二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ONEPIECE -海姫- 建て直し!!
- 日時: 2012/03/13 12:58
- 名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)
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海に愛された不老不死の少女
700回目の夏を迎える時
海への道は開かれる
海に嫌われる悪魔の実
ただ1人海に愛されるその実を
〝ウミウミの実〟と呼ぶ
その実を食べた者は海に攫われて、
700年目の夏まで老い、死ぬこともできずに
——直に海に攫われる少女
海に愛されたせいで
人とともに死ぬ事が出来ぬ、
哀れな海の姫—
√建て直し完了
一度更新は止まりましたが立て直しという形でまたスレをたてさせていただきました。
更新を待っていた人たちには頭があがりません。
どうかまた、この物語とセナ、そして私を宜しくお願いします。
√本編【未完】
微原作沿いだがほとんどオリジナル。
少しエース寄りだけどエース〝落ち〟ではないので恋愛要素ほぼなしな連載。
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一度に読みたい方はこちら【>>1-43】
√前スレでお世話になったお客様
・。*星空姫*。・様/氷兎様/なまくら将汰様/ゆえ様/凪様/ハノ様/ランランルー様/葵様/何でも様/Aerith様/星兎様/霧火様/月那様/白樫様/莉央様/Dr.クロ様
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- Re: ONEPIECE -海姫- 建て直し!! ( No.24 )
- 日時: 2012/03/11 15:27
- 名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)
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「も、もう行かれるんですか…?」
「え?ああ…、はい。もうログはたまりましたからね。」
記録指針を見せるセナに、レイは肩を落とす。
其れを見てセナは、ふふ、と笑った。
「………また、来ますよ。…必ず」
「っ!ほ、本当、ですか!?」
「はい。」
「じゃ、じゃあ……私と、友達になって下さいますか?」
「あれ?可笑しいな…。私達、もう友達でしょう?」
「!!!…はい!」
「…ふふ、また会いましょう。」
セナは、レイの頭をなでると、静かにイルカに飛び乗った。
レイが、何時までも後ろ姿を見ていた。
***
「次は、……夏島、シーアイランド……ですか。」
シーアイランド。とても有名な観光地。
瑞々しい南国フルーツと、綺麗な海でお馴染みだ。南国フルーツと言えば……白ひげ海賊団一番隊隊長の頭を思い出す。
笑いを堪えて、見えてきた島に心臓を弾ませた。
「アロハー!ようこそ、常夏の島、シーアイランドへ!」
上陸したら、すぐにナイスバディの女に話しかけられる。ブロンドヘアは、端正な顔立ちを引き立てている。
にこ、と笑い返して、町へとはいっていった。
どんっ、
突然、誰かとぶつかる。見れば、オレンジ色の女。これまたナイスバディだ。
「大丈夫ですか?すみません。」
「……え、ええ…、大丈夫よ……って貴方っ!」
「あ、…泥棒猫様じゃないですか。」
泥棒猫、ナミ。ああ、ぶつかったのはこの人か。
「海姫…っ」
「私は、セナですけれど」
「…じゃあ私の事もナミって呼んでくれない?」
「………ナミ、さん。」
「んー…まあいいわ、貴方も此処にいたのね。」
「はい。」
そう返すと、ナミはセナの手をとり、にっこり笑って言った。
「あ、じゃあ……私の船に来なさいよっ!この島にいる間だけ!」
「…でも、海軍…」
「大丈夫よっ!この島、海軍支部ないし」
「…………はあ、わかりましたよ」
ついに折れたセナはナミについて行った。
***
メリー号。羊を象った船首は、微笑んでいるように見える。
大事にされているのですね、と笑った。
「あーっ!お前、……えーと……不思議な女!」
「………セナ、です。」
ナミが連れてきたセナを見た途端、ルフィは叫び声をあげた。
しかし、名前が分からなかったらしい。セナは苦笑いした。暫く、メリーを見上げていると、ウソップが「早くこっちへ来いよ」とセナを、船へあがるように促す。
それを聞いてセナは、シャボン玉が弾けた様にハッとすると少しばかり慌てて船に乗った。
「前の戦闘見て思ったんだけどさー…お前強いんだなあ!」
