうでしょう?」
ゆうりは静かに言う

「大切な家族がいて、仲間がいて、大好きなサッカーもあって、これ以上…何を望むの
 ねぇ。誰が決めたの、家族に楽をさせてあげたいって思ってるのが自分たちだけって」
その言葉に息をのむ
「貴方たちが、そんなプレーを続けて、その家族は喜ぶの…?苦しいのが、自分たちだけ?
 家族だって、戦ってる。貴方たちがこの舞台にいる事を誇りに思って、頑張っている
 なのに…そんなプレーなの。そんなに、簡単に諦めてしまうような、半端なモノだったの…」

「でも…」
「ロニージョ。俺には兄妹がいる。一番上の俺が世界大会にいる間、寂しい思いをしている
 でも、弟たちは俺を世界大会に送り出してくれた。自分たちのよりも、俺がサッカーで活躍したいところを見たいからだ。弟たちのその思いがあるから俺は頑張れるロニージョ、きっとお前たちの家族もそうだ。お前のサッカーを、お前の活躍を見たいから、お前をこの大会に送り出してくれたはずだ」
土方が言う

「それに、勝てばいいって思わないの?貴方たちが勝って、世界優勝にまでいって、そして自分たちで家族を養える程まで成長すればいいの。自分自身の証明を、すればいいの」
ゆうりが淡々と、それでいて真っ直ぐに言う
“本当に家族の事を考えるのなら、自分自身を魅せてあげてください”
 
「俺たちは、勘違いをしていたようだ。いくぞ、俺たちザ・キングダムのサッカーで!」
ロニージョが言う
「皆!こっちのイナズマジャパン魂みせてやろうぜ!」
円堂が言う


「…ゆうり、よく言った」
かがりがゆうりが一瞥して言う
「…私が、言っていいことだったのでしょうか」
「いーのよ!さ、どっちが勝つか、最後まで見届けようじゃない」
そらが笑いかけるように言う
家族が大切で、家族に裏切られて、目の前で狂った家族を見て苦しんでそれでも自分を取り戻し真実と向き合う事の出来たゆうりだからこそ言えた事
彼女の思い。自分を思ってくれる人がいて、頑張れる自分がいて、それを家族と呼ぶのなら充分幸せということ
下向いてしまう理由が、後ろを振り返ってしまう理由が、どこにあるというのか

それからのサッカーは見るからに楽しいものだった
本気になったザ・キングダムと本気のイナズマジャパン
相手の本気がまた相手を本気にさせ、続く攻防
見ていて面白く笑みが零れるサッカー

結果は飛鷹のディフェンスから繋がったボールを吹雪とヒロトの必殺シュートでもぎ取った1点の差で
イナズマジャパンがザ・キングダムに勝利した

響の手術も成功した。だが、長い間のものだったため体力が消耗しており目覚めるまでは油断できない

「(響監督、俺たちやりましたよ。だから、監督も頑張ってください)」




この同刻に、すでに次の戦いがはじまっていた
すでに、ガルシルドの次の手が動き出していた

「…動き出している。もうすぐ、すべてが対面する」


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