「ああ、麗しきレディ。貴方の美しさには空を翔けるペガサスでも敵わない…」
「うるせえラブコック。てめえペガサス見たことあんのかよばーか」
「何だとぉ!??クソマリモ!」
「ふふ……久しいわね、…海姫さん」
一斉にクルー達が話しかけて来る。
せめて、順番に話しかけて来て欲しいものだ。セナは、苦笑いを浮かべると、「こんにちは」と口を開いた。
「元気そうで、何より」
「苦笑いをするセナちゃんも綺麗だーッ」
サンジが、何時もの様に目をハートにさせながらセナの前に、美味しそうなコーヒーを出す。香りも良く、セナの長旅の疲れを思ってだろうか、砂糖とミルクはたっぷりで甘くしてあるのが分かる。
「有難うございます」
ふわ、とセナは微笑んでコーヒーを一口口にした。
——甘い。いやになるような、甘さではなく、上品な甘さ。
「…美味しい、です。サンジさん、有難う御座います。」
「それは良かった!」
コーヒーをごくごくと飲み干す。
もう一度お礼を言って、ロビン達の居る所へ向かった。
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- Re: ONEPIECE -海姫- 建て直し!! ( No.25 )
- 日時: 2012/03/11 15:30
- 名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)
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「あら、セナじゃなーい。一緒に海水浴しない?」
「ふふ、…きっと、楽しいわよ。」
「…え、でも私…」
セナは少しばかり躊躇ってしまった。
何故なら自分は、海に入れば人魚になってしまうのだから。
「………はい。しましょう。」
でも、折角誘ってくれたのだから。そう思って、水着を荷物の中から取ってくることにした。
水着は、深い蒼のビキニ。すぐに着替えて来て、海岸まで走った。
「きゃーっ!セナ可愛い!」
「似合ってるわよ。とっても」
「……有難う御座います。」
じゃ、早速泳ぎましょ!と、はしゃぐナミに、セナは微笑む。
後からルフィ達もやってきた。
「今から見る事は絶対に秘密にしてて下さい。」
セナは、そう言うと海の中にゆっくり体をつける。すると、下半身が魚になり、虹色に光り輝く鱗が出来た。
——人魚。それは、息をのむほど美しかった。蒼い髪は、水面でゆらゆらと揺らめいている。
ナミは水も滴るいい女って本当にいるんだな、と思って苦笑を浮かべる。。
「セナ!人魚って速いんだろ!おれと競争しよう!」
「……いいですけど、ルフィさん。負けますよ?」
セナに挑戦してきたルフィに、にやり、とセナは笑う。
よーい、どん!という合図に、セナは泳ぎ始めた。
結果は一目瞭然。セナの勝ち。
当たり前だ。ルフィは浮き輪で泳いでいる。それに能力者だ。それに対してセナは人魚。結果など、見えているも同じだ。
「くっそー…やっぱ速いな!」
ルフィは、にこにこ笑ってセナの背中をばしばし叩く。
セナは苦笑いして、砂浜へ戻るため、ルフィの浮き輪をおした。
***
暫く遊んで、船に戻る。
塩水によって、若干パサついた髪を洗い流そうと、女部屋に備え付けられた、シャワーを借りる。
花の香りの、シャンプーとトリートメントを手にとってプッシュした。
——ロビンの物だろうか。
隣には、オレンジの香りのシャンプーがあるから、きっとロビンのものだと思う。
「………ん、いい香りですね…。」
何の花かは分からないけれど、上品な香りでロビンに良く似合う。
今度から、このシャンプーにしようかと、ふふっと笑って、髪を洗い流した。
身体も洗って、シャワールームを出る。何時もの着物を着ず、おそらくナミの手によって用意された桃色のワンピースを着た。
「ロビンさん、シャンプー借りました。」
「出たのね。いいのよ、別に。……そのワンピース似合ってるわ。ナミちゃんと私で用意したのよ。」
「そうなんですか。有難う御座います。…でもこのワンピース、私には可愛すぎじゃありませんか?」
「あら、そんな事無いわよ。…可愛い。」
「……!ど、どうも…」
ロビンみたいな美人から、褒められると恥ずかしいのか、セナは、若干顔を赤らめる。
「……ふふ、…そうだ、明日ナミちゃんと私と、貴方で一緒にショッピングしない?」
「ショッピング、ですか。…ええ、行きましょう。」
少し頬を緩めて、笑う。
ロビンも笑った。
「メシだーッ!」
遠くから、声が聞こえて、キッチンまで向かった。
「今日は、前菜のオードブルと海王類の肉と野菜をふんだんに使ったスープに御座います。」
サンジの料理説明を軽く聞き流して、手を合わせる。
いただきます、と呟いてスプーンを手に取った。
「ん、美味しい。」
「その笑顔素敵だァ〜〜っ」
此の海王類の肉…、そう言えば今さっきウソップさん達が釣ってましたね。
ウソップにそう言うと、ふふんと笑って武勇伝を語り始めた。
「……で、チョッパーやルフィが驚いて立ちすくむ中、おれは勇敢に海王類にこう言ったんだ「おれの名は、キャプテーン・ウソップ。命が惜しければ、おれの言うことを聞け。」そう言うと海王類はおれの前に跪いたんだ。まあおれの威厳に怯えたんだな。それで…」
「ぽで、ほびへへへへほー?(おれ、怯えてねえぞー?)」
ルフィが喋るたびに、こちらに口の中の物がかかるからやめて欲しい。
相変わらず騒がしいところだな、と思った。
(全ては、ガラスケースに入っていた私を救ったのが始まり)
- Re: ONEPIECE -海姫- 建て直し!! ( No.26 )
- 日時: 2012/03/11 15:32
- 名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)
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歯車は廻り始めた。また全てを繰り返す。壊れたラジオの様に何度も何度も。何故人は、私は、全てを繰り返す。
「海姫を、渡せ!渡してくれたら…麦わらの一味、お前たちは逃がそう。」
吐き気がする。如何して此処までコイツ等は腐っている。
昨日の楽しかった時間が嘘の様だ。緊迫した空気が、張り詰める。
—海軍。セナを狙う海軍が遂に此処まで来てしまった。また、私のせいで皆が死ぬのだろうか。
冷汗が頬を伝った。
「セナは渡さねえ!帰れお前等!」
ルフィ。
「誰があんたらに渡すもんですか!」
ナミ。
「お、おお前らなんかにせ、セナは渡さねえぞ!」
ウソップ。
「レディを引きかえに、助かるだなんてこたァ…男が腐る!」
サンジ。
「ふふ、…海姫さんは渡せないわ。」
ロビン。
「てめえら命が惜しかったら、…今すぐ去ることを勧めるぜ」
ゾロ。
「セナは、渡さねえぞ!か、帰れお前らあ!」
チョッパー。
皆が、必死に海軍に反論している。襲いかかってくる海軍を蹴散らしている。どんどん皆が傷ついて行く。
私は、弱い。だから皆を守るために、此の世界の罪無き人を救うために。強くなったのに。
「結局、私は…何も守れない。」
短い時間だったけどまだ出会って1日とちょっとしか経ってないけど。
私には十分、皆の温かさが分かる。まだ愛しい人とまではいかないけど、大事、だ。
〝あの子〟に似た船長率いるこの、一味が。
「…待って、ください」
絞り出した声は、思ったより小さくて。
「待って、ください!!!」
やっと出た叫び声に皆が、私に注目する。時が止まったように皆の手が止まる。
「………もう、いいから。私、大人しく捕まります。」
「!!お、おい!セナ!!」
「ク、ククク…。それでいいのだ。さあ来い…海姫。」
それで皆が助かるなら私は喜んでこの身を捧げましょう。
大丈夫。私は死なない。
大丈夫。私は、また皆に会いに行く。
「……また、会いましょう。」
「!!!!」
わかってくれただろうか。私の言葉の意味を。
さようなら、じゃなくて、敢えて、また、という言葉を言ったのを。
.(濃藍の悲しさは全てを呑みこんで)
- Re: ONEPIECE -海姫- 建て直し!! ( No.27 )
- 日時: 2012/03/11 15:33
- 名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)
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「…はい。海姫を無事捕まえる事が出来ました。…はい。それでは」
電伝虫を置く音がする。それ以外は何も聞こえず、酷く静かだ。
錠を着けられていて、身動きが出来ない。
「海姫、やぁっと捕まってくれたなあ…。これでおれは昇格だあ!」
にやにや、と口元を歪めて笑う此の男が、気持ち悪く思える。思わず眉を歪めて、舌打ちをした。
それが男の気に障ったらしく、蹴り飛ばされる。微かに口の中に、鉄の味がした。
まだ、だ。まだ、逃げて駄目。
今逃げたら、コイツ等はルフィさん達を捕まえる。
本来なら、海楼石など、海と同じものだから別に外せるのだけど、今外して逃げれば、麦わらの一味が危険なのはわかっていたから、敢えてまだ逃げない。
「ってめえ自分の立場が分かってんのか!?」
「………………………………………」
「何とか言えよ海姫エ!!」
「…っ准将!」
「チッ、………何だ。如何した」
「あ、あの報告が…っ。…火拳のエースが、何やら不審な動きを…っ」
火拳の、エース。…エース、さん?
薄く瞼を開いて、聞き耳を立てる。
「行く町々の人に、黒ひげ……つまりは、マーシャル・D・ティーチの行方を聞いているようです!!そして、別の報告では………」
「………!!」
マーシャル、…D…ティーチ………?
確か、彼は。白ひげ海賊団の2番隊隊員。
何故、エースはティーチを追っている?……黒ひげとは何なのだろうか。
「……まさか、」
小さく呟いて、ぎゅっと目を閉じる。信じたくない。
でも、それしか考えられない。セナは海楼石を素早く解いて、近くに在った誰かの刀を取り、海軍の1人に向ける。
「……!??海姫!?貴様…ッ!」
「話せ!別の報告とは何ですか!」
「…………し、白ひげ海賊団の…4番隊隊長が、……死んだと」
ああ、全ての手掛かりはそろった。サッチは死んだ。おそらくティーチが殺した。エースがそれを追った。
おそらくそういうことだろう。刀を、置いて、へたり込んだ。
「…………っ」
何時の日か、〝あの子〟は言った。
〝きっと、何百年後に、…大きな戦いが起きるよ。大事なものを、かけての、大きな戦いが。〟
きっと、きっと。あの子が言った大きな戦いの、前兆。
パズルは着々と組みたてられている。
密かに声を噛み殺して、泣いた。
闇に対抗するには太陽は弱すぎる。
. 闇に呑みこまれる哀れな光
- Re: ONEPIECE -海姫- 建て直し!! ( No.28 )
- 日時: 2012/03/11 15:35
- 名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)
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「う…海姫が…ッ…逃げたあああ!」
暫く待って、ルフィ達は、もう大丈夫だな、と言うところまで進んだ。
何としてでも、エースを止めなければならない。
セナは、船から飛び降りると、海に飛び込んだ。
あれほど人魚になるのを否定してたけれど、今はそんな事言ってられない。移動手段では、遊泳速度が一番早い人魚の方が有利なのだ。
ぐん、と暗い底まで潜って、なるべく見つからないようにする。見つかっては今までの行動が台無しだ。
銀の泡(あぶく)が口の中から、ごぽ、と次々と出て来る。
どんどん冷たくなる自分の身体に構わず、ただ泳いだ。
—
どれくらい経っただろうか。
やっと海面に小さな乗り物が滲んで見えた。すぐに顔を乗り物の海面から出して、辺りを見回した。
此処は、確か、…トルーノ島。情報調達には便利な島。
横に在る乗り物を見ると、思った通り、ストライカーだった。
「………誰だ?」
ふいに声がして、顔を上げる。其処には、資料らしきものを持ったエースが居た。
「………っエース、さん…!」
「え、は、……セナ?何で此処に……」
「…貴方を、追ってきました。」
「…?」
「私も一緒に、連れていって。」
「…は」
「多分貴方は、ティーチさん……否、黒ひげを追うのをやめて、と言ってもやめないだろうから。……せめて私を。」
誰よりも仲間を失うことが嫌いで、誰よりも責任を持っているエース。
仲間ではないけれど、それはセナも同じ。
けれど、エースはセナを好いているから。だからこそ、きっと、断る。
「駄目だ。」
ほら、ね。知っていたよ。その答えを。
セナは、ふっと笑って浜辺へ向かう。段々、鰭は無くなり、人間の姿に戻った。
「……仲間でも無いお前を、連れていけない。…お前は、関係無いだろ?」
「…それでも、私はきみが、きみ達が、大事だから。」
「!!……っ駄目だ!」
きみは、優しいから断るって知ってる。
だけど、今だけは、私の願いを。
「………私には、大事な人が出来すぎた。
だから、その分皆を守らなければいけない。だから。」
「………お願い。」
エースは、小さく舌打ちをすると、「…死ぬんじゃねえぞ」と呟いた。
「はい」と言ったけれど、嘘だよ。…馬鹿だね。エースさんは。
季節は巡る。もうすぐ、夏が来るよ。700年目の、夏が。
. (最後の、夏が来る。向日葵を今年も見れるだろうか)
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